ランドセルとシガレット
俺は28歳、妻は26歳。
ある日俺のスマホに覚えのないアドレスのメールが届いた。
「知っておいていただきたい事があります。」との文面に、動画が添えられていた。
念のためにセキュリティを通してみたが、ウィルスは含まれてないようなので、動画を再生してみた。
妻が写っていた。どこかの喫茶店らしい。カメラが傾いているから隠し撮りしたようだ。
妻はタバコに火をつけた。童顔で髪の長い妻には、不似合いなタバコだ。そしてさかんに煙を鼻からも放ちながら、コーヒーとケーキを口に運んでいた。
音声は入っていなかった。画像は2分ほどで途切れた。
(これだけのことか……)俺は苦笑した。
メールの送信者が隠し撮りしたのだろう。そして妻がこっそりタバコを吸っているぞ、という事を俺に密告したつもりでいるんだろう。
だが俺は妻の喫煙を禁じているわけじゃない。
ただ自分がタバコを吸わないものだから、家の中では吸うなとか、口や指先に臭いがしみつくまで吸うなとか言ってるところはある。
そして妻も、タバコはそんなに吸うほうじゃないから、と俺の言う事に納得している。
だからメールの送信者が思ってるほど、この動画は俺たち夫婦に何の亀裂などを生みはしないものだった。
(それにしても……)俺は動画をあらためて見て思った。(こいつ、まるで中学生みたいなクセして、ずいぶんエロくタバコを吸うんだな。ヘタしたら補導されちまうぞ。)
俺はいちおう、そのメールに返信はしておいた。
「画像は拝見いたしました。」
┗━┓
そのひと月後、あのアドレスからまた動画が届いた。
「知っておいていただきたい事があります。」という文面に動画が添えられていた。
動画は正常なもののようだ。今度は何だろうかと、再生してみた。
どこかの小学校の中だった。
廊下を赤いランドセルを背負った女の子が歩いている。
チェック柄のスカートとみつ編みの髪が揺れている。
女の子はドアを開けて教室に入った。
教室の中に、背中を見せるように座ってリコーダーを吹く女の子がいた。
とは言え、またも音声は入っていない。カメラはしだいに女の子の前に回っていった。
「ええっ!!」
俺は声をあげた。ランドセルを背負ってリコーダーを吹く みつ編みの女の子は妻だったのだ。
(何のコスプレだよ。こいつ……)
と苦笑しつつも、(小学生の扮装もなかなかサマになってるなぁ~)と思って見ていたその時だった。
画面の端から手がのびてきた。
妻はリコーダーを置くと、それを受け取った。
それはタバコだった。妻がそれをくわえると、画面の端の手は肩が見えるほどまで伸びて、タバコの先に火をともした。
妻はタバコの煙を口から鼻から放ちながら、教室の中でくつろいでいる。
みつ編みやチェック柄のスカート、そしてランドセルが違和感ない妻に、タバコが一番似合わなかった。そしてその似合わないタバコが、俺のズボンの奥のチンポをくすぐったく刺激してきたんだ。
画面のむこうに動きがあった。
椅子に座ってタバコを吸う妻の前に、全裸の男の後ろ姿が現れた。
下っ腹の突き出た男の下半身には、小さなチンポがチカラいっぱい勃起している。
男はタバコを吸う「女子小学生」にそれを見せつけるようにシゴきはじめた。
妻はタバコをくわえながら、ニヤニヤした表情でそんな男を見つめている。
妻が何かを言った。すると男は腕を組んで、妻の前に少し歩み寄った。
妻は口からタバコをはなすと、男の下半身めがけて煙を勢いよく吹きつけた。
すると、勃起したチンポの先から白い液が曲線を描いて噴きあがった。
その白い液は、妻のはくスカートまで飛んでいくつもの白い痕跡となった。
┗━┓
その動画を見た夜、俺は妻を抱いた。
「いきなり、どうしたの?」
「理由なんかないよ。夫婦だろ。」
俺はそう言ったが、理由はちゃんとあった。
この次、動画が送られてくる時、妻は裸になるに違いない。それに備えて、妻の肉体を確かめておきたかったんだ。
「どう?」
ベッドに寝そべる妻に、俺はタバコを差し出した。
「え~っ、お家で吸うのダメって言ってるでしょ……」
「俺がいいって言ってるんだから、遠慮なんかするなよ。」
妻はためらいながらも、タバコに火をつけた。
ベッドの上で、タバコをくゆらす全裸の妻。
(この愛らしくて淫らな姿を、俺の知らない奴に見られてたまるか。)
俺は妻に「命令」を放つタイミングを待ちかまえていた。
「これからは、俺の見ている前でだけタバコを吸ってほしいんだ。」
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