浮世絵の女 3
母さんと仲が悪かった同居の祖父。
習字教室をしていた。
「孝之、来てごらん」
教室に使っていた和室に入ると、裸の少女が両手を縛られ、寝かされていた。
同級生の佳澄ちゃんだった。
太目の筆の穂先が佳澄ちゃんの濡れそぼる入り口にあてがわれていた。
「ほら、穂先がほぐれてきただろう」
「孝之の筆も下ろしてもらいなさい」
「お父さん。子供にそんなこと教えちゃだめでしょ」
母さんが習字教室に入ってきて、その場は撤収。
佳澄ちゃんはなぜか早々に転校してしまって、私の筆下ろしの機会もなくなった。
祖父は祖父で、母さんにはよくしかられていたが、まもなく他界した。
『古内君も筆を使ったのか』
病院のベッドで私はあらぬ妄想にとらわれていた。
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