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あ」「あっ、あっ、あっ、あっ!…………あ、あたしも……だから、もう……いいよ……ああああああ!」そして音が止んだ。数秒して「ああ、出てる……すごい……なんか……頭……溶けそう……」と嫁の蕩けきった声。「わかる?」「なんとなく、だけど」しばらく嫁の、はぁはぁと息切れする声。「……こんなの、初めてかも」「え?」「女で……良かったって、思った」「京子…」「守…」ちゅっちゅと唇が何度も重なっているような音。二人は、名前を呼び合いながら、何度もキスをしていたんだと思う。「守……ごめんね?」「いや、俺も、だし」「うん……もうちょっと、このままでいい?」「うん」「なんか……熱い、気がする」「ここ?」「うん」「大丈夫かな?」「……君には、迷惑かけないようするから」「ごめん」「謝らないでよ」またティッシュを取る音が聞こえた。それと同時に、嫁の「あ、いい。あたしが、する」という声。その後、ぺちゃ、ぺちゃ、と緩やかな水音と高木の「あ……京子、すげ」と消え入りそうな声が聞こえてきた。その後しばらく静寂が続いて、再び高木の声が聞こえてきた。「いつまで一緒にいれる?」「一応泊りみたいだけど……」「じゃあまだ、良い?」「ん、でも、匂いとか、あるし」「あー。じゃあさ、俺ん家どう?夜まで」「えー。でも……」「せめて晩飯だけでも作ってよ。京子の料理最後に喰いたいし」「んー、じゃあご飯だけね?」その後、服を着る音と同時に、ぽつりぽつりと嫁が話し出した。「本当はさー、前から気になってたんだよねー」「え?」「君のこと」「そうなんだ」「うん。めちゃくちゃタイプでさ、最初会った時、困った」「あー」「だから、あんまり連れてきて欲しくなかったんだー」ははは……、と高木の苦笑いのような声。「でも俺も、京子すげえ良いなって思ってた。羨ましーって感じで」「えー、絶対嘘」「マジマジ」「窓も開けときたいな。でもこっちだけにしとこ」と嫁の独り言と同時に、寝室のドアが開いた。そして二人が出て行く音を確認。その後しばらく書斎でうずくまっていたが、なんとか腰をあげて寝室へ。寝室のドアは開きっぱなしで、換気されていたけど、一歩入ると、男と女の匂いで充満していた。ベッド脇のサイドテーブルには、嫁の結婚指輪が置かれていた。その後、しばらく家で泣いていた。日が落ちたころ、家を出て高木の家に向かった。別に目的なんかなかった。高木のアパートの部屋には、電気が灯っていて、ずっと周りをうろうろしていた。一度部屋の扉の前までいって、郵便受けを開けて耳を近づけたら、うっすらと喘ぎ声が聞こえてきた。高木に現状を問うメールをしたら、「今俺の家でしてます」と正直に答えてくれた。「もう返してほしい」とメール。「わかりました。手はず通り、お互いの連絡先消すよう言っておきます」と返事。高木のアパート近くの空き地で待機。数十分後、部屋から出てくる嫁。玄関先で、ドアで半分以上隠れていたけど、高木の首に腕を回し、背伸びをしてキスをしている嫁。それから嫁は高木のもとを離れ、何度も振り返り、高木に小さく手を振りながら帰っていった。帰っていく嫁の車を見送って、しばらくしたら、俺は高木の部屋へ向かった。高木はびっくりしていたが、快く部屋に入れてくれた。当たり前だけど、嫁の匂いがした。キッチンなんかも綺麗に片付いていて、匂い以外にも、嫁の跡があった。高木の首元には、キスマークがついていて、それをちらちらと見てしまった。高木は高木で、目が泳ぎまくっていて、引きつった笑顔を浮かべ、わかりやすいほどに挙動不審になっていた。ただ俺に対する視線や口調は、少し上から目線というか、穿った見方をすれば、馬鹿にするようなものだった。実際馬鹿なのだから、仕方ないといえばそうだが。「この辺にいたんですか?」「いや、さっき帰った来たところ」県外の温泉に日帰りで行ってきたと嘘をついた。「どうだった?」「最後ですからね。燃えましたね。ああ、ゴムもちゃんとしましたよ」と聞いてもないのにゴムのことを言う高木。「連絡先は?」「ちゃんとどっちも消しました」「疑ってるわけじゃないけどさ、確認してもいいか?」「ああはい。勿論です」高木の携帯には、メールも含めて嫁関連のものは何もなかった。その日のことについて、高木から詳細は聞かなかった。というより聞けなかった。責める気にもなれなかった。高木に対しては、劣等感というか、敗北感だけしかなかった。それで高木宅を出て家に向かった。泊りで出張ということになってるので、帰れなかったが、外から家を眺めていた。そんな時、嫁からメール。「今日もお疲れ様。気をつけて帰ってきてね」その後は、とても寝れそうにないと思って、ネカフェにいって、これを書いてた。かなり興奮しながら書いたので、誤字脱字は勘弁してほしい。途中何度か店を出て、家を見に行ったりもした。出かけたり、誰かが来た様子は一晩中無かったと思う。翌朝。というか今日の朝。予定を早め、駅に迎えにきてほしいと嫁にメール。すぐに車で来る嫁。いつもと変わらない嫁だった。当然結婚指輪もしてる。殆ど徹夜だったので、頭が重く、鈍い感情しか浮かばなかった。「早く終わったんだね」そう屈託の無い、嬉しそうな笑顔。「帰ってこない方がよかった?」と本気で聞いてしまった。嫁は冗談だと思ったんだろう。俺の肩を叩いて、「何言ってんだか」と乾いた声で笑い飛ばされた。家に帰ると、嫁はやたらとくっついてきたりした。一人ソファに座ってると、いきなり後ろから抱き付いてきたり、隣に座って腕を組んできたり、猫撫で声で甘えてきたり。更には飲み物ほしくて席を立つと、袖をつかんで一緒に歩いてきたり。最終的には、昼間からHも要求してきた。そして抱いた。その最中の喘ぎ声は、高木に聞かしていたような、甘く切羽詰ったようなものではなかった。今までは気にならなかったけど、俺へのそれは、高木へのと比べると、無味無臭というか、明らかにどこか事務的な声だった。卑屈になってた俺は、ゴムをつけようかと自分から提案してしまったのだが、嫁は生で、中に出して欲しいと言ってきた。俺は要求に応じた。勿論、その意味もわかっている。俺が嫁の中で果ててる間、嫁はずっと俺の目を覗き込んでいた。それはとても優しい目だったが、、どこか憐憫というか、可哀想なものを見るような、そういう目だった。そして嫁は、ふっと表情を和らげ、「すごい、良かったよ」と微笑みながらそう言った。その後、隠れて嫁の携帯をチェックしたが、やはり高木の連絡先などは全て消えていた。ただ、偽高木メールを確認すると、昨日の晩に一通だけ来ていた。連絡先を消す前の最後のメールだったんだろう。「今までありがとう。色々とごめん。向こうでも頑張ってね。これを最後に約束どおり全部消すね。君には色々と伝えたい気持ちがあるけどそれは心にしまっておきます。さよなら」これで終わり。今は興奮状態が続いているけど、なんとか嫁の前では平静を取り繕えてる感じ。これからどうするのか、全然考えが纏まらない。頭真っ白。ただ一つはっきりしているのは、頭がおかしいと思われるだろうが、以前より確実に嫁を好きになっている。ずっと嫁のことを考えて、好きで好きで仕方なくなっている。誰を責める気にもなれない。当然自業自得だし、こうなる可能性も、もちろん考えてはいた。ただ嫁から離婚はないって保険があっただけ。当然俺からもない。覚悟はしていたつもり。少し落ち着いてきた今、吐き気と眩暈がすごい。意味もなく、落ち着き無くぐるぐると歩き回ってしまう。でも最初に書いたとおり、こうなることを望んでいた気もする。その辺は自分でもよくわからない。一人になると、すぐに泣いてしまいそうになる。

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不倫・浮気・寝取られ | 【2019-05-02(Thu) 23:00:00】 | Trackback:(0) | Comments:(0)
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