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少年実話16

相手を好きになり、気持ちを認めてもらえると、”エゴ”が出てくる。
エゴから、”独占欲”に発展して、最後は”嫉妬”になります。

不思議な魅力を持った彼女に、久し振りに本気になり、
必死で会いに行きました。2日に1回のペースで・・・。
ハッキリと自分の気持ちを彼女に伝えられずにいました。
やっとの思いで、彼女とデートの約束を取り付けました。
「明日は、お休みだから、明日ならイイよ。」と言ってくれました。
当日は、只、食事しただけで彼女を近くの駅まで送って行きました。
何せ、真剣に想っていたので、”1人プラトニック”でした。
彼女には「無理すると後が続かないよ。」とあしらわれていました。(恥)
彼女は不思議な子で、”本名”も”住んでる場所”も”出身地”も
こちらから聞くと「君は知りたがりだね。」といつもカワされました。
4回目のデートの時、初めて「今日は帰らなくてもイイよ。」と言ってくれ
俺のウチに来ました。その後は会う度に、「君と居るとホットする。」と
彼女が言ってくれるので、その言葉を励みに無茶苦茶、頑張りました。
3ヵ月も経つと俺はすっかり恋人気分でした。
ところが・・・、彼女はイキナリ意味不明の質問を俺にしました。
「私とチャンと付き合いたい?」ん???俺はもう付き合ってるやん。と
思いましたが、「え、あっ。はい。」と言うと彼女は一言
「今日から、私のウチに来て耐えられなくなったら、直ぐに言う事。」
何だ、そりゃぁ~?と思い「大丈夫だよ。」と答えました。
当時の俺は、自分でもそれなりに場数を踏んできたという自信があり、
まだまだ、未熟であることを知りませんでした。

彼女のウチは、初デートの時に送った場所とは程遠い所にありました。
一戸建の家の表札には男の名前が書いてあり、「上がってもイイよ」と
彼女の言葉も耳に入らないくらい驚きを隠せませんでした。
初めて見る彼女のプライベートは知れば知るほど謎だらけでした。
「質問は余りしないで。」と彼女のウチに出発する前に釘をさされて
いたので、ぐっと堪えて頭の中だけで色々考えました。
この日から俺は”葛藤”と戦う事になるとは、その時、思いもしませんでした。
彼女の秘密は暫くすると自然に分りました。彼女は普段、トップレスパブで
働くダンサーでした・・・が、それは彼女の本業ではなく、趣味でした。
第一関門は直ぐに来ました。翌日、変なオヤジが登場しました。
「君か?ル●の新しい彼氏は。」と俺の知らない彼女の名前を言って
勝手にズカズカと入ってきて、ビールを飲み出しました。
オヤジは「あの子は大変やぞ。頑張れよ!」と大きなお世話を言ってくれるので
「オッサン、誰やぁ!!」と言うと、「アオいなぁ~君は。」と馬鹿にされ、
ムカついて襟首を掴みました。すると彼女が「●●●!ダメ!」と
オヤジを庇うので、更にムカついて「なんやぁ!なめとんのか!」と
彼女に言うと「じゃ、8000万出して、私を買い戻してよ。」と言いました。
呆気にとられ、「何の話しや?」と言うと彼女は目をそらしました。
オヤジは勝ち誇った顔で、「君、気持ちだけでは、彼女を理解でけんよ。」と
彼女に部屋を出ろと言いました。彼女は「私が言うから言わないで!」と
オヤジに頼みましたが追い出されました。
オヤジは「何も聞いてないのか?」と言うので、「ああ、聞いてへんよ。」と
答えると、オヤジは彼女の本名と今までの経緯を事細かに教えてくれました。

彼女の父親は、2億近い借金をして、返済に困り、2年前に彼女の人生を
自分が死ぬまでの間、買い取った。彼女はオヤジの”愛人”兼”奴隷”であると、
だから、自分の取引先にも接待で抱かせる・・・。彼女をこの家に住まわせる時、
「他に何が欲しい?」と聞いたら、「逃げないから、普段は自由にさせて欲しい。」と
彼女が言ったらしい。だから、何処へ働きに行こうが、彼氏を作ろうが関与しないと。
オヤジの話しを聞き終わって、何も言えなくなりました。
次に、彼女が俺を呼び、「●●●を好きだけど、私はココを動きたくない。」
聞き間違えたのか?と「動けないんやろ?」と言うと、もう1度、彼女は
「動きたくないの。もう、惨めな生活はイヤなの。」と言いました。
「●●●、出て行くなら、イイよ。」と彼女は俺に聞きました。現実を飲み込めず、
躊躇しましたが、変な負けん気で「お前、誰が好きやねん?」と聞きました。
彼女は俺を指差し、笑いました。クッソ、負けられるか!!と思い、
オヤジを見ながら「俺はこの子とココに住みます。」と言いました。
オヤジは笑いながら、「どうぞ、ご自由に。」と言い、追い討ちをかける様に、
「ル●、風呂入るぞ。」と彼女を連れて行きました。彼女は
「2階に上がってこないでね!!」と言いながら、彼女は笑顔で部屋を
出て行きました。ムカツキと絶望と葛藤で、もう、気が狂いそうでした。
やっぱり、ココを出よう。と思い、玄関に行き、靴を履いた時、
2階で彼女がオヤジに抱かれながら俺の名前を叫んでいるのが
聞こえました。玄関を開けると、そこには黒塗りのハイヤーと
居眠りをしている運転手が見えました。
(このまま帰るのも、何かムカツク。)そう思い、ドアを閉めました。

1時間後、オヤジは鼻歌を歌いながら1階に降りて来て、俺を見てビックリし、
「何や、君、出ていかへんかったんか・・・。」と言い、2階の彼女を
呼びつけ、「ワシの負けや。見込みあるでぇ~。」と財布から彼女に
10万を渡しました。「お、こんな時間や、もう、帰るでぇ。」とオヤジは
慌てて着替えだし、彼女に見送られ、車で去って行きました。
部屋に戻ってきた彼女は「ありがとう。本当にありがとう。」と何度も
言いながら涙ぐんでいました。「アホか、こんなに馬鹿にされて黙ってられるか!」
俺は怒鳴りました。「私の想いは変わらない。」と彼女に抱きつかれて、
どうしてイイのか分らず、ずーっと天井を見ていました。
それから、半年、彼女と過ごす間に少しづつ、彼女が判ってきました。
彼女は裕福に育ったけど、地獄を見て、這い上がる代償に自分の体を
オヤジに捧げた。でも、心情だけは誰にも見せないと硬い意思で
生きてきたことを。勿論、その半年間にオヤジは週1回のペースで
彼女の元を訪れたし、オヤジの指示で違う男の元へも彼女は行きました。
でも、必ず俺は家の中に留まり、事が終わるまで、食事を作りながら
待ちました。そして、彼女と2人になってから、一緒に食べました。
けど、結局、体が耐えられずに胃潰瘍になり、そのまま別れました。
俺はこうして、”嫉妬”しない人間に改造されました。

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純愛・恋愛 | 【2017-07-29(Sat) 12:00:00】 | Trackback:(0) | Comments:(0)
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