♪ かごめ、かごめ ♪
秋の豊かな稔りが、村々にもたらされる。田畑を造り整え、耕し、種を蒔き苅る、村の共同作業への新たな働き手として、守り神様が子宝を授ける。この村の宝(子宝)も稔りと同じ、守り神様の縁により授かるもの。村に働き手が絶えるのは恐ろしき。ことの作法守り伝へ継がねば、村は生き延びられぬと知る。守り神様より授かる村の宝なれば、男親など誰もわからぬ差しつかえ無し。
とり籠や鳥卵にみたてられて、おさな子らにわかりやすく。数人の男女児が和(わ、環)になり、手をつなぎ唄う。中でかがんだ女児が腹の胎児演じ、手で目を暗くす。守り神様の縁により子宝を授かる作法を遊び、学ぶ。その横で共同作業に集中する大人ら、気にも留めず、時おり見守るのみ。初潮が過ぎたる少女ら、精通を体験したる少年ら、もはや働き手に採られ、遊びの和に加わらず。すでに作法あまた演じ尽くしたる少年少女ら、なお男女のことを為すに、ところ相手選ばぬ。
(かごめ、籠女=懐妊)
いつ、どうやって、守り神様から授かるの?
(いつ出遣る)
満月のあかるい夜
(よあけの晩に)
村々の境に、若い女や男がにぎやかに集まり
(つるとかめが、統べった)
守り神様の縁なる、その名を呼ばう
(後ろの正面だーれ)
たれがうしろの正面なる、確かめるのが女児のたしなみ
幼き男女児ら群がり囲み、うしろの正面の男児(または女児)が作法演じるをみとどける。粗末な麻衣のみ、子供らは裸同然。守り神様の縁なり、中の女児拒まず身を寛げ、うしろの正面の男児(女児)から子授けの作法をうける。成長おさない男女児絡み、その部分の微かにふれあう、ことの感触の甘いをおぼえ、よろこび笑い声洩らしあう。おびえにて寛げぬ女児は、年長の少女らとり押え、守り神様の作法なるをさとす。落着きなくした男児らの、女児への作法粗野なるは嗜めらる。日頃、子らが身近に見る成人の営み、上におる下におるや、男女の組み位置それぞれさまざま。手足からだ股の組み位置にまちがいなき、子供同士でしばし情報交換す。ときには成人男女、横から手を入れ、幼きをみちびき接し合わす。和の中の女児が入れ替わり、遊び再開され、幼き甘笑い声の続く。
わらべ遊びをとおして学ぶは、隣り村と為す、若い男女の夜明の晩の営みに、いずれ仲間入りするがため。成人たびたび、和の横から男児女児のすきまに手を差し入れ、みちびき助く。群がり囲む男女児らにも、口伝にてことを教え諭す。よあけの晩ほの暗く互いの顔判らぬも、をなご舞い、おのこ呼ばい歌う。呼ばるるをなご、見ず知らざるおのこなるも、身を開き肌合わすが守り神様の作法。ことの甘い悦びの湧きあふるるも、声色押しとどめ、控え恥じらうが作法。おのこ絡み接し、ここぞ漏らさず張りうごめき長く続かせる。受けるをなごの、ほとばしり温かきを待ち、息荒ぐも声色忍び、悦び与え合うが作法なる、子らに諭す。おのこやがて、ほとばしり漏るる嬉し切なき。男女入れ替え、神様の縁による相手との、甘き悦び与え合うの作法、東の空明くるまで繰り返さる。
♪ かごめ かごめ
かごのなかの とりは
いついつでやる
よあけのばんに
つるとかめがすべった
うしろのしょうめん だあれ ♪
をなご守り神様から子宝授かる、男親などおらぬ、村の宝なり大人女男みんなで守り育む。このわらべ歌、生死にかかる恐ろしき由来多数。いずれが正当の由来なるやも、村々において神様ごとの作法の意味付けが、のちのち、なされたる。
嫉妬、やっかみにより夜間後ろから押され、階段の下にすべり墜ちて落命した妊婦の恨み歌とも。後ろの正面となるが人柱、生贄なりとの、神占の歌とも。人質にとられた高貴な一族の子弟の、よあけの晩の救出、あるいは惨殺の話とも、ほか多数。
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