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韓国人が韓国車を叩きつぶす 朝鮮日報の現代自叩き

韓国人が韓国車を叩きつぶす? 朝鮮日報の現代自叩きは「経済不安」と「嫉妬」の表れ

2013.9.2415:18(1/4ページ)[west経済]
現代自など財閥企業に不満を募らす韓国国民は少なくない。韓国人が韓国車を叩きつぶす日は来るのか?

 韓国の有力紙、朝鮮日報が同国自動車最大手の現代自動車に対して連日、批判報道を繰り返し、話題を呼んでいる。難航していた労使交渉が12日妥結した現代自だが、労組側の無謀な要求に国民が「欲張り者たちの貴族労組」と不満を募らせ、メディアが噛み付いた構図だ。現代自の国際競争力が落ち始める中、そのつけは関連の下請け企業に押し付けられ、国全体の経済力低下にもつながる。現代自バッシングは一部のエリート、財閥企業だけを優遇してきた韓国政府の「ゆがんだ政策」の崩壊序曲かもしれない。

 ◇人件費が高くなると現代自は競争力を失う(9月21日)

 ◇闘争一辺倒の現代自労組、蔚山がデトロイト化する懸念も(9月21日)

 ◇過激な現代自労組、今や国民も冷たい視線(9月21日)

 ◇現代自国内工場の低い生産性、原因は労組代議員(9月20日)

 ◇高収入プラス定年保障、結婚相手に申し分ない現代自組合員(9月20日)

 ◇18億円を牛耳る現代自労組トップ(9月20日)

 ◇現代自蔚山工場、定時30分前から退勤準備(9月19日)

 ◇現代自蔚山工場、3人に1人が作業中にスマホ(9月19日)

 これは、9月19?21日の朝鮮日報の電子版(日本語版)に掲載された現代自関連の記事だ。わずか3日間で、これだけの現代自バッシングの記事が掲載されるのは異例で、しかも大半はニュースではなく、ルポやコラムといったメディア側の意図を持った記事として発信されている。

現代自叩きの口火を切った辛辣コラム

 ジャーナリストの室谷克実氏の著書「悪韓論」(新潮新書)によると、朝鮮日報は発行部数230万部程度と韓国最大を誇り、同国メディアの中では最も「保守的」とされ、一方で貧富の格差、汚職、外国人差別、性犯罪、売買春など、いわば「悪辣な思考と行動、風習、風俗」の追求に最も厳しい、という。

 その朝鮮日報で現代自叩きが始まったのは、組合側のあまりにも無謀な賃金要求で現自の労使交渉が一時、暗礁に乗り上げた9月1日、同紙の李光会(リ・グァンフェ)産業部長が執筆したコラム「韓国人が現代車を買わない理由」からだろう。

 このコラムでは、現代自が米国参入した1986年当時、故障の多さで米国では相手にされなかったことから始まり、努力を重ね、2年前の2011年5月には米国の輸入自動車市場で1位を奪取。しかし、成長はここまでで、今や現代自に対する期待は失望に、拍手は叱咤(しった)に変わってきていると批判する。

 なかでも韓国人が現代車を買わず、輸入車を買う理由についてこう指摘する。

 《失望や怒りの揚句、消費者たちが目を背けている。「現代自を買わずに輸入車を買う」という消費者が急速に増えているが、理由を聞けば納得できる。「現代自の貴族労組の懐を肥やすためのばからしい行為はもう懲り懲りだ。私よりも年俸の多い現代自労組に対して怒りを覚える」。やがては現代自の不買運動に発展するのではないかと思われるほどだ》

 コラム全体を、こうした辛辣(しんらつ)な言葉が覆いつくす手厳しい内容だ。そして、同コラムの掲載を皮切りに、現代自に対するネガティブキャンペーンかと思えるほどの批判記事が相次いでおり、韓国国民にとどまらず、世界中の自動車関係者の関心を集めている。

政府の財閥重視に高まる国民の不満

 「国民の大半はエリート意識の強い財閥企業と、それらの企業を優遇してきた政府に対し、根深い不満を抱き続けている」。韓国経済に詳しいある専門家はこう前置きした上で、「それが、この夏のあまりにもふっかけ体質丸出しの現代自労組による賃金要求で爆発した。交渉が泥沼化し、何度も時限ストライキが実行されたが、最も被害を受けたのは下請け企業だ。現代自の組合員は高額な給与の上に、さらに上乗せに成功したが、現代自を底辺で支える零細、中小企業は生産縮小の影響を受け、厳しい状況に追い込まれたはずだ。こうした弱者の“声なき声”を朝鮮日報は、敏感に感じとったのかもしれない」と厳しい口調で指摘する。

サムスンよりも高給な現代自の平均給与

 朝鮮日報によると、現代自の従業員1人あたりの平均給与は9400万ウォン(約830万円)で、これはサムスン電子(約7000万ウォン)、ポスコ(約6080万ウォン)よりも多いという。

 それにもかかわらず、今回の賃金交渉では基本金の引き上げ以外に、定年の61歳への延長、昨年の最終利益の30%支給、賞与(ボーナス)の800%追加支給など、約180種にのぼる詳細な賃金協議案を経営側に突きつけ、満額回答とはならなかったものの、その多くを認めさせ、労使交渉は12日に妥結した。

 しかし、この間、労組は1日に4時間または8時間の時限ストを断続的に行い、操業停止にともなって51兆200億ウォンに相当する約5万台の生産に影響が出たと、ロイターは報じている。つまり、損失5万台分の多くは、関連の下請け企業が被っているといっても間違いではないだろう。

「嫉妬」が生み出す財閥バッシング

 こうした状況下で、朝鮮日報による現代自叩きが始まったわけだが、前出の専門家は「ここで勘違いしてはいけないことは、現代自に不満を持つ韓国人の根底には嫉妬(しっと)もある。朝鮮日報のコラムでも『私よりも年俸の多い現代自労組に対して怒りを覚える』という表現が象徴しているように今は虐げられている人間も立場が変われば、エリート意識をふりかざし、無謀な要求を突きつける現代自社員になるということだ」と分析する。劣化する現代自は韓国なのか…。

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