清楚な妻が・・・其の壱
私はあるサークルで妻と知り合った。
妻は凄い美人と言う訳でも無く、特に目立つ存在では無かったが、笑顔が可愛くて清潔感があり、いつも皆よりも一歩下がって微笑んでいる様な大人しい性格に惹かれて交際を申し込んだ。
妻は既に29歳だったが、いざ付き合ってみると半年経ってもキスすら許さず、どこか性的に問題があるのかとさえ思った事もある。
その問題が、過去に酷い性的虐待を受けたか、以前付き合っていた男に暴力的なセックスを強いられて、精神的に受け付けない様になっているとすれば上手くやって行く自信など無かったが、妻に惚れてしまっていた私は更に半年付き合ってから結婚した。
すると意外にも初夜では拒む事無くスムーズに終わり、妻が処女だった事にも安心して今まで拒んでいた理由を聞くと、信じられない事に
「結婚して、子供が欲しいからという目的があれば良いけれど、そうではなくて、ただ本能を曝け出すだけの行為は、恥ずかしくて出来なかった」と言う。
その後も私が誘えば拒否する事も無く、子供もすぐに出来たのだが、何年経っても妻はあくまでも受身で何もせず、私が覆い被さる体位以外は嫌がって受け付けない。
そのような妻は、他人からもセックスとは無縁に見えるらしく、家で友人達と飲んだ時に
「子供が一人いるという事は、優子さんも、最低でも一回はセックスをした事になるよな」とからかわれたほどだ。
確かに妻は、拒みはしないが好きな方では無かったと思う。
おそらく自分を全て曝け出す事が恥ずかしくて、楽しむどころでは無かったのだろう。
そんな妻が変わり始めたのは、35歳を過ぎた頃からだ。
その頃娘が自分の部屋で眠るようになった事も大きかった様だが、徐々に感じ方が激しくなり、言葉には出さないものの色気のある下着を着けるなどして、遠回しにではあるが妻からも誘って来るようになる。
おまけにどの様な体位も拒まなくなり、私もその様な妻の変化が嬉しくて、妻の要求には全て応えていたが、半年もして娘が小学校に上がった頃には、生理の時以外毎晩のように迫られるようになり、5歳上の私には流石に毎晩は応えられない。
「あのー・・・・・・言い難いのだけれど・・・・・・」
「夫婦じゃないか。何でも言ってみろよ」
「アダルト・・・ビデオを・・・・・・」
「AV?」
「他のお母さん達が・・・最近のは凄いと話していて・・・・・最近のも何も、私は一度も見た事が無いから・・・・・・・・」
早速借りてきて見せると、最初は恥ずかしそうに横目で見ていた妻も、次第に私の存在など目に入らなくなり、画面に釘付けになって瞬きもしないで見入っていた。
あの妻が、AVを見て呼吸を乱しているのを見て興奮し、次第にダビングされたビデオは増えていく。
その後いつの頃からか、妻はビデオを真似するようになり、今迄なら私も腰を使わないと物足りなかったフェラも、少しでも油断すると出されてしまいそうになるほど巧になった。
妻が上になった時も、今迄なら恥ずかしそうにじっとしているだけだったので私が下から突き上げていたが、ビデオを見るようになってからは自ら積極的に動くようになり、時にはスクワットをしているかのように、大きく股を開いて上下に激しく動く事もある。
私はその様な妻に満足していたが、妻の欲求はそれだけに止まらない。
「あんなのでされて、本当に気持ちいいのかな?あんなのを使われたら、どの様な感じなのだろう?」
ビデオを見ながらそう言う妻に
「バイブを買ってやろうか?」と言うと、流石に
「怖いから私には無理」と言ったが
「じゃあローターを買ってやろうか?」と言う問い掛けには、恥ずかしそうに俯きながら
「はい」と答えた。
小道具が1つ加わった事でセックスの巾が広がり、妻は以前にも増して快感を貪る様になって行ったが、妻の急激な変化に驚いてばかりいた私も、昼は淑女で夜は娼婦の様な妻を楽しんだ。
そんな妻にまた変化が訪れたのは、娘が2年生になった頃だ。
今度はセックスの回数が激減し、終には私が誘っても
「ごめんなさい。お仕事で疲れてしまって」と言って拒否するようになる。
仕事というのは、娘が小学生になったのを機会に、一年前からパートとして勤め出した縫製工場。
連日拒む妻に浮気を疑ってみたが、私には大胆になれても、未だに海水浴場でも水着になれない妻が、私以外に裸体を晒すなど考えられず、妻に限ってそれは無いと打ち消す。
逆に私は妻の体を心配し、一度医者に看てもらう様に勧めるが、妻はただの疲れだと言って行こうとしない。
「私はミシンを担当しているから、この様な事もあるらしいの。
最初の頃は張り切っているし、慣れない仕事で緊張しているから
逆に感じないらしいけれど、細かな仕事だから
一年くらい経って慣れた頃に
根を詰めていた疲れが一度に出る事があるらしくて。
大丈夫だから心配しないで。ありがとう」
しかし、その後も拒否され続け、セックスレスの状態になってしまう。
「夫婦生活も出来ないほど疲れるのなら、そんな仕事は辞めてしまえ」
「ごめんなさい。ようやく慣れてきた仕事だから続けたいの。今日は大丈夫だから」
渋々妻は応じたが、いざ始まってしまうと以前よりも激しく乱れ、久し振りのセックスで興奮した私が今迄に無いほど責め続けると、我を忘れた妻は、最後に私を奈落の底に突き落とすような言葉を叫んで果てた。
「オメコ・イク?」
セックスに積極的になっていた時でも、妻がその様な言葉を口にした事は一度も無く、仮に以前見たビデオが浮かんで真似をしたとしても、持っているビデオに出て来るのはオマンコと言う呼び方だが、確かに妻はオメコと言った。
私は不信感でいっぱいになったが、妻はその様な言葉を口にした事すら覚えていない。
情けない事に、妻が浮気しているかも知れないと思っただけで、私は吐きそうになるほど動揺し、真実を知るのが怖くて自分の中で必死に打ち消して、妻の行動を調べる事すらせずに逃げていたが、私の気持ちなど知る由も無い娘に止めを刺される。
「お母さん。今日どこに行ったの?社長のおじちゃんと一緒に、黒くて大きな車に乗っていたよね」
娘は以前妻が忘れ物をした時に、一度職場に連れて行ってもらった事があり、その時社長からお菓子をもらったので顔を覚えていて、理科の授業で川に行った時、その社長が運転する車の助手席に妻が乗っていたのを見たと言う。
妻に疑いを持つ前なら、気にもしないで聞き流していたかも知れないが、私は新聞を読む振りをしながら、妻と娘の会話に聞き入っていた。
「えっ・・・ええ・・・・・社長のおじちゃんと・・内職さんの所へお仕事を置きに行ったの」
妻はミシンを担当しているのに、どうして社長と内職さんの所へ行かなければならないのか。
何より妻は明らかに焦っていて、言葉に詰まっていた事が気になる。
「お母さんは、見た事のないお洋服を着ていたよね?」
「何を言っているの。もうその話はいいから、早く食べてしまいなさい」
妻の服装の事は娘の見間違いかも知れないと思ったが、内職回りをするのに、高級車に乗っていた事も気になる。
「いつも社長自ら内職回りをするのか?大変だな」
私は新聞を見ながら、あえて妻がなぜ一緒に乗っていたのかは聞かずに尋ねた。
「えっ?・・・ええ・・・・あなたも知っているように、会社と言っても小さな会社だから、係りの人が休んだ時は・・・・・・・・・・」
私は2人の関係に疑問をもったが、他の従業員の目もあり、昼間から社長と不倫しているのは考え辛い。
仕事中に妻と社長が何時間かいなくなれば、当然他の者の噂になり、人前では大きな声すら出せない、他人の目を人一倍気にする妻には耐えられないだろう。
妻が社長と不倫していると仮定して考えてみた。
二人が昼間からホテルに行っている事は考えられず、そうかと言って5時30分には帰って来ている事は娘の話からも間違いないので、仕事が終ってから会っている事も考えられない。
仕事が忙しくなったので頼まれたと言って、2ヶ月前から土曜も仕事に行く様になったが、私が休みなのでいつもよりも早い4時には仕事を切り上げさせてもらって、4時30分迄には必ず帰って来る。
休みの日は買い物に行ったり、まれに娘の同級生のお母さん達と食事に行く事もあるが、ほとんど私といる事が多く、特別怪しい行動も無い。
そう考えると社長と浮気するどころか、他の男とも妻が浮気出来るような時間はない。
それからは多少気にはなったものの、妻とは20歳近く離れている社長に嫉妬し、妻を疑っている自分が情けなく思えた。
しかしそうは思っても、やはり心のどこかで疑っていたのかも知れない。
何故なら、以前よりも妻の行動を注意深く見るようになっていたから。
そして気が付いたのは、妻は必ず夜の9時にトイレに入る事だ。
それは何かの途中でも、例えトイレに5分前に入ったばかりでも変わらない。
私は忍び足でトイレに近付いて、悪趣味だと思いながらも聞き耳をたてた。
「・・・・・はい・・・・・主人とは・・・・・・・・」
妻は誰かと話していたが、声が小さくて聞き取れない。
翌日はもう少し近付いたが、やはり消え入るような声で話していて、分かったのは全て敬語で話しているぐらいで、内容までは分からなかった。
不信感が増した私は、思い切って妻の職場に行ってみようと決心し、次の土曜日、娘を近所の同級生の家に預けて妻の勤め先に向かうと、驚いた事に静まり返っていて誰もいない。
私が呆然として立ち尽くしていると、その縫製工場の社名が入ったライトバンが止まり、降りてきた年配の男に声を掛けられた。
「何か用かい?」
「今日は休みなのですか?」
「今日はと言うか、何年も前から土曜はずっと休みだ」
「ずっと休み?最近忙しくなって、土曜も仕事になったとか」
「いや。どんどん仕事は減っていく。一時は男の社員が4人いて、パートさんも30人以上いたが、今では中国製の安いのに押されて、男は俺だけでパートさんも7人しかいない。内職などは80軒も抱えていたが、今では10件だけだ」
これで妻が、社長と浮気する時間が出来てしまった。
時間が出来たと言うよりも、朝の9時から午後4時まで7時間もある。
その後も男は、暇になって土曜が休みになった理由を一生懸命聞かせてくれたが、私にはどうでも良い話だった。
「みんなは休みなのに内職回りですか。大変ですね」
早く話が終わって欲しくて、嫌な気分にしない様な言葉で話に割り込んだが、今度はその事について話し出す。
「俺は定年も過ぎているから、このぐらいの事はしないとクビになる。だからここ2年は俺だけ土曜も出て来ているし、一日も休んだ事が無い」
「土曜意外も休んだ事は無いですか?」
「だから、ここ2年は一度も休んだ事は無い」
また一つ妻の嘘が明らかになってしまった。
「ところで、あんたは何の用で?」
妻の事は言い難く、咄嗟に同業者だと嘘を吐いた。
「仕事が無くて、何か回して頂け無いかと思って」
「社長は自宅にいると思うが、無理だと思うぞ。うちも仕事が減って困っている状態だから」
駄目元で行ってみると言って、社長の自宅を聞き出して向かったが、近付くに連れて心臓の鼓動が早まる。
社長の自宅は古くて大きな一軒家で、苔の付いた古い門柱にチャイムのボタンが埋め込まれていたので押したが、壊れているのか返事が無い。
仕方なく勝手に門を入ると、黒い高級車の横に妻の軽四が止めてあった。
玄関のチャイムを押したが、やはり返事が無いので裏口に回ると洗濯物が乾してあり、その中の真っ赤なパンティーとブラジャーが目を惹く。
「はーい。どなたですか?」
その時表の方から、聞き覚えのある声がしたので玄関に戻ると、そこには見た事も無いミニのワンピースを着た妻が立っていたが、私の顔を見るなり絶句して震え出した。
妻の後ろ髪が少し乱れているのに気付いた時、絶望感から何も言えずにその場を立ち去ったが、どの道を通って家まで辿り着いたのかさえ覚えていない。
1時間経って、ようやく妻は帰って来たが、何も言わずに涙を流しながら正座する。
「泣いていては分からない。詳しく説明しろ」
得意先の一社が倒産して、ただでさえ減り続けていた仕事は激減し、一番新入りの妻は人員整理の対象になったが、その時社長から違う仕事を頼まれる。
「どうして隠していた!」
「隠すつもりは無かったです・・・・ただ・・その様な仕事は駄目と言われそうで・・・・・・・いつかは話すつもりでした」
「俺に言えないような仕事とは、どの様な仕事をしていた」
「工場にはいかないけれど
新しい商品の生地や材料を選んで決めたり・・・・
他所の商品を見に行ったり雑誌を参考にしたりして
デザインを決めたり・・・・・・・・
他には掃除、洗濯、炊事などの家事一切を・・・・・・・」
「社長の奥さんは?」
「半年前に離婚されて、出て行かれたので・・・・・・・」
妻は離婚した奥さんの代わりをしていたようだが、そこには性欲処理も含まれていたのではないかと疑ってしまう。
「社長に子供は?」
「いません」
妻の話しだと社長は一人暮らしになるが、それでは洗濯物の中にあった、真っ赤なパンティーとブラジャーの説明がつかない。
「社長は女物の下着を穿くのか?」
「えっ?」
「真っ赤なパンティーが乾してあったぞ」
「それは・・・・・・・・・・私には分かりません。
私は脱衣籠の中の物を洗っている
だけだから・・・・・
帰ってからの事は分からないので・・・・・・・・」
妻の話を信じたい気持ちは大きいが、余りにも不審な事が多すぎる。
「あの格好は何だ!若い時でも穿かなかったような短いスカートを穿いて」
「お客様も多いので・・・・・・
私の服装は趣味が悪いからと・・・・・・・
制服のようなものだと言われて・・・・・・・・・」
「とにかく、嘘を吐かなければならないような仕事は今日で辞めろ。分かったな!」
「はい・・・・・・ごめんなさい」
急なセックスレス。嘘を吐いて仕事に行く。
トイレに隠れて携帯電話。
ミニスカート。
乾してあった真っ赤な下着。
何より私の質問に答えている時のおどおどした態度など、不審な点が多すぎて信用出来ないが、私は真実を知るのが怖くなり、それは娘のためでもあると言い聞かせて、このまま済まそうとしていた。
しかし昼間はどうにか持ち堪えられても、夜になると考えてしまう。
妻が真っ赤なパンティーを穿かされて、ミニのワンピースを着て掃除をしている。
それを離婚した、欲求不満な五十男が笑みを浮かべて見ている。
はたして見ているだけで済むのだろうか。
いや、済むはずが無い。
何よりあの妻が、何も関係の無い男の前であの様な格好をするはずが無い。
私は飛び起きて、眠っていた妻のパジャマを荒々しく剥ぎ取った。
妻は訳が分からずに驚いて抵抗したが、目が覚めてくると私のパジャマを剥ぎ取って、逆向きに覆い被さってきて、音を立てて激しくしゃぶる。
私も負けない様に口で妻を責め立てると、妻は狂った様に頭を上下させて応戦して来たが、先に我慢出来なくなったようで、咥えたまま動きを止めて唸り声を上げていたかと思うと、急に口を離して大きな声で叫んだ。
「ダメ・ダメ・・・イク・・・・オメコ・イク?」
妻に限ってと思いたいが、またオメコと叫んでいる妻を見ていると、やはりこのままでは済まされない。
月曜日の朝、妻は仕事を辞めてくると約束して私と一緒に家を出たが、胸騒ぎがしたので昼休みに家に電話してみると妻は出ない。
心配で仕事どころでは無い私は、体調不良を理由に会社を飛び出し、社長の家に向かうと悪い予感は的中し、妻の車が止まっていた。
「あなた!・・・・・・・・」
「何をしている!それに、その格好は何だ!」
妻はこの前とは違うミニスカートを穿いていて、大きな網目の黒いタイツが目を惹く。
「私が着いてすぐに得意先の方がお見えになっていたので
その話は後でと言われて
お茶を出したり食事の用意をしたりして
手伝っていました・・・・・・・・・
お客さんが帰られたら、きちんと話しますから」
「一昨日で辞める約束だっただろ!信用出来ないから、俺が話す」
「ちゃんと私が」
その時騒ぎを聞き付けて、痩せていて背の高い男が出てきた。
「どうしました?」
「主人が・・・・・・・」
私はなぜか社長の事を、太っていて脂ぎった厳つい男だと思い込んでいたが、実際は歳を感じさせない、スマートで優しい顔をした男だった。
「丁度良かった。私も一度お伺いして、ご主人と話がしたいと思っていました」
社長の言葉で妻の顔色が変わり、必死に私と社長が話すのをやめさせようとする。
「あなた。私がきちんと話しますから、今日は帰って。今はお客様もみえるので、お願いですから」
「私でしたら、商談は終ったので失礼しますから」
いつの間にか社長の後ろに立っていた、スーツ姿の30歳ぐらいの男は前に出てきて、急いで靴を履くと出て行った。
「お客さんは帰りましたから、優子さんも帰って頂いて結構ですよ」
「優子は先に家に帰れ!」
妻は涙目になっていたが、終に涙が溢れ出し、バッグや着て来た服を抱えて飛び出して行った。
「奥様に別れた妻の代わりをさせてしまって、誠に申し訳ありません」
「その事は聞いている」
「いいえ、そうでは無いのです。お気付きだとは思いますが、妻の代わりにセックスの相手までして頂いています」
私はそこまでの関係であって欲しくないと願いつつ、その事を聞き出そうとして2人で話す決心をしたのだが、相手から先にあっさり認められてしまった事で困惑した。
「私が全面的に悪いです。どうぞ、殴るなり蹴るなり好きにして下さい」
社長は床に正座して目を閉じたが、動揺していた私は何も出来ない。
「そんな事をして何になる!どう責任をとるつもりだ!」
「申し上げ難いのですが、お金で解決させて頂くしか無いと思っています」
「金で済ませる気か?」
「他に、どのように?」
この男を殺したいほど憎いが、私に人殺しをする勇気も無く、また娘の将来に託けて、それ以外の方法は無いのかと考え込んでしまった。
「奥様に対しての責任も、きちんと取らせて頂きます」
「どの様に」
「はい。私の様な者とこの様な関係になってしまっては、ご主人も奥様を許せないと思います。ですから奥様の後の事は、私が責任を持って面倒を看させて頂きます」
この男は丁寧な言葉で、私から妻を奪おうとしている。
「ふざけるな!俺は離婚などしない」
私は何の考えも策も持たずに話し合いに臨んだ事を悔やみ、家に帰ると妻は泣きじゃくっていて話しにならない。
「どうしてこうなった!」
「ごめんなさい。許して下さい」
「いつからの関係だ!」
「許して下さい」
娘が帰って来たので追求するのを中断し、夜になってからまた聞こうと思っていると、社長から話し合いに来ると電話が入るが、娘がいる所では話し辛く、私が夜出向く事になった。
社長はこの間に銀行へ行って来たらしく、お金の入った銀行の封筒と、同じ事が書かれた二枚の示談書を並べて置いた。
「百万入っています。そこにも書いてありますが、離婚される場合はあと4百万支払いますから、どうかこれで許して下さい」
知らない人が見れば、誠意を示しているように見えるだろうが、この男が妻を諦めていないのは分かっている。
示談書を見て社長の名字は楠木だと初めて知り、全てに目を通したが、やはり今後の事が記されていない。
「今後一切妻とは連絡も取らず、会わないという事を記載しろ」
「それは出来ません。連絡を取り合ったり
会うぐらいでは不貞行為にはならず、法律には触れないはずです。
優子さんが嫌がれば別でしょうが
嫌がらない限りお付き合いは続けさせて頂きたい。
もっとも優子さんから抱いて欲しいと言ってくれば
また慰謝料を払う事になろうとも私は拒みません。
優子さんの為のお金なら、いくら使っても惜しくはありませんから」
「妻は、二度とあんたに会わない」
「どうですかね?
何しろ、最初は優子さんから抱いて欲しいと誘って来たのですから。
夫婦は勿論セックスだけではありません。
ただセックスの相性も、夫婦としての大事な一部です。
人によっては、それが全ての人もいる。
優子さんは、今後も私に抱かれたいと思っているはずです」
「嘘を吐くな。妻から誘うはずが無い。おおかた最初は無理矢理・・・・・・」
「人聞きの悪い事を言わないで下さい」
私が妻の浮気を疑い始めた時、3ヶ月前にあった慰安旅行も気にはなったが、その時は集合場所まで私が送って行き、年配のパートさん達と楽しそうにマイクロバスに乗り込む妻を見届けていたので、この時に関係を持つ事は有り得ないと思って外したが、楠木の話しによると、妻と最初に関係を持ったのはこの慰安旅行の夜だったと言う。
この時女性は7人で、ホテルだった為に女性用にツインの部屋を3部屋と、シングルの部屋を一部屋取り、妻だけが一人になった。
妻は宴会で飲み過ぎてしまい、部屋に帰って休んだ方が良いと忠告したが聞き入れずに、二次会にも参加したと言う。
すると更に酔ってしまって、自分の足では部屋まで帰れない状態になり、責任のある楠木が送って行くと部屋に入るなり服を脱ぎだして、下着姿で抱き付いてきて言ったそうだ。
「酔うとしたくなるの。お願い、抱いて。このままでは疼いてしまって眠れないの」
妻は楠木の前に跪くと、素早く取り出して口に含んで来たので、我慢出来なくなった楠木は、妻を立たせてベッドに押し倒してしまったと言う。
昼間の大人しい妻からは考えられないような、淫乱で激しい妻に放してもらえず、結局朝まで相手をさせられた。
旅行から帰ると罪悪感に苛まれたが、目が合う度に色っぽい目で誘ってくる妻を見ていると、あの夜の事が思い出されて誘惑に負けてしまい、2人で仕事を抜け出しては関係を続けてしまう。
自宅での仕事に切り替えたのは、ちょくちょく2人で抜け出していたので、他の従業員から怪しまれ出したからだそうだ。
「もう嘘は沢山だ!」
「嘘ではありません。
その証拠に最初は優子さんの方が積極的だったのですが
次第に私が優子さんの魅力にはまってしまい
可也色々な事をさせてしまいましたが
優子さんは喜んで応じてくれました」
「色々な事?妻に何をした!」
「別れた妻の代わりに
セックスもお世話になっていたと言いましたが
実は妻には頼めなかったような事もしてもらっていました。
本当に色々な事を」
「だから何をした!」
「いくらご主人でも、優子さんが恥ずかしがるのでいえません。
それだけは勘弁して下さい」
確かに妻は性に対して貪欲になっていたが、あの妻が進んで恥ずかしい行為をしていたとは、やはり私には信じ難い。
「優子さんが私から離れる事が出来れば諦めます。優子さんは私を選ぶと信じていますが」
「優子は二度とここには来ない。金輪際近付くな!」
妻が私よりこの男を選ぶなどとは考えられず、この男とは早く決着をつけて、妻と向き合おうと思って始末書にサインすると、慰謝料を掴んだ。
家に戻ると、妻に涙は無かった。
「優子から誘ったのか!」
当然否定すると思っていたが、妻は下を向いてしまって顔を上げない。
「・・・・離婚して・・・・・」
あまりの事に、私は言葉に詰まった。
この妻が他の男に抱かれていた事だけでも、それは私にとってどの様な問題なのか理解出来ないでいるところに、私と別れたいと言い出したのだ。
「どう言う事だ!」
「・・・・・・離婚して・・・・・・・・社長が・・好き・・・・・・・・」
更に私は、深い闇に包まれる。
私が"離婚"を口にすれば、妻は「離婚だけは許して」と言って縋り付くと勝手に思っていた。
だから"離婚""別れる""出て行け"は、妻に裏切られた惨めな私の武器だと思い込んでいた。
しかし、その武器を逆に使われて、私は何も言えなくなっている。
妻の体が他の男を欲しがっただけでも許せないが、心は私にあると疑いもしなかった。
妻が小さな声で言った「社長が好き」が、私の心に重く圧し掛かる。
怒りや寂しさが交差して眠れない私は、次第に何か釈然としないものを感じる様になっていた。
私はこの事が発覚する前の妻の様子を思い出していて、妻はまだ私を愛していると思った。
これは私の勝手な思い込みで、そう思いたいだけかも知れないが、多少の浮気心はあったにしても、私と別れるほど本気になっているとは到底思えない。
もしもそうだとすると、私が出て行ってから色々考えていて自棄になってしまったか、あるいは私が楠木の家を出てから家に着くまでの間に、楠木との間で何らかの話し合いがなされた可能性がある。
私が家を出る前の妻は絶えず縋る様な目で私を見ていたが、楠木の所から帰って来ると、焦点の定まらない、全てを諦めたような虚ろな眼に変わっていた。
それを思うと話し合いと言うよりも、楠木に電話で何か言われたのか。
言い換えれば楠木に脅された事になるのだろうが、浮気が発覚してしまった今、妻に脅されるような材料は見当たらない。
やはり妻は、私よりも楠木に惹かれているのか。
しかし楠木にしても、疑問の残る行動が目立つ。
妻に未練がある様な事を言う割に、すぐに慰謝料を払って早くこの事を終わらせようともしている。
何より、簡単に自ら体の関係を認めた事が気に入らない。
妻との深い関係を誇示して、私に妻を諦めさせようと思ったとも考えられるが、それでも体の関係を簡単に認め過ぎる。
景気の良い時ならまだしも、普通なら少しでも慰謝料を少なくしようとするか、出来れば払わずに済まそうとすると思うのだが、お金で済めば良しと思っている節がある。
やはり私が聞きもしないのに自分からすぐに認め、その日の内に慰謝料を用意した事が納得出来ない。
冷静に考えれば考えるほど、妻や楠木の考えている事が分からない。
私の思い違いかも知れないが、妻は不倫の事よりも知られたくない事があり、楠木は妻への愛情とは違う理由で、妻に執着している様に感じる。
翌日仕事が終ると、私の足は自然と楠木の会社に向かっていた。
すると、みんな帰ったはずの工場に明かりが点いていて、先日話をした年配の男が一人で裁断をしている。
「誰かと思ったら、あんたか。どうだった?駄目だっただろ?」
私は先日少し話しただけなのに、何故かこの無骨な男に親近感を抱いていて、騙していた事を謝ってから優子の夫である事を告げた。
すると男の態度が急に変わって、仕事をやめて後片付けを始める。
「一緒にご飯でも食べに行きませんか?」
「俺は仕事が終ってから、飯の前に一杯やるのが唯一の楽しみだから、外で飯は食わない。車で来ていて飲めないからな」
そう言って車のドアを開けたが、急に振り返って私を睨んだ。
「何を知りたくて俺に近付いたのかは知らんが、俺は何も言わないよ。仮にもここで世話になっている身だからな」
そう言って車に乗り込んだが、エンジンは掛けずにドアを開けたまま、独り言の様に呟いた。
「慰安旅行の酒は不味かった。
この不況にあのケチが慰安旅行に連れて行ってやると言い出したから
珍しい事もあるものだと楽しみにしていたが
得意先を2人も連れて来て何でもあいつら中心だ。
あれでは従業員の慰安旅行ではなくて接待旅行だ。
煙草まで買いに行かされて、俺は奴らの使いっ走りだし
パートさんはコンパニオンじゃ無いぞ。
朝早くから酒を浴びて、バスに乗り込むなり触るは抱き付くはで
それだけならまだいいが、ホテルでは・・・」
慰安旅行の後、妻は工場の方に来なくなり、その夫である私が二度も訪ねて来た事で、何を知りたいのか察したのだろう。
男は「ホテルでは」まで言うとエンジンを掛けて行ってしまったが、妻の事で何か知っていて、私にヒントをくれたのだと思った。
仕事量が減って苦しい。慰安旅行に得意先の男が2人。
パートさんをコンパニオン扱い。
男2人の為の接待旅行。
その夜楠木は妻を抱いた。
大事な接待の夜、楠木は自分だけ良い思いをするだろうか。
私の脳裏には、おぞましい光景が浮かんできて、帰るとすぐに妻に対して鎌を掛けた。
「慰安旅行では楠木だけでなく、得意先の人間にも抱かれたらしいな。それも2人に。楠木を入れると、一晩で3人の男の相手をしたのか」
妻は驚いた顔をして私を見た後、大きな涙が毀れるのと同時に、狂った様に叫び始めた。
「私は社長と浮気しました。社長に抱かれました。でも他の男なんて知らない。一度に何人もの男の相手なんてしていない。私は社長に抱かれただけ」
私は「一晩で」と言っただけで、一度に相手したとは言っていない。
私の脳裏に浮かんでいたのは、1人が終わるとまた1人と、順番に部屋に入って来て妻を犯していく男達の姿。
しかし妻の言葉から、笑いながら夜通し3人で妻を辱めている姿が浮かぶ。
「私は社長に抱かれただけ。そんな酷い事はされてない。私は、私は」
妻の取り乱し様は尋常では無く、それが妻の答えだった。
「落ち着け!」
私が強く抱き締めていると、妻は1時間近く狂った様に泣き続けた後、ようやく少し落ち着いて泣き止んだ。
「何を聞いても驚かないから教えてくれ。俺は優子に起こった事の全てが知りたい」
しかし妻は、ただ俯いているだけで反応が無い。
「俺と優子は夫婦だろ。一心同体の夫婦だろ」
妻はようやく顔を上げると私を見詰め、大きく頷いた後ぽつりぽつりと話し出した。
慰安旅行には従業員の他に2人の得意先も参加していたが、彼らは朝から楠木の家で酒を飲んでいたらしく、バスが走り出すとパートさん達の身体を触ったり、抱きついたりして上機嫌だった。
パートさん7人の内では妻が30代後半で一番若く、その上は40代後半が3人と50代が2人、あとの1人は60代だったので最初若い妻が標的になったが、妻は不快感を露にしたので尻込みし、バスの中では少し派手目の40代の2人が、主に犠牲になっていた。
しかし夜の宴会では妻に執ように絡んできて、何とか酒を飲ませて酔わそうとする。
妻は彼らが嫌で仕方なく、お酌をされても断って飲まず、酔った振りをして触ろうとすると、手をピシャリと叩いて睨み付けていた。
すると、その様子を見ていた楠木は、彼らがバスの中で標的にしていた40代の2人の横に移動した隙に妻の前にやって来て、妻に酌をしながら、会社にとって2人がどれだけ大事な人間か諭し始める。
「彼らを怒らせたら、うちは終わりだ」
それを聞いた妻は彼らが再び戻って来ると、先ほどの様には強く断われなくなっていた。
大人しくなった妻に気を良くした2人は、両横に座って身体を密着させながらお酌をし、手を握ってきたりお尻を触ったりしてくるが、社長が前に座って睨んでいては、愛想笑いをするしか無い。
その後も3人は妻から離れず、やがて宴会はお開きになって他の者が席を立ち始めても、両横には得意先の2人、前には楠木、後ろは壁の妻は立ち去れず、気が付くと宴会場には4人だけになっていた。
他の者がいなくなると彼らの行為は更に大胆になって、ホテルの従業員が側で後片付けをしていても気にもせずに、抱き付いてきて頬にキスをしたり、両側から乳房を掴んで揉んだりもした。
例え関係の無いホテルの従業員にでも、しらふの人間にこの様な惨めな姿を見られるのは数倍恥ずかしく、楠木が二次会を提案すると、この頃には強引に飲まされた酔いも回って来ていて正常な判断が出来なかった事もあり、妻は二次会に付き合う事を承諾してしまうばかりか、一刻も早くこの状態から逃げたい一心で「早く行きましょう」とまで言ってしまう。
しかし妻が連れて行かれたのはカラオケルームで、そこでの妻はほとんどホステス状態でお酌をさせられ、返杯に次ぐ返杯で3人相手に半強制的に飲まされ続けた。
妻一人に対して相手が3人では、妻の酔いだけがどんどん酷くなって行き、楠木が歌っている間、得意先の2人に両側から触られても、手を撥ね退ける力も弱くなって行く。
カラオケをしに来ているというのに、楠木が歌うか曲が流れているだけで、2人はもっぱら妻を触っているだけの状態だったが、妻が「触らないで」と言おうものなら
「それなら酒ぐらい付き合え。楠木社長が二次会に行こうと言い出した時、俺達は気が進まなかったが、君が早く行こうと誘うから付き合ったんだぞ」と言われて酒を勧められる。
妻は弱い方ではないが、既に限界を越えていて「もう飲めません」と断わると、一人に後ろから羽交い絞めにされて、もう一人の男に口移しで飲まされた。
その様な行為が延々と続き、終に妻は泣き出したが、2人はそれでも許さずに
「泣いて場の雰囲気を壊した罰だ」と言って、動けない様に両側から押え付ける。
妻は全てのボタンを外されて、2人の手によって剥かれてしまい、下着だけの姿にされると
「そろそろ、これも取ってしまおうか」とパンティーを引っ張られながら言われたので、妻は必死に押えながら許しを請う。
すると楠木が仲裁に入り
「これ以上は駄目です。うちの従業員を、そんなに虐めないで下さいよ」
と言ってくれたので、妻はこれで助かったと思ったが
「その代わり、下着姿でダンスをお見せします」
と言われて奈落の底に突き落とされる。
妻はブラジャーとパンティーだけの姿でテーブルの上に追い立てられ、身体を隠して座り込んでいると
「早く立って踊らないと、裸にされてしまうぞ。曲に合わせて、適当に腰を振っていればいい」と楠木に耳打ちされる。
またパンティーを引っ張られた妻が、手を振り払って立ち上がると、楠木は前に出て歌い始め、2人の男は足元に座って見上げながら
「もっと足を開け」「もっと厭らしく腰を振れ」
と笑いながら冷やかし続けた。
妻は少し動いた事で更に酔いが回り、崩れ落ちると下にいた2人に抱きかかえられ、ブラジャーを外されてしまったが抵抗する力も無い。
その時終了の時間を知らせるベルが鳴ったが、2人は妻の乳房に纏わりついて離れず、従業員が終わりの時間になった事を知らせに入って来た時は、妻は惨めな姿を見られた恥ずかしさよりも、これで助かったと安堵する。
妻は自力では歩けない状態で、両側から支えられてホテルの部屋まで戻り、朦朧とした意識の中ベッドに放り出されると、3人の男がまだいるにも関わらず、酷い睡魔に襲われた。
するとどこからか
「脱いでしまった方が楽になるぞ」という声が聞こえて来た後、また誰かの手によって服を脱がされている様だったが、それが夢なのか現実なのかも分からない状態で、何の抵抗もせずに眠ってしまう。
そこからの記憶は途切れ途切れで、気が付くとパンティー一枚の姿で男の膝に座らされていて、オッパイを揉まれながらキスをされていた。
また意識が遠退いた後気が付くと、今度は全裸にされていて、先ほどとは違う男がオッパイに吸い付いている。
下に目をやると、これ以上広がらないというほど大きく脚を開かれていて、もう一人の男が腹這いになって覗き込んでいたが、力無く「やめて」と言うのが精一杯で、身体が鉛の様に重くて自分では脚を閉じる事も出来なかった。
次に息苦しさで気が付いた時には、口には硬くなったオチンチンが入れられていて、下ではもう一人の男が最も感じる突起に吸い付いていたと言う。
私は妻の惨めな気持ちを思い、これ以上聞くのを躊躇った。
「どうして言わなかった?それが本当なら犯罪だ」
妻は激しく首を振る。
「感じてしまったの。私、感じてしまったの」
妻がこの様な目に合った事自体信じられない思いだったが、その後妻の口から更に信じられない言葉が飛び出した。
「これは強姦ではなくて和姦だと言われました。私が喜んでいる証拠のビデオもあると」
楠木は昼間旅行の様子を撮っていたビデオカメラを持って来て、妻の痴態を撮影していたらしい。
私はこれまで妻の浮気を疑っていても、間違いであって欲しいと願うだけで、どこかで気持ちが逃げていた。
浮気が確定した時は、これ以上関係を続けて欲しくないと願っていただけで、この様な事から早く逃げたいとさえ思った。
心の中のどこかで、私さえ我慢すれば元の生活に戻れると、安易に考えていたのかも知れない。
しかし今の私は、三人の男に対して殺意を覚えている。
3人の男に対する怒りで狂いそうだった。
この様な場合、強制猥褻や強姦を証明するのは簡単では無いだろう。
ビデオの件もそうだが、訴えもせずにその後も妻自ら楠木の家に通って関係を続けていては尚更不利だ。
誰も証人のいない密室での出来事で、妻には一切怪我も無く、無理やりかどうかは水掛け論になる。
訴え出ても、おそらく判決までは数年掛かり、その間妻は好奇の目に晒される。
好奇の目に晒されるのは妻だけではなく、私や娘も同じ事だろう。
仮に勝訴したとしても、妻が3人の男に辱められた事実は消えず、世間にとってこれ程面白い話題は無く、被告よりも特別な目で見られ続ける事は間違い無い。
ましてや証拠不十分で敗訴にでもなったら、妻は一度に複数の男に抱かれて喜んでいた、淫乱な女だというレッテルを貼られる事になる。
世間の人がこれを聞けば、恐らくほとんどの人が、許すな、告訴しろと言うだろうが、その世間が同情を装いながら後ろ指を指す。
男の私でもそう思うくらいだから、女の妻が訴えずに隠そうとした気持ちは頷ける。
ただ疑問に思う事が無い訳では無い。
私は妻がこの様な目に合っていた事を、微塵も感じ取れなかった。
私が鈍感なだけかも知れないが、セックスを拒否されてようやく浮気を疑っただけで、妻が特別落ち込んでいた様子も無かったような気がする。
逆を言うと、それだけ妻は惨めな自分を知られない様に、隠す事に必死だったのかも知れ無いが、それでもどこかに辛さや惨めさが現れても不思議では無い。
そう考えると、最初は酔わされて無理やりされたのが事実であっても、その後は妻も、嫌がりながらも喜びを感じてしまったのかも知れないと疑ってしまう。
妻の話が全て本当だとすると、この様な事を考えてしまう事自体、妻を酷く侮辱している事になるが、私はその疑問を拭い去る為に、全てを知りたくて妻に辛い質問を再開した。
「辛いだろうが、全てを教えてくれ。その後どうなった?その後楠木に抱かれたのだな」
妻の酔いは徐々に醒めてきたが時既に遅く、獣の格好にさせられて一人に後ろから入れられている状態で、もう一人には口を汚されていたと言う。
2人は妻の身体を散々弄び、ようやく満足して自分達の部屋に帰って行ったが、今度は残った楠木にバスルームに連れて行かれ、指で開かれて中までシャワーを浴びせられる。
2人の男に責め貫かれ、上下の口を同時に汚されるという常識では考えられないような行為をされた妻は、ベッドに連れて行かれて身体を開かれても、ショックから立ち直れずに抵抗する気力さえ失っていて、心の無い人形のようにベッドに身を横たえて、楠木にされるままの状態だった。
しかしそんな妻も女の性からは逃れられずに、夜が明ける頃には自ら楠木の背中に手を回していたと言う。
他の者が起き出さない内に部屋に戻ろうとする楠木に
「この事が知れれば、恥を掻くのは優子だ。何しろ、一晩中あんな恥ずかしい声を上げ続けていたのだから」
と言われた妻は、旅行中は他の者に知られない様に、眠気を隠して何事も無かった様に振る舞うのがやっとで、家に帰ると今度は私に知られないように、平静を装うのに必死だった。
「確か旅行に行く前は、優子達だけツインに3人だから、一番若い優子がエキストラベッドになると言っていなかったか?」
「女性は奇数なので、私達一組だけは3人部屋になると聞いていました。
でもホテルに着くと、エキストラベッドでは可哀想だからと
女性用にツインが3部屋とダブルの部屋が用意されていて
部屋割りを見ると私一人がダブルの部屋になっていて・・」
これは酔った勢いで起こった事ではなく、最初から仕組まれていたのだと思った。
「得意先の2人とは誰だ?」
「一人は50代半ばぐらいの問屋の社長で、池田社長と呼ばれていました。
もう一人は30歳前後の若い社員で量販店をいくつも抱えている
大きな問屋の跡取りだと聞いています。
社長は若と呼んでいましたが、名前は確か遠藤だったと・・」
若い方の男は、昨日楠木の家から逃げるように出て行った、スーツ姿の男だと直感した。
「もしかして、昨日楠木の家に来ていた男か?」
妻は小さく頷いた。
「この様な事をされたのに、どうして仕事を辞めなかった?」
「あの夜の私の行動を不信に思った人もいて
あのまま辞めて私がいなくなれば、余計疑われて噂になってしまい
いつかあなたの耳に入ると・・・・・。
それに一番年上のパートさんは
有希の同級生のお婆ちゃんで・・・・・
だから・・・・・
噂になれば有希の同級生のお母さん達にもいつか知られて・・・・。
とにかく、あそこから離れるのが不安で怖かった」
「それにしても、あそこには優子に酷い事をした楠木がいるのだぞ。
その話が本当なら、二度と顔を見たくないだろ。会うのが怖いだろ」
「怖かったです。でも社長には逆に
お互いに酔っていたから、夢を見たと思って忘れろと言われて・・・・・・」
しかし妻の判断は間違っていて、最悪の方向に進んで行く。
数日が経ち、仕事が終って帰ろうとした時に楠木に呼び止められて
「旅行中に撮ったビデオの鑑賞会をするから、明日はここではなくて自宅に来い」と言われる。
危険を感じた妻が断わると
「俺達だけでは寂しいから、それなら誰か他の者を呼ぼう。井上がいいかな」
と妻が一番知られたく無い、娘の同級生の祖母の名を出す。
翌日仕方なく家に行って、楠木に案内された部屋のドアを開けると、案の定あの2人がいたので、妻はドアの所に立ったまま中には入れない。
そこから画面を見ると、観光地での様子などが映っていて
「心配しなくても、今日は誰も酔ってはいない。みて見ろ。ただのビデオ鑑賞会だ」
と楠木に後ろから押される。
妻は2人から離れた所に座ったが、心配でビデオを見るどころではなかった。
すると急に2人から歓声が上がり、画面を見ると今までとは違い、下着姿でベッドに横たわる、自分の姿が映し出されていた。
妻は立ち上がって部屋を出ようとしたが、ドアの近くに立っていた楠木に腕を掴まれる。
すると座っていた2人が立ち上がって近付いて来たので、妻の脳裏にあの夜の恐怖が甦り、何とか逃げ出そうと激しく抵抗したが、男3人の力には勝てるはずも無く、無理やりテレビの前に連れて行かれると2人に押え付けられ、残った一人に髪を掴まれて、無理やり自分が辱められている映像を見せられた。
その日を境に、妻は楠木の自宅に勤めるようになり、毎日の様に3人の内の誰かに抱かれ、それは2人同時の時もあり、時には3人に責められる事もあった。
楠木は妻に
「ここにいる時は旦那や子供の事は忘れて、全く違う人間になってサービスする事に専念しろ」
と言って、妻が着た事も無い様な服を買い与え、下着までも派手な物に着替えさせるようになる。
「どうして俺とのセックスを拒んだ」
妻の表情が険しくなった。
「それは・・・・・・・・」
「それは何だ!」
「言えない・・・許して」
3人に弄ばれていた事まで話した妻が、言えないと言って黙ってしまった事で、まだこれ以上の事があるのかと怖くなる。
「全てを正直に話してくれ。そうでないと、俺は一生優子の事で要らぬ想像をして、苦しみながら暮らさなければならない」
「その頃から・・・・・・・・・・縛られる様になって・・・・・・・・」
初めて縛られて辱められた日、妻は何とかこの様な行為から逃れたくて、特に痕は残っていなかったが
「こんな事をされたら痕が残ってしまって、夫にばれてしまいます。こんな事はやめて下さい」と抗議した。
するとそれが逆効果になってしまい
「痕が残らないように、軟らかい専用の縄をわざわざ買って来て使ってやっているのに、それでも痕が残るから嫌だと言うのなら、今日から旦那とのセックスを禁止する。それならばれる心配も無いだろ」
と言われ、毎晩9時丁度に電話を入れる事を義務づけられる。
「トイレで電話していたのがそれか?毎晩、何を話していた?」
「今夜も主人には・・・絶対に抱かれませんと・・・誓わされて・・・・・・」
妻は何度も行くのをやめようと思ったが、その後も撮られていたビデオの存在が決心を鈍らせた。
「毎回ビデオに撮られていたのか?」
「いいえ・・・旅行の時を入れて・・・・・4度ほど・・・・・」
「そのビデオで脅されていたのか?」
「脅す事はしませんでした。でも・・・・・冗談の様に言う事があって」
楠木は汚い奴で、はっきりと脅す事はしなかったが、冗談の様に
「このビデオを見て、ウンチもしないような顔をして澄ましている優子がこんな凄い事をしていると知ったら、さぞかしみんな驚くぞ。他の者には見せないが」
と言ったりして脅す。
しかし妻に二の足を踏ませていたのはそれだけではなく、楠木に対する恐怖心だった。
旅行から帰ってから最初に弄ばれた日、終わってから涙が止まらない妻に楠木は、奥さんとの本当の離婚理由を明かす。
「2人に抱かれたぐらいで、怒って出て行きやがった。この不況に、少しは協力すれば良いものを、本当に勝手な奴だ」
楠木は再婚で奥さんは若く、妻よりも少し年下だったと言う。
楠木の会社は主に3社を相手に商売していたが、その内の1社が倒産し、ただでさえ中国製品に押されて困っていた楠木は、残った2社からの注文を増やそうと考えた接待が、自分の妻を抱かせる事だった。
これだと同じ秘密を持つ事で離れられなくなり、同じ女を共有する事で親近感も増して、より親しくなれると考えたのだ。
楠木は2人を家に呼び、自分は用を作って外出して、2人に奥さんを襲わせた。
しかし、当然奥さんは怒って2人を訴えると言い出して聞かないので、今度は自分の目の前で襲わせて、2人に辱められている奥さんに向かって
「これは俺の性癖で、夫婦のプレーの一環だから、訴えても俺が証言するから無駄だ」
と言ったそうだ。
奥さんの金遣いの荒さが原因で離婚したと聞いていた妻は驚くと同時に、楠木に対しての恐怖心を植え付けられてしまう。
「あの男が来ていたと言う事は、昨日も・・・・・・・・」
「ごめんなさい。
着いてすぐに玄関で、今後ここには二度と来ないと言ったら
最後に二人に抱かれてくれれば
これで最後だと相手を納得させられるのでビデオも処分すると言われて・・・
1人は忙しくて急には来られなかったけれど・・・・・・
あの男に・・・・・・・」
「本当にそれで、縁を切ってもらえると思ったのか?」
妻は俯いてしまう。
考えながらではなくて淡々と話す妻を見ていて、話している内容に嘘は無いと感じた。
しかし、その淡々と話す姿に、何かズッキリしない物を感じてしまう。
最初こそ泣いて取り乱したが、それは惨めな自分を私に知られるのが耐えられなかった涙だろう。
これだけ辛い体験なのに、その後は泣きもしないで話す妻。
最初の頃は恥ずかしく辛い事だったかも知れないが、妻自身ずっと辛かったと思い込んでいるだけで、本当は徐々に辛い出来事ではなくなっていたのかも知れない。
言い換えれば、辛く苦しい中にも、喜びを見出したのでは無いだろうか。
この先どうなるか分からない不安の中、辛さを快感に変える術を見付けたのでは無いだろうか。
そうでなければ3ヶ月もの間、毎日の様にこれだけの辛い思いをしていれば、精神的にそう強くも無い妻は、多少精神に異常を来たしていても不思議では無い。
今も話しながら辛くて惨めな自分を思い出しているはずで、泣きじゃくって取り乱しても不思議では無い。
しかし妻は、泣きもしないで淡々と話す。
自分が壊れてしまわない様に、苦しみを少しでも喜びに変えられる様な機能が妻にあるとすれば。
苦痛を少しでも快感に変えられる様な機能が妻にあるとすれば。
自分を守る為に、その様な機能が備わっている人間がいるとすれば、妻は正しくその様な人間だったのでは無いだろうか。
気持ちではどんなに拒否して嫌がっていても、それ以上に身体が喜んでしまっていた事が、妻に訴える事を躊躇させ、苦しみながらも気が付くと楠木の家に足を運ばせていたのかも知れない。
私は楠木が撮ったという、ビデオを見てみたくなった。
翌朝、私は楠木の家に向かった。
暗い夜に考えているのと違い、明るい朝では割と冷静になれたつもりだったが、楠木の顔を見た瞬間手が出てしまう。
私が人を殴ったのは初めてかも知れない。
幼い頃に取っ組み合いの喧嘩をした事はあるが、殴った事は無い様な気がする。
私はボクシングを見るのが好きで、パンチはどの様に打つか頭の中では分かっていたが、やはり理論と実践とでは大違いで、腕の振りは大きく、おまけに最初から力が入ってしまっていて遅い。
それでも楠木の頬にヒットしたという事は、楠木もこの様な事には慣れていないのだろう。
「何をする!」
「それは自分の胸に聞け!」
妻が全て話した事を言うと、楠木は殴られた事よりも驚いたようだ。
おそらく、妻は恥ずかしくて絶対に話せないと思っていたのだろう。
「そんなものは、優子が自分を守りたくて言った、作り話だ。あれは犯罪でも何でも無い。優子も納得して喜んでした事だ。でもこれは違う。暴力は立派な犯罪だ。警察を呼んでやる」
楠木が携帯を取り出すと、流石に私は焦っていた。
なぜなら、妻に3人を訴えさせる事は考えていなかったが、警察沙汰になれば妻の事を話さなければならない。
そして私の罪を軽くする為に、訴えることになるだろう。
そうなれば考えていたように、好奇の目に晒されて被害を受けるのは妻であり、私や娘なのだ。
「呼ぶなら呼べ。こちらも訴えてやる」
訴える気は無かったが、このままでは引けずに強気に出てそう言うと、楠木は手を止めて薄ら笑いを浮かべた。
「どうぞ、訴えてくれ。世間に優子が淫乱だと知れるだけで、私は痛くも痒くも無い」
楠木は余程自信があるのだろう。
妻の話が嘘で無ければ、それだけ用意周到に練られた計画であった事を意味していた。
「優子は喜んで抱かれていたのだから、その様な訴えが通るはずは無い。私が人妻を抱いたのは事実だが、その事が世間に知れても、妻も子供も親兄弟もいない、守るものなど何も無い私にはどうでも良い事だ。そもそも、その事は慰謝料を払って決着している」
確かに守る家族もない楠木は、私よりも強い立場かも知れない。
楠木が手に持っていた携帯を開いた時、私は苦し紛れに2人の名前を出した。
「池田と遠藤も同じ考えか?」
すると楠木の表情は一瞬で強張り、今迄とは違って落ち着きが無い。
「あの2人は関係ない。私が優子に接待を頼んだだけだ。あの2人は優子の接待を受けただけだ」
「接待?無理やり酒を飲ませて卑猥な事をさせ、意識がなくなったところを3人で嬲り者にしたのが接待だと!」
「だから、そんな事はしていない。この事は、優子も旅行前から納得していた。いや、納得したと言うよりも楽しみにしていた。それでもいざとなると少しは罪悪感が出て来たのか、自分から浴びるほど飲んで酔っただけで、これは全て合意の上だ。あんたにばれたので優子は自分を守る為に、苦し紛れにそう言って逃げただけだ」
楠木の顔からは余裕が消えて動揺しているのが分かったが、守るものがない楠木が、得意先2人の事でそこまで動揺する訳が分からない。
2人を怒らせて仕事が減っては、食べていくのに困るのは分かるが、二人の事でそこまで動揺するほど今の仕事に愛着があるとも思えず、そこまで仕事熱心な男だとも感じられない。
ただ訳は分からなくても、楠木の弱点は池田と遠藤である事が分かった私は、ここに来た目的を達成させる為に、2人を交渉の道具に使おうと決めた。
「お前の話だけでは信用出来ない。今から池田と遠藤に会ってくる」
「あの2人は関係ない」
「そうは行かない。今から会社に怒鳴り込んでやる」
私が立ち上がると、楠木も慌てて立ち上がった。
「優子も喜んでいたという、証拠のビデオがある。それを見ればあんたも納得するはずだ」
「お前がビデオの事を話したから、俺も本当の事を話そう。俺が今日ここに来た本当の目的は、そのビデオを取り戻す為だった。仮に勝訴しても俺達夫婦は世間から笑われる。だからこの様な事は早く忘れたいと思ったが、妻からビデオの存在を聞いて、そんな物をも持たれていては、忘れる事など出来ないと思った」
私はわざと弱気なところを見せた。
「それならビデオを渡すから、今日のところは帰ってくれ」
案の定楠木は、ビデオを渡せば全て形がつくと思ったようだ。
「しかし、ここに来てお前の顔を見たら、自分はどうなっても良いから、お前達を潰したくなった」
今度は少し強気の事を言うと、楠木は小走りで部屋を出てビデオテープを持って来たが、それは3本だけだった。
「妻の話しだと、もう1本あるはずだ」
「確かにあるが、大事な証拠のビデオを全て渡す事は出来ない」
私は妻がどの様な事をされて、どの様な反応を示したのか知りたい気持ちもあったが、それよりも楠木が妻の恥ずかしいビデオを保管している事が嫌だった。
「お前はやはりそう言う男だった。交渉決裂だ。こうなったら名誉毀損も糞も無い。今から池田と遠藤の会社に怒鳴り込んでやる。刑事で訴えてお前が言う様に駄目だった場合、不貞行為の民事で裁判にしてやる。お前に弱味が無いのなら、先ずはあいつらを潰してやる。刺し違えてでも、必ず潰してやる」
楠木は、私が2人の所には行かない事を条件に、ビデオを全て渡すと言い出した。
「よく考えれば、俺達が無理やり犯したという証拠も無い。優子が自分の意思で、喜んで抱かれに来ていたのだから、その様な証拠があるはずも無い。」
「ビデオを見て、どのビデオでも妻が本当に喜んでいたら、諦めて離婚する」
私がビデオを取り返したい一心で、更に口から出任せを言って安心させると、楠木は信じたのか声を出して笑い出す。
「それならビデオを渡してやろう。あれを見たら離婚は確実だから、ビデオは離婚してから、またゆっくりと撮ればいい」
妻が私と別れれば、妻はまたここに来ると思っている。
妻はそれほど喜んでいたのだろうか。
私はダビングして何本も持っていないか確かめる為に、ビデオを取りに行く楠木の後をついて行った。
妻は凄い美人と言う訳でも無く、特に目立つ存在では無かったが、笑顔が可愛くて清潔感があり、いつも皆よりも一歩下がって微笑んでいる様な大人しい性格に惹かれて交際を申し込んだ。
妻は既に29歳だったが、いざ付き合ってみると半年経ってもキスすら許さず、どこか性的に問題があるのかとさえ思った事もある。
その問題が、過去に酷い性的虐待を受けたか、以前付き合っていた男に暴力的なセックスを強いられて、精神的に受け付けない様になっているとすれば上手くやって行く自信など無かったが、妻に惚れてしまっていた私は更に半年付き合ってから結婚した。
すると意外にも初夜では拒む事無くスムーズに終わり、妻が処女だった事にも安心して今まで拒んでいた理由を聞くと、信じられない事に
「結婚して、子供が欲しいからという目的があれば良いけれど、そうではなくて、ただ本能を曝け出すだけの行為は、恥ずかしくて出来なかった」と言う。
その後も私が誘えば拒否する事も無く、子供もすぐに出来たのだが、何年経っても妻はあくまでも受身で何もせず、私が覆い被さる体位以外は嫌がって受け付けない。
そのような妻は、他人からもセックスとは無縁に見えるらしく、家で友人達と飲んだ時に
「子供が一人いるという事は、優子さんも、最低でも一回はセックスをした事になるよな」とからかわれたほどだ。
確かに妻は、拒みはしないが好きな方では無かったと思う。
おそらく自分を全て曝け出す事が恥ずかしくて、楽しむどころでは無かったのだろう。
そんな妻が変わり始めたのは、35歳を過ぎた頃からだ。
その頃娘が自分の部屋で眠るようになった事も大きかった様だが、徐々に感じ方が激しくなり、言葉には出さないものの色気のある下着を着けるなどして、遠回しにではあるが妻からも誘って来るようになる。
おまけにどの様な体位も拒まなくなり、私もその様な妻の変化が嬉しくて、妻の要求には全て応えていたが、半年もして娘が小学校に上がった頃には、生理の時以外毎晩のように迫られるようになり、5歳上の私には流石に毎晩は応えられない。
「あのー・・・・・・言い難いのだけれど・・・・・・」
「夫婦じゃないか。何でも言ってみろよ」
「アダルト・・・ビデオを・・・・・・」
「AV?」
「他のお母さん達が・・・最近のは凄いと話していて・・・・・最近のも何も、私は一度も見た事が無いから・・・・・・・・」
早速借りてきて見せると、最初は恥ずかしそうに横目で見ていた妻も、次第に私の存在など目に入らなくなり、画面に釘付けになって瞬きもしないで見入っていた。
あの妻が、AVを見て呼吸を乱しているのを見て興奮し、次第にダビングされたビデオは増えていく。
その後いつの頃からか、妻はビデオを真似するようになり、今迄なら私も腰を使わないと物足りなかったフェラも、少しでも油断すると出されてしまいそうになるほど巧になった。
妻が上になった時も、今迄なら恥ずかしそうにじっとしているだけだったので私が下から突き上げていたが、ビデオを見るようになってからは自ら積極的に動くようになり、時にはスクワットをしているかのように、大きく股を開いて上下に激しく動く事もある。
私はその様な妻に満足していたが、妻の欲求はそれだけに止まらない。
「あんなのでされて、本当に気持ちいいのかな?あんなのを使われたら、どの様な感じなのだろう?」
ビデオを見ながらそう言う妻に
「バイブを買ってやろうか?」と言うと、流石に
「怖いから私には無理」と言ったが
「じゃあローターを買ってやろうか?」と言う問い掛けには、恥ずかしそうに俯きながら
「はい」と答えた。
小道具が1つ加わった事でセックスの巾が広がり、妻は以前にも増して快感を貪る様になって行ったが、妻の急激な変化に驚いてばかりいた私も、昼は淑女で夜は娼婦の様な妻を楽しんだ。
そんな妻にまた変化が訪れたのは、娘が2年生になった頃だ。
今度はセックスの回数が激減し、終には私が誘っても
「ごめんなさい。お仕事で疲れてしまって」と言って拒否するようになる。
仕事というのは、娘が小学生になったのを機会に、一年前からパートとして勤め出した縫製工場。
連日拒む妻に浮気を疑ってみたが、私には大胆になれても、未だに海水浴場でも水着になれない妻が、私以外に裸体を晒すなど考えられず、妻に限ってそれは無いと打ち消す。
逆に私は妻の体を心配し、一度医者に看てもらう様に勧めるが、妻はただの疲れだと言って行こうとしない。
「私はミシンを担当しているから、この様な事もあるらしいの。
最初の頃は張り切っているし、慣れない仕事で緊張しているから
逆に感じないらしいけれど、細かな仕事だから
一年くらい経って慣れた頃に
根を詰めていた疲れが一度に出る事があるらしくて。
大丈夫だから心配しないで。ありがとう」
しかし、その後も拒否され続け、セックスレスの状態になってしまう。
「夫婦生活も出来ないほど疲れるのなら、そんな仕事は辞めてしまえ」
「ごめんなさい。ようやく慣れてきた仕事だから続けたいの。今日は大丈夫だから」
渋々妻は応じたが、いざ始まってしまうと以前よりも激しく乱れ、久し振りのセックスで興奮した私が今迄に無いほど責め続けると、我を忘れた妻は、最後に私を奈落の底に突き落とすような言葉を叫んで果てた。
「オメコ・イク?」
セックスに積極的になっていた時でも、妻がその様な言葉を口にした事は一度も無く、仮に以前見たビデオが浮かんで真似をしたとしても、持っているビデオに出て来るのはオマンコと言う呼び方だが、確かに妻はオメコと言った。
私は不信感でいっぱいになったが、妻はその様な言葉を口にした事すら覚えていない。
情けない事に、妻が浮気しているかも知れないと思っただけで、私は吐きそうになるほど動揺し、真実を知るのが怖くて自分の中で必死に打ち消して、妻の行動を調べる事すらせずに逃げていたが、私の気持ちなど知る由も無い娘に止めを刺される。
「お母さん。今日どこに行ったの?社長のおじちゃんと一緒に、黒くて大きな車に乗っていたよね」
娘は以前妻が忘れ物をした時に、一度職場に連れて行ってもらった事があり、その時社長からお菓子をもらったので顔を覚えていて、理科の授業で川に行った時、その社長が運転する車の助手席に妻が乗っていたのを見たと言う。
妻に疑いを持つ前なら、気にもしないで聞き流していたかも知れないが、私は新聞を読む振りをしながら、妻と娘の会話に聞き入っていた。
「えっ・・・ええ・・・・・社長のおじちゃんと・・内職さんの所へお仕事を置きに行ったの」
妻はミシンを担当しているのに、どうして社長と内職さんの所へ行かなければならないのか。
何より妻は明らかに焦っていて、言葉に詰まっていた事が気になる。
「お母さんは、見た事のないお洋服を着ていたよね?」
「何を言っているの。もうその話はいいから、早く食べてしまいなさい」
妻の服装の事は娘の見間違いかも知れないと思ったが、内職回りをするのに、高級車に乗っていた事も気になる。
「いつも社長自ら内職回りをするのか?大変だな」
私は新聞を見ながら、あえて妻がなぜ一緒に乗っていたのかは聞かずに尋ねた。
「えっ?・・・ええ・・・・あなたも知っているように、会社と言っても小さな会社だから、係りの人が休んだ時は・・・・・・・・・・」
私は2人の関係に疑問をもったが、他の従業員の目もあり、昼間から社長と不倫しているのは考え辛い。
仕事中に妻と社長が何時間かいなくなれば、当然他の者の噂になり、人前では大きな声すら出せない、他人の目を人一倍気にする妻には耐えられないだろう。
妻が社長と不倫していると仮定して考えてみた。
二人が昼間からホテルに行っている事は考えられず、そうかと言って5時30分には帰って来ている事は娘の話からも間違いないので、仕事が終ってから会っている事も考えられない。
仕事が忙しくなったので頼まれたと言って、2ヶ月前から土曜も仕事に行く様になったが、私が休みなのでいつもよりも早い4時には仕事を切り上げさせてもらって、4時30分迄には必ず帰って来る。
休みの日は買い物に行ったり、まれに娘の同級生のお母さん達と食事に行く事もあるが、ほとんど私といる事が多く、特別怪しい行動も無い。
そう考えると社長と浮気するどころか、他の男とも妻が浮気出来るような時間はない。
それからは多少気にはなったものの、妻とは20歳近く離れている社長に嫉妬し、妻を疑っている自分が情けなく思えた。
しかしそうは思っても、やはり心のどこかで疑っていたのかも知れない。
何故なら、以前よりも妻の行動を注意深く見るようになっていたから。
そして気が付いたのは、妻は必ず夜の9時にトイレに入る事だ。
それは何かの途中でも、例えトイレに5分前に入ったばかりでも変わらない。
私は忍び足でトイレに近付いて、悪趣味だと思いながらも聞き耳をたてた。
「・・・・・はい・・・・・主人とは・・・・・・・・」
妻は誰かと話していたが、声が小さくて聞き取れない。
翌日はもう少し近付いたが、やはり消え入るような声で話していて、分かったのは全て敬語で話しているぐらいで、内容までは分からなかった。
不信感が増した私は、思い切って妻の職場に行ってみようと決心し、次の土曜日、娘を近所の同級生の家に預けて妻の勤め先に向かうと、驚いた事に静まり返っていて誰もいない。
私が呆然として立ち尽くしていると、その縫製工場の社名が入ったライトバンが止まり、降りてきた年配の男に声を掛けられた。
「何か用かい?」
「今日は休みなのですか?」
「今日はと言うか、何年も前から土曜はずっと休みだ」
「ずっと休み?最近忙しくなって、土曜も仕事になったとか」
「いや。どんどん仕事は減っていく。一時は男の社員が4人いて、パートさんも30人以上いたが、今では中国製の安いのに押されて、男は俺だけでパートさんも7人しかいない。内職などは80軒も抱えていたが、今では10件だけだ」
これで妻が、社長と浮気する時間が出来てしまった。
時間が出来たと言うよりも、朝の9時から午後4時まで7時間もある。
その後も男は、暇になって土曜が休みになった理由を一生懸命聞かせてくれたが、私にはどうでも良い話だった。
「みんなは休みなのに内職回りですか。大変ですね」
早く話が終わって欲しくて、嫌な気分にしない様な言葉で話に割り込んだが、今度はその事について話し出す。
「俺は定年も過ぎているから、このぐらいの事はしないとクビになる。だからここ2年は俺だけ土曜も出て来ているし、一日も休んだ事が無い」
「土曜意外も休んだ事は無いですか?」
「だから、ここ2年は一度も休んだ事は無い」
また一つ妻の嘘が明らかになってしまった。
「ところで、あんたは何の用で?」
妻の事は言い難く、咄嗟に同業者だと嘘を吐いた。
「仕事が無くて、何か回して頂け無いかと思って」
「社長は自宅にいると思うが、無理だと思うぞ。うちも仕事が減って困っている状態だから」
駄目元で行ってみると言って、社長の自宅を聞き出して向かったが、近付くに連れて心臓の鼓動が早まる。
社長の自宅は古くて大きな一軒家で、苔の付いた古い門柱にチャイムのボタンが埋め込まれていたので押したが、壊れているのか返事が無い。
仕方なく勝手に門を入ると、黒い高級車の横に妻の軽四が止めてあった。
玄関のチャイムを押したが、やはり返事が無いので裏口に回ると洗濯物が乾してあり、その中の真っ赤なパンティーとブラジャーが目を惹く。
「はーい。どなたですか?」
その時表の方から、聞き覚えのある声がしたので玄関に戻ると、そこには見た事も無いミニのワンピースを着た妻が立っていたが、私の顔を見るなり絶句して震え出した。
妻の後ろ髪が少し乱れているのに気付いた時、絶望感から何も言えずにその場を立ち去ったが、どの道を通って家まで辿り着いたのかさえ覚えていない。
1時間経って、ようやく妻は帰って来たが、何も言わずに涙を流しながら正座する。
「泣いていては分からない。詳しく説明しろ」
得意先の一社が倒産して、ただでさえ減り続けていた仕事は激減し、一番新入りの妻は人員整理の対象になったが、その時社長から違う仕事を頼まれる。
「どうして隠していた!」
「隠すつもりは無かったです・・・・ただ・・その様な仕事は駄目と言われそうで・・・・・・・いつかは話すつもりでした」
「俺に言えないような仕事とは、どの様な仕事をしていた」
「工場にはいかないけれど
新しい商品の生地や材料を選んで決めたり・・・・
他所の商品を見に行ったり雑誌を参考にしたりして
デザインを決めたり・・・・・・・・
他には掃除、洗濯、炊事などの家事一切を・・・・・・・」
「社長の奥さんは?」
「半年前に離婚されて、出て行かれたので・・・・・・・」
妻は離婚した奥さんの代わりをしていたようだが、そこには性欲処理も含まれていたのではないかと疑ってしまう。
「社長に子供は?」
「いません」
妻の話しだと社長は一人暮らしになるが、それでは洗濯物の中にあった、真っ赤なパンティーとブラジャーの説明がつかない。
「社長は女物の下着を穿くのか?」
「えっ?」
「真っ赤なパンティーが乾してあったぞ」
「それは・・・・・・・・・・私には分かりません。
私は脱衣籠の中の物を洗っている
だけだから・・・・・
帰ってからの事は分からないので・・・・・・・・」
妻の話を信じたい気持ちは大きいが、余りにも不審な事が多すぎる。
「あの格好は何だ!若い時でも穿かなかったような短いスカートを穿いて」
「お客様も多いので・・・・・・
私の服装は趣味が悪いからと・・・・・・・
制服のようなものだと言われて・・・・・・・・・」
「とにかく、嘘を吐かなければならないような仕事は今日で辞めろ。分かったな!」
「はい・・・・・・ごめんなさい」
急なセックスレス。嘘を吐いて仕事に行く。
トイレに隠れて携帯電話。
ミニスカート。
乾してあった真っ赤な下着。
何より私の質問に答えている時のおどおどした態度など、不審な点が多すぎて信用出来ないが、私は真実を知るのが怖くなり、それは娘のためでもあると言い聞かせて、このまま済まそうとしていた。
しかし昼間はどうにか持ち堪えられても、夜になると考えてしまう。
妻が真っ赤なパンティーを穿かされて、ミニのワンピースを着て掃除をしている。
それを離婚した、欲求不満な五十男が笑みを浮かべて見ている。
はたして見ているだけで済むのだろうか。
いや、済むはずが無い。
何よりあの妻が、何も関係の無い男の前であの様な格好をするはずが無い。
私は飛び起きて、眠っていた妻のパジャマを荒々しく剥ぎ取った。
妻は訳が分からずに驚いて抵抗したが、目が覚めてくると私のパジャマを剥ぎ取って、逆向きに覆い被さってきて、音を立てて激しくしゃぶる。
私も負けない様に口で妻を責め立てると、妻は狂った様に頭を上下させて応戦して来たが、先に我慢出来なくなったようで、咥えたまま動きを止めて唸り声を上げていたかと思うと、急に口を離して大きな声で叫んだ。
「ダメ・ダメ・・・イク・・・・オメコ・イク?」
妻に限ってと思いたいが、またオメコと叫んでいる妻を見ていると、やはりこのままでは済まされない。
月曜日の朝、妻は仕事を辞めてくると約束して私と一緒に家を出たが、胸騒ぎがしたので昼休みに家に電話してみると妻は出ない。
心配で仕事どころでは無い私は、体調不良を理由に会社を飛び出し、社長の家に向かうと悪い予感は的中し、妻の車が止まっていた。
「あなた!・・・・・・・・」
「何をしている!それに、その格好は何だ!」
妻はこの前とは違うミニスカートを穿いていて、大きな網目の黒いタイツが目を惹く。
「私が着いてすぐに得意先の方がお見えになっていたので
その話は後でと言われて
お茶を出したり食事の用意をしたりして
手伝っていました・・・・・・・・・
お客さんが帰られたら、きちんと話しますから」
「一昨日で辞める約束だっただろ!信用出来ないから、俺が話す」
「ちゃんと私が」
その時騒ぎを聞き付けて、痩せていて背の高い男が出てきた。
「どうしました?」
「主人が・・・・・・・」
私はなぜか社長の事を、太っていて脂ぎった厳つい男だと思い込んでいたが、実際は歳を感じさせない、スマートで優しい顔をした男だった。
「丁度良かった。私も一度お伺いして、ご主人と話がしたいと思っていました」
社長の言葉で妻の顔色が変わり、必死に私と社長が話すのをやめさせようとする。
「あなた。私がきちんと話しますから、今日は帰って。今はお客様もみえるので、お願いですから」
「私でしたら、商談は終ったので失礼しますから」
いつの間にか社長の後ろに立っていた、スーツ姿の30歳ぐらいの男は前に出てきて、急いで靴を履くと出て行った。
「お客さんは帰りましたから、優子さんも帰って頂いて結構ですよ」
「優子は先に家に帰れ!」
妻は涙目になっていたが、終に涙が溢れ出し、バッグや着て来た服を抱えて飛び出して行った。
「奥様に別れた妻の代わりをさせてしまって、誠に申し訳ありません」
「その事は聞いている」
「いいえ、そうでは無いのです。お気付きだとは思いますが、妻の代わりにセックスの相手までして頂いています」
私はそこまでの関係であって欲しくないと願いつつ、その事を聞き出そうとして2人で話す決心をしたのだが、相手から先にあっさり認められてしまった事で困惑した。
「私が全面的に悪いです。どうぞ、殴るなり蹴るなり好きにして下さい」
社長は床に正座して目を閉じたが、動揺していた私は何も出来ない。
「そんな事をして何になる!どう責任をとるつもりだ!」
「申し上げ難いのですが、お金で解決させて頂くしか無いと思っています」
「金で済ませる気か?」
「他に、どのように?」
この男を殺したいほど憎いが、私に人殺しをする勇気も無く、また娘の将来に託けて、それ以外の方法は無いのかと考え込んでしまった。
「奥様に対しての責任も、きちんと取らせて頂きます」
「どの様に」
「はい。私の様な者とこの様な関係になってしまっては、ご主人も奥様を許せないと思います。ですから奥様の後の事は、私が責任を持って面倒を看させて頂きます」
この男は丁寧な言葉で、私から妻を奪おうとしている。
「ふざけるな!俺は離婚などしない」
私は何の考えも策も持たずに話し合いに臨んだ事を悔やみ、家に帰ると妻は泣きじゃくっていて話しにならない。
「どうしてこうなった!」
「ごめんなさい。許して下さい」
「いつからの関係だ!」
「許して下さい」
娘が帰って来たので追求するのを中断し、夜になってからまた聞こうと思っていると、社長から話し合いに来ると電話が入るが、娘がいる所では話し辛く、私が夜出向く事になった。
社長はこの間に銀行へ行って来たらしく、お金の入った銀行の封筒と、同じ事が書かれた二枚の示談書を並べて置いた。
「百万入っています。そこにも書いてありますが、離婚される場合はあと4百万支払いますから、どうかこれで許して下さい」
知らない人が見れば、誠意を示しているように見えるだろうが、この男が妻を諦めていないのは分かっている。
示談書を見て社長の名字は楠木だと初めて知り、全てに目を通したが、やはり今後の事が記されていない。
「今後一切妻とは連絡も取らず、会わないという事を記載しろ」
「それは出来ません。連絡を取り合ったり
会うぐらいでは不貞行為にはならず、法律には触れないはずです。
優子さんが嫌がれば別でしょうが
嫌がらない限りお付き合いは続けさせて頂きたい。
もっとも優子さんから抱いて欲しいと言ってくれば
また慰謝料を払う事になろうとも私は拒みません。
優子さんの為のお金なら、いくら使っても惜しくはありませんから」
「妻は、二度とあんたに会わない」
「どうですかね?
何しろ、最初は優子さんから抱いて欲しいと誘って来たのですから。
夫婦は勿論セックスだけではありません。
ただセックスの相性も、夫婦としての大事な一部です。
人によっては、それが全ての人もいる。
優子さんは、今後も私に抱かれたいと思っているはずです」
「嘘を吐くな。妻から誘うはずが無い。おおかた最初は無理矢理・・・・・・」
「人聞きの悪い事を言わないで下さい」
私が妻の浮気を疑い始めた時、3ヶ月前にあった慰安旅行も気にはなったが、その時は集合場所まで私が送って行き、年配のパートさん達と楽しそうにマイクロバスに乗り込む妻を見届けていたので、この時に関係を持つ事は有り得ないと思って外したが、楠木の話しによると、妻と最初に関係を持ったのはこの慰安旅行の夜だったと言う。
この時女性は7人で、ホテルだった為に女性用にツインの部屋を3部屋と、シングルの部屋を一部屋取り、妻だけが一人になった。
妻は宴会で飲み過ぎてしまい、部屋に帰って休んだ方が良いと忠告したが聞き入れずに、二次会にも参加したと言う。
すると更に酔ってしまって、自分の足では部屋まで帰れない状態になり、責任のある楠木が送って行くと部屋に入るなり服を脱ぎだして、下着姿で抱き付いてきて言ったそうだ。
「酔うとしたくなるの。お願い、抱いて。このままでは疼いてしまって眠れないの」
妻は楠木の前に跪くと、素早く取り出して口に含んで来たので、我慢出来なくなった楠木は、妻を立たせてベッドに押し倒してしまったと言う。
昼間の大人しい妻からは考えられないような、淫乱で激しい妻に放してもらえず、結局朝まで相手をさせられた。
旅行から帰ると罪悪感に苛まれたが、目が合う度に色っぽい目で誘ってくる妻を見ていると、あの夜の事が思い出されて誘惑に負けてしまい、2人で仕事を抜け出しては関係を続けてしまう。
自宅での仕事に切り替えたのは、ちょくちょく2人で抜け出していたので、他の従業員から怪しまれ出したからだそうだ。
「もう嘘は沢山だ!」
「嘘ではありません。
その証拠に最初は優子さんの方が積極的だったのですが
次第に私が優子さんの魅力にはまってしまい
可也色々な事をさせてしまいましたが
優子さんは喜んで応じてくれました」
「色々な事?妻に何をした!」
「別れた妻の代わりに
セックスもお世話になっていたと言いましたが
実は妻には頼めなかったような事もしてもらっていました。
本当に色々な事を」
「だから何をした!」
「いくらご主人でも、優子さんが恥ずかしがるのでいえません。
それだけは勘弁して下さい」
確かに妻は性に対して貪欲になっていたが、あの妻が進んで恥ずかしい行為をしていたとは、やはり私には信じ難い。
「優子さんが私から離れる事が出来れば諦めます。優子さんは私を選ぶと信じていますが」
「優子は二度とここには来ない。金輪際近付くな!」
妻が私よりこの男を選ぶなどとは考えられず、この男とは早く決着をつけて、妻と向き合おうと思って始末書にサインすると、慰謝料を掴んだ。
家に戻ると、妻に涙は無かった。
「優子から誘ったのか!」
当然否定すると思っていたが、妻は下を向いてしまって顔を上げない。
「・・・・離婚して・・・・・」
あまりの事に、私は言葉に詰まった。
この妻が他の男に抱かれていた事だけでも、それは私にとってどの様な問題なのか理解出来ないでいるところに、私と別れたいと言い出したのだ。
「どう言う事だ!」
「・・・・・・離婚して・・・・・・・・社長が・・好き・・・・・・・・」
更に私は、深い闇に包まれる。
私が"離婚"を口にすれば、妻は「離婚だけは許して」と言って縋り付くと勝手に思っていた。
だから"離婚""別れる""出て行け"は、妻に裏切られた惨めな私の武器だと思い込んでいた。
しかし、その武器を逆に使われて、私は何も言えなくなっている。
妻の体が他の男を欲しがっただけでも許せないが、心は私にあると疑いもしなかった。
妻が小さな声で言った「社長が好き」が、私の心に重く圧し掛かる。
怒りや寂しさが交差して眠れない私は、次第に何か釈然としないものを感じる様になっていた。
私はこの事が発覚する前の妻の様子を思い出していて、妻はまだ私を愛していると思った。
これは私の勝手な思い込みで、そう思いたいだけかも知れないが、多少の浮気心はあったにしても、私と別れるほど本気になっているとは到底思えない。
もしもそうだとすると、私が出て行ってから色々考えていて自棄になってしまったか、あるいは私が楠木の家を出てから家に着くまでの間に、楠木との間で何らかの話し合いがなされた可能性がある。
私が家を出る前の妻は絶えず縋る様な目で私を見ていたが、楠木の所から帰って来ると、焦点の定まらない、全てを諦めたような虚ろな眼に変わっていた。
それを思うと話し合いと言うよりも、楠木に電話で何か言われたのか。
言い換えれば楠木に脅された事になるのだろうが、浮気が発覚してしまった今、妻に脅されるような材料は見当たらない。
やはり妻は、私よりも楠木に惹かれているのか。
しかし楠木にしても、疑問の残る行動が目立つ。
妻に未練がある様な事を言う割に、すぐに慰謝料を払って早くこの事を終わらせようともしている。
何より、簡単に自ら体の関係を認めた事が気に入らない。
妻との深い関係を誇示して、私に妻を諦めさせようと思ったとも考えられるが、それでも体の関係を簡単に認め過ぎる。
景気の良い時ならまだしも、普通なら少しでも慰謝料を少なくしようとするか、出来れば払わずに済まそうとすると思うのだが、お金で済めば良しと思っている節がある。
やはり私が聞きもしないのに自分からすぐに認め、その日の内に慰謝料を用意した事が納得出来ない。
冷静に考えれば考えるほど、妻や楠木の考えている事が分からない。
私の思い違いかも知れないが、妻は不倫の事よりも知られたくない事があり、楠木は妻への愛情とは違う理由で、妻に執着している様に感じる。
翌日仕事が終ると、私の足は自然と楠木の会社に向かっていた。
すると、みんな帰ったはずの工場に明かりが点いていて、先日話をした年配の男が一人で裁断をしている。
「誰かと思ったら、あんたか。どうだった?駄目だっただろ?」
私は先日少し話しただけなのに、何故かこの無骨な男に親近感を抱いていて、騙していた事を謝ってから優子の夫である事を告げた。
すると男の態度が急に変わって、仕事をやめて後片付けを始める。
「一緒にご飯でも食べに行きませんか?」
「俺は仕事が終ってから、飯の前に一杯やるのが唯一の楽しみだから、外で飯は食わない。車で来ていて飲めないからな」
そう言って車のドアを開けたが、急に振り返って私を睨んだ。
「何を知りたくて俺に近付いたのかは知らんが、俺は何も言わないよ。仮にもここで世話になっている身だからな」
そう言って車に乗り込んだが、エンジンは掛けずにドアを開けたまま、独り言の様に呟いた。
「慰安旅行の酒は不味かった。
この不況にあのケチが慰安旅行に連れて行ってやると言い出したから
珍しい事もあるものだと楽しみにしていたが
得意先を2人も連れて来て何でもあいつら中心だ。
あれでは従業員の慰安旅行ではなくて接待旅行だ。
煙草まで買いに行かされて、俺は奴らの使いっ走りだし
パートさんはコンパニオンじゃ無いぞ。
朝早くから酒を浴びて、バスに乗り込むなり触るは抱き付くはで
それだけならまだいいが、ホテルでは・・・」
慰安旅行の後、妻は工場の方に来なくなり、その夫である私が二度も訪ねて来た事で、何を知りたいのか察したのだろう。
男は「ホテルでは」まで言うとエンジンを掛けて行ってしまったが、妻の事で何か知っていて、私にヒントをくれたのだと思った。
仕事量が減って苦しい。慰安旅行に得意先の男が2人。
パートさんをコンパニオン扱い。
男2人の為の接待旅行。
その夜楠木は妻を抱いた。
大事な接待の夜、楠木は自分だけ良い思いをするだろうか。
私の脳裏には、おぞましい光景が浮かんできて、帰るとすぐに妻に対して鎌を掛けた。
「慰安旅行では楠木だけでなく、得意先の人間にも抱かれたらしいな。それも2人に。楠木を入れると、一晩で3人の男の相手をしたのか」
妻は驚いた顔をして私を見た後、大きな涙が毀れるのと同時に、狂った様に叫び始めた。
「私は社長と浮気しました。社長に抱かれました。でも他の男なんて知らない。一度に何人もの男の相手なんてしていない。私は社長に抱かれただけ」
私は「一晩で」と言っただけで、一度に相手したとは言っていない。
私の脳裏に浮かんでいたのは、1人が終わるとまた1人と、順番に部屋に入って来て妻を犯していく男達の姿。
しかし妻の言葉から、笑いながら夜通し3人で妻を辱めている姿が浮かぶ。
「私は社長に抱かれただけ。そんな酷い事はされてない。私は、私は」
妻の取り乱し様は尋常では無く、それが妻の答えだった。
「落ち着け!」
私が強く抱き締めていると、妻は1時間近く狂った様に泣き続けた後、ようやく少し落ち着いて泣き止んだ。
「何を聞いても驚かないから教えてくれ。俺は優子に起こった事の全てが知りたい」
しかし妻は、ただ俯いているだけで反応が無い。
「俺と優子は夫婦だろ。一心同体の夫婦だろ」
妻はようやく顔を上げると私を見詰め、大きく頷いた後ぽつりぽつりと話し出した。
慰安旅行には従業員の他に2人の得意先も参加していたが、彼らは朝から楠木の家で酒を飲んでいたらしく、バスが走り出すとパートさん達の身体を触ったり、抱きついたりして上機嫌だった。
パートさん7人の内では妻が30代後半で一番若く、その上は40代後半が3人と50代が2人、あとの1人は60代だったので最初若い妻が標的になったが、妻は不快感を露にしたので尻込みし、バスの中では少し派手目の40代の2人が、主に犠牲になっていた。
しかし夜の宴会では妻に執ように絡んできて、何とか酒を飲ませて酔わそうとする。
妻は彼らが嫌で仕方なく、お酌をされても断って飲まず、酔った振りをして触ろうとすると、手をピシャリと叩いて睨み付けていた。
すると、その様子を見ていた楠木は、彼らがバスの中で標的にしていた40代の2人の横に移動した隙に妻の前にやって来て、妻に酌をしながら、会社にとって2人がどれだけ大事な人間か諭し始める。
「彼らを怒らせたら、うちは終わりだ」
それを聞いた妻は彼らが再び戻って来ると、先ほどの様には強く断われなくなっていた。
大人しくなった妻に気を良くした2人は、両横に座って身体を密着させながらお酌をし、手を握ってきたりお尻を触ったりしてくるが、社長が前に座って睨んでいては、愛想笑いをするしか無い。
その後も3人は妻から離れず、やがて宴会はお開きになって他の者が席を立ち始めても、両横には得意先の2人、前には楠木、後ろは壁の妻は立ち去れず、気が付くと宴会場には4人だけになっていた。
他の者がいなくなると彼らの行為は更に大胆になって、ホテルの従業員が側で後片付けをしていても気にもせずに、抱き付いてきて頬にキスをしたり、両側から乳房を掴んで揉んだりもした。
例え関係の無いホテルの従業員にでも、しらふの人間にこの様な惨めな姿を見られるのは数倍恥ずかしく、楠木が二次会を提案すると、この頃には強引に飲まされた酔いも回って来ていて正常な判断が出来なかった事もあり、妻は二次会に付き合う事を承諾してしまうばかりか、一刻も早くこの状態から逃げたい一心で「早く行きましょう」とまで言ってしまう。
しかし妻が連れて行かれたのはカラオケルームで、そこでの妻はほとんどホステス状態でお酌をさせられ、返杯に次ぐ返杯で3人相手に半強制的に飲まされ続けた。
妻一人に対して相手が3人では、妻の酔いだけがどんどん酷くなって行き、楠木が歌っている間、得意先の2人に両側から触られても、手を撥ね退ける力も弱くなって行く。
カラオケをしに来ているというのに、楠木が歌うか曲が流れているだけで、2人はもっぱら妻を触っているだけの状態だったが、妻が「触らないで」と言おうものなら
「それなら酒ぐらい付き合え。楠木社長が二次会に行こうと言い出した時、俺達は気が進まなかったが、君が早く行こうと誘うから付き合ったんだぞ」と言われて酒を勧められる。
妻は弱い方ではないが、既に限界を越えていて「もう飲めません」と断わると、一人に後ろから羽交い絞めにされて、もう一人の男に口移しで飲まされた。
その様な行為が延々と続き、終に妻は泣き出したが、2人はそれでも許さずに
「泣いて場の雰囲気を壊した罰だ」と言って、動けない様に両側から押え付ける。
妻は全てのボタンを外されて、2人の手によって剥かれてしまい、下着だけの姿にされると
「そろそろ、これも取ってしまおうか」とパンティーを引っ張られながら言われたので、妻は必死に押えながら許しを請う。
すると楠木が仲裁に入り
「これ以上は駄目です。うちの従業員を、そんなに虐めないで下さいよ」
と言ってくれたので、妻はこれで助かったと思ったが
「その代わり、下着姿でダンスをお見せします」
と言われて奈落の底に突き落とされる。
妻はブラジャーとパンティーだけの姿でテーブルの上に追い立てられ、身体を隠して座り込んでいると
「早く立って踊らないと、裸にされてしまうぞ。曲に合わせて、適当に腰を振っていればいい」と楠木に耳打ちされる。
またパンティーを引っ張られた妻が、手を振り払って立ち上がると、楠木は前に出て歌い始め、2人の男は足元に座って見上げながら
「もっと足を開け」「もっと厭らしく腰を振れ」
と笑いながら冷やかし続けた。
妻は少し動いた事で更に酔いが回り、崩れ落ちると下にいた2人に抱きかかえられ、ブラジャーを外されてしまったが抵抗する力も無い。
その時終了の時間を知らせるベルが鳴ったが、2人は妻の乳房に纏わりついて離れず、従業員が終わりの時間になった事を知らせに入って来た時は、妻は惨めな姿を見られた恥ずかしさよりも、これで助かったと安堵する。
妻は自力では歩けない状態で、両側から支えられてホテルの部屋まで戻り、朦朧とした意識の中ベッドに放り出されると、3人の男がまだいるにも関わらず、酷い睡魔に襲われた。
するとどこからか
「脱いでしまった方が楽になるぞ」という声が聞こえて来た後、また誰かの手によって服を脱がされている様だったが、それが夢なのか現実なのかも分からない状態で、何の抵抗もせずに眠ってしまう。
そこからの記憶は途切れ途切れで、気が付くとパンティー一枚の姿で男の膝に座らされていて、オッパイを揉まれながらキスをされていた。
また意識が遠退いた後気が付くと、今度は全裸にされていて、先ほどとは違う男がオッパイに吸い付いている。
下に目をやると、これ以上広がらないというほど大きく脚を開かれていて、もう一人の男が腹這いになって覗き込んでいたが、力無く「やめて」と言うのが精一杯で、身体が鉛の様に重くて自分では脚を閉じる事も出来なかった。
次に息苦しさで気が付いた時には、口には硬くなったオチンチンが入れられていて、下ではもう一人の男が最も感じる突起に吸い付いていたと言う。
私は妻の惨めな気持ちを思い、これ以上聞くのを躊躇った。
「どうして言わなかった?それが本当なら犯罪だ」
妻は激しく首を振る。
「感じてしまったの。私、感じてしまったの」
妻がこの様な目に合った事自体信じられない思いだったが、その後妻の口から更に信じられない言葉が飛び出した。
「これは強姦ではなくて和姦だと言われました。私が喜んでいる証拠のビデオもあると」
楠木は昼間旅行の様子を撮っていたビデオカメラを持って来て、妻の痴態を撮影していたらしい。
私はこれまで妻の浮気を疑っていても、間違いであって欲しいと願うだけで、どこかで気持ちが逃げていた。
浮気が確定した時は、これ以上関係を続けて欲しくないと願っていただけで、この様な事から早く逃げたいとさえ思った。
心の中のどこかで、私さえ我慢すれば元の生活に戻れると、安易に考えていたのかも知れない。
しかし今の私は、三人の男に対して殺意を覚えている。
3人の男に対する怒りで狂いそうだった。
この様な場合、強制猥褻や強姦を証明するのは簡単では無いだろう。
ビデオの件もそうだが、訴えもせずにその後も妻自ら楠木の家に通って関係を続けていては尚更不利だ。
誰も証人のいない密室での出来事で、妻には一切怪我も無く、無理やりかどうかは水掛け論になる。
訴え出ても、おそらく判決までは数年掛かり、その間妻は好奇の目に晒される。
好奇の目に晒されるのは妻だけではなく、私や娘も同じ事だろう。
仮に勝訴したとしても、妻が3人の男に辱められた事実は消えず、世間にとってこれ程面白い話題は無く、被告よりも特別な目で見られ続ける事は間違い無い。
ましてや証拠不十分で敗訴にでもなったら、妻は一度に複数の男に抱かれて喜んでいた、淫乱な女だというレッテルを貼られる事になる。
世間の人がこれを聞けば、恐らくほとんどの人が、許すな、告訴しろと言うだろうが、その世間が同情を装いながら後ろ指を指す。
男の私でもそう思うくらいだから、女の妻が訴えずに隠そうとした気持ちは頷ける。
ただ疑問に思う事が無い訳では無い。
私は妻がこの様な目に合っていた事を、微塵も感じ取れなかった。
私が鈍感なだけかも知れないが、セックスを拒否されてようやく浮気を疑っただけで、妻が特別落ち込んでいた様子も無かったような気がする。
逆を言うと、それだけ妻は惨めな自分を知られない様に、隠す事に必死だったのかも知れ無いが、それでもどこかに辛さや惨めさが現れても不思議では無い。
そう考えると、最初は酔わされて無理やりされたのが事実であっても、その後は妻も、嫌がりながらも喜びを感じてしまったのかも知れないと疑ってしまう。
妻の話が全て本当だとすると、この様な事を考えてしまう事自体、妻を酷く侮辱している事になるが、私はその疑問を拭い去る為に、全てを知りたくて妻に辛い質問を再開した。
「辛いだろうが、全てを教えてくれ。その後どうなった?その後楠木に抱かれたのだな」
妻の酔いは徐々に醒めてきたが時既に遅く、獣の格好にさせられて一人に後ろから入れられている状態で、もう一人には口を汚されていたと言う。
2人は妻の身体を散々弄び、ようやく満足して自分達の部屋に帰って行ったが、今度は残った楠木にバスルームに連れて行かれ、指で開かれて中までシャワーを浴びせられる。
2人の男に責め貫かれ、上下の口を同時に汚されるという常識では考えられないような行為をされた妻は、ベッドに連れて行かれて身体を開かれても、ショックから立ち直れずに抵抗する気力さえ失っていて、心の無い人形のようにベッドに身を横たえて、楠木にされるままの状態だった。
しかしそんな妻も女の性からは逃れられずに、夜が明ける頃には自ら楠木の背中に手を回していたと言う。
他の者が起き出さない内に部屋に戻ろうとする楠木に
「この事が知れれば、恥を掻くのは優子だ。何しろ、一晩中あんな恥ずかしい声を上げ続けていたのだから」
と言われた妻は、旅行中は他の者に知られない様に、眠気を隠して何事も無かった様に振る舞うのがやっとで、家に帰ると今度は私に知られないように、平静を装うのに必死だった。
「確か旅行に行く前は、優子達だけツインに3人だから、一番若い優子がエキストラベッドになると言っていなかったか?」
「女性は奇数なので、私達一組だけは3人部屋になると聞いていました。
でもホテルに着くと、エキストラベッドでは可哀想だからと
女性用にツインが3部屋とダブルの部屋が用意されていて
部屋割りを見ると私一人がダブルの部屋になっていて・・」
これは酔った勢いで起こった事ではなく、最初から仕組まれていたのだと思った。
「得意先の2人とは誰だ?」
「一人は50代半ばぐらいの問屋の社長で、池田社長と呼ばれていました。
もう一人は30歳前後の若い社員で量販店をいくつも抱えている
大きな問屋の跡取りだと聞いています。
社長は若と呼んでいましたが、名前は確か遠藤だったと・・」
若い方の男は、昨日楠木の家から逃げるように出て行った、スーツ姿の男だと直感した。
「もしかして、昨日楠木の家に来ていた男か?」
妻は小さく頷いた。
「この様な事をされたのに、どうして仕事を辞めなかった?」
「あの夜の私の行動を不信に思った人もいて
あのまま辞めて私がいなくなれば、余計疑われて噂になってしまい
いつかあなたの耳に入ると・・・・・。
それに一番年上のパートさんは
有希の同級生のお婆ちゃんで・・・・・
だから・・・・・
噂になれば有希の同級生のお母さん達にもいつか知られて・・・・。
とにかく、あそこから離れるのが不安で怖かった」
「それにしても、あそこには優子に酷い事をした楠木がいるのだぞ。
その話が本当なら、二度と顔を見たくないだろ。会うのが怖いだろ」
「怖かったです。でも社長には逆に
お互いに酔っていたから、夢を見たと思って忘れろと言われて・・・・・・」
しかし妻の判断は間違っていて、最悪の方向に進んで行く。
数日が経ち、仕事が終って帰ろうとした時に楠木に呼び止められて
「旅行中に撮ったビデオの鑑賞会をするから、明日はここではなくて自宅に来い」と言われる。
危険を感じた妻が断わると
「俺達だけでは寂しいから、それなら誰か他の者を呼ぼう。井上がいいかな」
と妻が一番知られたく無い、娘の同級生の祖母の名を出す。
翌日仕方なく家に行って、楠木に案内された部屋のドアを開けると、案の定あの2人がいたので、妻はドアの所に立ったまま中には入れない。
そこから画面を見ると、観光地での様子などが映っていて
「心配しなくても、今日は誰も酔ってはいない。みて見ろ。ただのビデオ鑑賞会だ」
と楠木に後ろから押される。
妻は2人から離れた所に座ったが、心配でビデオを見るどころではなかった。
すると急に2人から歓声が上がり、画面を見ると今までとは違い、下着姿でベッドに横たわる、自分の姿が映し出されていた。
妻は立ち上がって部屋を出ようとしたが、ドアの近くに立っていた楠木に腕を掴まれる。
すると座っていた2人が立ち上がって近付いて来たので、妻の脳裏にあの夜の恐怖が甦り、何とか逃げ出そうと激しく抵抗したが、男3人の力には勝てるはずも無く、無理やりテレビの前に連れて行かれると2人に押え付けられ、残った一人に髪を掴まれて、無理やり自分が辱められている映像を見せられた。
その日を境に、妻は楠木の自宅に勤めるようになり、毎日の様に3人の内の誰かに抱かれ、それは2人同時の時もあり、時には3人に責められる事もあった。
楠木は妻に
「ここにいる時は旦那や子供の事は忘れて、全く違う人間になってサービスする事に専念しろ」
と言って、妻が着た事も無い様な服を買い与え、下着までも派手な物に着替えさせるようになる。
「どうして俺とのセックスを拒んだ」
妻の表情が険しくなった。
「それは・・・・・・・・」
「それは何だ!」
「言えない・・・許して」
3人に弄ばれていた事まで話した妻が、言えないと言って黙ってしまった事で、まだこれ以上の事があるのかと怖くなる。
「全てを正直に話してくれ。そうでないと、俺は一生優子の事で要らぬ想像をして、苦しみながら暮らさなければならない」
「その頃から・・・・・・・・・・縛られる様になって・・・・・・・・」
初めて縛られて辱められた日、妻は何とかこの様な行為から逃れたくて、特に痕は残っていなかったが
「こんな事をされたら痕が残ってしまって、夫にばれてしまいます。こんな事はやめて下さい」と抗議した。
するとそれが逆効果になってしまい
「痕が残らないように、軟らかい専用の縄をわざわざ買って来て使ってやっているのに、それでも痕が残るから嫌だと言うのなら、今日から旦那とのセックスを禁止する。それならばれる心配も無いだろ」
と言われ、毎晩9時丁度に電話を入れる事を義務づけられる。
「トイレで電話していたのがそれか?毎晩、何を話していた?」
「今夜も主人には・・・絶対に抱かれませんと・・・誓わされて・・・・・・」
妻は何度も行くのをやめようと思ったが、その後も撮られていたビデオの存在が決心を鈍らせた。
「毎回ビデオに撮られていたのか?」
「いいえ・・・旅行の時を入れて・・・・・4度ほど・・・・・」
「そのビデオで脅されていたのか?」
「脅す事はしませんでした。でも・・・・・冗談の様に言う事があって」
楠木は汚い奴で、はっきりと脅す事はしなかったが、冗談の様に
「このビデオを見て、ウンチもしないような顔をして澄ましている優子がこんな凄い事をしていると知ったら、さぞかしみんな驚くぞ。他の者には見せないが」
と言ったりして脅す。
しかし妻に二の足を踏ませていたのはそれだけではなく、楠木に対する恐怖心だった。
旅行から帰ってから最初に弄ばれた日、終わってから涙が止まらない妻に楠木は、奥さんとの本当の離婚理由を明かす。
「2人に抱かれたぐらいで、怒って出て行きやがった。この不況に、少しは協力すれば良いものを、本当に勝手な奴だ」
楠木は再婚で奥さんは若く、妻よりも少し年下だったと言う。
楠木の会社は主に3社を相手に商売していたが、その内の1社が倒産し、ただでさえ中国製品に押されて困っていた楠木は、残った2社からの注文を増やそうと考えた接待が、自分の妻を抱かせる事だった。
これだと同じ秘密を持つ事で離れられなくなり、同じ女を共有する事で親近感も増して、より親しくなれると考えたのだ。
楠木は2人を家に呼び、自分は用を作って外出して、2人に奥さんを襲わせた。
しかし、当然奥さんは怒って2人を訴えると言い出して聞かないので、今度は自分の目の前で襲わせて、2人に辱められている奥さんに向かって
「これは俺の性癖で、夫婦のプレーの一環だから、訴えても俺が証言するから無駄だ」
と言ったそうだ。
奥さんの金遣いの荒さが原因で離婚したと聞いていた妻は驚くと同時に、楠木に対しての恐怖心を植え付けられてしまう。
「あの男が来ていたと言う事は、昨日も・・・・・・・・」
「ごめんなさい。
着いてすぐに玄関で、今後ここには二度と来ないと言ったら
最後に二人に抱かれてくれれば
これで最後だと相手を納得させられるのでビデオも処分すると言われて・・・
1人は忙しくて急には来られなかったけれど・・・・・・
あの男に・・・・・・・」
「本当にそれで、縁を切ってもらえると思ったのか?」
妻は俯いてしまう。
考えながらではなくて淡々と話す妻を見ていて、話している内容に嘘は無いと感じた。
しかし、その淡々と話す姿に、何かズッキリしない物を感じてしまう。
最初こそ泣いて取り乱したが、それは惨めな自分を私に知られるのが耐えられなかった涙だろう。
これだけ辛い体験なのに、その後は泣きもしないで話す妻。
最初の頃は恥ずかしく辛い事だったかも知れないが、妻自身ずっと辛かったと思い込んでいるだけで、本当は徐々に辛い出来事ではなくなっていたのかも知れない。
言い換えれば、辛く苦しい中にも、喜びを見出したのでは無いだろうか。
この先どうなるか分からない不安の中、辛さを快感に変える術を見付けたのでは無いだろうか。
そうでなければ3ヶ月もの間、毎日の様にこれだけの辛い思いをしていれば、精神的にそう強くも無い妻は、多少精神に異常を来たしていても不思議では無い。
今も話しながら辛くて惨めな自分を思い出しているはずで、泣きじゃくって取り乱しても不思議では無い。
しかし妻は、泣きもしないで淡々と話す。
自分が壊れてしまわない様に、苦しみを少しでも喜びに変えられる様な機能が妻にあるとすれば。
苦痛を少しでも快感に変えられる様な機能が妻にあるとすれば。
自分を守る為に、その様な機能が備わっている人間がいるとすれば、妻は正しくその様な人間だったのでは無いだろうか。
気持ちではどんなに拒否して嫌がっていても、それ以上に身体が喜んでしまっていた事が、妻に訴える事を躊躇させ、苦しみながらも気が付くと楠木の家に足を運ばせていたのかも知れない。
私は楠木が撮ったという、ビデオを見てみたくなった。
翌朝、私は楠木の家に向かった。
暗い夜に考えているのと違い、明るい朝では割と冷静になれたつもりだったが、楠木の顔を見た瞬間手が出てしまう。
私が人を殴ったのは初めてかも知れない。
幼い頃に取っ組み合いの喧嘩をした事はあるが、殴った事は無い様な気がする。
私はボクシングを見るのが好きで、パンチはどの様に打つか頭の中では分かっていたが、やはり理論と実践とでは大違いで、腕の振りは大きく、おまけに最初から力が入ってしまっていて遅い。
それでも楠木の頬にヒットしたという事は、楠木もこの様な事には慣れていないのだろう。
「何をする!」
「それは自分の胸に聞け!」
妻が全て話した事を言うと、楠木は殴られた事よりも驚いたようだ。
おそらく、妻は恥ずかしくて絶対に話せないと思っていたのだろう。
「そんなものは、優子が自分を守りたくて言った、作り話だ。あれは犯罪でも何でも無い。優子も納得して喜んでした事だ。でもこれは違う。暴力は立派な犯罪だ。警察を呼んでやる」
楠木が携帯を取り出すと、流石に私は焦っていた。
なぜなら、妻に3人を訴えさせる事は考えていなかったが、警察沙汰になれば妻の事を話さなければならない。
そして私の罪を軽くする為に、訴えることになるだろう。
そうなれば考えていたように、好奇の目に晒されて被害を受けるのは妻であり、私や娘なのだ。
「呼ぶなら呼べ。こちらも訴えてやる」
訴える気は無かったが、このままでは引けずに強気に出てそう言うと、楠木は手を止めて薄ら笑いを浮かべた。
「どうぞ、訴えてくれ。世間に優子が淫乱だと知れるだけで、私は痛くも痒くも無い」
楠木は余程自信があるのだろう。
妻の話が嘘で無ければ、それだけ用意周到に練られた計画であった事を意味していた。
「優子は喜んで抱かれていたのだから、その様な訴えが通るはずは無い。私が人妻を抱いたのは事実だが、その事が世間に知れても、妻も子供も親兄弟もいない、守るものなど何も無い私にはどうでも良い事だ。そもそも、その事は慰謝料を払って決着している」
確かに守る家族もない楠木は、私よりも強い立場かも知れない。
楠木が手に持っていた携帯を開いた時、私は苦し紛れに2人の名前を出した。
「池田と遠藤も同じ考えか?」
すると楠木の表情は一瞬で強張り、今迄とは違って落ち着きが無い。
「あの2人は関係ない。私が優子に接待を頼んだだけだ。あの2人は優子の接待を受けただけだ」
「接待?無理やり酒を飲ませて卑猥な事をさせ、意識がなくなったところを3人で嬲り者にしたのが接待だと!」
「だから、そんな事はしていない。この事は、優子も旅行前から納得していた。いや、納得したと言うよりも楽しみにしていた。それでもいざとなると少しは罪悪感が出て来たのか、自分から浴びるほど飲んで酔っただけで、これは全て合意の上だ。あんたにばれたので優子は自分を守る為に、苦し紛れにそう言って逃げただけだ」
楠木の顔からは余裕が消えて動揺しているのが分かったが、守るものがない楠木が、得意先2人の事でそこまで動揺する訳が分からない。
2人を怒らせて仕事が減っては、食べていくのに困るのは分かるが、二人の事でそこまで動揺するほど今の仕事に愛着があるとも思えず、そこまで仕事熱心な男だとも感じられない。
ただ訳は分からなくても、楠木の弱点は池田と遠藤である事が分かった私は、ここに来た目的を達成させる為に、2人を交渉の道具に使おうと決めた。
「お前の話だけでは信用出来ない。今から池田と遠藤に会ってくる」
「あの2人は関係ない」
「そうは行かない。今から会社に怒鳴り込んでやる」
私が立ち上がると、楠木も慌てて立ち上がった。
「優子も喜んでいたという、証拠のビデオがある。それを見ればあんたも納得するはずだ」
「お前がビデオの事を話したから、俺も本当の事を話そう。俺が今日ここに来た本当の目的は、そのビデオを取り戻す為だった。仮に勝訴しても俺達夫婦は世間から笑われる。だからこの様な事は早く忘れたいと思ったが、妻からビデオの存在を聞いて、そんな物をも持たれていては、忘れる事など出来ないと思った」
私はわざと弱気なところを見せた。
「それならビデオを渡すから、今日のところは帰ってくれ」
案の定楠木は、ビデオを渡せば全て形がつくと思ったようだ。
「しかし、ここに来てお前の顔を見たら、自分はどうなっても良いから、お前達を潰したくなった」
今度は少し強気の事を言うと、楠木は小走りで部屋を出てビデオテープを持って来たが、それは3本だけだった。
「妻の話しだと、もう1本あるはずだ」
「確かにあるが、大事な証拠のビデオを全て渡す事は出来ない」
私は妻がどの様な事をされて、どの様な反応を示したのか知りたい気持ちもあったが、それよりも楠木が妻の恥ずかしいビデオを保管している事が嫌だった。
「お前はやはりそう言う男だった。交渉決裂だ。こうなったら名誉毀損も糞も無い。今から池田と遠藤の会社に怒鳴り込んでやる。刑事で訴えてお前が言う様に駄目だった場合、不貞行為の民事で裁判にしてやる。お前に弱味が無いのなら、先ずはあいつらを潰してやる。刺し違えてでも、必ず潰してやる」
楠木は、私が2人の所には行かない事を条件に、ビデオを全て渡すと言い出した。
「よく考えれば、俺達が無理やり犯したという証拠も無い。優子が自分の意思で、喜んで抱かれに来ていたのだから、その様な証拠があるはずも無い。」
「ビデオを見て、どのビデオでも妻が本当に喜んでいたら、諦めて離婚する」
私がビデオを取り返したい一心で、更に口から出任せを言って安心させると、楠木は信じたのか声を出して笑い出す。
「それならビデオを渡してやろう。あれを見たら離婚は確実だから、ビデオは離婚してから、またゆっくりと撮ればいい」
妻が私と別れれば、妻はまたここに来ると思っている。
妻はそれほど喜んでいたのだろうか。
私はダビングして何本も持っていないか確かめる為に、ビデオを取りに行く楠木の後をついて行った。
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騙された男7/11(火)10:05:00No.20060711100500削除私は今まで、職場に訴え出て社会的制裁を課すことを躊躇していました。それは近藤が職を失い、養育費まで払えなくなっては子供達が可哀想だからだと自分を誤魔化していましたが、実際は妻に不倫された情けない夫というレッテルを貼られるのが怖かったのです。たいして大きくもない町に住んでいるので、いつしか友人や知人の耳に入るかも知れないと思うと怖かったのです。この様な場合、後ろ指をさされるのは近藤ではなくて妻であり、この様な事をされても妻に縋り付いている私なのです。おそらく以前の不倫相手のご主人も、同じ様な気持ちで職場には訴え出なかったのでしょう。それで近藤はそのような事など考えもせずに、慰謝料を支払った事で全て終わったと高を括り、私を挑発して来たのだと思います。翌日私の足は会社に向かわずに、知り合いの議員の家に向かっていました。私はより厳しい処分をお願いするために、名前を出す許可をもらいに行っただけなのですが、結局役所まで一緒に来てくれ、朝から何事かという視線を送る職員に混じって、立ち尽くす妻と近藤の蒼ざめた顔がありました。私は午後から会社に行き、夜家に戻ると明かりが点いています。「仕事には行っていたのだな」「あなたに、仕事には行けと言われたから」「お義父さんとお義母さんはどうしている?」「父はあの日車の中で、お前は私達も裏切ったんだぞと言った後、一切口を利いてくれません。母は私の顔を見る度に泣いています」妻はただ私から言われたので仕事に行っていたのではなくて、年老いた両親の悲しむ顔を、一日中見ている事が耐えられなかったのでしょう。「実家に戻らずに、どうしてここに帰って来た?」「このままだと、あなたに捨てられる気がして怖かったの」「俺に捨てられる?俺から離れて行ったのは美雪だろ」妻は俯いてしまいます。「それよりも処分はどうなった?」議員の力を借りたからか処分はすぐに決まったようですが、それは私がは望んでいたものよりも軽く、妻は3ヶ月の減給で済み、近藤も3ヶ月の停職と支所への配置転換で済んだようです。確かに3ヶ月も給料が出ない事は厳しい処分なのかも知れませんが、最低でも諭旨免職、出来れば懲戒免職まで望んでいた私からすれば、軽い処分に思えました。その夜私は妻を抱こうとしましたが、どうしても近藤の言っていた事が思い出されて勃起しません。「やはり夫婦としては無理なようだ。離婚した方がいい」妻は何とか勃起させようと必死に手や口を使って来ますが、近藤にも同じ事をしていたかと思うと、妻が一生懸命すればするほど逆に普段よりも小さくなってしまいます。「もう諦めろ。俺を裏切った汚れた身体では無理だ」「このまま離婚はいや」顔を上げてそう言った妻は、また唇を近付けていきます。「素股って知っているか?」妻の動きが止まりました。「美雪は素股が上手らしいな」「それは」「やってみろ」「出来ません。許して」「近藤にはしてやっても、俺には出来ないか。分かった。出て行け!」妻は不恰好に股を開き、軟らかくてすぐに下を向いてしまう頼りない物に手を添えて、オマンコを擦り付けるように必死に腰を振り続けていましたが、近藤にもこの様な恥ずかしい姿を見せたかと思うと、悔しくて勃起などするはずもありません。私には嫌悪感を覚える事はあっても興奮などなく、冷静な目で妻の動きを見ていましたが、その時大きな疑問を持ちました。それは健康な男と女がここまでしておいて、本当に挿入まで至らなかったかという事です。「止めろ。それよりも聞きたい事が有る。本当にここまでで、近藤は我慢したのか?」「本当です!本当にこれ以上は何もしていない!本当です!」妻は一旦動きを止めて叫ぶようにそういうと、今までよりも激しく腰を振り続けていました。誠実そうな男 17騙された男7/13(木)16:50:50No.20060713165050削除結局妻も多少湿っていた程度で濡れているという程ではなく、私にとっては擦れて痛いだけに終わり、私の上から離れない妻を強引に横に降ろして寝室を出て行こうとすると、テーブルに置かれた妻のバッグの中にある携帯が鳴り出しました。「携帯が鳴っているぞ」しかし妻は誰からの電話か分かっているようで、俯いてしまって取りに行こうとはしないので、私がバッグから出して渡すと、妻は表示も見ないで大きな声を出しました。「もう連絡して来ないで。私は何も話す事はありません」妻はそう言って一方的に切りましたが、すぐにまた掛かって来たので今度は私が無言で耳に当てると、電話の主は一方的に話しています。「もう一度考えて欲しい。このままだと一生旦那に責められながら暮らすのだぞ。そんな人生でいいのか?それよりも離婚して俺と楽しく暮らそう。自己破産して、きれいになって一から出直す。必ず美雪を幸せにすると約束する。何より俺となら身体の相性もぴったりだろ?美雪だって、旦那のチンポよりも気持ちいいと何度も言ってくれたじゃないか。どうした?聞いているのか?」明らかに近藤の話は、妻と最後までいったと取れます。私は真実を知りたくて、妻が実家にいると思って話し続ける近藤の話を、怒りを抑えて黙って聞いていました。「電話を切らないという事は、本当は美雪もそうしたいのだろ?俺と初めて一つに成ったあの旅行の、ホテルでの楽しかった夜を思い出してくれ。美雪もあんなに喜んでくれて、朝まで何度も何度も求めてきたじゃないか。思い出してくれたか?それでもまだ迷っているのか?それなら俺が背中を押してやる。俺が旦那に全て話せば否が応にも離婚になる。それなら美雪も諦めが付くだろ」「ふざけるな!」「えっ?美雪じゃない?」近藤が慌てて電話を切った後、私は怒りから妻の携帯を繋ぎ目の所から折ってしまいました。妻は私の怒りようから全てを悟ったのか、泣きながら必死に何か言い訳をしていましたが私には聞こえません。「美雪!」私が頬を張ると妻はベッドに仰向けに倒れたので馬乗りになり、また右手を振り上げた時に家の電話が鳴りました。「美雪は帰っていたんだな。てっきり実家にいると思っていたから驚いて切ってしまったが、よく考えれば、どの道話すつもりの内容だから慌てる事は無かった」「何が言いたい!」旅行の時に初めて妻を抱き、妻が家を出て泊まっていた時は夜に限らず、時間さえあればセックスをしていたと言います。しかし近藤は、男をオマンコに向かい入れたかどうかでは私の怒りの度合いは可也違い、隠し通す事が出来れば最後には必ず許してくれるから、絶対に認めるなと妻に言ったそうです。近藤も、最後の一線は超えなかったと私に思わせておけば、同じ怒りでも役所までは乗り込んで来ないと予想していたようです。結局2人の理由は違っても、隠し通した方が得策だという事では一致していたのです。「よくも余計な事をしてくれたな。お蔭で俺は役所に居辛くなった」「自業自得だ!」「それを言うならあんたも同じだ。あんな好き者の女と結婚したのだから、浮気されても自業自得だ。それにしても、あんたも情け無い男だな。他の男のチンポでヒーヒー言っていた女と、よく一緒に居られるものだ」「大きなお世話だ」「そうか?それは全てを知らないからだろ。何なら美雪が何をしていたのか詳しく教えてやろうか?慰謝料は払い終わって、これ以上は請求しないと一筆書いてもらったし、役所は辞めるから俺には知られて困る事は何も無くなった」私は挑発に乗らずに、受話器を置こうと思いましたが出来ません。それどころか、全神経を耳に集中させてしまっているのです。誠実そうな男 18騙された男7/16(日)14:58:01No.20060716145801削除近藤は何とか私と妻の仲を裂こうと、自慢するかのように詳しく話し出しました。「あんたは幸せな男だな。会う度にキスをしていて、本当にそれだけで済んだと思っていたのか?俺達は小学生じゃないんだぞ」確かにその通りで、私は信じた訳ではなくて信じようとしていたのだと思います。近藤の話しによると、最初の頃は他にも人のいる喫茶店などでしか会ってもらえなかったそうですが、ある日話が終わって家まで送る途中で車を止めて強引にキスをしてからは、人気の無い堤防や公園の駐車場に車を止めても何も言わなくなり、その内夜の公園にも黙ってついて行くようになりました。「最初はキスをしても舌を入れられないようにしていたが、すぐに自分からも舌を絡めて来るようになったよ。それに慣れて来ると美雪も大胆になってきて、キスをしながらお尻を触ったりオッパイを揉んだりしても、何も言わずに逆に身体を預けて来るようになったので、次に逢った時にはパンツを脱がしてやろうとしたら、やめてーと言いながらも俺が脱がせ易いように腰を浮かせていたので、パンティーに手を滑り込ませてオマンコに指を入れてやった。口では嫌がっていても身体は正直だな。終わった時には車のシートまでぐっしょり濡らしていた。美雪も俺の指が余程気持ちが良かったとみえて、次の日からは俺が触りやすいようにスカートを穿いてくるようになったぞ」そう言われてみれば、それまで妻は殆どパンツルックだったのが、その頃からスカートで出掛ける事が増えたような気がします。私は妻を睨みましたが、妻は震えていて私を見ません。「まだいくらも経っていないが、ウブだった美雪の恥ずかしそうにイク表情と、歳の割には可愛いあの時の声が懐かしい」妻は最後の一線には拘っていて、流石にホテルに行く事は拒んでいたようですが、その代わりに近藤に言われるまま、手や口を使って近藤を満足させるようになって行きます。「すぐに美雪も慣れてくれて、公園のベンチでも飲んでくれるようになったよ。そうそう、美雪は外だと余計に興奮するようで、オマンコに指を入れて親指でクリを触りながら、隣のベンチのカップルが見ているぞと言ってやったら、凄い力で俺に抱きつきながら、たて続けに3回もいってしまった事があった」近藤の話はどこまでが本当なのか分かりませんが、私は悔しさを押し殺しながら、その先が聞きたくて仕方がありません。「美雪も俺の硬いチンポを喉まで入れながら、本当はオマンコに欲しくて仕方がなかったのだと思う。最後の一線は超えられないと自分が言って拒んでいた手前、オマンコして欲しいとは言えないから、旅行に連れて行ってと言って来たのだと思う。もうチンポが欲しくて限界だったのだろう。その証拠に、もしもばれた時の言い訳の為に俺が2部屋予約したら、別々に寝るのかと勘違いした美雪はがっかりした表情を浮かべていた。大人の男と女が旅行に行って、何もしないはずなど無いのに」旅行に行くという事は、そういう事なのです。キスだけで済んだと信じようとしていた私が馬鹿なのです。いくら男性経験は私だけだと言っても、大人の妻にはそのぐらいの事は分かっていたはずです。「ホテルで2人だけになると流石に罪悪感が湧いてきたのか、急に迷いだして拒んだので、入れなければ浮気にはならないと苦しい言い訳をしたら、チンポを入れて欲しかった美雪はすぐに納得して跨ってきた。美雪が自ら俺に跨って、オマンコにチンポを当てて震える姿は可愛かったぞ。まるで少女のようだった。しかしそれも最初の内だけで、しばらく擦り付けていたら欲しくなってしまったようで、美雪の方から、我慢出来ないから入れて下さいと言い出した。それで俺が、欲しければ自分で入れてみろと言ったら、美雪は何と言ったと思う?主人のよりも太くて大きいから怖いの。あなたが入れて下さい。優しくしてねだと」流石に聞いていられなくなった私が受話器を置こうと耳から離した時、その様子を見ているかのように近藤の話はマンションでの行為に移っていき、やめておけば良いのにまた耳を傾けてしまいます。「マンションに来た日の美雪は凄かった。多少自棄になっていて全てを忘れたかったのか、女には経験豊富な俺でも、あんなに激しいセックスは初めてだった。俺が終わっても休憩もさせてもらえずに、もっと欲しいと言ってすぐに挑んできた。結局朝までに5回も搾り取られてしまった。流石の俺も、こんな事が続いては身がもたないと思って、翌日にはバイブを買いに行った。あんたは美雪にバイブを使った事が無いらしいな。お蔭で最初は怖いと言って、可也激しく抵抗されたよ。最も押さえ込んで強引に使ってやった凄く感じたようで、俺がいない時には独りで使っていたぐらい気に入ってくれた。美雪はバイブの事を、何と呼んでいたと思う?オモチャのチンポだと。俺が激しく使ってやると、オモチャのチンポいいー。オモチャのチンポでイクーと言って、ベッドから落ちそうなほどのた打ち回っていたぞ。そうそう、大事な事を言い忘れたが、美雪とのセックスでは一度もゴムを使わずに、必ず奥深くに出させてもらっていた。でも俺を怨むなよ。生の方が気持ちいいと言って、美雪が使わせてくれなかったのだから」「なにー!」「生がいいー。中にいっぱい出してーと女に言われては、男としては仕方ないだろ」私は受話器を置きましたが、怒りよりも寂しさを感じていました。誠実そうな男 19騙された男7/16(日)15:01:09No.20060716150109削除近藤の話が全て本当だとは思いません。例え自分が妻と元の鞘に戻れなくても、逆恨みから何とか私と妻の仲を引き裂いてやろうと思って言っているとすれば、嘘も可也混じっているでしょう。しかし妻が近藤とセックスをした事と、更にその事について嘘を吐いていたのは明らかでした。「近藤に入れられていたのだな?」妻は返事もしないで震えて泣いていたので、私は髪を掴んで頭を揺すっていました。「近藤に入れられて喜んでいたな?」「ごめんなさい。許して下さい」「いや、許せない。最後まで関係をもった事もだが、まだ嘘を吐いていた事は絶対に許せない」「これを知られたら、完全に終わってしまうと」私は近藤に言われた事を、一つ一つ妻に問い質します。「近藤に触って欲しくて、スカートを穿くようになったのだな?」「違う。彼に穿いて来いと言われて」「嘘を吐くな。奴もそう言ったかも知れないが、美雪も奴に触ってして欲しかったのだろ!第一、どうして近藤の言う事を聞かなければならない」私は妻の頬を張り倒していました。「ごめんなさい」「触ったり触られたりするだけでは物足りなくなって、近藤のオチンチンが欲しくなって旅行に誘ったのか?」「違います」泣きながら必死に言い訳をする妻の話によると、徐々に行為がエスカレートしていく事に怖くなった妻が別れを切り出すと、近藤は別れる条件として最後の思い出作りに旅行に付き合えと言いました。「別れたくない。もうどうなっても良いからご主人に全て話して謝り、美雪さんを奪い取りたい」私に知られるのを恐れた妻はこの言葉で旅行を承諾してしまい、私に知られないように友達との旅行を利用してしまいます。ただし部屋は別で、身体の関係をもたない事を条件にしましたが、少し話しをしたいという近藤を部屋に入れると浴衣の紐で両手を縛られてしまいます。「やめて!何をするの!」「お願いだ。最後に、最後に」しかし妻は激しく抵抗したため、近藤が出した条件は素股でした。「本当に嫌だったのなら、どうして大きな声を出して助けを呼ばなかった。もう嘘は吐くなと言っただろ!本当は抱かれたかった。そうだな?」「誰かが来て、あんな姿を見られるのが嫌でした」「俺を裏切ることよりも嫌だったのか?それなら聞くが、嫌だったのだから感じなかったのだな?素股をしている時、濡れていなかったのだな?どうだったのか近藤に聞いてやる」私が電話の方に歩き出すと、下着だけを着けた妻が阻止しようと駆け寄って来たので、私は妻を蹴り倒しました。義母が言っていた事は本当で、一度暴力を振るうとそれはエスカレートして行き、妻が倒れてテーブルに腕を強くぶつけた時は一瞬しまったと思いましたが、すぐにまた蹴り付けてしまいます。「感じなかったのかどうか、はっきりしろ!濡れなかったのかどうか、はっきりと言ってみろ!」「感じました。濡れてしまいました。ごめんなさい」「そらみろ。何が嫌だっただ。その分だと、美雪が我慢出来なくなって入れて欲しいと頼んだというのも本当のようだな」「違います。絶対に入れないと言っていたのに、後に押し倒されて無理矢理」「裸で性器と性器を擦り合わせていて、無理矢理も何もあるか!」妻も近藤も信じられません。正直、多少でも妻を信じたいのですが、これだけ裏切られていると何もかも信じられなくなっています。それなら妻に尋ねる意味が無いのは分かっていますが、おかしな事に信じられなくても、少しでも否定して私を楽にして欲しくて聞いてしまうのです。誠実そうな男 20騙された男7/18(火)12:39:59No.20060718123959削除激しい口調で妻を問い詰めている時、泣き過ぎて吐きそうになりながら謝る妻を見ていると、私は不思議な感覚に囚われました。私が妻の不倫を責め、妻が私に必死に謝っているという目の前で起こっている状況が、現実に起きている事とは思えなかったのです。私たち夫婦に起こっている事でありながら、まるで他の夫婦の間で起こっている事のような感覚がしていたのです。いままで妻は、子育て、家事、私の世話、仕事と、自分を捨てて献身的に頑張ってきてくれました。私も頑張ってきたつもりですが、やはり妻とは比べものになりません。私はそのような妻を愛し、妻のために生きてきました。勿論子供達も可愛く、子供達のためでもあったのですが、何より妻の喜ぶ顔が見たくて頑張り、妻の嬉しそうに微笑む顔を見るのが一番の幸せでした。最近は離婚する夫婦が増えたと聞いても、私達とは別世界の出来事だと思っていて、この世に私達ほど愛し合っている夫婦はいないと思っていました。おそらく妻も、数ヶ月前までは同じ事を感じてくれていたと思います。それが今は。付き合い始めてから30年近くの想いが、ここ数ヶ月で壊されても頭がついて行きません。30年という月日をほんの数ヶ月で無駄にされても、すぐに信じる事など出来ないのです。「痛い!」その言葉で我に返ると、私は妻の髪を掴んで部屋中を引き摺り回していました。そのような事をしている自分が信じられず、慌てて妻から遠く離れると、妻はその場に座り込んだまま声を押し殺して涙を流していて、私の手には髪の毛が何本も絡み付いています。「実家に帰れ。帰って、近藤と2人で逢うようになってからの事を、全て詳しく書け。いつ何処で近藤と何があったのか。その時美雪はどのような気持ちだったのか。どんなに恥ずかしい事で俺には知られたくない事でも、全て詳しく書いて見せろ」私は妻と2人でいるのが怖くなっていました。「近藤に触られて、その時感じたのか感じなかったのかも書け。近藤に感じたのなら、どの様に感じて身体はどの様に反応したのかも詳しく書け。それを読んで今後どうするか結論を出すが、もう嘘は書くなよ。その結果離婚になっても、嘘だけは絶対に吐かないでくれ。何日でも待つから、書き終わったら電話して来い」私は何故このような事をさせようとしているのか、自分でもよく分かりません。知れば知るほど辛くなるのは分かっていても知りたいのです。翌日会社から帰ると電話が鳴り、妻だと思って慌てて出ると、期待に反して聞こえて来たのは近藤の声でした。「美雪に代わってくれ」「もう付き纏うな!これ以上付き纏うようなら、ストーカーで訴える」「ストーカー?冗談はやめてくれ。俺と美雪は、身体の隅々まで全て見せ合った仲だ。美雪も世間体や子供達の手前離婚が怖いだけで、それさえなければ、俺に抱かれたいと思っている。一匹のメスとして、俺というオスに惹かれている」私が離婚を躊躇しているのは、その事も有りました。どんなに酷い男だと分かっていても、その様な男に惚れてしまう女もいるのです。それは近藤が言うように、頭では分かっていてもメスの部分が拒否出来ないのかも知れません。妻のメスの部分が、より若くて強いオスを欲しがっているとすれば、近藤の嘘がばれた今でも離婚して自由になれば、また引き寄せられてしまうかも知れないのです。私は、それだけは許せません。その様な人間はどうなろうと放っておいて、離婚して自分の幸せだけを考えれば良いのかも知れませんが、それは悔しくて出来ないのです。このような事をした妻でも、まだ愛情が残っているのでしょう。私の幸せの中に妻も入っていて、それを外す事が出来ないでいるのです。私は迷いましたが妻を試す意味からも、実家に帰っていて別居している事を告げ、近藤に付け入る隙を与えました。誠実そうな男 21騙された男7/19(水)20:46:00No.20060719204600削除妻は書くのに手間取っているのか、2日後の金曜になっても連絡がありません。近藤に別居している事を告げた事も気になっていた私は仕事にも身が入らず、定時に退社して家に戻り、明日実家に行ってみようと決めてコンビニで買ってきた弁当に箸をつけた時、電話が鳴りました。「いつまで掛かっている!正直に書けばいいだけだ!」声が似ていたので、てっきり妻だと思ってそう言いましたが、それは義母でした。「美雪はそちらに帰っていますか?」「いいえ。どうしたのです?」「美雪がまだ帰って来ないの。役所に電話したら定時に帰ったと言うし」妻は今まで、まっすぐに帰って来ていたと言います。まだ8時で、子供では無いので普通なら心配しないのですが、昨夜からの妻の様子がおかしく、何か胸騒ぎがすると義母は言うのです。「何か変わった事は無かったですか?」「あの男から電話が」近藤から毎晩何度も電話が掛かり、その度に義父か義母が出て妻には取り次がなかったのですが、昨夜は見かねた妻が電話に出て強く断わっていたそうです。私は妻の携帯を壊してしまって、その後持たせていなかった事を後悔しながら近藤のマンションに向かっていると、途中で妻が帰って来たと義母から連絡があったので、妻の実家に方向を変えました。「近藤と会っていたな」「はい」私は妻と近藤に隙を与えて、試した事を悔やみました。私は怒る気力もなく、ただ脱力感だけを感じていましたが、それを聞いていた義父は妻に掴み掛かり、義母は大きな声を出して泣き出しました。「違うの」妻は仕事帰りに毎日待ち伏せされ、言い寄られても無視していたのですが、実家に帰っていると知ってからは、それに加えて毎晩電話を掛けて来るようになったので、もう関わらないで欲しいと話して来ただけだと言います。「こんなに長く何を話し合っていた!おおかたホテルで話し合っていたのだろ?車で近くまで送ってもらったとすれば、2時間以上は楽しめたはずだ」「駅前の喫茶店で話していました」「散々騙されたのに、それを信じろと?」「喫茶店の人に聞いてもらえば分かります。すぐには聞き入れてくれなかったので長くなってしまって、店員さんに嫌な顔をされたので覚えていてくれると思います。あなたにこれ以上嫌な思いはさせたくなかったので、何とか自分で解決しようと」「嫌な思い?近藤と2人だけで会うのが、一番嫌なのが分からないのか」近藤の本性が分かった今、どの様な理由があろうとも普通なら避けるはずです。近藤の言う事は嘘ばかりで、まともに話して分かる相手で無い事も知ったはずです。やはり裸で抱き合った仲だからなのか、妻は私が思っているほど、近藤を酷い男だとは思っていないのかも知れません。私は2人だけで話したくて妻を連れて家に帰りましたが、床に正座した妻は私が近付く度に身体を硬くします。おそらく私が、暴力を振るうと思っているのでしょう。平気で男に股を開いていた妻と、平気で暴力を振るうようになった夫。こんな夫婦に未来はあるのかと、絶望感に押し潰されそうになります。「もう俺が嫌になっただろ?」「そんな事は無い。元の夫婦に戻りたい。どの様な事でもしますから、許して下さい」「本当か?」妻は何度も頷きます。「それなら前にも言ったように、近藤を殺して来い。俺以外に、美雪の全てを見た男が生きている事が許せない。俺意外に、美雪の中に入った男が生きている事が許せない。頼むから殺して来てくれ。近藤を殺して、抱かれたのは間違いだったと証明してくれ。奴を殺して、愛しているのは俺だけだと証明してくれ」「それは」「何でもすると言うのは、またお得意の嘘か!」「く、る、し、い」私は妻を押し倒すと馬乗りになって首を締めていて、妻が声を出さなければ、そのまま締め殺してしまっていたかも知れません。誠実そうな男 22騙された男7/19(水)20:49:04No.20060719204904削除私が手の力を緩めると妻は大きな息をしていて、それは妻が感じている時の息遣いに似ていました。妻の顔をよく見ると、涙が流れた部分だけ化粧が落ち、乱れた髪が口元に纏わりついて艶っぽく見えます。気付くと、浮気されてからは全く勃起しなかったオチンチンが、スラックスとパンツを突き破りそうなほど硬くなっていて、私は荒々しく妻の服を脱がせると下着だけの姿にしました。すると妻は、黒く色っぽいパンティーとブラジャーを着けているではありませんか。今日は濃い色のパンツを穿いていたので、黒いパンティーでも普通なのかも知れませんが、私には近藤と会ってその様な事になった時の為に、この様な色っぽい下着を着けていたとも思え、また怒りが込み上げて、急いで下半身だけ裸になるとパンティーを横にずらして、濡れてもいない妻の中に捻じ込みました。「痛い。あなた、痛い」「嘘を吐け!近藤の太いのを何度も突っ込まれて広げられているから、俺のなんか入っているかどうかも分からないだろ」「痛い。痛いです」「近藤のは怖いほど太くて大きかったそうだな。そんなに大きかったのか?言ってみろ!」妻は仕切に首を振ります。「嘘を吐け!俺のよりも大きかったのだろ?もう嘘は吐かないと言っただろ。言え!正直に言え!」私が腰を動かすと、妻は苦痛に顔を歪めます。「痛い。言います。言いますから。大きかったです。怖かったです」近藤からこの話を聞いた時、男は大きさだけではないと自分に言い聞かせていましたが、こんなくだらない事を一番気にしていた事を知りました。そんな事はたいした事では無いと強がりながら、本当は一匹のオスとして、近藤に劣等感を持った事を実感しました。太くて硬く、大きな武器を持ったオスに、妻を盗られるのではないかと気にしている自分を知りました。「太いのは気持ちよかったか?大きいので、俺では経験した事が無かったほどの快感を得たのか?」「感じるのは、大きさだけじゃない。あなたが好き。あなたとの方が良かった」「もう嘘は沢山だ。正直に言えばいい。大きいのは気持ちよかっただろ?太くて気持ちよかっただろ?言え!正直に言え!」妻と繋がりながら右手を振り上げると、妻は何度も頷きました。「はい。気持ち良かったです。叩かないで」私は激しく腰を振って妻の中に吐き出しましたが、妻にとってこの行為は、暴力以外の何物でも無かったと思います。「なぜ泣く?近藤の太いのを思い出して、寂しくなったか?それとも、俺にされたのがそんなに嫌だったのか?」「違います。私は誘惑に負けて、一番大事な物を失ってしまった。一時の快楽のために、絶対に壊してはいけない物を壊してしまった。私は」「俺が壊れていると言うのか?壊れているのはお前だろ!どうして平気で俺を裏切れた。どうしてあんな男に股を開いた。そんな事の出来るお前は、壊れていないのか?そんな事、普通の人間には出来ない。普通の感情を持った人間なら、こんな酷い事が出切るはずない。お前は鬼だ!人間の振りをした鬼だ!」「ごめんなさい。ごめんなさい」妻の言う様に、私は壊れてしまったのかも知れません。妻の苦痛の表情を見ていると心が休まるのです。しかし原因は妻にあると思うと、妻にそれらしい事を指摘されるのは耐えられないのです。妻が泣き疲れて眠ってしまうと、綴じられた数枚のレポート用紙を、妻のバッグから出して読んでいました。そこには妻が近藤と2人で会う事になった切欠から、近藤のマンションでの情事までが克明に綴られています。最初近藤に相談を持ち掛けられた時、妻は嬉しかったそうです。それは頼られる嬉しさと、世話を妬ける嬉しさです。私は子供が手を離れた時、妻と新婚をやり直す喜びからデートするようになり、セックスも増えて行きました。しかし妻はそうではなく、子供の世話を焼けなくなった寂しさを、私で埋め合わそうとしていました。そこに近藤が現れて、妻は近藤の相談に乗る事にのめり込んでいきます。誠実そうな男 23騙された男7/20(木)16:14:47No.20060720161447削除○月○日車で送ってもらう途中で、突然キスをされました。私のような歳の離れた女にそのような感情をもつ事が信じられず、驚きで身体が動かずにキスを許してしまいましたが、家に帰ってあなたの顔を見た時に、罪悪感で泣けそうになり、もう2人では会わないと決めました。○月○日彼からの誘いを断っていましが、子供の事で重大な局面迎えたので、どうしても相談に乗って欲しいとメールが入り、突然キスをされた事も、何度もメールで謝って来ていたので、子供の事では仕方ないと思って会いました。しかしそれは、いつの間にか頼られる事に心地良さを覚えていて、彼の相談に乗れない事が寂しくなっていたので、断われなかったのかも知れません。私が助手席に乗ると車はどんどん街から外れて行き、不安になった私が何処に行くのか尋ねると「誰にも聞かれたくない内容なので、今日は車の中で聞いて欲しい」と言って、ほとんど車の通らない堤防に止まりました。彼の話は養育費の事で、これならいつものファミレスでも良かったのではないかと思っていると、急に覆い被さってきてシートを倒され、必死に抵抗したのですが唇を重ねられ、服の上から乳房を揉まれました。私が何とか唇から逃れて罵ると、彼は耳元で「妻も子供も失うと決まった時、もう死んでしまおうと決めた。でも美雪さんを愛してしまった事に気付いて、生きていようと思った。美雪さんに嫌われたら死んでしまう。助けて欲しい。私を助けられるのは、美雪さんしかいない」と囁かれ、なぜか身体の力が抜けてしまって、今度は彼の舌まで受け入れてしまいました。その後近藤の行為は徐々に大胆になって行きますが、妻は近藤の自殺を仄めかすような言葉もあって、その都度口で注意をするだけで何をされても会い続け、ボタンを全て外されてブラジャーを押し上げられ、オッパイを吸われるような行為をされるようになっても、その間近藤の頭を撫でながら励ますようになって行きました。読んだ限りでは近藤は完全に女と意識して、何とかものにしようとしている様でしたが、この頃の妻はまだ男女の関係というよりも、母性本能に近かったように感じます。しかしそれが男女の関係に変わるのに、さほど時間は掛かりませんでした。○月○日夜の公園の駐車場に止めた車の中で、彼に乳房を吸われていた時、生理前だったからかいつもよりも感じてしまって、不覚にも声を出してしまいました。すると彼は私のパンツの釦を外したので、これには激しく抵抗しましたが、その時近くで男女の話し声が聞こえ、この様な姿を見られるのは恥ずかしくて絶えられなかった私は、気付かれないように抵抗を止めてじっとしていました。すると彼は私が動けないのを良い事に、手を一気にパンティーの中へ滑り込ませてきたので必死に彼の手を押えて耐えていましたが、話し声が遠退いて行った頃には、彼の指は私の一番感じる所を捜し当てていて、そこを集中的に責められたために頭が朦朧としてきて、いつしかパンツやパンティーも脱がされてしまい、私は唇を噛みながら声を殺して達してしまいました。私は彼で達してしまった事がショックで、大変な事をしてしまったと呆然としていると、その間に下半身だけ裸になった彼が覆い被さって来たので「これ以上、主人を裏切れない」と言って私が泣くと彼は謝り「その代わりに手で出して欲しい」と言って聞きません。余りの事に私が躊躇していると「最後の一線を越えなければ、裏切った事にはならない。私も美雪さんにご主人を裏切らせたくない。でも生理的に出さないと済まない状態なので、このままだと美雪さんを無理にでも襲ってしまいそうだ。お願いだからそのような事をさせないで欲しい。手でしてくれるだけなら、裏切った事にはならない。美雪さんだって、私の指で」と言われ、達したばかりで正常な判断が出来なかった私は、襲われるよりは良いと思って、手でする事を承諾してしまいました。それまでは恥ずかしくて目を逸らしていたのですが、触ろうとしてよく見ると彼のは太くて大きく、何より色が真っ黒で怖くて触れません。すると彼は私の左手にティッシュを持たせ、右手を掴んで自分の下腹部に持って行くと握らせて、添えた手を上下に動かし始めます。暫らくその様な状態が続きましたが、彼が空いた方の手を伸ばして、また私の敏感な部分を触り始めたので、私はもう彼の手が添えられていないのも気付かずに必死で手を動かし、彼をティッシュで包むと同時に私も達してしまいました。この時近藤は、妻に初めてされる事で興奮していてすぐに出してしまいましたが、次に会った時には手だけでは出ないと言って口を使う事も要求し、帰りが遅くなる事が気になっていた妻は、早く終らせたくてその要求に従ってしまいます。この時の感想に、近藤のオチンチンは黒くて太く、前回で触るのには多少慣れていても、口に入れるのは凄く怖かったと書いてある事から、逆に妻はこの様な物をオマンコの入れられたら、どの様な感じなのだろうと想像していたのかも知れません。妻は仕方なくこの様な関係になったような書き方をしていますが、それは嘘を書いているのではなくて、そう自分に言い聞かせて信じ込み、自分の中でこの様な行為を少しでも正当化させていたのでしょう。そうしなければ、罪悪感に押し潰されていたのかも知れません。私としか付き合った事のない妻は、若い誠実な男と付き合っていて楽しかった。私以外の男に初めて性的な興奮を与えられ、その快感から逃げられなかった。しかもその男は、私とでは経験出来ないような快感を与えてくれるかも知れない、強い男を物を持っていた。しかしそれらを認めてしまうと、自分が嫌な人間に思えてしまう。結局、この様な快感を失うのが嫌で必死に自分を弁護しながら、関係を深めていったのでしょう。誠実そうな男 24騙された男7/20(木)16:37:33No.20060720163733削除○月○日このままの関係を続けていては大切な家庭を壊してしまい、あなたを失ってしまうと思った私は、もう2人では会わないと、彼に別れを切り出しました。しかし彼は「美雪さんが放れて行けば、もう私には何も無くなる。そんな人生なら死んだ方がましだ」と言って聞いてくれません。私が自殺するのは良くない事だと説得すると、今度は「美雪さんの言う通りだ。死ぬ気なら何でも出切る。ご主人に今までの関係を話して謝り、美雪さんと別れてくれと頼んでみる。死ぬ気で美雪さんを奪い取ってやる」と言われました。それは私が一番避けたい事で、そのような事になれば離婚されてしまうと思って彼を必死に説得すると、別れてくれる条件に彼が出してきたのは、最後に私と一つになることでした。しかし私がそれだけは出来ないと断わると、彼が次に出した条件は、2人が付き合っていた思い出に旅行に行くことです。彼は「部屋は2部屋とって別々に寝て、最後まではしない代わりに、いつものように触らせて欲しい。手や口で出して欲しい。この条件を飲んでくれれば別れる」と言ったので、私はあなたや友達まで裏切って旅行に行く事を承諾しました。○月○日私達は友達と行くはずだった温泉地から、一番近いシティーホテルを予約していました。ホテルにしたのは、2部屋とるのに素泊まりにすれば旅館よりも安かったのと、彼が「最後を誰にも邪魔されずに、2人だけで過ごしたい」と言ったからです。色々な所を観光し、外で食事を済ませてからホテルにチェックインすると、彼はすぐに抱き付いてきました。私はシャワーを浴びたかったのですが彼は許してくれず、そのまま下着だけの姿にされてキスをされ、彼に抱き付きながら立ったまま指で一度達してしまい、その後シャワーを浴びていると彼が入って来て、彼の下腹部を洗うように言われましたが、明るい所で裸を見られているのが恥ずかしくて、彼を振り切って逃げました。それからお互いに浴衣を着てワインを飲んでいましたが、彼に「さあ、ベッドに横になって。約束だろ?」と言われてグラスを取り上げられ、これで彼と別れて普通の生活に戻れると思った私は、素直にベッドに横になりました。この事もあなたに嘘を吐いていました。彼が私の部屋に話しに来て、急に浴衣の紐で手を縛られて仕方なくしたと言っていましたが、本当は抵抗もしないでベッドの上で裸にされて、彼に身体の隅々まで舌を這わされていたのです。今までのような狭い車の中とは違い、彼に裏も表も気が遠くなるほど舐められて、私は何度も何度も感じてしまいました。次に私が彼を満足させる番になり、必死で手や口を使って終わらせようとしましたが、その間も彼に触られていて、私の方が先に達してしまって最後まで出来ません。すると彼が「出してくれる約束だったから、このままだと別れない」と言い出し、「触られていては出来ない」と言っても「触らせてくれるのも約束だ。毎回感じていないで、少しは我慢すればいい」と言ってやめてくれず、何とか感じないように我慢しようと思うと、余計に神経が集中してしまって感じてしまいます。私が困っていると彼は私を押し倒して足を開き、脚の間に座って私に彼を擦り付けて「こうすれば出るかも知れない。入れないからいいだろ?」と言いました。しかし先が入り口に当たる度に、私はいつ入れられてしまうか不安で、仕方なく「私にさせて欲しい」と言って上に跨り、腰を振って擦り付けていたのですが、結局私が先に達してしまい、彼の胸に顔を埋めると下から強く抱き締められて、動けない状態で彼に入れられてしまいました。彼のは太くて中がいっぱいになり、このまま動かされたら私はどうなってしまうのか想像もつかず「入れないで。早く抜いて」と言うのが精一杯で強く拒否する余裕も無く、怖くて彼にしがみ付いてしまい、それに気を良くした彼は更に奥まで入れて来たので、彼ので子宮を押された私は悲鳴を上げてしまいました。彼のが動き出すと、中の物を全て掻き出されるような感覚で、私は我を忘れて大きな声を上げ続けていたと思います。最後は中に出されてしましたが、私は彼に抗議する気力も無く、彼に連れられてシャワーを浴びにバスルームに行き、すぐに回復した彼にそこでも入れられて狂ったように大きな声を上げ続け、ベッドに戻るとまた身体中に舌を這わすという最初の行為に戻って一から始まり、結局開放された時には夜が明けていました。これで全て終わったと思っていましたが、帰りに家の近くまで送ってもらって別れを告げると「抱いてみて気が変わった。こんなに身体の相性が良いとは思わなかった。ここで諦めたら、美雪さんのような女性には二度と巡り会えない。今からご主人に美雪さんをもらいに行く」と言われ、約束が違うと言っても相手にしてくれません。結局はあなたに話さない条件として、これからも付き合う事を承諾させられてしまいました。近藤と関係を持った箇所は、より詳しく書けと言ってありましたが、これだけ詳細に書かれると、とても平常心では読めません。誠実そうな男 25騙された男7/21(金)02:56:33No.20060721025633削除別れるために行った旅行で、逆に妻達の関係は深くなってしまい、その後は会う度にホテルで抱かれていました。その頃私を拒否していたのも、毎回身体の隅々までキスされていたので痕跡を見つけられて、近藤との関係が私にばれるのを恐れたからです。私には妻が本当に嫌だったとは思えません。近藤とのセックスに、溺れてしまったような気がします。自分では否定していても、身体は求めてしまっていたのかも知れません。中に出されていた事で妻のメスの部分が、逞しいオスの遺伝子を欲しがっていたのかも知れません。その証拠に私に家を追い出された時、近藤との別れを真剣に望んでいれば、近藤に助けは求めなかったと思うからです。○月○日あなたに初めて叩かれて、家を出されて離婚を現実のものと認識した時、頭が混乱してしまって、誰でも良いから助けて欲しかった。自業自得だと分かっていても、辛くて寂しくて、誰かに縋り付きたかった。原因が、昔から私が一番軽蔑していた不倫だけに友達にも知られたくなく、ましてや両親や子供達には、絶対に知られたくなかったので助けを求められない。お金も持っていなかったので、ホテルに泊まる事も出来ません。そうかと言ってあのままでは、近所の人に知られてしまう。私は卑怯な人間です。誰かに助けてもらいたいけれど、私がこの様な酷い人間だと誰にも知られたくないと思った時、私は彼に電話をしていて、彼に頼ってしまうと完全に終わってしまうと気が付いた時は、既に彼のマンションにいました。この日の彼は紳士的で、少し冷静になった私が帰ろうとすると「ご主人も興奮しているだろうから、今帰っては逆効果だ。私に考えがあるから安心して、今夜はそのベッドでゆっくり眠るといい。私はソファーで寝るから」と言って引き止められました。翌朝彼は、自分達の離婚のために用意してあったという離婚届を持って来て「無理に戻ろうとするから、離れたくなる。逆にこれに署名して離れる素振りを見せれば、引き戻したくなるものだ。必ずご主人と元に戻れるように上手くやってやるから」と言ってくれたので嬉しくて、私は藁をも縋る思いで言われるままに署名しました。彼があなたに会いに行き、私は祈るような気持ちで待っていましたが、帰って来た彼に「ご主人の意思は固く、離婚は避けられそうにない。裁判をしても離婚になる可能性が高いから、こうなったら諦めて今後の人生を考えた方が賢明だと思う。私にも責任があるから、美雪は私が幸せにしてやる」と言われて目の前が真っ暗になり、私は絶望感から抵抗する気力も無く、裸にされて彼の舌が身体を這っていくのを、他人事のように見ていました。しかし、悲しい事にそんな時でも私の身体は反応し始め、感じてしまうと今度は嫌な現実かから逃げたくて、何もかも忘れたくて、私は積極的に快感を求めるようになっていきます。私はまた彼に抱かれてしまった事で、更に現実に戻るのが怖くなってしまい、その夜は彼の上になり下になり、時には犬のような格好までして彼を求め続け、あなたの所に行った帰りに彼が買ってきた、厭らしいオモチャまで使われて、一晩中狂ったように声を上げ続けていました。あの時穿いていたエッチな下着も、その時彼が買って来ていて、着の身着のままだった私は服や下着の替えが無く、彼のワイシャツを借りて着ていたので、下に何も着けていないよりはましだと思って、仕方なく着けていた物です。妻は軽い気持ちで、若い男との交友を楽しんでいた。それが相手の男の方が一枚も二枚も上でずる賢く、年上だったと言っても男性経験が私しか無い妻は、簡単に手玉にとられてしまった。そう考えると、私は近藤に対して新たな怒りが湧きました。私を裏切ったのは近藤ではなくて妻です。しかし近藤に対しても、このままでは怒りが治まらず、妻を叩き起こすと化粧をして、出掛ける用意をするように言いました。私が妻の告白文を読みながら、考えたのは犯罪行為です。それも妻さえ上手くやれば、警察には捕まらないような卑怯な犯罪。おまけに妻を試す事が出切る、一石二鳥の行為です。「美雪。今から近藤をホテルに誘え」「えっ!」「俺が仕組んだ事は絶対に言うな」「あなた、何を?」「黙って指示通り動けばいい。何でもすると言っただろ」妻は不安そうな顔で私を見ていましたが、何でもすると言いながら、近藤を殺す事を断わった手前、私の2度目の指示には逆らえません。私は台詞をメモ書きして渡すと妻に何度も読ませ、近藤に電話するように言いました。誠実そうな男 26騙された男7/21(金)02:59:47No.20060721025947削除妻は恐る恐る電話しましたが、夜中の2時では流石に眠っているのか出ません。妻はほっとした表情で受話器を置こうとしましたが私はそれを許さずに、出るまで掛け続けているように指示します。私も受話器に耳を付けて待っていると、ようやく近藤が出ました。「美雪です」「美雪?こんな夜中にどうした?」「やはり主人とは無理みたい。今まで言い争っていて、また叩かれました。もうどうしたら良いのか分からなくなって」「旦那は?」「怒って車で何処かに出て行ってしまいました」「俺の所に来るか?」「帰って来た主人が、探し回ってマンションに来ると嫌だから、何処か他の静かな所で相談に乗って欲しい」「じゃあ、すぐに迎えに行くから、この間迎えに行った公園で待っていてくれ。俺が行くまで旦那に見付からない様に、何処かに隠れていろよ」妻を手に入れるチャンスだと思った近藤は、眠気も忘れて張り切っていました。「私はどうすれば良いですか?お願いですから、怖い事はやめて」「俺の指示に黙って従っていればいい。近藤に会ったら国道に出た所の、本屋の横を入って行った所にあるホテルに誘え。他のホテルと間違うな。あの古いホテルだぞ」「私は何をすれば」「簡単だ。ホテルに入ったら一時間で出て来い。きっかり一時間で出て来いよ。それと絶対に抱かれるな。抱かれそうになったら、舌を噛んででも抱かれるな。キスもさせるな」「どのように誘って、どの様に断わって出てくれば」「抱いて欲しくて我慢出来ないから、そこのホテルに入ってと言えばいい。しばらくそれらしい話をして、奴が何かしようとしたら、やっぱりこんな汚いホテルで抱かれるのは嫌。もっときれいなホテルで抱いてと言って出て来い」私は先回りをしてホテルの近くで車を止めて待っていると、妻を乗せた近藤の車が入って行きます。このままここにいては怪しまれるので一時その場を離れ、約束の20分前に戻ると時間を持て余したのか近藤の車が出て来たので、私は慌てて車から出るとカメラのシャッターを切り続けました。近藤はフラッシュの光に気付き、車から降りて近付いて来ましたが、写真を撮っているのが私だと分かると、足を止めて立ち尽くしてしまいます。「何のつもりだ!また不貞行為か?今度は裁判所で会おう」「不貞行為などしていない。それに慰謝料なら前に払った」「何も知らないようだな。あれは以前の損害に対する慰謝料だ。また新たに損害を受ければその都度請求出来る。おかしいと思って美雪を泳がせて後をつけたら、案の定こんな事か」近藤も手際の良さに疑問を感じ出し、私達を疑っているような事を言い出したので、真実味を出すために近付いてきた妻を怒鳴りつけました。「お前は何度裏切ったら気が済む!今回は絶対に許さないぞ」妻はようやく私の計画が分かり、悲しそうな目で私を見ながら泣き出しました。妻を連れて家に戻ると、私の顔に久し振りに笑みが浮かびます。「上手くいったな。また近藤から金をとってやる」その時車の止まった音がして、納得の行かない近藤が入って来ました。「お前達、仕組んだな?これは美人局だ。立派な犯罪だ。それに、美雪を抱こうとしたのは事実だが、まだ不貞行為はしていない」「美人局だと思うなら訴えろ。俺は絶対にお前を許さない。不貞行為かどうかも、この写真で裁判官が判断してくれる」私の自信あり気な言葉で怯んだ近藤は、今度は自己破産するので払わなくても済むと言ってきました。しかし私が慰謝料は相殺されない事を言うと、今度は無い所からは取れないと開き直ります。「お前は十年も働かずにいるつもりか?役所を辞めてもいつかは働くだろ?その時はいくら金が掛かっても勤め先を調べ上げて、強制執行してでも必ず払わせてやる。俺達は離婚するから、今度は数十万では済まないぞ」私はお金などどうでも良いのですが、今の近藤にはお金が一番堪えるのです。近藤が帰ると、今度は妻に悪振っていました。それがどの様な結果になるかも知らずに。誠実そうな男 27騙された男7/22(土)04:56:08No.20060722045608削除私は美人局をした後ろめたさもあって、悪を気取って強がらずにはいられませんでした。「今回の決着がついた頃、また近藤を誘え。性欲だけの馬鹿男は何度でも引っ掛かる。ただ、今回と同じでは流石に奴も疑うだろうから、次は少し触らせてやれ。それが上手く行ったら、その次は抱かれてもいいぞ。美雪もご褒美が欲しいだろうから」「あなた、もうやめて」「やめて?近藤が可哀想になったか?そりゃそうだな。美雪と近藤は、全て見せ合った仲間で、俺が2人の仲を切り裂く敵だった。」「違います。もうこの様な事は」「誰のせいでこうなった?お前は売春婦と同じだ。この間の80万も、美雪が身体を売って稼いだのと同じだ。一度身体を売ったら何度売っても同じだから、何なら近藤以外の男も引っ掛けて抱かれろ。その度に俺が慰謝料をとってやる。どうせ汚れきった身体だ。これからも、もっと身体を売って金を稼げ。俺はその金で若い女と遊ぶ」「こんな事は、もう許して下さい」「こんな事?俺のした事と、美雪がした事とではどちらが酷い事だ?美雪は自分の性欲の為に、俺の30年を無駄にしたのだぞ。やめてやるから俺の30年を返せ。美雪の様な淫乱な女と関わった、俺の30年を返せ」これを言われては、妻は何も言えません。「そうだ。いっそうの事、本当の売春で稼いでくれないか?熟女の派遣をしているところもあると聞いたぞ。それがいい。美雪は大好きなセックスが出来て、俺はその金で遊べる」妻は涙を流しながら、私の目をじっと見詰めました。「離婚、離婚して下さい」私は耳を疑いました。妻の口から、離婚の二文字が出るとは思っていませんでした。「財産分与も何もいりません。慰謝料も分割で払っていきます。お願いですから離婚して下さい」私は慌てました。私は2人に騙されて、近藤に負けたまま終わるのが嫌だったのです。近藤に負けた男と妻に思われるのが嫌で、近藤を騙す事で私の方が上なのだと、少しでも思わせたかっただけなのです。「子供達にも離婚理由を話すぞ」「自業自得ですから仕方ありません。蔑まれても仕方のない、私は情け無い母親です」子供で脅しても駄目な事から、妻の決心は固そうです。「俺に責められて暮らすのが嫌になったか。結局、最初から償いなどする気は無かったか」「責められるのは仕方ないです。私は殺されても何も言えない様な裏切りをしたから」妻は胸の内を話しました。実家で今までの事を書いていて、どれだけ自分が酷い人間か、どれだけ近藤が裏表のある人間か、はっきり分かったと言います。しかし近藤と電話で話し、甘い言葉を並べられて復縁を迫られると、口では厳しく非難していても、悪い気はしなかったのです。電話を切ってからその様な自分の気持ちに気付き、激しい自己嫌悪に陥って、会ってはっきりと断わる決心をしました。「酷い男と分かっても、嫌いにはなれないという事か?」「嫌いです。自業自得だけれど、今では彼を怨んでいます」妻は近藤と会って、二度と付き纏うなときつく抗議しました。しかし知らぬ内に、一番新しい、一番色っぽい下着を着けていた事を、私に指摘されて気付きます。「抱かれる事も想定して、あの下着を着けて行ったのか?」「二度とあなたを裏切るつもりは無かった。彼と関係を持つなんて考えてもいなかった。でもあなたに言われて思い出したの。あの日、無意識の内に一度着けた下着をわざわざ脱いで、あの下着に穿き替えた事を」「遠回しに言っているが、結局会って抱かれたかったのだろ。お前はセックス
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