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( ^ω^)とξ゚?゚)ξが愛のあるセクロスをするようです。4

夜の住宅街の薄暗い路地を歩く二人の姿を、街頭が照らしている。
灯りに浮ぶふたつの影は、仲良く並んで大きく揺れ動く。
恥ずかしさもあってか、並んで歩く二人が交わす言葉は少ない。

もうすぐ6月といえど、夜になればぐっと冷え込む。
特にこの街には冷たい海風が吹き込むから、7月になっても気温が10度代なんてことはザラだ。

ξ゚?゚)ξ「やっぱり夜は寒いねー」

( ^ω^)「風もつおいお」

ツンの家へ向かう二人は、冷え込んだ空気が包む夜の路地を少し肩を縮めて歩いていた。
空の向こうで、ゴオという風がうなる音が聞こえた後、冷たく湿った風が二人に吹き付けた。

ξ゚?゚)ξ「うっ・・・さむっ」

( ^ω^)「大丈夫かお?俺のジャケット貸すお」

ブーンは自分のジャケットを脱ぎ、ツンの肩にかけた。

ξ゚?゚)ξ「・・・・ありがと。あんたは大丈夫なの?」

( ^ω^)「俺は平気だお。寒さにはつおいお」

遠くでまた風がうなる音が聞こえた。
等間隔で並ぶ街頭の間に、自動販売機の明かりが見えた。

ξ゚?゚)ξ「ブーンちょっと待ってて」

ツンは自販機に向かって走り出し、温かいコーヒーとミルクティーを買ってブーンに差し出した。

ξ゚?゚)ξ「どっちがいい?」

( ^ω^)「どうせコーヒーが俺のだお」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・・・・残念!」

( ;^ω^)「?」

ξ゚?゚)ξ「今日は私がコーヒーを飲みます」

(;^ω^)「ちょwwwwwww」

そう言ってツンは缶コーヒーのプルタブを開け、一口飲んだ。

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・・・・・・」

ξ;゚?゚)ξ「 ま ず い 」

(;^ω^)「飲めないに無理するからだお。口直しにこっち飲むお」

ブーンは紅茶のペットボトルの蓋をあけ、ツンに差し出す。
ツンはそれを受け取ると、すぐにごくごくと飲んだ。

ξ*-?-)ξ「はぁー、おいしー」

ツンは左手に持っていた缶コーヒーをブーンに私、またミルクティーを一口飲む。
ブーンも、ツンに手渡されたコーヒーに口をつける。ブーンがいつも好んで買っているコーヒーの味だ。

(;^ω^)「なんでコーヒーなんか飲んだんだお」

ξ゚?゚)ξ「うるさいわね。コーヒー飲めるとなんか大人っぽくてかっこいいじゃない!」

( ^ω^)「それって俺がカコイイってことかお?」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・・・・・」

(*^ω^)「ktkrwwwwwwwwww」

ξ゚?゚)ξ「ばかじゃないの?」

(;^ω^)「・・・」

ξ゚?゚)ξ「ばーか」

そう言ってツンはミルクティーを飲みながら歩き出した。
ブーンが慌てて追いかける。離れていた二人の肩が、また並んだ。

この道を、二人で再び歩くことができるなんて思わなかった。
あの時と同じ夜の道。同じ相手。同じ缶コーヒーとミルクティー。
ただ違うのは、二人の関係。そして、お互いを想い合う気持ち。

あの時、ツンの過去を知ったブーンは、ツンに手を差し伸べることができなかった。
それどころか突き放す結果になってしまった。
その時のブーンにはそうするしかできなかったし、手を差し伸べたところでツンの心の傷を受け入れることができるかどうか分からなかった。

でも、今は違う。
今はツンの全てを受け入れられるし、何よりもツンのことが心から好きなのだ。
小さな体で一生懸命毎日明るくふるまうツンの手助けをしてあげたい。
自分がそばにいることで、ツンの傷が癒されるのなら、それは自分にとって大いなる喜びだ。

( ^ω^)「ツン」

ξ゚?゚)ξ「なに?」

( ^ω^)「ツンのこと、ほんとに大事にするお」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・・・え?」

( ^ω^)「大好きだお」

ξ///)ξ「はっ、はあ?急に何言ってるのよ」

( ^ω^)「照れ隠しカワユスwwwwwww」

ξ///)ξ「ばかじゃないの!」

そう言ってツンはブーンのみぞおち目掛けて一撃をくらわせた。

(;^ω^)「ぐおっ・・・!?」

その痛さに、ブーンは思わず腹をかかえてその場にうずくまった。

(;^ω^)「愛の鉄拳だお・・・」

ξ゚?゚)ξ「まだ言ってる・・・」

ツンは、はい、と言ってブーンに手を差し出した。
ブーンはその手を握って立ち上がる。

( ^ω^)「フヒヒ!」

ξ゚?゚)ξ「何よ?いい加減離しなさいよ」

( ^ω^)「手、つないだままでもいいかお?」

ξ*゚?゚)ξ「は?」

( ^ω^)「ツンの手冷たいお。俺があっためるお」

ξ///)ξ「・・・・・・・・っっ」

ブーンの手に伝わるツンの体温が急激に上昇していく。
二人の姿は街頭に照らされては暗闇に消え、また街頭に照らされては暗闇に消え、を繰り返していった。

翌日の土曜日、いつものようにブーンは自販機の補充作業をするために移動中のトラックの助手席に座っていた。
午前の補充を終え、午後は市街地にあるスーパーの売場点検に行かなければならない。
その前に飯でも食うかとギコが言い、二人は国道沿いのファミレスに入った。

食事を取り終え、ギコがタバコを吸っている。
ブーンは水をひとくち飲んで、ギコに話し掛けた。

( ^ω^)「ギコさん、実は彼女ができたお」

(゚Д゚)「ええ!?マジでか!!??」

ギコはタバコを吸う手を止め、水を一口飲んだ。

(゚Д゚)「もしかして、前話してた、近くにいるってコか?」

( ^ω^)「そうだお」

(゚Д゚)「すげええええええ!!!!良かったじゃん!!!!!!!!!!
    おめでとー!!!!!!!」

( ^ω^)「ありがとうだお」

(゚Д゚)「そっかー、お前にも彼女がなー。なるほどねー」

ギコは再びタバコを吸い、煙を深く吐くと、タバコを灰皿に押しつけた。

(゚Д゚)「彼女の写真とかねーの?」

( ^ω^)「うーん・・・卒業式の日にみんなで撮ったのなら・・・」

そう言ってブーンは携帯を取り出し、画像を表示させてギコに見せた。

( ^ω^)「この、俺の隣にいるコだお」

(゚Д゚)「この二つ結いの?・・・・・・・・これじゃああんまよく見えねーよ。下向いてるし」

(;^ω^)「でもこれしかないお。写真嫌いみたいで、カメラ向けても撮らせてくれないお」

(゚Д゚)「まぁ、いつか撮ったら見してよ」

( ^ω^)「わかったお」

(゚Д゚)「それにしてもめでたいなー。
   よーし分かった!ここは俺のおごりだ、たんと食え!!!!」

(;^ω^)「ちょwwwwお腹イパーイだおwwwwwww」

ギコがまるで自分のことのように祝福してくれて、ブーンはとても嬉しかった。
良い上司に巡り合えたと、ブーンは心から思った。

それにしても、”彼女”という響きにとても新鮮さを感じる。
今までそういった存在がいなかったせいもあるが、ツンが自分の彼女になる日が来るなんて。

その日、夜7時頃にバイトが終わったブーンは、ツンにバイトが終わったことを告げるメールを入れた。

( ^ω^)(ツンはきっと9時半にバイトが終わるお。その頃に電話するお)

彼女に、初めてする電話。
どんなことを話そうか。とてもわくわくする。

家に帰ると、既に母が帰宅しており、夕食の準備がされていた。
ブーンは夕食を取り、テレビを見て風呂に入り終えると、時刻は9時半を過ぎたところだった。
急いで髪を乾かし、部屋に入り携帯を見ると、ツンからバイトが終わって帰宅したことを告げるメールが入っていた。

( ^ω^)「うはwwwwグッドタイミングだお」

トゥルルル・・・トゥルルル・・・

ξ゚?゚)ξ「はい、もしもし」

(*^ω^)「あっ、ツンお疲れ様だお」

ξ゚?゚)ξ「うん、おつかれー」

(*^ω^)「晩御飯は食べ終わったかお?」

ξ゚?゚)ξ「バイト先で済ませてきた」

(*^ω^)「そうかお」

ξ゚?゚)ξ「ねえ、ブーン」

(*^ω^)「なんだお?」

ξ゚?゚)ξ「あんたって今なんの仕事してるの?」

(;^ω^)「え・・・・・・・・」

(;^ω^)「あれ、言ってなかったかお?」

ξ゚?゚)ξ「うん、聞いてない。就職全部だめだったってことは卒業式の日に聞いたけど」

(;^ω^)「そうだったかお・・・?」

ブーンは、ドクオとの会話を思い出した。
そういえば、自分の今の仕事についてツンとの会話に出てこなかったので、
今度聞かれたら言おうと思っていたが、結局今の今まで話題にのぼることはなかったのだ。

( ^ω^)「今は微糖園でバイトしてるお」

ξ゚?゚)ξ「ふーん。週休何日?」

(;^ω^)「週休・・・というか、土日と祝日だけやってるお」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・え?」

(;^ω^)「・・・・・・・・・・・・」

ξ゚?゚)ξ「平日は何してるの?」

(;^ω^)「おうちにいるお」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・・・・」

(;^ω^)「・・・・・・・・・」

ξ゚?゚)ξ「それは良くない!!!!!」

(;^ω^)「・・・・」

ξ゚?゚)ξ「あんたねー、今時ドクオでさえコンビニの夜勤やってるってのに、
      それじゃあほぼ無職じゃないの!」

(;^ω^)「平日は確かに・・・」

ξ゚?゚)ξ「付き合う前に確認しとくんだった・・・」

(;^ω^)「・・・・・」

ξ゚?゚)ξ「悪いけど、本来の私は学生でもないのにちゃんと働いてない人とは付き合わないんだから!」

(;^ω^)「じゃあなんてOKしたお?」

ξ゚?゚)ξ「それは・・・・・・ほら、色々あるじゃない!
      気持ちが先に出ちゃったってゆうか・・・・・・」

(;^ω^)「・・・・」

ξ゚?゚)ξ「とにかく、これからはちゃんと働いてもらわないと」

(;^ω^)「わかったお。でも今すぐバイト辞めるわけには・・・すぐに新しい仕事見つかるかわからないし」

ξ゚?゚)ξ「微糖園で雇ってもらうことはできないの?
      正社員になれなくても、契約社員とかパートとかでもいいから、
      せめて週休2日くらいにしてさ」

( ^ω^)「なるほどだお。聞いてみるお」

ξ゚?゚)ξ「生活費とかはどうしてるのよ?」

(;^ω^)「今は実家だから払ってないお」

ξ゚?゚)ξ「家にお金入れてないの?」

(;^ω^)「入れてないお・・・」

ξ゚?゚)ξ「週2日だけのバイトじゃ貯金もできないじゃない」

( ^ω^)「あ、それは大丈夫だお。あまり買い物しないから」

ξ゚?゚)ξ「あー、そういえばあんたあんまり物買わないわよね。
      貯金・・・・いくらあるの?」

( ^ω^)「えーと・・・・」

ξ゚?゚)ξ「あ、ごめん。言いづらいよね、無理して答えなくても・・・」

( ^ω^)「多分50万くらいだお」

ξ;゚?゚)ξ「ごじゅっ・・・・!?」

( ^ω^)「口座3つあるからちゃんと把握してないけど多分それくらいだお。
      あっ、郵貯にも10万くらい入ってるお」

ξ;゚?゚)ξ「へ、へぇ~・・・・」

(;^ω^)「でもやっぱり最近減ってきてるお。ちゃんと仕事するお」

ξ;゚?゚)ξ「うん、まぁ焦って適当に探すよりは、ちゃんとやりたい仕事したほうがいいけど・・・」

( ^ω^)「うんだお」

ξ゚?゚)ξ「とりあえず、微糖園でもうちょっと出勤日数増やしてもらえるなら、そうした方がいいと思うよ」

( ^ω^)「そうするお」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・・・・」

( ^ω^)「・・・・・・・・?」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・ごめんね」

( ^ω^)「?なんで謝るお?」

ξ゚?゚)ξ「なんかさ、こういうのって本人の問題だから、私が口出すのはおかしいんだけど・・・」

( ^ω^)「俺たちは付き合ってるんだお。なんでも言って欲しいお」

ξ゚?゚)ξ「私、ブーンとは真面目に付き合いたいと思ってるの。
     だから・・・・しっかりして欲しいなって思って、つい・・・・・・・」

( ^ω^)「ツン・・・・」

( ^ω^)「ツンのためにもしっかりするお。頑張るお」

ξ゚?゚)ξ「うん。でもあんま無理しないでね。ブーンにはブーンなりの考えがあるんだろうし」

( ^ω^)「心配かけてすまなかったお」

ξ゚?゚)ξ「ううん。ごめんね」

( ^ω^)「じゃあ明日もバイトあるし、そろそろ寝るお」

ξ゚?゚)ξ「わかった。頑張ってね。おやすみ」

( ^ω^)「おやすみだお」

電話を切り、部屋の電気を消してブーンは布団に入った。

それにしても女性はすごい。まだ高校生なのにとても現実的だ。
今の状態に疑問も感じずに働いてきた自分がすごく恥ずかしい。
女の人の方が精神年齢が高いって、こういうことだったのか。

( ^ω^)(ツンはちゃんと考えててすごいお。俺も見習うお)

明日ギコにバイトの日数を増やしてもらえないか聞いてみよう。
そう思いながら、眠りについた。

一方ツンは、部屋のベッドによりかかってうつむいていた。

ξ-?-)ξ「はー、なんで仕事のことまで口出しちゃうんだろ」

自己嫌悪。ツンの今の心を取巻く感情は、この一言に尽きる。
ブーンの人生だからブーンの自由にするのは百も承知だが、やはり付き合うとなると別問題だ。
親や友達に紹介する機会もあるだろうし、その時にブーンの職業は何かと聞かれた時
今の状態のままでは、ブーンだけでなく自分も恥をかくだろう。
社会人という道を選んだからには、それなりにしっかりして欲しかったのだ。

ξ゚?゚)ξ(まぁ、ブーンのことだからその点は大丈夫だよね。
     なんか知らないけど要領もいいし・・・相当就活してたみたいだし。・・・・・・・全部落ちたけど)

ツンがここまで神経質なのは、やはり過去の経験が起因している。
しかし、ブーンは打算的な考えではなく、心が惹かれるままに選んだ相手だ。
きっと信じられる。ツンはそう思っていた。

翌日、ブーンはいつものように出勤し、午前中は補充、午後は倉庫整理の作業に追われた。

( ^ω^)(どう考えても今のペースで働くのは、社会人としてありえないお・・・
     これじゃあ学生アルバイト並だお。
     やっぱりツンの言う通り、日数増やしてもらわないと・・・)

今の状態に満足していた自分が急に恥ずかしくなった。
もしこれで日数を増やしてもらえないとなると、辞めることも考えなくては・・・。
仕事が終わったら必ずギコに掛け合ってみよう。
ブーンはそんなことを考えながら、ひたすら飲料の入った重い箱を運び続けた。

やがて日が沈み、時刻は夜7時を回っていた。
ブーンは倉庫整理を終え、事務所へと向かった。

( ^ω^)「お疲れ様ですおー」

川`~`)||「お疲れ様ー」

そこには、今日は休みのはずの事務のかおりがいた。
いつもよりもカジュアルな格好でデスクに座り、パソコンを打っていた。

( ^ω^)「かおりさん、今日は休みじゃないのかお?」

川`~`)||「ちょっとやり残したことがあってね」

( ^ω^)「そうですかお」

ブーンは作業着を脱ぎ、ハンガーにかけた。
そして冷蔵庫から缶コーヒーを取り出し、ソファーに深々と腰掛けた。
どうやらギコはまだ戻っていないらしい。でももうすぐ戻るだろう。

ブーンはコーヒーを一口飲んだ後、ソファの隣のラックに入っている雑誌を手にとり、パラパラとめくった。
ギコが戻るまで何をしていよう。ただ待つというのも疲れるものだ。

その時、事務所の電話が鳴った。
すぐさまかおりが電話に出た。

川`~`)||「はい、微糖園でございます。・・・・・・・・あっ、ギコさん」

( ^ω^)(ギコさんから?珍しいお)

川`~`)||「ええ、ちょっとやり残した仕事があって・・・・・。
      ・・・・・・・・・・え?」

電話に出ているかおりの表情が急に変わった。
ブーンはそのただならぬ様子を察し、かおりをじっと見ていた。

川`~`)||「ええっ!!本当ですか!?そ、それで・・・?」

一体どうしたというのだろう。
電話の相手はギコのようだが、仕事の電話にしても様子がおかしい。
何か大変な事態が起こったのだろうか。

川`~`)||「はい・・・はい、では所長にはこちらから連絡して・・・・はい・・・」

(;^ω^)(一体どうしたんだお?)

何が起きたのか全く予想もつかない。
かおりは明らかに狼狽している。

川`~`)||「はい・・・はい、わかりました」

かおりはさらさらとメモを取り、青ざめた表情で受話器を置く。
ブーンはソファーから立ち上がり、かおりのもとへ向かった。

( ^ω^)「どうしたんですかお?」

川`~`)||「山田さんが・・・荷物の下敷きになって病院に運ばれたそうよ・・・」

(;^ω^)「ええ!!??」

山田とは、入社3年目の微糖園の社員で、ブーンとはそれほど仲が良いわけではなかったが、
何度かギコも交えて軽い世間話をしたことはあった。
愛想がいいわけでも悪いわけでもなく、「普通の人」という印象の強い人だ。

川`~`)||「怪我が相当ひどいみたい。
      とりあえず所長に連絡して、病院に行ってもらうことになったから」

(;^ω^)「そうですかお・・・今日はギコさんは山田さんと一緒だったんですかお?」

川`~`)||「いえ、たまたま事故現場を、ここに戻る途中だったギコさんが通りかかったらしくて・・・」

(;^ω^)「そうですかお・・・」

川`~`)||「とりあえず私はここに残ることになったけど、内藤くんはどうする?」

( ^ω^)「とりあえず俺は帰りますお」

川`~`)||「わかった。山田さんのことはギコさんから連絡いくと思う」

( ^ω^)「わかりましたお。ではお先しますお。お疲れ様ですお」

川`~`)||「お疲れ様」

そう言うとかおりは、受話器を取りボタンを押し始めた。所長に連絡するのだろう。
ここでやきもきしていても、ブーンにはどうすることもできない。とりあえずギコからの連絡を待つしかない。

ブーンは山田とは面識はあっても、あまり顔を合わせる機会もなかったし、会っても挨拶をする程度の仲だった。
心配はしているが、正直他のみんなほどのものでもない。
ブーンは夜の路地を歩きながら、いつギコに出勤日数のことを掛け合おうか、ぼんやり考えていた。

その日の夜、ツンに電話で山田のことを話し、今日は出勤日数を増やしてもらえるよう頼める状況になかったことを説明した。
ツンは、それなら仕方ないわね、と言った後に、「山田さん、大したことないといいね」と続けた。
ブーンはいまいちピンとこなかったが、とりあえず同意しておいた。

翌日、ブーンはキッチンの大掃除をしていた。
ガスコンロのコゲと格闘しているところに、ブーンの携帯が鳴った。

ピピルピルピピ~♪

(;^ω^)「はいだおー今出るおー」

手を軽く洗い、リビングに急いで向かう。
そしてテーブルの上に置いてある携帯を手にとった。

ピッ
( ^ω^)「もしもしだお」

(゚Д゚)「あ、内藤?俺」

( ^ω^)「ギコさん・・・昨日は大変だったようだお」

(゚Д゚)「ああ、山田のことなんだけどな・・・」

( ^ω^)「どうなりましたかお?大丈夫なんですかお?」

(゚Д゚)「それがなぁ、あんまり芳しくないんだよ」

(;^ω^)「えっ・・・」

(゚Д゚)「あいつ一人で補充作業してて、トラックから荷物降ろすときにコンテナの下敷きになったらしいんだ。
    んで肋骨とか手首とかイッちまって・・・全治3ヶ月だそうだ」

(;^ω^)「3ヶ月!?」

(゚Д゚)「あと数ミリで脊髄もやられそうだったらしい。
    そうなれば半身不随になってたそうだ」

(;^ω^)「・・・・・・・」

(゚Д゚)「でさ、こんな報告した後で後味悪いと思うけど、
    山田で開いた穴を埋めたいんだ。お前、うちのパートにならねえ?」

(;^ω^)「え!?いいんですかお?」

(゚Д゚)「本当はお前ほど仕事ができる奴には正社員になってもらいたいんだが・・・
    山田も怪我が治れば復帰するだろうし、正社員は無理らしい。
    でもパートってことなら、所長も是非って言ってる。」

(;^ω^)「そうかお・・・それは喜んでお受けするお」

(゚Д゚)「マジで!?サンキュー!
    明日からでも来れるか?」

( ^ω^)「大丈夫だお」

(゚Д゚)「じゃあ、平日は8時出勤だから。んで週休2日。まぁ詳しくは明日話すわ。
    契約するから印鑑持ってきて」

( ^ω^)「分かったお。明日から宜しくお願いしますお」

(゚Д゚)「こちらこそよろしく。じゃあ明日な」

( ^ω^)「ばいぶーだお」

ブーンは電話が切れたのを確認すると、携帯をテーブルの上に置いた。
信じられない事態にしばし呆然とする。
まさか、自分から掛け合う前にギコから頼まれるなんて。
怪我をした山田のことは気がかりではあるが、とりあえず安定した収入が約束された。
山田のおかげ、といったら不謹慎だろうが、ブーンにはこの言葉以外思い浮かばない。

( ^ω^)「夜になったらツンに報告するお」

ブーンは立ち上がり、再びキッチンに向かった。

その夜、ツンに電話でパートになれたことを報告すると、ツンは素直に祝福してくれた。
そして、「これから私がバイトのない放課後に気軽に会えなくなっちゃったね」と寂しそうに呟いた。

翌日、ブーンが微糖園に出勤すると、所長とギコが契約の準備をしてくれていた。
契約書に印鑑を捺し、待遇についての説明を受ける。
どうやら社会保険完備のようで、ブーンは一安心した。仕事内容も今までと同じらしい。
山田の一件で、補充は二人一組で行うことになったらしい。ブーンはギコと組むことになった。

物事が良い方向へ進んでいる。これも、ツンが背中を押してくれたおかげだ。
本当にツンに感謝しなければ。

その日、仕事は夜8時頃に終わった。
ブーンは事務所を出ると、ツンのバイト先のファミレスへ向かった。
ドクオとよく来ていたファミレス。しかし一人では来たことがなかった。
ブーンは緊張しながら、店の中に入った。

ξ゚?゚)ξ「いらっしゃいま・・・・あっ」

( ^ω^)「おいすー」

ξ゚?゚)ξ「あ、あれ?どうしたの?」

( ^ω^)「迎えに来たお。一緒に帰るお」

ξ゚?゚)ξ「分かった。じゃあ適当に座って。コーヒーでいいでしょ?」

( ^ω^)「ツンのおごりktkrwwwwwww」

ξ゚?゚)ξ「ふざけんな」

そう言ってツンはホールのカウンターの奥へ向かった。
ブーンは適当に窓際の席に座った。
時刻はすでに閉店30分前。平日ということもあり、ブーンの他に客は5~6人ほどしかいない。

ξ゚?゚)ξ「はい、おまたせ」

ツンがコーヒーを差し出す。

ξ゚?゚)ξ「多分今日も帰るの9時半くらいになるよ。それまで待ってるの?」

( ^ω^)「適当に時間潰すから平気だお」

ξ゚?゚)ξ「わかった。じゃあ早く帰れるように後片付け速攻でするから」

そう言ってツンはまたカウンターの奥へ消えた。
閉店間近ということもあり、一人、また一人と会計を済ませて帰っていく。
ブーンはコーヒーを飲みながら会社から持ってきた雑誌を読んでいた。
そして閉店10分前、ついに客はブーン一人となった。
コーヒーを飲み終えたブーンのもとへツンがやって来た。

ξ゚?゚)ξ「あんたが帰ったら店閉めるから早く帰って」

(;^ω^)「その言い方ひどいおwwwwwwでもわかったお、そこのコンビニで時間潰してるお」

ξ゚?゚)ξ「でね、店長がコーヒー代もらわなくていいよって言ってた」

( ^ω^)「本当かお?」

ξ゚?゚)ξ「うん。つーかもうレジ閉めたんだけどね」

(;^ω^)「ちょwwwwwwwwww」

ξ゚?゚)ξ「じゃあ終わったら電話するから」

( ^ω^)「分かったお。待ってるお」

ブーンはツンに手を振り、店を出た。
今日は日中、夏が来たかと思う程気温が上がった。夜になった今も半そででいても平気な、とても快適な気温だった。
ブーンは時間を潰すためにコンビニへと向かった。

店を閉め、ツンは後片付けに追われていた。
全てのテーブルを吹き終わったところに、トリィがやってきた。

(゚∋゚)「ツンちゃん、さっきの人、よくもう一人の友達と来てたコだよね?」

ξ゚?゚)ξ「あっ、はい。高校の先輩で」

(゚∋゚)「カレシ?」

ξ///)ξ「えっ、いやっ、そのっ」

(゚∋゚)「図星だ♪」

ξ///)ξ「は、はぁ・・・まぁ・・・・」

(゚∋゚)「ツンちゃんに彼氏ねー。いやー、なんか寂しいなー」

ξ゚?゚)ξ「店長、奥さんもお子さんもいらっしゃるじゃないですか」

(゚∋゚)「あっ、まぁ、それはそうなんだけどね」

ξ゚?゚)ξ「私がアメリカ人だったら今ごろセクハラで告訴してるところですよ、店長」

(゚∋゚)「ええ~、いやぁツンちゃん厳しいなー」

ξ゚?゚)ξ「あははw冗談ですw」

(゚∋゚)「彼氏、待ってるんでしょ?もう上がりな」

ξ゚?゚)ξ「えっ・・・でも、店長も用があるんじゃ・・・」

(゚∋゚)「あとは一人でできるから大丈夫。キッチンのスタッフもいるし。
   ほら、早く帰らないと彼氏待ちくたびれてるよ!」

ξ゚?゚)ξ「あっ、はい、ありがとうございます」

(゚∋゚)「じゃあおつかれー」

ξ゚?゚)ξ「お疲れ様でした、お先します」

トリィのはからいで、ツンは予定よりも早く帰してもらえることになった。
ツンは急いで着替え、ブーンのいるコンビニへと向かった。

そのファミレスから5分ほど歩いたところにあるコンビニで、ブーンは雑誌を立ち読みしてツンを待っていた。
9時半まで、あと20分近くある。のんびり雑誌でも読んでいれば時間がくるだろう。

ふと、週刊誌の「スキャンダル帝王 人気俳優のhiroyukiが、深夜に女性と密会!?」という派手な文字に惹かれ、
ブーンはその週刊誌を手にとり、ページをめくった。
hiroyukiとは、元ジュゴンボーイの今最も注目を集める俳優で、切れ長の涼しげな目元と少し厚めの唇が世の女性を魅了し、
セクシーな芸能人ナンバー1とまで言われるほどだった。
真面目そうな外見とは反対に女遊びが激しいようで、よく芸能週刊誌にスクープされていた。

ξ゚?゚)ξ「つーか何公衆の面前でエロ本読んでるのよ」

(;^ω^)「??」

ξ゚?゚)ξ「みっともない」

そう言ってツンはお菓子の棚の方へ向かった。
ブーンが手に持っている週刊誌の表紙を見ると、そこには水着姿で大胆なポーズを取っているグラビアアイドルの写真が
大きく掲載されていた。

ブーンは慌てて週刊誌を棚に戻し、ツンのところへと向かった。

(;^ω^)「ツ、ツン、あれはただの週刊誌だお!エロ本なんかじゃないお!!」

ツンはしゃがみ込んだまま、黙ってチョコレートを品定めしている。

(;^ω^)「ツン、本当だお!ちゃんと見てくれお!!」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・何焦ってんの?」

(;^ω^)「・・・」

ξ゚?゚)ξ「週刊誌ってことぐらい私にも分かりますから。ちょっとからかっただけ」

(;^ω^)「あう」

ξ゚?゚)ξ「そんなに慌てられると、なんだか余計あやしくなってきたけど」

(;^ω^)「俺はドクオと違って、コンビニでエロ本立ち読みできるほど度胸ないお・・・・」

ξ゚?゚)ξ「そうゆうことにしといてあげる。ね、コレ買って」

( ^ω^)「チョコかお?夜にチョコ食べると太るお」

ξ#゚?゚)ξ「うっさいわね!」

(;^ω^)「!!!???」

ξ#゚?゚)ξ「そんなこと言うんだったらあんた一人で帰れば!!」

ツンはそう言うとそのままコンビニを出ていってしまった。
ブーンは思わずその場に立ち尽くした。ツンが急に声を荒げるなんて。

ブーンは我に返ると、慌ててツンを追いかけた。

(;^ω^)「ツン待つお!すまなかったお!!」

ξ#-?-)ξ「・・・・・・・・・・・」

(;^ω^)「ツン・・・」

ツンが口をきいてくれない。相当ツンの逆鱗に触れてしまったということか。
それにしてもこんなに急激に態度が変わるなんて・・・。今までこんなことはなかったのに。

夜の路地を、早足で歩くツンの背中を追いかけながら、ブーンはどうしていいか全く分からずにいた。
ただただ、ツンの後ろを付いて行くしかなかった。

しばらく歩いたところで、ツンが立ち止まった。
機嫌が直ったのだろうか?ブーンは急いでツンの元へ駆け寄った。

ブーンがツンに話し掛けようとした時に、それまでブーンに背中を向けていたツンが急に振り返った。
その表情はとても険しく、怒りが露にされていた。般若のような表情・・・とは、このことだろうか。
ブーンは驚いて、思わず後ずさりしてしまった。

ξ#゚?゚)ξ「あんたねぇ・・・・なんで黙ってついてくるのよ」

(;^ω^)「だって、ツンが怒ってたから・・・」

ξ#゚?゚)ξ「もうちょっと気使って声掛けようとか思わないわけ!?」

(;^ω^)「そんなこと言われても・・・」

ξ#゚?゚)ξ「元はと言えばあんたのせいでしょうが!!!
      普通、なんとかしようとか思うでしょ!!!!」

(;^ω^)「・・・・・・・・・」

ξ#゚?゚)ξ「なのになんで何もしないでただついてくるのよ!
      自分が悪いと思ったらちゃんと相手が納得するまで謝るってのがスジでしょ!!」

(;^ω^)「・・・・・・・・・・・」

ξ#゚?゚)ξ「あームカつく。鬱陶しいからもうついてこないで!」

(;^ω^)「・・・・・・・・・・」

(#^ω^)「わかったお。送って行こうと思ったけど俺は帰るお」

ξ#゚?゚)ξ「さっさと帰れば?」

ツンはそう言うとブーンに背を向け、早足で歩き出した。

もう、何がなんだかわけがわからない。どうしてこんなに怒られなくてはならないのだろうか。
それにしてもツンの口調はキツすぎる。あんな言い方をされると、こっちまで腹が立ってくる。

ブーンはツンとは反対方向へ歩き出した。
ツンはなんて勝手なんだろう。いくらなんでも彼氏に向かって”鬱陶しい”はないのではないか。
確かに原因を作ったのは自分だが、あまり責め立てられると正直いい気はしない。
あんなに散々まくしたてられた挙句”謝れ”と言われても無理な話だ。

(#^ω^)(腹が立つお・・・・)

それにしても、大らかなブーンがここまで腹を立てるのは、とても珍しいことだった。
それくらいツンの口調はキツかったのだ。

折角仕事のことでツンに報告があったのに、これで会いに来た意味がない。
無駄足だった。そう考えると、余計に怒りが湧き上がってくる。
ブーンはイライラしたまま帰宅し、その日はツンにメールを送らずに就寝した。

翌日、ブーンはすっきりしないまま出勤した。
ギコに”何かあったのか?”と何度も聞かれたが、ブーンはその度になんでもないと答えた。

その日は夕方の5時に仕事が終わった。
ブーンは事務所を出ると、自宅へ向かって歩き出した。
事務所は自宅から歩いて20分ほどの所にあるので、ブーンは徒歩で通勤することにしていた。
ブーンは歩くのが好きだった。季節や、その日の気温や風を感じながら歩くのがとても好きなのだ。
仕事疲れもあって、ブーンは昨日のことをすっかり忘れて歩いていた。

( ^ω^)(随分日が長くなったお。まだ明るいお)

日中の暖かさを残した空気が、夕方の街をやわらかく包んでいる。
ブーンは清々しい気持ちで自宅へと歩いていた。
そして自宅近くの公園の前を通りかかったところで、後ろから急にワイシャツをひっぱられた。
驚いて振り向くと、そこにはツンの姿があった。

(;^ω^)「ツ、ツン・・・!?どうしたお?」

ξ゚?゚)ξ「昨日はごめんね」

(;^ω^)「昨日・・・?
      ・・・・・・・・・・・・あ」

ξ゚?゚)ξ「もしや忘れてた?」

(;^ω^)「わっ、忘れてないお!ちゃんと覚えてたお!!」

ξ゚?゚)ξ「まぁどっちでもいいけどさ。ちょっといい?」

( ^ω^)「俺も話があったお。うちに来るかお?」

ξ゚?゚)ξ「え?でも・・・」

( ^ω^)「かあちゃんは9時くらいにならないと帰って来ないから大丈夫だお」

ξ゚?゚)ξ「分かった・・・」

ブーンはツンを自宅へつれて行くと、自分の部屋へ案内した。ツンは緊張した面持ちでブーンの部屋に入った。
ブーンは一旦台所に向かい、冷蔵庫からジュースを取り出し、コップを二つ持って部屋に戻った。

( ^ω^)「りんごちゃんでもいいかお?」

ξ゚?゚)ξ「りんごちゃんでいいよ」

ブーンはりんごジュースをコップに注ぎ、ツンに差し出した。

ξ゚?゚)ξ「ありがと」

( ^ω^)「で、急に来てどうしたお?」

ξ゚?゚)ξ「ああ・・・実はね、昨日のことなんだけど・・・」

(;^ω^)「・・・・・・・・・・」

ξ゚?゚)ξ「私、すっごくイライラしてたでしょ?」

(;^ω^)「うんお・・・・・」

ξ゚?゚)ξ「生理前だったからみたい」

(;^ω^)「せ、せいり?」

ξ゚?゚)ξ「生理前ってホルモンバランスが崩れて、頭が痛くなったり、眠くなったり、体がむくんだり、すっごくイライラしたりするの」

( ^ω^)「そうなのかお・・・・」

ξ゚?゚)ξ「んで、普段は何でもないことでも生理前だとすごくイライラするのね。
      それで昨日・・・・あんなにキツく言っちゃって・・・・・・」

( ^ω^)「なるほどだお」

ξ゚?゚)ξ「昨日の夜生理がきて分かった。ごめんね」

( ^ω^)「そうだったのかお」

ξ゚?゚)ξ「あと、生理前ってやたら甘いものが食べたくなるのよ」

そう言ってツンはりんごジュースを飲んだ。
甘いもの・・・?ああそうか、だから昨日コンビニでチョコレートを選んでいたのか。
なんだか全てに納得がいった。

ξ゚?゚)ξ「毎月迷惑かけると思うけどよろしく」

( ^ω^)「うはwwwww毎月wwwwwwwwwマンドクセwwwwwwwwww」

ξ#゚?゚)ξ「うっさいわね!仕方ないでしょ!
       あんたが一週間抜かないでいて夢精するのと同じくらい仕方ないことなのよ!!」

( ^ω^)「なるほどwwwwwwwww」

ブーンの家族で女性なのは母だけだし、今まで彼女がいたことがなかったから、
女性の生理現象については全く知識がなかった。
生理前にイライラが強くなると言われて、ピンとこない部分もあるが、
今、目の前にいるツンはいつものツンで、昨日のようにピリピリしていない。これが何よりの証拠なのだろう。
それどころかいつもよりも穏やかな印象がある。これも、生理中だからなのか?

( ^ω^)「あ」

ツンの顔をまじまじと見ていると、頬に大きなニキビがあるのを見つけた。

( ^ω^)「ニキビハケーンwwwwww潰させてくれお」

ξ#゚?゚)ξ「ちょっと!やめてよ!!今までニキビ潰したことないんだから!!!!」

( ^ω^)「それ本当かお?気持ちいいのに・・・俺もかあちゃんに止められてるけど」

ξ゚?゚)ξ「跡が残るじゃない。だからこれには触らないで」

( ^ω^)「それにしてもツンにニキビなんて珍しいお」

ξ゚?゚)ξ「これも生理のせい。男性ホルモンが強くなって、脂の分泌が多くなるからニキビもできやすくなるの」

(;^ω^)「な、なるほどぉ~」

ξ゚?゚)ξ「あんたのお母さん、美容部員でしょ?多分もっと詳しく説明してくれるわよ」

(;^ω^)「いや、聞きにくいおwwwwwww」

それにしても、女性は色々あって大変そうだ。頭痛や腹痛や腰痛などが一気に来て、
しかもそれが毎月あるのだから相当面倒に違いない。

( ^ω^)「めんどくさくないかお?」

ξ゚?゚)ξ「超めんどい。できればあんたに譲ってあげたいくらい」

(;^ω^)「いらないおwwwwwww」

ちなみに、ツンは生理痛も相当ひどいらしい。
腹痛と腰痛がとてもひどく、一日目と二日目は痛み止めを服用しないと生活できないくらいひどいらしいのだ。
以前に一度、痛み止めが効かず、あまりの痛みで動けなくなったことがあるらしい。
翌日、母の勧めで産婦人科に診察に行ったが、体に異常はなかったのだそうだ。
ブーンはそれを聞いて、全身の力が抜けるような感覚に陥った。

ξ゚?゚)ξ「ちなみに、出産の時の陣痛って、男の人におなじ痛みが起きたら死んじゃうくらい痛いらしいよ」

(;^ω^)「そうなのかお・・・・女の人はすごいお」

小学校と中学の時に保健体育の授業で性教育は受けたが、自分が知らない事がたくさんあってびっくりした。
女性の方が精神年齢が高い理由は、ここにもある気がした。

ξ゚?゚)ξ「そういえば、あんたも話があるって言ってなかった?」

( ^ω^)「あっ!!忘れてたお!!!!」

ξ゚?゚)ξ「?」

( ^ω^)「実は、微糖園のパートになることになったお!!」

ξ*゚?゚)ξ「本当!?おめでとう~!!!」

ツンの表情がみるみるうちに明るくなる。とても嬉しそうだ。
ブーンが事の経緯を説明すると、ツンはうん、うん、と頷きながら聞いていた。

ξ゚?゚)ξ「山田さんには悪いけど、その人が怪我したおかげでブーンがパートになれってことだよね」

( ^ω^)「複雑な気持ちだお。素直に喜べないお」

ξ゚?゚)ξ「まぁ、山田さんにはゆっくり療養してもらって、ブーンはその分頑張りな」

(*^ω^)「把握したおwwwwwwwwww」

ξ゚?゚)ξ「それにしても、良かったねぇ。おめでとう」

(*^ω^)「ご褒美は?」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・・・・は?」

(*^ω^)「ご褒美はないのかお?」

ξ゚?゚)ξ「ないわよ。社会人なんだから働くのは当たり前でしょ」

(;^ω^)「テラヒドスwwwwwwwwwwww」

ξ゚?゚)ξ「でもまぁそんなに言うなら・・・」

そう言うとツンはブーンのそばへ擦り寄ってきた。
ブーンの心臓の鼓動が急に早くなった。

(*^ω^)(一体どんなご褒美かお?)

ブーンの期待は一気に高まる。一体何をしてくれるのだろう。

ξ゚?゚)ξ「はい、おでこにチューしていいよ」

( ^ω^)「え」

ξ゚?゚)ξ「何よ、不満?」

( ^ω^)「不満じゃないけど・・・せめてツンが俺のほっぺにチュってしてくれお」

ξ///)ξ「は・・・はぁっ!?なんでそうなるのよ!!」

( ^ω^)「ご褒美ってそうゆうものだお。お願いだお」

ブーンがツンに必死に懇願する。ツンは顔を真っ赤にしながら、少し困ったような表情でブーンの顔を見ていた。

ξ///)ξ「わ・・・分かったわよ・・・。ほっぺにすればいいのね・・・・」

(*^ω^)「ktkrwwwwwwwwwバッチコイだおwwwwwwwwww」

ξ///)ξ「恥ずかしいから目つぶってて」

(*^ω^)「フヒッ!フヒヒ!」

興奮を禁じえない。ツンがほっぺにキスをしてくれるなんて、今まで想像したこともなかった。
ツンの柔らかそうな唇が自分の頬に触れることを想像するだけでちんこが勃起しそうだ。

(*-ω-)「準備おkwwwwwwwwww」

ξ///)ξ「う、うん・・・・」

ツンは、丁寧に正座をして待つブーンの肩に両手をかけた。

ξ///)ξ「失礼します・・・・」

ツンの顔がゆっくりとブーンの頬に近付く。あと数センチで、ツンの唇がブーンの頬に触れる―。
とその時、急にブーンがツンの肩をつかんだ。

ξ;゚?゚)ξ「きゃっ!?何す―」

ツンがびっくりして目を開けると同時に、ブーンの顔がツンの目と鼻の先にあった。
ツンは思わず目をつぶった。肩をこわばらせ、無意識にの奥を食いしばる。

そして、ブーンの唇が、ツンの唇に触れた。

ξ///)ξ「・・・・・・・・・っっ」

ツンの心臓がドクン、ドクンと大きく波打つように高鳴る。
頭の中は真っ白だ。何を考えていいか分からない。とても混乱している。

少し経って、ブーンの唇がゆっくり離れた・・・。

(*^ω^)「フヒヒ!作戦成功だおwwwwwwww」

ξ///)ξ「お前・・・・不意打ちすんなばか」

(*^ω^)「最高のご褒美だおwwwwwwこれで仕事頑張れるおwwwwwww」

ブーンはそう言ってツンを抱きしめた。
ブーンの胸にツンが埋もれる形になった。

ξ;゚?゚)ξ「ちょっ・・・苦しいっ」

(;^ω^)「あっ、ごめんお!!」

ブーンは急いでツンから離れた。

ξ;-?-)ξ「あんたとは身長差あるから、何するにも相性悪そうね」

(;^ω^)「そんなこと言うなおwwwやってみなきゃ分からないおwwwwwww」

そう言ってブーンは再びツンの肩を抱きしめた。

(*^ω^)「今度はうまく抱きしめるお」

ξ///)ξ「・・・・・っっ」

ツンを優しく抱きしめる。ツンの頭がブーンの肩に乗るかたちになった。

(*^ω^)「フヒッ!テラヤワラカスwwwwwwwww」

ξ*-?-)ξ「そういう感想は頭の中でしてくれない?」

ツンの腕が、そっとブーンの背中に回る。
ツンのシャンプーの香りがふんわりとブーンの鼻をくすぐる。
あまりに良い香りにクラクラしそうだ。

(*^ω^)「もっとぎゅってしてくれお!もっともっと!!」

ξ#゚?゚)ξ「あんたいちいちうっさいのよ!ムードもクソもないじゃない!!」

そう言ってツンは思いっきりブーンの体を抱きしめた。

(;^ω^)「ちょwwwwいてえwwwww
     苦しいお・・・・・クラクラしちゃお・・・・」

ξ*-?-)ξ「あんたって・・・抱き心地いいのね・・・・」

(*^ω^)「!!」

ツンがそっとブーンの体から離れた。頬がほんのりピンク色に染まっている。

ξ゚?゚)ξ「でも、立ったままぎゅってできないね。あんたの胸のあたりに私の顔がくるから、苦しくなっちゃう」

(*^ω^)「大丈夫だお!俺がちょっとかがめばちょうどいいお!」

ξ;-?-)ξ「それじゃあ格好悪いじゃない・・・」

(*^ω^)「年の差カップルも流行ってるし大丈夫だお!!」

ξ゚?゚)ξ「それフォローのつもり?」

ツンが頬を染めたまま前髪を整える。
恥ずかしさを隠すように、部屋をさりげなく見渡している。
ふと、CDラックに目がいったところで動きが止まった。

ξ゚?゚)ξ「ん・・・・?」

( ^ω^)「?どうしたお?」

ξ゚?゚)ξ「ちょっとこれ・・・」

( ^ω^)「?」

ツンはそう言ってCDラックから一枚のCDを取り出した。

ξ゚?゚)ξ「これ私が貸したCDじゃない?」

(;^ω^)「あっ・・・」

それは、去年の秋頃に借りたツンのCDだった。返そう返そうと思っていて、結局今に至ってしまっていた。

ξ゚?゚)ξ「あんたねぇ・・・私がこれをどれだけ探したと思ってるのよ」

(;^ω^)「すっかり忘れてたお」

ξ゚?゚)ξ「でももうアルバム買ったからこれいらない」

(;^ω^)「そうかお」

ツンは部屋の時計をチラリと見た。もうすぐ7時半になろうとしていた。

ξ゚?゚)ξ「そろそろ帰ろうかな・・・。宿題あるし」

( ^ω^)「うちでやって行けばいいお」

ξ゚?゚)ξ「あんたに邪魔されそうだからいい」

(;^ω^)「・・・・・・チャリで送ってくお」

二人は家を出た後、ブーンの自転車でツンの家へと向かった。
ツンの家へは自転車を使って15分ほどのところにあるが、自転車には乗らずに歩いてツンの家へ向かった。
自転車を押しながら歩くブーンの隣を、ツンが連れ立って歩いている。

ξ゚?゚)ξ「仕事、休みはいつなの?」

( ^ω^)「ツンと同じ水曜と木曜にしてもらったお。たまに土日ももらえるみたいだお」

ξ゚?゚)ξ「そっか!じゃあちゃんと会えるんだね」

( ^ω^)「忙しくなければツンがバイト終わったら迎えに行くお」

ξ゚?゚)ξ「じゃー次は車の免許だね!」

(;^ω^)「え」

ξ゚?゚)ξ「だって、こんな田舎じゃあ車運転できなきゃ不便じゃない。
      18になったら免許取る、みたいな風潮あるし」

(;^ω^)「まぁ・・・」

ξ゚?゚)ξ「就職にも多少有利だよ」

( ^ω^)「たしかにそうだお。じゃあ落ち着いたら取りに行くお」

そうこうしてるうちに、ツンの自宅に着いた。
家の明かりはついておらず、ひっそりとしている。

( ^ω^)「誰も帰ってないのかお?そういえば仕事でいつも遅いって言ってたお」

ξ゚?゚)ξ「そういえば先月からお父さんが海外出張に行ってるらしいよ」

(;^ω^)「らしいよって・・・」

ξ゚?゚)ξ「あんまり会わないから親っていう感じしないんだよね」

(;^ω^)「そうかお・・・」

ξ゚?゚)ξ「じゃ、送ってくれてありがと」

( ^ω^)「ツン」

ξ゚?゚)ξ「何?」

(*^ω^)「さよならのチューはないのかお?」

ξ*゚?゚)ξ「は・・・はあ!?」

(*^ω^)「せっかくだしチューするお」

ξ///)ξ「わ・・・わかったわよ」

ブーンはツンの肩を抱き、少しかがんでツンの唇にそっとキスをした。

(*^ω^)「うはwwwwあがとうだおwwwww」

ξ///)ξ「もうっ・・・」

(*^ω^)「じゃあ帰ったらメールするお」

ξ*゚?゚)ξ「わかった。気を付けてね」

(*^ω^)「ばいぶー」

ブーンは颯爽と自転車に乗り、夜の路地の向こうへ消えて行った。
ツンはその様子を見送った後、家の中に入った。

( ^ω^)「ただいまだおー」

ブーンは帰宅し、家の中に入った。
まだ母が帰ってきていないようで、家の中は静まり返っている。
そのまま2階に上がり、部屋へ入った。テーブルの上のコップを片付けながら、ブーンは先ほどのことを思い出していた。

(*^ω^)「ツンの唇、柔らかかったお」

自分の唇に、ツンの唇の感触が残っている。
そして体全体に、ツンの体の感触と香水の優しい香りが残っていた。
ツンは柔らかくて、あたたかくて、とても気持ち良かった。目をつぶると、さきほどの光景が浮ぶようだ。

( ^ω^)「あっ」

(;^ω^)「思い出したらちんちんおっきしたお」

ブーンの股間のモノがズボンを大きく膨らませている。

( ^ω^)「可哀相だけど、もしかしたらお前の出番はずっとないかもしれないお」

そう言ってブーンは息子をやさしくなだめた。

ブーンは手探り状態でツンと付き合っていた。
初めて女性と付き合ってるからというのもあるが、自分の性欲のままにツンの体を求めればツンは傷つきかねないからだ。
少しずつ、相手の様子を見ながら接して、徐々に徐々にツンとの関係を深めていこう、と思っていた。

もしかしたらツンと一つになるまで1年以上かかるかもしれないし、一生男としての悦びを味わえないかもしれない。
しかしブーンはそれでも構わないと思っていた。
肉体関係がなくても、ツンと一緒にいられれば、それがブーンにとっての極上の幸せだった。
セックスレスの夫婦もいる。二人だけの愛の形を築き上げれば、それでいいのだ。

( ^ω^)「ラーメンうめえwwwwwwwwwwwww
      略して・・・・・・・・・・・・・・らめえええええええええwwwwwwwwww」

(゚Д゚)「うるせーよ!静かに食え!!」

今日のかなり遅めの昼食は、市内でも評判のラーメン屋に寄った。
この日もギコと組んでの仕事だ。ギコが休みの日は他の社員と組むのだが、
やはりギコと一緒に仕事をする方が気を使わなくて済むし、仕事もしやすかった。

(゚Д゚)「それにしてもお前、最近楽しそうだよな」

( ^ω^)「そうかお?」

(゚Д゚)「ああ。いい意味で浮かれてるってゆーか」

それはやはりツンの影響だろう、とブーンは思った。
ツンと付き合い始めてからというもの、毎日が楽しくて仕方がない。何をするにも楽しい。

(゚Д゚)「彼女と何かあったのか?え?」

(*^ω^)「いやあっはっはっはwwwwwwwww」

本当に自分かと思うくらい、妙にテンションが高くなる。毎日こんな調子だ。
気分は高まり、何もかも上手くいくような気にさえなっている。

(*^ω^)「実は・・・・一昨日・・・」

(゚Д゚)「うん、うん!」

(*^ω^)「チューしちゃったおwwwwwwwww」

(*゚Д゚)「マジでかああああああああ!!!!早えええええええよ!!!!!!!!!」

(*^ω^)「うはwwwwwwwwww」

(゚Д゚)「俺なんて初めて付き合った女には3ヶ月間何も手出せなかったっつーの!!!!!
    しかも3ヶ月で別れたよw」

(*^ω^)「ギコさん意外に奥手だおwwwwwwwwwwwwwww」

(゚Д゚)「お前とぼけた顔してっけどやる事やるのな!!!!!」

(*^ω^)「やっちゃったおwwwwwwwwwwwww」

談笑しながら、伝票をレジに持っていき会計を済ます。
二人は店を出て、社用車に乗り込んだ。
今日は市内へのスーパーを回って売場点検をする日なので、トラックではなく乗用車での移動だった。

(゚Д゚)「んー、もう4時かぁ」

ギコは運転席に座り車のキーを差し込むと、腕時計を見ながら呟いた。

(゚Д゚)「本当はあと1箇所行く予定だったけど・・・・明日俺一人で行くわ」

( ^ω^)「?はいお」

(゚Д゚)「サボろーぜ」

(;^ω^)「ちょwwwwwwwww」

(゚Д゚)「たまにはいーんじゃね?俺らかなり真面目な方よ?
    所長なんて仕事中にたまに競馬やってっからな」

( ^ω^)「そうなのかお?」

(゚Д゚)「絶対バレねーから安心しろ。じゃあ行くぞ」

(;^ω^)「どこに行くお?」

(゚Д゚)「大人の社会見学だ」

(;^ω^)「ちょwwwwwwwwwwww」

そう言ってギコは車を走らせた。
中心街方面に向かう車は多く、軽い渋滞にひっかかりながら目的地へと向かう。

(゚Д゚)「まずはここだな」

(;^ω^)「ちょwwwwここwwwwwwwww」

(゚Д゚)「俺の一番のオススメ、HOTELロイヤル」

(;^ω^)「ラブホかおwwwwwwwwww」

ギコの言う”大人の社会見学”って、この事だったのか?
ブーンは初めて間近に見るラブホテルの前で、目のやり場に困っていた。

(゚Д゚)「ほら、いつかこういう場所を使う日のために、俺が色々教えてやるっつーことだよ」

(*^ω^)「うはwwwwwwwありがためいわくwwwwwwwwww」

(゚Д゚)「ここは中も綺麗だし、何よりラブホのくせに食事メニューが豊富な上、安いし美味い」

( ^ω^)「ラブホでもご飯食べれるのかお・・・」

(゚Д゚)「じゃー次な」

そのホテルの周りを一周した後、また車を走らせた。
今度は郊外へ向かっているようだ。

(゚Д゚)「街のラブホってロイヤルくらいしかいいとこないんだよ。
    そもそも数が少ないし」

( ^ω^)「そうなのかお」

(゚Д゚)「あとは街外れにたくさんある。俺の仲間とかはラブホ通りって呼んでるけど」

国道に乗り、車を30分ほど走らせると、ギコの言うラブホ通りに着いた。
そこは国道沿いに無数のラブホテルが点在している。夜にはそのネオンが鮮やかに存在を主張するそうだ。

( ^ω^)「こんなにラブホが多いなんて知らなかったお」

(゚Д゚)「でもなぁ、いいトコと悪いトコがあるからな。
   あ、ここ”夢の国”は、料金が馬鹿みたいに安いが、部屋にはシャワーとベッドしかない上に防音があまりなってない」

(;^ω^)「そうなのかお・・・」

(゚Д゚)「んで隣の”ニューパラダイス”、ここは盗撮されてるらしい」

(;^ω^)「ええ!?」

(゚Д゚)「俺の友人がカメラを見つけたことがあるらしい。
   んでこれはあくまでも噂なんだが、この辺りのラブホで「ニュー」とか「ネオ」とか、
   新しいっていう意味の単語がつくホテルは盗撮されてるって言われてる」

(;^ω^)「あうあう」

(゚Д゚)「ま、あくまで噂なんだがな」

そう言ってギコはひとつひとつラブホテルを回って、敷地内を一周していった。
それにしても、ラブホテルというものは見てるだけで面白い。部屋のひとつひとつに名前があり、内装も全て違うようだ。
それが車内から確認でき、入りたい部屋の車庫に車を入れて部屋に入る仕組みらしい。
全てが初めてのブーンは、恐怖心半分、好奇心半分、という感じで助手席からホテルの様子を見ていた。

(゚Д゚)「で、ここが俺のオススメ」

8箇所目のラブホテルの前に差し掛かったところで、ギコはそういってそのホテルの中に入った。
入り口の看板には”ホテル キャロル”と書かれていた。
敷地は今までのホテルの中で一番広いようだが、その他は変わり映えがないように感じた。

(゚Д゚)「ぱっと見は他と変わらないんだけど、部屋がとにかく綺麗。風呂も広いし。
    値段も、この設備を見れば安いほうかな」

( ^ω^)「なるほどぉ」

(゚Д゚)「ロイヤルが空いてない時はわざわざこっちまで来てた」

( ^ω^)「ふーん」

(゚Д゚)「まぁこんなとこかな」

( ^ω^)「勉強になるお」

(゚Д゚)「まぁあとはお前次第だな。いいホテルに来ても、彼女を満足させれなきゃ意味ねーからな」

(*^ω^)「うはwwwwwwwwwwwwww」

その後も数箇所ホテルを巡ったところ時刻は6時になった。
二人は事務所へと戻り、ブーンはそのまま退社した。

( ^ω^)(ラブホなんて初めて行ったお)

貴重な体験をした、ブーンはそう思った。
それにしても、ギコはなんでも知っている。まさかラブホテルについて教示されるとは。

( ^ω^)(やっぱりいつかツンと遊びに行きたいお)

遊びに行く、というのは変だろうか?
体目的ではなく、興味本位でツンと一緒に行ってみたいと思った。

その日の夜、ブーンはツンのバイト先に迎えに行った。
9時半を少し過ぎたところで、ツンが通用口から出てきた。

( ^ω^)「おいすー」

ξ゚?゚)ξ「お疲れー
     じゃあ帰ろうか」

夜の道を肩を並べて歩く。夜風が木の葉をさわさわと揺らしている。

ξ゚?゚)ξ「あのね、これから土日のどっちか休めることになったよ」

( ^ω^)「そうなのかお」

ξ゚?゚)ξ「週休三日にしてもらった。勉強に時間取りたいから」

( ^ω^)「何の勉強だお?」

ξ゚?゚)ξ「色彩検定。メイク関係の仕事したいから」

( ^ω^)「そうなのかお・・・ツンのそーゆー話、初めて聞いたお」

ξ゚?゚)ξ「でもまだ具体的にどうするか決めてないんだよね・・・色彩検定だって、メイクのお仕事するのに有利になるか分からないし」

( ^ω^)「ちょっとかあちゃんに聞いてみるお。
      美容部員から、ローカルのテレビ番組のメイクになった人がいるって聞いたお」

ξ゚?゚)ξ「本当!?じゃあ聞いてもらってもいい?」

( ^ω^)「おkwwwwwwww」

ξ゚?゚)ξ「ありがとう!」

やりたい仕事もなく、ただ単に就職活動をしていた自分とは大違いだ。
やはり何をするにも目標を持っていないと、何も行動を起こせないし、何よりもやる気が湧き上がってこない。
それはブーン自身が実感したことだった。

( ^ω^)「そういえば今日、ギコさんと仕事サボったお」

ξ゚?゚)ξ「ええ!?なんで?」

( ^ω^)「なんか、たまにはいいじゃんって言ってたお」

ξ゚?゚)ξ「ふーん。で、何したの?」

(;^ω^)「・・・・・・・ラブホ巡りしたお」

ξ;゚?゚)ξ「え・・・・・へぇー・・・・ど、どうだった?」

( ^ω^)「面白かったお。盗撮されるホテルとか、オススメのホテルとか教えてもらったお」

ξ゚?゚)ξ「へー。オススメって、どこ?」

( ^ω^)「一番のオススメはロイヤルらしいお」

ξ゚?゚)ξ「ロイヤルって、街の近くの?」

( ^ω^)「そうだお。ツン詳しいお」

ξ;゚?゚)ξ「なっ、名前くらいは知ってるわよ!看板だって色んなとこにあるし!!」

( ^ω^)「まぁ俺も知ってたおwwwwwwww」

ξ///)ξ「からかわないでよっ!!」

(*^ω^)「うはwwwwwwwwwwwww」

その後、盗撮されているという噂のあるホテルのことや、料金のシステムなどギコに聞いたことをそのままツンに話すと、
ツンは興味深そうに話を聞いていた。

( ^ω^)「そういえば来週は水曜日と土曜日が休みだけど、ツンはどうだお?」

ξ゚?゚)ξ「あ、まだ決まってないけど、じゃあ土曜日に休み取れるか店長に聞いてみる」

( ^ω^)「分かったお」

ξ゚?゚)ξ「ねぇ、土曜日休み取れたら、どこかに遊びに行かない?」

( ^ω^)「お?」

ξ゚?゚)ξ「だって、付き合い始めてからデートっぽいことしてないじゃん」

そう言われてみればその通りだ。
こうしてツンの放課後やバイト後に合わせて会ったりはしていたが、
ちゃんとした(?)デートはまだしていなかった。

( ^ω^)「じゃあどこかに行くお。どこに行きたいかお?」

ξ゚?゚)ξ「うーん・・・・・・・・・・・・・」

ξ゚?゚)ξ「カラオケとか・・・・?」

( ^ω^)「いつもと変わらないお」

ξ゚?゚)ξ「だって、他にある?」

( ^ω^)「・・・・・・・・・ないお」

ξ゚?゚)ξ「じゃあカラオケでいいんじゃない?その後、街をブラブラしようよ」

( ^ω^)「おkwwwwwそれよりもその前に休み合わなきゃ意味ないお」

ξ゚?゚)ξ「うっ・・・そうだよね、分かった」

そんな話をしているうちにツンの家についた。
今日は珍しく電気がついていた。

ξ゚?゚)ξ「あれ・・・お母さん帰ってきたのかな」

( ^ω^)「電気ついてるの初めて見たお」

ξ゚?゚)ξ「挨拶してく?」

(;^ω^)「えwwwwっうぃやくぁqwせdrftgyふじこlp;@:」

ξ゚?゚)ξ「冗談だよ。ちゃんと就職しないうちは紹介する気ないから」

(;^ω^)「・・・・・・・あう」

ξ゚?゚)ξ「じゃっ、またねー」

(;^ω^)「ばいぶー」

ツンが家の中に入ったのを確認すると、ブーンも帰路についた。

( ^ω^)(来週の土曜日、休み合うといいお)

ツンがうまく休みを取れるようにと思いながら、家路を急いだ。

翌日の夜、ツンから土曜日に休みが取れたとメールが入った。
これで土曜日のデートが決まった。

翌週の土曜日、二人は駅前で待ち合わせをしていた。
待ち合わせ時間よりちょっと遅れてツンがやってきた。二人は早速カラオケに向かった。
11時から18時までのフリータイムにし、指定された部屋へ向かった。

( ^ω^)「飽きたら出てその辺ブラブラするお」

ξ゚?゚)ξ「そうだね」

二人は部屋に入り、カラオケを楽しんだ。
ツンは、カラオケには大人数で来るよりも、気の知れた仲間と少数で来る方が好きだった。
だからブーンと二人でカラオケに来るのがすごく好きだった。

二人で3時間ほど歌いつづけたところでツンは疲れて、曲を入れずに休憩していた。

( ^ω^)「どうしたお?」

ξ゚?゚)ξ「うん、なんか疲れちゃって。気にせず入れていいよ」

( ^ω^)「俺も疲れたお。ちょっと一休みするお」

既に入っていた曲を歌い終えたところで、二人は少し休憩することにした。

( ^ω^)「なんか飲まなくて平気かお?」

ξ゚?゚)ξ「あ、ジュース飲みたい。あと、ちょっとお腹すいた」

( ^ω^)「じゃあ何か頼むお」

ブーンはテーブルの隅にひとまとめにしてあった食事のメニューを手に取り、ツンと自分が見えるように広げた。
その中から飲み物と食べ物を選び、フロントに電話して注文した。

( ^ω^)「ちょっと時間かかるそうだお」

ξ゚?゚)ξ「うん、わかった」

( ^ω^)「今日は何時頃にカラオケ出るかお?」

ξ゚?゚)ξ「うーん・・・5時くらい?」

( ^ω^)「おk」

二人はソファに深く座ってボーッとしながら飲み物が来るのを待った。
ブーンはツンをちらりと見た。背もたれにうなだれながら、カラオケのモニターを眺めている。
ブーンはこっそりとツンに近付いてみた。

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・ん?何?」

( ^ω^)「フヒヒ!」

ξ;゚?゚)ξ「やっ・・・!あんた前から思ってたけど、その笑い方が変態っぽいのよ!!」

( ^ω^)「フヒヒヒヒ!」

ブーンはツンの言う事などおかまいなしにツンに抱きついた。
ツンはブーンを引き剥がそうとしたが、力ではブーンに及ばなかった。

ξ;゚?゚)ξ「もーやめてよー。ジュースとか来ちゃうってば」

( ^ω^)「時間かかるって言ってたお。大丈夫だお」

ξ;-?-)ξ「もー」

ツンは観念したのか、抵抗する手を止めた。
するとブーンは体勢を直しツンの隣にちょこんと座った。
そして、ツンと自分の間にできた隙間に手の平を上向にして置いた。

( ^ω^)「ツン、はいお」

ξ゚?゚)ξ「?なに?」

( ^ω^)「ここにツンのお手手のっけるお」

ξ゚?゚)ξ「こう?」

ツンは手をブーンの手の上に重ねた。

( ^ω^)「まだツンと手つないでなかったお」

ξ*゚?゚)ξ「・・・・・・・・・・そうだね・・・」

ツンが恥ずかしそうに視線をそらした。
ツンの手は小さく、自分の手に覆い隠れてしまいそうだった。

( ^ω^)「ちょっとこうしててもいいかお?なんか落ち着くお」

ξ*゚?゚)ξ「うん・・・・」

ソファに手を握り合って座っているのが、思いのほか心地良かった。
ブーンはとても幸せな気分になった。
恥ずかしそうにうつむくツンの姿が、とても愛しく思えた。

ブーンが一人幸せにひたっていると、ツンがブーンの肩に寄りかかってきた。
二人の密着度が増す。ブーンの心臓が大きく高鳴った。

(*^ω^)「ちょwwwwwツンwwwwwwwww」

ξ*゚?゚)ξ「なに?いや?」

(*^ω^)「いやじゃないお」

ξ*-?-)ξ「なんかカップルらしいでしょ」

そう言ってツンはブーンの腕の中にぐいぐい入ってきた。
ブーンがツンの肩を抱く形になった。

(*^ω^)(この上ない幸せだおwwwwwww)

ブーンはツンの肩を抱き寄せた。
ツンの小さい体は、ブーンの腕の中にすっぽり納まっている。

(*^ω^)「ツン、もっとカップルらしいことしないかお?」

ξ*-?-)ξ「えー?やだ」

(;^ω^)「ちょwwwwww」

自分の腕の中にいるツンは、まるで子猫のようだった。
ブーンはツンの頭をそっと撫でた。

( ^ω^)「・・・・・・・ジョルジュともこんなことしたのかお?」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・」

( ^ω^)「?」

ξ-?-)ξ「・・・・・・・・・」

ツンは何も言わないままブーンの腕をくぐり抜けた。
そして隣に座り、ブーンをするどい目つきで睨んだ。

(;^ω^)「ツン?」

ξ#゚?゚)ξ「なんでここでジョルジュ君の名前が出てくるのよっっ!!!!!!!!」

(;^ω^)「だって、なんか気になったんだお」

ξ#゚?゚)ξ「馬鹿じゃないの!なんで私の前でその名前を出すのよ!しかもこのタイミングで!!!!」

(;^ω^)「あうー」

ξ#゚?゚)ξ「大体あんたは嫌にならないの?嫉妬したりとかしないの!?」

(;^ω^)「あんま気にしてないお・・・」

ξ#゚?゚)ξ「・・・・・・・・・・・・・・・」

ξ#-?-)ξ「話にならない」

(;^ω^)「ごめんおー気になったんだお」

ξ-?-)ξ「そんなに知りたいの?」

(;^ω^)「えーと・・・・・・実はちょっとジョルジュから聞いたお」

ξ゚?゚)ξ「はあ!?」

(;^ω^)「ジョルジュはよくツンとのことを俺に相談してきたお。
     その時にちらっと・・・・」

ξ;゚?゚)ξ「・・・・・・・・・・」

(;^ω^)「あっ、でも具体的なことは知らないお!!聞いたのはチューしたことぐらいだお!」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・・・・」

(;^ω^)「・・・・・・・・・・・・・・ごめんお」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・・・やだ・・・・」

(;^ω^)「?」

ξ;?;)ξ「一番・・・・知られたくなかったのに・・・・・・・」

(;^ω^)「!!」

ツンは瞳に涙を溜め、顔を真っ赤にしてうつむいた。
必死に涙をこらえているのだろう。肩が小刻みに震えている。

(;^ω^)「ツン・・・悪かったお・・・・これ以上は何も聞かないし、言わないお」

ξ;?;)ξ「・・・・・・・・・・・・・・・」

ツンはうつむいたまま一回だけ小さく顔を縦に振った。
両手で顔を抑え、ブーンに泣き顔を見られまいとしている。

(;^ω^)「ツン、本当にごめんお。
     でも俺はそんなことでツンを嫌いになったりしないお。俺と一緒にいてくれればそれでいいお」

ξ;?;)ξ「・・・・・・・・・死ねばか・・・・・」

( ^ω^)「・・・・・・・・・・・・・俺が死ねばツンは泣き止んでくれるかお?」

ξ;゚?゚)ξ「・・・!!」

( ^ω^)「それでツンは許してくれるのかお?」

ξ;゚?゚)ξ「・・・・・・・・・・・」

ツンの表情が一気に青ざめる。
口元が、微かに震えた。

ξ;?;)ξ「やだ!死んだら意味ないじゃない!!!」

(;^ω^)「ツン・・・・・」

ξ;?;)ξ「ばか!死ね!!」

(;^ω^)「え?死んでいいのかお?」

ξ;?;)ξ「やだ!死んだら意味ないって言ってるじゃん!!」

(;^ω^)「じゃあ・・・」

ξ;?;)ξ「でも死ねばか!!!!」

(;^ω^)「ちょwwwwwどっちwwwwwwwww」

ツンは声をしゃくりあげながら泣いた。
ブーンはそんなツンの肩を両腕で包み、そっと自分へ抱き寄せた。
そして優しくツンの頭を撫でてあげた。

( ^ω^)「ツン、悪かったお・・・・」

ξ;?;)ξ「今はあまり思い出したくないのよ・・・・・・」

( ^ω^)「分かったお。もう聞かないお」

ξ;?;)ξ「・・・・・・・・忘れさせてよ」

( ^ω^)「ツン・・・・・」

ブーンはツンを更に強く抱きしめた。
そしてツンの涙をそっと手で拭った後、右手をツンの後頭部に回した。

( ^ω^)「忘れさせてあげるお・・・・・ツン、目つぶってくれお」

ξ*゚?゚)ξ「うん・・・・」

ツンがそっと目をつぶる。ブーンは、顔をそっと近づけた。
二人の唇が、ゆっくり重なる。

先日のただ重ねただけのキスとは違い、今度はお互いの唇の感触を確かめ合うように口づけた。
そして、ブーンの舌がゆっくりとツンの中へ入っていった。

ツンはびっくりして離れようとしたが、ブーンがそれを許さなかった。
しっかりと強く抱きしめて離そうとしなかったのだ。
ツンは大人しくブーンに身を委ねた。そしていつしか二人は、濃厚なキスにはまっていった。

どれ程口づけあっていただろうか。
しばらくして、ブーンが急に唇を離し、ツンのそばから勢いよく離れた。
ツンは突然のことに驚いた。一体どうしたというのだろう。
何か気に障るようなことをしてしまったのだろうか・・・。

ξ;゚?゚)ξ「ブーン?どうし・・・」

コンコンコン

ξ;゚?゚)ξ「!」

ノックの音が部屋に響いた。ツンは慌ててブーンから少し遠ざかって座った。

スタッフ「失礼しまーす」

ノックの直後、カラオケのスタッフが室内に入り、先ほど注文した飲み物と食べ物をテーブルに並べた。
ブーンとツンはソファに微妙な感覚をあけて座って、その様子を眺めていた。

スタッフ「ごゆっくりどうぞ」

全て並べ終えると、スタッフはすぐに部屋を出ていった。

ξ;゚?゚)ξ「あーびっくりした・・・全然気付かなかった」

(;^ω^)「あぶなかったお。もうちょっとで完璧に見られてたお」

二人は顔を合わせて、安堵の表情を浮かべて少し笑った。

ξ*゚?゚)ξ「なんかおかしーねw」

(*^ω^)「ちょっとドキドキしたおwwwww」

ξ*゚?゚)ξ「料理並べてる時めちゃくちゃ気まずかったよ」

(*^ω^)「どうしようかと思ったおwwwwwwwwww」

ξ*゚?゚)ξ「ご飯来たし、食べよーか」

(*^ω^)「ツン、ツン」

ξ゚?゚)ξ「何よ?」

(*-ω-)「んー」

ξ゚?゚)ξ「何の真似?」

(*-ω-)「さっきの続きだお」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・・・・・」

(*-ω-)「・・・・・」

ξ゚?゚)ξ「・・・・ずっとそうしてれば?」

(;-ω-)「・・・・・・・・・・」

ξ゚?゚)ξ「あー喉渇いたー」

そう言ってツンは先ほど届いた飲み物で喉を潤した。

(;^ω^)「ツンひどいお!彼氏に向かってそれはないお!」

ξ゚?゚)ξ「うっさいわねー!また店員来たらどうすんのよ!
     それに監視カメラついてるかもしれないじゃない!!」

(;^ω^)「ちゅーしたいお」

ξ゚?゚)ξ「はいはい後でね。それより冷めないうちに食べようよ」

( ^ω^)「うはwwwwwwご飯ご飯wwwwwwwwwwwww」

( ^ω^)「ツン、あーんしてあげるお」

ξ゚?゚)ξ「いらない。一人で食べれる」

(;^ω^)「ちょwwwwww冷たいおwwwwwwwww」

食事をし空腹を満たすと、二人はまたカラオケを楽しんだ。
そして予定通り5時頃にカラオケを出て、ツンの希望で買い物に出かけた。

いつもは土日でも大して混みあうようなことはないのだが、何故かこの日はどこも人で溢れていた。
その人ごみを目の当たりにして、ブーンは少し戸惑った。

(;^ω^)「今日は珍しく混んでるお・・・・
     ツン、迷子にならないように・・・」

ブーンが振り向くと、ツンの姿はどこにもなかった。

(;^ω^)(ツン!?)

あたりを見回してみるが、ツンの姿が見当たらない。
まさか、少し目を離した間にツンが迷子になってしまったのだろうか?

(;^ω^)「ツンー?」

ξ゚?゚)ξ「何?」

ブーンがツンの名前を呼ぶと、すぐ後ろからツンの声が聞こえた。

(;^ω^)「あ・・・・あれ?迷子になったんじゃ・・・・」

ξ゚?゚)ξ「何言ってるの?ずっとあんたの隣にいたじゃない」

(;^ω^)「・・・・・・・ツンが小さすぎて見失ってたお」

ξ゚?゚)ξ「失礼ねー!例えはぐれてもあんたは頭一個分飛び出てるから遠くからでも見つけれるわよ!」

( ^ω^)「でも心配だお。はぐれないように・・・・」

ブーンはそう言ってツンの手をそっとつかんだ。

ξ*゚?゚)ξ「!!」

( ^ω^)「手つないでれば大丈夫だお」

ξ///)ξ「うん・・・・・・・・」

ツンが頬を赤く染めながら、ブーンの手を強く握り返した。

( ^ω^)「バス何分だお?」

ξ゚?゚)ξ「うーんとね、20時45分だって。あんたは?」

( ^ω^)「俺は52分だお」

二人は駅前のバス停のベンチに肩を並べて座った。
空を見上げると、少し雲がかかっていた。雲の隙間から星がチラリと顔を覗かせていた。

二人の手は、自然に重なり合っていた。

ξ゚?゚)ξ「ねぇ・・・・」

( ^ω^)「ん?」

ξ゚?゚)ξ「ずっと仲良くい続けるのって、難しいかなぁ」

( ^ω^)「んー・・・・・・・・・・・そんな簡単なものでもないと思うお」

ξ゚?゚)ξ「そうだよね・・・・」

( ^ω^)「でも俺はツンとずっと仲良しでいたいお。だから頑張るお」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・・・・おじいちゃんとおばあちゃんになっても?」

( ^ω^)「ずっとだお。ずっと仲良しでいるお」

ξ*-?-)ξ「うん・・・・・・」

ブーンは握り合った手をより一層強く握り締めた。

きっとツンは不安なのだろう。
今のような関係を維持できるのか、そしてまたいつか裏切られるのではないかという恐怖に怯え、あのように尋ねたに違いない。

でもブーンはツンを手放すつもりはなかったし、ツンのことを悲しませるようなことをするつもりもなかった。
ずっと、死ぬまで一緒にいたい。一生を添い遂げたい。
その気持ちは、少しずつ大きくなっていた。

その気持ちが押さえきれず、ブーンは思わずツンに唇を重ねた。

ツンと手を繋いでいるととても気が安らぐ。
自分の手におさまるほど小さなツンの手は、とても柔らかくて、そして少しでも力を入れれば折れてしまいそうなくらい繊細だった。
ずっとつないでいたい。ずっと守ってあげたい。
ブーンの心には、そんな気持ちが芽吹いていた。

(゚Д゚)「おいブーン、彼女とはうまくいってんのか?」

( ^ω^)「まぁぼちぼちだお」

(゚Д゚)「どお?あれから行った?ホテル」

( ^ω^)「まだ行ってないお」

(゚Д゚)「ええええええええええええええ
    まだ行ってねーの?てっきりもう行ったもんだと・・・・」

( ^ω^)「俺も意外と奥手だおwwwwwwwwwww」

(゚Д゚)「自分で言うな」

補充に向かうトラックの中で、ギコはタバコをくわえながら車を運転していた。

(゚Д゚)「つーかあのサボった日から何週間か経ってんじゃんよ?」

( ^ω^)「もうそんなに経つかお・・・」

(゚Д゚)「まぁ別にいーけど。大切にしてるってことなんだろ?」

( ^ω^)「・・・・そんな感じだお」

ギコはうんうん、と首を縦に振りながら、灰皿にタバコの灰を落とした。
そして再びタバコをくわえ、煙をふう~っと吐いた。

(゚Д゚)「あー俺もセックスしてぇなー」

( ^ω^)「そういえばあの時付き合ってた彼女はどうなったんだお?」

(゚Д゚)「とっくに別れたよ。お前がスーパー辞めたあたりかな」

( ^ω^)「そうかお・・・それからは誰とも付き合ってないのかお?」

(゚Д゚)「ああ。なかなか出会いがないしな」

( ^ω^)「・・・・・」

(゚Д゚)「まっ、別に欲しくて作るものでもないしな。
   今は一人の方が気楽だし」

( ^ω^)「ギコさんは結婚願望はないのかお?」

(゚Д゚)「あんまないな。
    お前は?今の彼女と結婚してーの?」

( ^ω^)「俺は・・・・・・・・・
      よく分からないお。ずっと一緒にいたいとは思うけど・・・」

(゚Д゚)「結婚なんてあくまで制度だしな。
    別に結婚しなくても充分幸せに暮らせると思うけど」

( ^ω^)「・・・・」

(゚Д゚)「けど女ってのはそうもいかないみたいだぜ。
    形あるもので証明してもらいたがる」

( ^ω^)「そうなのかお」

(゚Д゚)「価値観とか合わないとやっぱ難しいよな」

( ^ω^)「・・・・・・・・」

流れていく景色を助手席を眺めながら、ブーンはツンのことを考えていた。
幼い頃から放任主義の家庭で育ち、今もほとんど両親と顔を合わせることなく暮らしている。
きっとツンはずっと寂しい思いをしてきたに違いない。
その分、家族愛を人一倍求めてきたのではないだろうか?
そして、それにともない結婚して家庭を持ちたいという願望が人よりも強いのではないだろうか。

まだ高校生のツンがそこまで考えているか分からないし、
一人でいくら考えても推測の域を出ない。

ブーンは助手席の窓のへりに肘をかけて頬杖をつきながら
次々と移り変わる風景を眺めていた。

ξ゚?゚)ξ「おまたせー」

約束の時間より少し前にツンが待ち合わせ場所にやって来た。
今日は土曜日。二人一緒の休みの日だ。

( ^ω^)「あと15分くらいでバス来るみたいだお」

ξ゚?゚)ξ「あっ、じゃあコンビニでジュース買っていい?」

( ^ω^)「おk」

今日は郊外にある大型のショッピングセンターに行く約束をしていた。
田舎の中心街はとても狭い。一日あれば余裕で全部見て回れるほどの狭さだ。
だから遊ぶところが限られてくるので、今日はちょっと遠いが郊外まで足を伸ばそうという話になったのだ。

コンビニで飲み物を買い、バス停へ向かうと、すでにショッピングセンターに直行するバスが停車していた。
二人は慌ててバスに乗り、一番後ろの席に座った。
ほどなくして、バスが走り出した。

ξ゚?゚)ξ「私、バスであっちの方行くの初めて」

( ^ω^)「俺もだお。いつもかあちゃんと車で行くお」

ξ゚?゚)ξ「郊外型が進むとやっぱ車がないと不便だよね」

( ^ω^)「・・・・・・・・・・・年内には免許取りに行くお」

建物が少なくなり、周りの景色がどんどん殺風景になっていく。
田んぼや畑が多くなり、目に付くものに緑が多くなっていく。

( ^ω^)「田植えして結構経ったのかお?田んぼの稲がちょっと伸びてるお」

ξ゚?゚)ξ「あー、そういや先月田植えで休んだ人いたなぁ」

地方には兼業農家を営む家庭が多く、5月下旬になると天気の良い日を利用して田植えをする農家が多い。
家が農家の子供は、学校を休んで田植えや稲刈りをすることもあるのだ。
田植えの時期から約一ヶ月が過ぎ、少しではあるが稲が青々と伸びていた。

( ^ω^)「そういえばドクオも、ばーちゃんちが農家だからってよく田植えに行ってたらしいお」

ξ゚?゚)ξ「あー、そういえばそんなことも言ってたねw」

( ^ω^)「”気ままな俺には農家が性に合っているかもしれない・・・”」

ξ゚?゚)ξ「ちょっとwそれドクオの真似?w」

( ^ω^)「”人間よりも、自然と対話していた方がよっぽど有意義だ。自然は嘘をつかないからな・・・”」

ブーンがドクオの口ぶりを真似ると、ツンは腹を抱えて笑った。

ξ゚?゚)ξ「農家こそあいつに合わないものはないわよw」

涙目になりながら、いつまでもいつまでも笑い合った。

やがてバスは目的地につき、二人はバスを降りて店内に入った。
土曜日なので人がとても多い。この街は郊外型が進んでおり、休日ともなれば中心街よりも、
車で郊外にあるショッピングモールに出かけるのだ。
食料品、洋服、下着、家具、食器、化粧品、スポーツ用品・・・
欲しいものは大抵揃うし、歯医者や内科などの診療所や、美容院があるショッピングセンターも多くなってきた。
一箇所で用が済むというのは何よりも便利なので、利用者は中心街と比べ物にならないくらい多いのだ。

( ^ω^)「ツン、迷子になるなお」

ξ゚?゚)ξ「うん、ちゃんとついてく」

そういってツンはブーンの親指をつかんだ。
本来ならここでは手をつなぐところなのだが、ツンの手は特別小さい上に、ブーンの手は長身なだけあって人より少し大きめで、
手をつないでいるとツンの手の疲労が激しいらしいので、ツンの一番無理のないつなぎ方ということで、親指をつかむので落ち着いたのだった。

ξ゚?゚)ξ「そういえば私、生まれてきた時1800グラムだったらしいよ。
     どんだけ未熟児だったのよって感じじゃない?」

( ^ω^)「ちょwwwwwよくここまで無事に育ったおwwwwwwwwww」

ξ゚?゚)ξ「そうだよねー。随分大きくなって」

( ^ω^)「・・・・・・・大きいのは態度だけだお」

ξ#゚?゚)ξ「てめぇ今なんつった?」

( ^ω^)「うはwwwwwwwwwwwwwなんでもないおwwwwwwwwwwwwwwwww
      元不良はおっかないおwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ξ゚?゚)ξ「で?あんたは何グラムだったの?」

( ^ω^)「俺は3900グラムだったらしいお」

ξ;゚?゚)ξ「でかっ!初産にしては随分大きかったのね」

( ^ω^)「テラピザスwwwwwwwwwww」

ショッピングセンター内を一店舗ずつ見てまわりながら、他愛もない話をする。
ツンは興味の先がたくさんあるようで、あっちに行ったかと思えばこっちに行ったり、かなり連れまわされた。
正午を少し過ぎたところでファーストフードを食べて昼食を済ませ、午後は映画でも見よう、という話になった。

ξ゚?゚)ξ「何見る?私あんま映画って興味ないんだよね」

( ^ω^)「俺もだお。どうせビデオになったりテレビではいると思うと映画館で見る気にならないお」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・・・・・まぁでも・・・・せっかくだし、ねぇ?」

( ^ω^)「とりあえず何が上映されてるか見に行くお」

二人は映画館の方へと向かった。
お昼を過ぎ、更に人が多くなったような気がした。

人通りの多い通路を肩を並べて歩いていると、どこからか小さな女の子の泣き声が聞こえた。
特に気にとめることなく歩いていると、二人が歩いている少し先に、2~3歳くらいの女の子が歩きながら大泣きしているのが見えた。

( ^ω^)(?迷子かお・・・?)

川;д;)「ママァー!ママァー!」

周りを見渡しても、その子の母親らしき人物が見当たらない。
大声で泣くその女の子を見た周りの大人たちは、”あら、迷子?”と言い合いながら通り過ぎている。
誰も、その女の子に声を掛ける者はいなかった。

ブーンはその光景を見て、周りと同じように通り過ぎようとした。

その瞬間、ツンがその子の元へ駆け寄った。

ξ゚?゚)ξ「お嬢ちゃん、どうしたの?迷子になったの?」

その女の子は立ち止まり、ツンの方をじっと見つめた。

ξ゚?゚)ξ「ママがどこか行っちゃったの?」

川;д;)「ママ・・・・・・・」

ツンはしゃがんでその子と目線を合わせると、涙をハンカチで拭き取ってあげた。

ξ゚?゚)ξ「大丈夫だよ、泣かないで。絶対ママ見つかるから」

川‘д‘)「・・・・・・・・・」

川;д;)「ママ・・・・」

ξ゚?゚)ξ「ああ、泣かないで。大丈夫だから、ね?」

ツンはそう言って頭を撫でてあげた。
女の子はこくんと頷いて、ツンの服の裾を掴んだ。

ξ゚?゚)ξ「お名前は?何て言うのか教えて?」

川‘д‘)「みなちゃん」

ξ゚?゚)ξ「みなちゃんね、いくつかな?」

川‘д‘)「3歳」

みなと名乗る女の子は、指で不器用な3を作って答えた。

ξ゚?゚)ξ「今日はママと来たの?」

川‘д‘)「ママとパパと、ゆうくん」

ξ゚?゚)ξ「じゃあお姉ちゃんがママとパパとゆうくんを捜してあげるから、一緒に行こう?」

女の子が再び頷く。ツンはにっこり微笑んで「いい子だね」と言って頭を撫でた。

ξ゚?゚)ξ「じゃあ行こう。抱っこしてあげよっか?」

ツンが軽く両手を広げると、女の子はツンの胸に飛び込んだ。
よいしょ、と勢いよく女の子を抱き上げ、ツンは立ち上がった。

ξ゚?゚)ξ「ブーン、サービスカウンター行くよ」

( ^ω^)「おっ?・・・・うんだお」

ツンが女の子を抱いたまま、すたすたと歩き出す。ブーンはそれについて行った。

ξ゚?゚)ξ「今ね、ママを捜しに行くからね。心配しないでね」

ツンが女の子に飛び切り優しい口調で声を掛けている。
こんなツンを見るのは初めてだ。ブーンは少し戸惑った。
女の子に目をやると、ツンをすっかり信用しているのか、服にしっかりしがみついて身を委ねていた。

やがてサービスカウンターにつくと、ツンはカウンターのスタッフのもとへ歩み寄った。

ξ゚?゚)ξ「すいません、このコ、1階のコムザの前で迷子になってたんですけど」

スタッフに説明した後、カウンターの前に並んである椅子に女の子を座らせた。

ξ゚?゚)ξ「みなちゃん、ここにいればママすぐに見つかるからね」

女の子が小さく頷いた。
ツンはにっこりと微笑み、女の子を頭を撫でてあげた。

ξ゚?゚)ξ「じゃあね、私もう行くからね」

ツンが立ち上がろうとすると、女の子は不安そうな顔でツンのスカートの裾をつかんだ。
ツンは再びしゃがみ、女の子に「大丈夫だから」と言った。

ξ゚?゚)ξ「ここのお姉さんがみなちゃんのママたちを捜してくれるから」

川‘д‘)「・・・・・うん」

ξ゚?゚)ξ「おりこうさんだね」

ツンは立ち上がり、スタッフに「宜しくお願いします」と頭を下げた。
そして女の子に手を振り、サービスカウンターを後にした。

ξ゚?゚)ξ「ごめんね、遅くなって」

( ^ω^)「ツン・・・・・・。ツンって子供好きだったのかお?」

ξ゚?゚)ξ「え?どっちかと言われればあんま好きじゃないよ」

(;^ω^)「ちょwwwwwww」

ξ゚?゚)ξ「でもさ、迷子って放っておけないじゃん。
      他の人は見て見ぬフリしてたし」

( ^ω^)「ツンのこと見直したお」

ξ゚?゚)ξ「お店にも子供来るから扱い慣れてるだけ。
      でも別にこんなの普通でしょ?」

( ^ω^)「なかなかここまでできないお・・・・・俺なら無視しちゃうお」

ξ゚?゚)ξ「じゃあ今度から迷子はサービスカウンターに連れて行きなさいね」

( ^ω^)「・・・・・・・はいお」

ツンは「それにしても3歳児って重いのね」と呟きながら、運動前のストレッチのように手首を振っていた。
ブーンはふと、以前ギコと話した会話を思い出した。

( ^ω^)「ツンは子供が欲しいかお?」

なんの前触れもなく、ブーンが切り出した。
ブーンの突然の質問に、ツンは驚いて目を丸くした。
なんて答えていいか分からないようで、口元が少しあいたままになっている。

(;^ω^)「あ、別に変な意味じゃないお。さっきの様子を見てちょっと思っただけだお」

ξ゚?゚)ξ「子供ねぇ・・・。
     正直、欲しくない。最後まで育てる自信ないし」

( ^ω^)「でもさっきの迷子の子と話してるの見れば大丈夫そうに思えるお」

ξ゚?゚)ξ「そりゃあ、迷子の対応なんてたかが5分か10分くらいだし、それくらいなら見てあげられるわよ。
     ただ、一人立ちするまで毎日24時間面倒見るのは無理」

( ^ω^)「そうかお・・・・」

ξ゚?゚)ξ「それにさ、自分の思うように育ってくれないと悲しいじゃない?
     すごく可愛がって愛情こめて育てても、学校の友達とかの影響で非行に走ったり、
     目の届かないところで他人に悪いことされたり・・・・」

ツンはきっと自分と重ねて考えているのだろう。ブーンはふと思った。

ξ゚?゚)ξ「子供は勝手に育つって言う人もいるけどさ、私はそんな単純なものじゃないと思うんだよね。
     親から受ける影響ってすごく強いし、それで子供がどうにでも変わっちゃうと思う」

( ^ω^)「・・・・・・」

ξ゚?゚)ξ「私はそこまで責任持てないし、育てる自信がないんだ」

( ^ω^)「そうかお・・・・・・・」

ξ゚?゚)ξ「あんたはどうなのよ?欲しいの?子供」

( ^ω^)「おっ、俺は・・・」

ブーンは戸惑った。ツンに質問しておきながら、自分は子供について具体的に考えたことがなかったのだ。

( ^ω^)「俺も、あまり育てる自身ないお」

100パーセント自分の意志ではなかったが、ブーンはとりあえずこう言う他思いつかなかった。

ξ゚?゚)ξ「やっぱそう思う人は子供持っちゃいけないのよ。
      私は、もっと自信持てるようになってから考えることにする」

ツンはそう言うと、通路沿いにあるゲームセンターの中をじっと見ていた。
その視線の先には、景品にミニチュアボトルの香水が入っているUFOキャッチャーがあった。
欲しい香水でもあるのか、取ってあげようか、と思ったが、ブーンは話を続けた。

( ^ω^)「じゃあ、結婚願望はあるかお?」

ξ゚?゚)ξ「結婚ねぇ・・・・」

ツンはUFOキャッチャーから視線をブーンに戻し、少し考えた。

ξ゚?゚)ξ「結婚って、ある意味幸せの形だけど、結婚したからって絶対幸せになるとは限らないしね。
      ・・・・好きな人と一緒にいれればそれでいいかなぁ??」

( ^ω^)「そうかお」

ξ゚?゚)ξ「今日はどうしたの?そんな話題出して」

( ^ω^)「実はギコさんと・・・」

以前ギコと結婚願望の話をしたことをツンに説明すると、ツンは「なるほどね」と言いながらブーンの話を聞いていた。

ゆっくり歩きながら話をしているうちに映画館の前に辿り着いた。
上映案内のパネルを二人で眺める。

ξ゚?゚)ξ「アクションは苦手だし・・・恋愛モノは嫌いだし・・・・」

( ^ω^)「俺はファンタジーなのはちょっと・・・・」

ξ゚?゚)ξ「ああ、私も。あと洋画も好きじゃないな」

( ^ω^)「洋画は字幕見るの疲れるし吹き替えは違和感あるお。
      ・・・・・・・・で、どれにするかお?」

ξ゚?゚)ξ「今の意見を全て取り入れて、消去法で選ぶと・・・・これしかないよ」

ツンが指をさした先には、”名探偵コニャン~迷宮の三十路(サーティーズロード)~”と書かれてあった。

( ^ω^)「ちょwwwwwwコニャンwwwwwwwwwww」

ξ゚?゚)ξ「あ、つーかこれ先週で上映終わってるじゃない」

( ^ω^)「ちょwwwwww意味ナスwwwwwwwwwwwwwwww」

ξ゚?゚)ξ「上映してたところで子供にまぎれて見る勇気ないよねw」

( ^ω^)「ドクオなら余裕だおwwwwwwww」

ξ゚?゚)ξ「あいつは特別!w」

二人はパネルの前で大笑いした。
そして、映画は諦めようという結論に落ち着き、先ほど通り過ぎたゲームセンターに行くことにした。

( ^ω^)「あと5分でバス来るお」

ξ゚?゚)ξ「良かった~。ナイスタイミング!」

帰りのバスに乗ろうとバス停に着いた頃には、すでに夜8時になっていた。

ξ゚?゚)ξ「すっかり遅くなったね」

( ^ω^)「でも楽しかったお」

ξ゚?゚)ξ「久々にたくさん遊んだ感じ。疲れた~」

時刻表どおりにバスがきた。二人は整理券を取って乗り込み、一番後ろの席に座った。

ξ゚?゚)ξ「んー、眠い」

( ^ω^)「寝てていいお」

ξ゚?゚)ξ「いや、大丈夫」

ツンは大きく腕を伸ばし、少しあくびをした。
そしてすっかり暗くなった外を見て、ポツリとつぶやいた。

ξ゚?゚)ξ「帰りたくないな・・・・・」

( ^ω^)「・・・・・・」

ブーンも同じことを考えていた。
普段何でもない日でもずっと一緒にいたいと思うのに、楽しく過ごした日は更に別れるのが惜しくなる。
しかしブーンには仕事があり、ツンは学校に行かなくてはならない。そんな状況の中で、ずっと二人で一緒にいることは不可能なのだ。
ブーンはいつも自分にそう言い聞かせていた。

しかし、この日は違った。

( ^ω^)「ツン、明日バイト何時からだお?」

ξ゚?゚)ξ「中番だから、午後2時からだよ」

( ^ω^)「じゃあ、朝まで一緒にいないかお?」

ξ゚?゚)ξ「!?」

ツンの顔から一瞬笑顔が消えた。
ブーンは、高まる気持ちを抑えるのに必死だった。

( ^ω^)「でも何もするつもりはないお。ただ一緒にいたいだけだお・・・」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・」

( ^ω^)「ツンが嫌ならいいお」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・・・・・」

ツンは下を向き、真剣な顔で何かを考えていた。
バスの振動で二人の体が揺れる。バスのエンジン音が、二人の間の沈黙を埋めていた。

夜の街に、手をつなぎながら歩く二人の姿があった。
二人の間には、どこかいつもと違う雰囲気が漂っている。

( ^ω^)「無理しなくてもいいお」

ξ゚?゚)ξ「無理してないよ?全然余裕。
     あんたが何もしなきゃいい話だし」

( ^ω^)「ツンとねんねだおwwwwwwww」

ξ゚?゚)ξ「あ、その前にコンビニ行こう。旅行用のスキンケアセット買わないと」

( ^ω^)「おk」

コンビニでジュースやお菓子、そして旅行用のシャンプーセットと、ツンのスキンケアセットを買い、
中心街から10分ほど歩いたところにある「ホテル ロイヤル」へと辿り着いた。

ξ;゚?゚)ξ「・・・・・・・・・」

( ^ω^)「ツン?大丈夫かお?」

ξ;゚?゚)ξ「やっぱ緊張する。初めてだし」

( ^ω^)「ツン、無理なら・・・・」

ξ゚?゚)ξ「でも入っちゃえば平気!行こう!!」

そう言ってツンは先へ進んだ。ブーンが慌ててツンについていく。
入り口の自動ドアから入ると、目の前に大きなパネルがあった。
そこには各部屋の写真が表示されてあった。

( ^ω^)「夜9時から朝11時まで宿泊タイムみたいだお。ちょうど良かったお」

ξ゚?゚)ξ「ラブホってもっと派手な部屋を想像してたけど、思ったより普通ね・・・」

( ^ω^)「ピンクとか紫の証明とか、回転するベッドがあると思ってたお」

二人が説明書きの通り入りたい部屋のボタンを押すと、部屋番号が印刷されたレシートのようなものが出てきた。
それを手にとりエレベーターに乗った。

ξ゚?゚)ξ「私、フロントで鍵を手渡されるのかと思ってた。
      私の中のイメージで定着してるラブホって、古いスタイルなのかも」

( ^ω^)「俺も、イメージしてたラブホと全然違うお・・・」

エレベーターを3階で降り、203号室へと向かう。
部屋のドアの右上にある「203」と表示されたランプが点滅していた。
ブーンがそのドアに手をかけると、カチッという音とともにドアが開いた。
そして部屋に入ると、入り口のすぐ目の前にある自動会計の機械のアナウンスが流れた。

ピンポンパンポン♪
「ご来店、誠に有り難う御座います。当ホテルでは、自動会計システムを採用しております。
 メンバースカードをお持ちのお客様は・・・・」

( ^ω^)「すごいお、部屋で会計できるのかお」

ξ゚?゚)ξ「進んでるねぇー」

ブーンはそのアナウンスを聞きながら、自動会計の説明書きを読み始めた。
そのうちにツンが先に部屋の中へ入った。

ξ゚?゚)ξ「すごーい!超綺麗!!」

淡いピンク色のベッドカバーは、パリッ糊付けされているようでとても生活感に溢れている。
大きな液晶テレビの向かいには二人掛けのソファーがあり、ソファーの隣には小さな冷蔵庫、電子レンジ、電子ポットがあり、
ティーカップやスプーン、グラスまで用意されていた。
ツンはそのサービスの良さに感心しきりだった。

バスルームを見てみると、ジャグジーつきの広いバスタブに加え、マイナスイオン発生装置があるのに驚いた。
ラブホテルとは、こんなにも設備が整っているものなのか。

やがてブーンが会計装置の説明を見終わり部屋に入ると、ツンはすでにベッドに座っていた。

ξ゚?゚)ξ「ちょっと!マジすごいよ!サービス良すぎ!!」

ツンは興奮した様子でベッドから降り、自分がたった今感動した設備の説明をブーンにした。
ブーンもその説明を聞きながら感心していた。

ひとしきり興奮し終えたところで、二人はソファに座った。
今日はたくさん歩いたし、たった今興奮したから、ちょっと疲れた。

( ^ω^)「お茶でも飲むかお?」

ブーンはコンビニで買ったペットボトルのお茶をグラスにつぎ、ツンに差し出した。
そして自分のもグラスにつぎ、ごくごくと飲み干した。
ふと、テーブルの上に新聞のテレビ欄をコピーしたものが置いてあるのに気付いた。

( ^ω^)(テレビでも見るかお)

ぼんやりと番組表を眺めながら、リモコンのスイッチを押した。
その瞬間、テレビの画面いっぱいに、男女がバスルームでお互いの性器を舐めあっている映像が映し出された。

ξ゚?゚)ξ「!!」

( ^ω^)「ちょwwwwwwwwwwww」

ブーンがチャンネルをかえようとリモコンに手を伸ばすより早く、ツンがリモコンを素早く手にとり、チャンネルをかえた。
そこには、人気のお笑い芸人が司会を務めるクイズ番組が映し出された。

ξ#゚?゚)ξ「あんたねー、今のわざとでしょ?」

(;^ω^)「違うお!テレビつけたらAVがはいったんだお!!」

ξ゚?゚)ξ「見たきゃ見れば?ただし、私の前でオナニーなんてしないでよ」

(;^ω^)「ちょwwwwwせめてもっと可愛らしく一人エッチと言ってくれおwwwwwwwwww」

ツンの機嫌が明らかに悪くなった。
ブーンはそれに気付き、慌ててコンビニの袋から菓子類を取り出した。

( ^ω^)「ツン、一緒にお菓子食べるお」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・・・うん」

( ^ω^)「ツンの大好きなアポロだおー」

ξ*゚?゚)ξ「アポロ食べたい」

ビニールをはがし、箱をあけ、てのひらにチョコレートを取り出し口に放り込む。
ツンは幸せそうな表情で口の中のチョコレートを舌で転がしている。
機嫌が直ったようで良かった。ブーンはグラスにお茶をつぎ、ごくんと飲んだ。

クイズ番組が終わり、深夜に向けて代わる代わる流れるバラエティ番組をだらだらと見ながら、ふとツンの方に目をやった。
一応テレビを見ているようだが、眠いのか、まぶたが半分降りてきている。

( ^ω^)「ツン疲れたお?眠いならベッドに入るお」

ξ-?-)ξ「ん・・・・・・・・」

ツンはソファを立ち上がり、のそのそとベッドへ向かう。
そして布団に入ろうとしたところで、ブーンのもとへ戻ってきた。

ξ-?-)ξ「お風呂入る」

( ^ω^)「そうかお。じゃあ行っておいでお」

ツンはこくんと頷き、バスルームへ向かった。
ツンはまるで子供のようで、昼間の迷子をあやす姿とは比べものにならないくらいに幼く感じられた。

やがてバスルームからシャワーの音が聞こえてきた。
ブーンはその音を聞きながら、見る気もないテレビをずっと見ていた。

しばらくしてシャワーの音がやんだ。
そろそろ上がってくるのだろうか、とボーっと考えながら、バスルームの方へ目を向けた。

ところが、ツンはなかなか出てこなかった。
少し気になったが、女の子だから何か手入れでもしているのだろうと、特に気にとめることもなかった。
ブーンが目線をテレビに戻すと、バスルームのドアが開く音がした。
そこからツンが顔を少し出し、ブーンの方を見ていた。

ξ゚?゚)ξ「ねー、ブーン」

( ^ω^)「なんだおー?」

ξ゚?゚)ξ「バスタオルとってちょうだい。持って入るの忘れちゃった」

( ^ω^)「おk」

ξ゚?゚)ξ「絶対覗かないでよ!」

そう言ってツンはバスルームのドアをピシャリと閉めた。

(;^ω^)「・・・・・・・・おk」

ブーンがバスルームのドアの向かいにある洗面所の下のラックに入っているバスタオルを手にとり、ツンに声を掛ける。

( ^ω^)「ツン、バスタオルだおー」

バスルームのドアが少しだけ開き、ツンの手がそーっと出てきた。
ブーンがその手にバスタオルを触れさせると、ツンはバスタオルを掴み、再びドアをしめた。

覗いてやれば良かった、と思う反面、下手にイタズラをしてツンを怒らせるのも後々面倒かもしれない、と考えながらソファに腰掛けた。
その時、またドアが開く音がしたかと思うと、ツンがバスルームから顔を出してブーンの方を見ていた。

( ^ω^)「今度はどうしたお?」

ξ゚?゚)ξ「私、何着ればいいの?」

( ^ω^)「今日着てた服はどうしたお?」

ξ゚?゚)ξ「あの服のまま寝るわけにはいかないでしょ」

( ^ω^)「それもそうだお・・・・
      じゃあ裸のままでどうかお?」

ξ゚?゚)ξ「死ね」

(;^ω^)「あう・・・」

ブーンは仕方なく立ち上がり、洗面所へと向かった。
そしてタオル類が入っているラックを再びさぐってみると、一番下からバスローブが出てきた。

( ^ω^)「ツン、バスローブがあったお。これ着るといいお」

ξ゚?゚)ξ「バスローブ?お金持ちのイメージしかないんだけど。
     それに寝るときになんか変な感じしそう」

( ^ω^)「わがまま言うなおー。これしかないんだお。
     それにきっとツンに似合うお」

ξ゚?゚)ξ「それって誉めてるの?」

ツンはしぶしぶバスローブを受け取り、再びバスルームに閉じこもった。
ブーンはタオル類を綺麗にたたみ直し、ラックの中に丁寧に収納した。
そして洗面用具は揃っているのか確認しようと、洗面所の引き出しを開けて中を覗いているところに、ツンがバスルームから出てきた。

ξ゚?゚)ξ「あれ、何やってるの」

( ^ω^)「髭剃りが・・・」

ブーンは振り返り、ツンの姿を見て思わず言葉を失ってしまった。

白い透き通るような肌が上気してほんのり桃色に色付いている。
濡れてツヤツヤとした髪は、右耳の下あたりでひとつに結ばれていた。

ξ゚?゚)ξ「ちょっとそこどいてよ。ドライヤーかけたい」

( ^ω^)「わ、わかったお・・・」

ツンは来ていた服をソファに置くと洗面所に戻り、ドライヤーをコンセントにさし込み、髪を乾かし始めた。
なんだか急にツンが色っぽく見える。
ツンの仕草ひとつひとつに胸の鼓動を高めながら、ブーンは平静を装った。

(;^ω^)「おっ、俺もシャワー浴びるかお」

緊張を隠すかのように、バスタオルを手に取る。

ξ゚?゚)ξ「脱衣所がないからお風呂の中で服脱いでね。
       ・・・・・・・ここで脱いだら殺すから」

その場で服を脱ごうとしていたブーンに、ツンから厳しい言葉を受けた。
ブーンは仕方なくバスタオルを持ってバスルームのドアを開けた。

ξ゚?゚)ξ「シャンプーとかはそこに置いてあるから。洗顔は私の使っていいよ」

( ^ω^)「おk」

ツンから小さな洗顔フォームを受け取り、バスルームのドアを閉めた。

お湯の張っていないバスタブに脱いだ服を置き、上にバスタオルをかけた。
これで多少シャワーのお湯がかかっても平気だろう。

自分が今いるこの場所で、ついさっきまでツンがシャワーを浴びていた。
ふとそんなことを考え、ブーンはその様子をうっすらと思い浮かべた。

( ^ω^)「・・・・・・・あ」

(;^ω^)「・・・・・・・・・・・・・・おっきしちゃったお」

先ほどのバスローブ姿のツンを思い出しながら、シャワーを浴びるツンの様子を想像し、露になったブーンの性器は少し上を向いていた。
この状況で性的興奮を得ない方が不自然だ、と自分を説得しながら、ブーンはシャワーのお湯を体に浴びた。

シャワーを浴び終え、体を拭き、腰にバスタオルを巻いてバスルームを出た。
ソファーに座っているツンはテレビに集中している。ブーンはドライヤーを取り出した。

髪を乾かし終わった後ツンの方を見ると、ツンの表情が明らかに怒りに満ちていた。
一体どうしたのだろう、と思ったブーンはツンのもとへ歩み寄ろうとした。
その時、ツンが鋭い目つきでブーンを睨んだ。

ξ゚?゚)ξ「ちょっと・・・・・・セクハラで訴えるわよ」

(;^ω^)「お?」

ξ゚?゚)ξ「下着くらい履きなさいよ!何よその格好は!!」

(;^ω^)「俺は風呂上りは基本的にフルチンだお」

ξ///)ξ「やだっ・・・!せめてバスローブ着て!!」

ツンは顔を真っ赤にして視線をそらしてうつむいた。
ブーンは思わず、バスタオルを取ってツンの目の前で性器をさらしてやりたい衝動にかられたが、
そんなことをしたらツンは本気でブーンの性器をナイフか何かで切り取りかねない。
ブーンは仕方なしにバスローブを着て、ツンの隣に座った。

( ^ω^)「これでおk?」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・うん」

ブーンはほてった手でツンの手を握った。ツンの手はすっかり熱を失っていた。
ツンがブーンの肩によりかかる。ほんのりと漂うシャンプーの香りが鼻をくすぐった。

ブーンはツンを抱き寄せ、髪にそっとキスをした。
そして指をツンの顎にあて上をむかせ、唇を重ねた。

すぐに二人の舌が絡まりあう。ねっとりと、ツンの深くまで愛するように濃厚に口付け合う。
しばらく口付けあった後唇を離し、二人は強く抱きしめあった。
ツンの体の火照りはおさまったはずだが、今のキスのせいか、頬が赤く上気していた。

ブーンが再び口付けようとツンに顔を近づけると、ツンは眠たそうにあくびをした。

( ^ω^)「もう寝るかお?」

ブーンが優しく尋ねると、ツンはこくんと頷き、ベッドに向かった。

( ^ω^)「あ、ゴム用意しなきゃ」

ツンが布団に潜り込もうとしている時に、ブーンの口からつい冗談がこぼれた。

ξ゚?゚)ξ「必要ないでしょ」

ツンはその言葉を軽くあしらい、布団を軽く持ち上げた。

( ^ω^)「そうかお?」

ブーンも一緒に布団に入ろうとした時、ツンの動きが止まった。
少し何かを考えたあと、布団の上に座ってブーンの方を見つめた。

ξ゚?゚)ξ「あんたって童貞だっけ?」

突然の質問にブーンはびっくりし、慌てふためいた。

(;^ω^)「ちょwwwwwwストレートwwwwwwwwwww」

ツンが真剣な顔でブーンを見るから、ブーンも真面目に答えなきゃ、と思った。

(;^ω^)「・・・・・・・童貞だお」

ツンが、そっか、と言ってベッドの上に座ったまま、下半身だけ布団に入った。
そしてまた真面目な顔でブーンを見た。

ξ゚?゚)ξ「あんたは、私とそーゆーことがしたいの?」

(;^ω^)「・・・・・・・・・」

まさか突然こんな質問をされるとは。
全くもって予想外だっただけに、ブーンの口からすぐに言葉が出てこなかった。
ブーンが答えに詰まっていると、ツンがブーンを真顔で見つめたまま口を開いた。

ξ゚?゚)ξ「私はしたい」

( ^ω^)「!!!!!!」

きっと、すごくいやらしい話をしているのだろう。
しかし今の二人のにとっては、そして何よりもツンにとっては真剣な話だった。

ξ゚?゚)ξ「私もみんなと同じように好きな人に抱かれたい。
      きっと、すごく幸せな気分になれると思うから」

( ^ω^)「・・・・・」

ξ゚?゚)ξ「でもね、今はこわい・・・。
      ブーンに全部見せるのも、ブーンを知るのもこわい。
      それに、ブーンの気持ちを受け入れられるかわからないし・・・・」

( ^ω^)「ツン・・・・・」

ξ゚?゚)ξ「でもね、ブーンが嫌いなわけじゃないよ。
      抱いて欲しいって、すごく思う」

( ^ω^)「俺はツンとそういうことだけがしたいわけじゃないお。
      セックスだけが愛の形じゃないし、それをしないからって恋人同士になれないわけじゃないお」

ξ゚?゚)ξ「・・・・」

( ^ω^)「無理する必要はないお。
      俺はツンと一緒にいれれば、それだけで充分愛を感じるお」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・ありがと」

二人の体が自然と寄り添いあう。お互いのぬくもりを確かめ合うように、抱きしめあった。

( ^ω^)「今日はいっぱい歩いて疲れたお。もう寝るお」

ξ゚?゚)ξ「うん」

二人は布団に入り、向かい合って横になった。
ツンが照れくさそうに笑う。

ξ゚?゚)ξ「あんたってすっとぼけた顔してるけど、やることはやるよね」

(;^ω^)「?何の話だお?」

ξ゚?゚)ξ「ディープキスとか、童貞のくせにどこで覚えてきたのよ」

(;^ω^)「そっ、そんなの本能任せだお」

ξ-?-)ξ「髪の撫で方とか、抱きしめ方とか、なんかやけに慣れてる感じ」

(;^ω^)「なっ、慣れてないお!全部ツンが初めてだお!!」

ξ゚?゚)ξ「ほんとにー?」

(;^ω^)「本当だお」

ξ゚?゚)ξ「まぁそーゆーことにしといてあげる」

(;^ω^)「あう」

ξ゚?゚)ξ「で、童貞ってゆーのも嘘なんでしょ?」

(;^ω^)「本当だお!俺のちんぽは未使用の新品だお!」

ξ///)ξ「ちょっと・・・ダイレクトすぎ!」

( ^ω^)「うはwwwwwwww」

ベッドの中で、ブーンはツンに抱きついた。ツンが笑いながら離れようとするが、ブーンはツンを離すまいと必死でしがみついた。
二人はじゃれあい、やがて疲れて、いつの間にか眠りについていた。

翌朝。
少し空いた窓の内戸から、眩しい朝日が差し込む。
ブーンはいっぱいに降り注ぐ光を浴び、目を覚ました。

上半身だけを起こし、ベッドの時計に目をやると7時半になる少し前だった。
眠い目をこすりながらツンの方を見ると、すやすやと寝息を立てて寝ている。

ブーンが半分寝たままツンに布団をかけてやると、ツンのまつげがピクリと動いた。

ξ-?-)ξ「ん・・・」

しまった、起こしてしまったか?
気付かれないように布団からそっと手を離すと、ツンの目が少し開き、ブーンの姿をとらえた。

ξ-?-)ξ「ブーンおはよ・・・」

( -ω-)「おはだお・・・。結局何もしなかったお。残念だお」

ξ-?-)ξ「童貞のクセに偉そうなこと言うんじゃないわよ」

( -ω-)「チェックアウトは11時だお。俺は眠いからもうちょっと寝るお」

ξ-?-)ξ「私も・・・・。
     目覚ましセットしなきゃ」

ツンはベッドの脇に置いていたバッグから携帯を取り出し、アラームをセットして枕もとにおいた。
ブーンの方を見ると、すでに布団の中でぐっすりと眠っていた。

ツンはブーンの頬にそっとキスをし、自分も眠りについた。

この後、予定通りに11時にホテルを出た二人は、ファーストフード店で遅い朝ご飯を食べた。
そして少し街を歩いた後、ツンはバイトへと向かった。

ツンとの別れ際、またホテルに行こう、という約束を交わした。

つづく


純愛・恋愛 | 【2015-09-28(Mon) 00:00:00】 | Trackback:(0) | Comments:(0)

( ^ω^)とξ゚?゚)ξが愛のあるセクロスをするようです。3


ξ゚?゚)ξ「ブーンと千台ね・・・」

ブーンとの電話を切ってバスに乗り込んだツンは、先ほどの会話を思い出していた。
まさかブーンと千台へ行くことになるとは予想外だった。しかもブーンから誘われるなんて。

ξ゚?゚)ξ(まぁ、一番いいカタチになったのかも)

本当はチケットを売りつけるのは心苦しかったが、他に良い方法が思いつかなかった為、
相談も兼ねてブーンに電話をしたのだ。
予想外の事態にはなったものの、お互いが納得できる形に落ち着けて、ツンはとても安心していた。

ξ゚?゚)ξ(・・・二日休み取るってことは、一泊するってことだよね?)

ブーンとは今まで二人きりで数え切れないほど遊んだ。
しかし、さすがに一泊してどこかへ出かけたことは一度もなかったのだ。
いくら恋愛感情がないとはいえ、男女が一泊の旅行をするのには、やはり抵抗があった。
勿論ホテルの部屋は別にするつもりではあるが、恋人同士でもないのに一泊旅行をするのは常軌を逸しているのではないか?

ξ-?-)ξ「う~~~~~~~ん・・・・・・・」

コンサートは18時に開演で、終了予定時刻は21時だ。
確かにブーンの言う通り、コンサートが終わった後に帰るのはバタバタしそうだし、
せっかく千台に行くのならのんびりとしたい。
それなら思い切って一泊した方が、千台を満喫できるだろう。

ξ゚?゚)ξ(まぁいっか。いつもみたく遊ぶ延長だと思えば)

ブーンとは気心の知れた仲だし、気を遣わなくて済むから心から楽しむ事が出来そうだ。
そう考えると、なんだか旅行がすごく楽しみになってきた。
ツンは携帯を取り出し、5月×日のスケジュールに”千台チェミストリー withブーン”と登録した。

翌日、ブーンはいつものように家で暇を持て余していた。
夕方になって洗濯物を取り込もうとしているところへ、ツンから電話がかかってきた。

ピピルピルピピ~♪

ピッ
( ^ω^)「もしもしだおー」

ξ゚?゚)ξ「あー、ブーン。今電話大丈夫?」

( ^ω^)「大丈夫だお。休みの件はどうなったお?」

ξ゚?゚)ξ「休み取れたよー。×日と、その次の日。
      私、学校あるから土日で休み取ったけど、あんた大丈夫なの?」

( ^ω^)「大丈夫だお。多分休みもらえるお」

ξ゚?゚)ξ「そっか、じゃあ土日で千台ね。
      ところで交通手段なんだけどさ、一泊するなら、新幹線よりも高速バスがいいな。
      そっちの方が安いし」

( ^ω^)「わかったお。じゃあ、バスとホテルの予約は俺がするお」

ξ゚?゚)ξ「え?いいの?」

( ^ω^)「ツンがチケット用意してくれたからいいんだお」

ξ゚?゚)ξ「そっか、じゃあよろしくね」

ブーンは平静を装っていたが、内心とても興奮していた。
といっても性的な興奮ではなく、遠足前日の小学生と同じような、楽しみで仕方がないといった類の興奮だった。

この後、具体的な出発時間と、ホテルの場所などを話し合い、電話を切った。
これでツンとの旅行が決定した。

ゴールデンウィークに突入したある日、ブーンはいつものようにギコの下で働いていた。
自販機の補充の際の車での移動時間は長い。近隣の町村へ、車で一時間くらいかけて補充に行く時もある。
もはや移動中はドライブ気分で、よく二人が好きな音楽をかけて移動していた。そして昼食はいつもギコがご馳走してくれた。
ギコはその営業所で所長の次に偉いらしく、仕事もできることから給料も結構もらっているらしい。
独身で特に物欲もない為、お金が余って仕方ないのだと、笑って話していた。

この日も同様に、補充に訪れた隣の町の道の駅でラーメンをご馳走になっていた。

( ^ω^)「ギコさん、今度休みが欲しいお」

(゚Д゚)「お?いつ?」

( ^ω^)「5月×日と△日だお・・・」

(゚Д゚)「いーよ」

(;^ω^)「え!?土日だけどいいのかお?」

(゚Д゚)「別にGWの繁忙期過ぎれば俺一人でもなんとかなるし。
    たまには休め。届けは出しておく」

( ^ω^)「ありがとうございますお!」

(゚Д゚)「ところで何すんの?」

( ^ω^)「チェミストリーのコンサートに行くんだお」

(*゚Д゚)「マジ!?いいなあああああああ!!!!!」

ギコはチェミストリーがとても好きで、二人が親睦を深めたのも、チェミストリーの話題がきっかけだった。
仕事中もチェミストリーの話題が出るし、車での移動中のBGMもほとんどがチェミストリーだった。

(*゚Д゚)「×日ってことは千台?」

( ^ω^)「そうだお」

(*゚Д゚)「うわあああああ俺も行きたかったあああああ!!!!!
    感想とか聞かせてくれ!!!!!」

(*^ω^)「わかったお」

まさかこんなにも簡単に休みを取れるとは思わなかった。
しかも、自分がチェミストリーのコンサートに行くのを喜んでくれているみたいで、すごく嬉しい。

(*゚Д゚)「チケットどうしたの?お前ファンクラブに入ってたっけ?」

( ^ω^)「友達が知り合いから買ったらしいお。その友達と行くお」

(*゚Д゚)「そっかあ!!良かったなあ!!!!
    しかも一泊か!!!楽しんでこいよ!!!!!」

(*^ω^)「お土産楽しみにしてて下さいお」

ギコが、そうかー千台ねー、と言いながらタバコに火をつけた。
そして、興奮した様子で”やっぱり生歌も上手いのかなぁ”とか、”チェルチーの歌歌うかなぁ”などど話し始めた。
ブーンもその話を嬉しそうに聞く。チェミストリーの話をする時のギコは、まるで子供のように無邪気だ。
きっと相当好きなのだろう。

昼食を取り終え営業所に戻る車の中で、ギコがチェミストリーの歌を口ずさみながらブーンに話し掛けた。

(゚Д゚)「そういやお前彼女とかいねーの?」

( ^ω^)「いないお」

(゚Д゚)「そっかー。好きな女とかは?」

( ^ω^)「好きなコもいないお」

(゚Д゚)「ふーん」

( ^ω^)「・・・・・でも、ずっと近くにいるコはいるお」

ブーンの脳裏に、ツンの笑顔が浮んだ。
ツンのことはもちろん好きだ。でもそれは恋愛対象としての感情ではない。
もっと、ずっと大切にしていきたい、そんな存在だった。

ドクオへ対してのそれとは、また違った感情ではあるが・・・。

(゚Д゚)「好きなんじゃねーの?」

( ^ω^)「好きとは違うけど・・・・大切な友達だお」

(゚Д゚)「ふーん」

ギコはタバコをくわえ、再びチェミストリーの歌を口ずさんだ。
ブーンはとても恥ずかしくなった。こんな話、ドクオともしたことがない。
ブーンは恥ずかしさを隠しつつ、昼食で立ち寄った道の駅で買ったヨーグルトの蓋を開けた。

その後少し会話をしたところで、ジュースと雑誌を買い、ホーソンを後にした。
旅行まであと十数日。旅行のことを考えると、自然と足取りが軽くなる。
綺麗な星空を眺めながら、ブーンはツンとの旅行に思いを馳せていた。

( ^ω^)(ツンは方向音痴っぽいから、ちゃんと下調べするお。
      ホテルはやっぱり駅に近い方がいいかお。ご飯は・・・)

旅行のことを考えると思考が止まらない。こんなにわくわくした事が今まであっただろうか。
その日ブーンは、遅くまで旅行雑誌を見ていた。

翌日、ブーンは高速バスのチケットを買いホテルの予約をし、旅行への体勢は万全となった。
あとは当日が来るのを待つのみだ。

(;^ω^)「そういえばツンと会うのもすごく久し振りだお!!!!」

ただならぬ緊張がブーンを襲ったが、旅行への興奮でそれはすぐに掻き消された。

そして旅行前日―。
ブーンはバッグに着替えを詰め込み、旅行の準備をしていた。
そしてコンサート会場の場所の確認をする為に旅行雑誌を開いているところへ、ツンから電話がきた。

ピピルピルピピ~♪

ピッ
( ^ω^)「はいおー」

ξ゚?゚)ξ「あ、ブーン?準備進んでる?」

( ^ω^)「万全だお。早めに寝て明日に備えるお」

ξ゚?゚)ξ「もー、私今バイト終わって帰ってきたから、今から準備しないといけないよー」

( ^ω^)「寝坊したらおいてくおwwwwwww」

他愛もない会話がはずんでいく。
ツンも旅行が楽しみなのだろうか、声がいつもより明るい気がした。
15分ほど話した後、明日の待ち合わせ場所と待ち合わせ時間を確認し、
明日の朝はお互い起きたらメールを入れ、もしメールがない場合は電話をして起こす約束をし、電話を切った。

そしてブーンは明日着る服を用意し、目覚まし時計をセットしてベッドに入った。

( ^ω^)「楽しみだおwwwwwwwwwwwwwwww」

部屋の電気を消し、睡眠体勢に入る。
ツンは今日は何時まで起きているつもりなのだろうか。ツンは明日はちゃんと起きれるのだろうか。
ツンはどんな格好で来るのか。
そんなことを考えながら、眠りについた。

翌朝、ブーンは目覚まし時計の音で目が覚めた。
ベッドを飛び起き、すぐさまツンにメールをした。
そして眠い目をこすり、洗面所へ向かい顔を洗った。

朝食を取り終え、歯磨きをしているところへ、ツンから、メールが届いた。

『from:ツン
 件名:
 本文:おはよー。ちゃんと起きてますよ。
    ではではのちほど。         』

( ^ω^)「うはwwwwwww楽しみだおwwwwwwwww」

ブーンはその後全ての準備を済ませ、かつてないほどの高揚感を抱いたまま家を出た。

( ^ω^)「うはwwwww早く来すぎたおwwwww」

場所は高速バス乗り場の待合室。8時10分に出るバスに乗るため、待ち合わせ時間は余裕を持って7時50分。
しかしブーンは7時過ぎにバス乗り場に着いてしまった為、待合室のベンチに座ってコーヒーを飲んでいた。
本当は7時40分くらいに着く予定だったが、興奮の為かそわそわして落ち着かず、予定よりもかなり早く家を出てしまった。

何もすることがない。コーヒーを口にしながら時計を見ると、まだ7時10分を少し過ぎたところだった。
ツンに、待合室に着いたとメールを打とうか?いや、それではツンを急かしてしまうかもしれない。
やはりツンが来るまで黙って待っていよう。

待合室の壁際にある什器には、日本各地への旅行プランのチラシがたくさん並べてある。
ブーンは、東京方面のプランのチラシを何種類か取り、ベンチに座って眺めていた。

10分ほど経ったところで、ドアが開く音がし、ブーンの足元に風が入り込んできた。
ブーンはチラシへ向けていた目をドアの方へ向けた。

ξ゚?゚)ξ「・・・・あれっ。ブーン、もう来てたの?」

(;^ω^)「!!!!!ツン・・・!!」

待ち合わせより30分も早く、ツンは待ち合わせ場所へ現れた。
ツンはドアをそっとしめ、ブーンのもとへ駆け寄る。

ブーンはツンを見て息をのんだ。
五分袖の真っ白のブラウスに、大きな花柄がプリントされている淡いピンク色のロングスカート。そしてヒールのサンダル。
髪はいつものツインテールではなく、左耳の下あたりにひとつにまとめて結わえてある。
急に女らしくなったというか、とても大人びて見える。そんなツンがやけにまぶしく見えた。

ξ;゚?゚)ξ「いやー、びっくり。まさか私より早く来てるとは」

ツンはスカートをふわりとなびかせ、ブーンの隣に腰掛けた。
ブーンは思わず身をのけぞらせた。

(;^ω^)「しばらく見ないうちに大きくなって・・・・」

ξ゚?゚)ξ「身長は伸びてませんけど。もしかして皮肉?」

(;^ω^)「ツンがロングスカート履いてるの初めて見たお」

ξ゚?゚)ξ「あー、こないだ買ったんだけど、なかなか着る機会がなくてね」

そう言ってツンは携帯の画面を見た。

ξ;゚?゚)ξ「バス出るまで50分くらいあるね・・・・」

早く来すぎた、と言ってツンはバッグからミネラルウォーターを取り出した。
キャップを開けて口へ含んだあと、そのボトルをベンチに置いた。

ξ゚?゚)ξ「なんかさ、余裕持って来なきゃって思ってたら、こんなに早くなっちゃった」

( ^ω^)「俺もだお。俺は7時過ぎに来たお」

ξ;゚?゚)ξ「えっ、それは随分早いね!」

こうやって直接会って話すことに、少し抵抗があった。
あまりに久し振りだから、うまく話せるか分からなかったからだ。
しかし実際ツンに会って、そんな不安はすぐに吹き飛んだ。

ξ゚?゚)ξ「ねぇ、ところでバスのチケットはちゃんと持ってきたの?」

( ^ω^)「持ってきたお、はい」

ブーンは財布の中から高速バスのチケットを取り出し、ツンに見せた。

ξ゚?゚)ξ「ありがとー。悪いね、取ってもらっちゃって」

そう言ってツンはチケットを手に取り、バッグに入れようとした。

( ^ω^)「チケット返してくれお。俺があずかるお」

ξ゚?゚)ξ「え?なんで?」

( ^ω^)「ツンが持ってるとなくしそうだおwwwwwwwww」

ξ゚?゚)ξ「何それー!あんたって本当に失礼な男だよねー」

ツンは頬を膨らませた後、万が一のこともあるからね、と笑って、バスのチケットをブーンに渡した。

ξ゚?゚)ξ「で?ホテルはどこを予約したの?」

( ^ω^)「駅から歩いて5分くらいのビジネスホテルだお」

ξ゚?゚)ξ「ちゃんとシングルを2部屋で予約したわよね?」

(;^ω^)「勿論だお」

ξ゚?゚)ξ「それならいいのよ」

それから二人は、とどまることなくずっと話しつづけた。
2ヶ月も会っていない為、次から次へと話題が飛び出してくる。
ツンの学校での話や、TVのバラエティ番組の話、そしてチェミストリーの話・・・。
バスに乗るまでの50分の間、会話は休む事なく続けらた。
そしてバスに乗った後も、二人の会話は続いた。

バスに乗って数時間後。二人が乗るバスは千台へ着いた。
荷物を持ち、二人はバスを降りた。

ξ゚?゚)ξ「ここどこー?街のど真ん中だね」

( ^ω^)「あっちの方に行くと千台駅だお」

ξ゚?゚)ξ「へー・・・、一人だと迷子になっちゃう」

二人はとりあえずホテルへ荷物を預けることにした。
駅から歩いて4~5分の、少し小道に入ったところに、そのホテルはあった。
隣にコンビニがあり、繁華街からも近い。割と便利そうな所だと、ツンは思った。

入り口の自動ドアをくぐり、小さいが清潔感のあるフロントにいた女性スタッフに荷物を預け、そのままホテルを出た。

ξ゚?゚)ξ「で?まず何する?まだお昼前だよ」

( ^ω^)「うーん、お腹すいてるかお?」

ξ゚?゚)ξ「あんまり・・・。先に買い物行こうよ」

( ^ω^)「何欲しいお?」

ξ゚?゚)ξ「服見たい」

( ^ω^)「とりあえずアーケードのあたり歩くお」

二人は、特に目的も持たずに歩き、入りたい店があれば入り、買い物を楽しんだ。
疲れたらカフェで一休みし、また買い物。
その間も会話は止まる事がなかった。
ツンは見るもの全てが珍しいかのように目を輝かせてはしゃいだ。
ブーンはそんなツンを見ているのがとても楽しかった。

午後4時頃、小腹が空いた二人はカフェでサンドイッチを食べていた。

ξ゚?゚)ξ「そろそろ会場に向かったほうがいいかな?
       開くのは5時だけど、多分もう並んでるよね」

( ^ω^)「会場へは地下鉄を使って行くお」

ξ゚?゚)ξ「あっ、そういえば電車の時間とか大丈夫?間に合うかな?」

( ^ω^)「大体5分とか10分おきくらいに出てると思うお。余裕で間に合うお」

ξ;゚?゚)ξ「へー・・・すごい。電車が一時間に一本しかない田舎とは大違いね。超便利!」

ツンはベーグルサンドを頬張りながら、地元と千台の大きな違いに感心していた。
ツンを見ていると面白い。何に対しても興味があるようで、
例えば街を歩く人が多いというだけで感心するし、地元では見た事のないオシャレなお店を見つけるたびに入りたがる。
ブーンは、来て良かったと、心から感じていた。

30分ほど休んだ後、二人は地下鉄の駅へ向かった。
そして電車に乗り込み、会場へ向かった。

電車を降り、地図を頼りに会場へと向かう。
途中、ダフ屋に声を掛けられながら二人が会場に到着したのは、5時になる少し前だった。
開場時間間近ということで、会場前には長い行列ができていた。

ξ;゚?゚)ξ「なんじゃこりゃ。人多すぎ」

( ^ω^)「ツン、こっちの列の方が人が少ないお。こっちに並ぶお」

ξ゚?゚)ξ「うん。
あっ、あっちは?あっちの方が少ないよ!」

( ^ω^)「あっちはチケットを持ってなくて立ち見希望の人の列だお」

ξ゚?゚)ξ「へー」

ツンは、なるほどねー、とうなずきながら、開場待ちの列に並んだ。
今日ツンは一生分感心したのではないか、と考えたら、なんだかすごくおかしくなった。

ξ-?-)ξ「チェミが見れるのは嬉しいけど、2階席ってのがねぇ」

( ^ω^)「アリーナだったら、みんなが立ったらツンはステージを見れなくなるお。
      だから2階席でちょうどいいと思うお」

ξ゚?゚)ξ「それもそうね・・・」

(;^ω^)「ちょwwwwここつっこむところwwwwww」

ツンは普段は態度が冷たく言葉もキツいところがあるが、ふとしたところで天然になる。
本来のツンは天然で、それを隠す為に冷たい態度を取るのではないかと思うほどのギャップだったが、
そこがまた彼女の可愛いところでもあった。

ツンはチケットを片手に開場を心待ちにしている様子だった。
そんなツンを見ながら、大好きなチェミストリーの歌を生で聞けるという夢にまで見た出来事に、
ブーンも心を躍らせていた。

「開場時間になりました。順番に荷物チェックを受け、場内にお入りください」

5時をちょうど回ったところで、拡声器ごしの男性スタッフの声が辺りに響いた。
周囲のザワつきが一層大きくなる。ツンも急に瞳を輝かせて、ブーンの方へ振り返った。

ξ*゚?゚)ξ「ねえ!開場だって!」

( ^ω^)「聞こえてたお」

ξ゚?゚)ξ「荷物チェックって何?」

( ^ω^)「カメラとか危険物を持ってないかチェックするお」

ξ゚?゚)ξ「へぇー。ここにいる全員をチェックするの?」

( ^ω^)「そうだお」

ξ゚?゚)ξ「大変じゃん!」

15分ほど経ったところで、ブーンたちの順番が回ってきた。
スタッフにカバンの中を見せるように指示され、ツンは持っていたハンドバッグを開けて見せた。
ブーンはバッグの類を持っていなかったので、ツンの荷物チェックが終わった後にすぐ中に通された。

入り口のすぐ近くに、コンサートのグッズやパンフレットを販売するブースがある。
開場してからわずか15分ほどなのに、そこは黒山の人だかりになっていた。

ξ;゚?゚)ξ「うわー、私も見たかったけど、無理っぽいな」

( ^ω^)「ツンがあの中に入ったら押しつぶされるお」

ξ゚?゚)ξ「あんた背高いんだから、ちょっと見てきてよ!」

(;^ω^)「いやだおwwww人ごみは嫌いだおwwwwwさっさと席に行くおwwwwwwww」

納得のいかない表情を浮かべるツンを連れ、ブーンは2階へと上がった。
すでにたくさんの人が入場しており、少しずつ混雑し始めていた。

( ^ω^)「ツン、トイレ行くなら今のうちだお。後からだと混んで入れなくなるお」

ξ゚?゚)ξ「あっ、じゃあ行ってこようかな」

( ^ω^)「そこのドアの前で待ってるお」

ξ゚?゚)ξ「わかった!」

ツンはそう言って、トイレへと駆け込んでいった。
それにしてもすごい人だ・・・。さすがは人気のチェミストリー。チケットが即完売したという話も頷ける。
そう考えると、ツンがチェミストリーのチケットを手に入れたのは奇跡かもしれない。
二人で旅行にも来れたし、ツンにチケットを売った人には、感謝の一言に尽きる。

5分ほど経ち、ツンがトイレから戻ってきた。
二人は通路の壁に貼ってある座席の案内図を頼りに、チケットに表記されてある席を探した。

( ^ω^)「えーと・・・ここだお」

そこは2階席の1列目で、場所はステージのまん前だった。

ξ゚?゚)ξ「すごい!ステージの真正面じゃん!すっごく見やすいね!」

( ^ω^)「いい感じの場所で良かったお」

ξ゚?゚)ξ「このくらいの席の方が私には合ってるかも。
      ゆっくり落ち着いて歌聞きたいから」

( ^ω^)「俺もだお。近くで見れなくても、同じ空間にいて歌ってくれてるってだけで満足だお」

二人は席につき、ステージをボーっと眺めていた。まだ開演まで30分ほどある。
1階の方も、続々と観客が入場し、席が人で埋まっていく。
もうすぐチェミストリーの歌が聞ける。そう考えると身が引き締まるようだ。

ξ゚?゚)ξ「あっ、私何か飲み物買ってこようかな」

ツンがそう言い、バッグを開けて財布を探し出した。

( ^ω^)「じゃあ俺が買ってくるお。何がいいお?」

ξ゚?゚)ξ「あ、じゃあ紅茶がいいな。ストレートティー」

( ^ω^)「つめた~いのでいいかお?」

ξ゚?゚)ξ「うん。つめた~いのね」

ブーンは席を立ち、階段の近くにある自販機へ向かった。
小銭を入れ、ツンに頼まれた紅茶と、自分の分のお茶を買った。
2本のペットボトルを手に持ち、ツンとの会話を思い出した。つい口元が緩む。
なんだかとても幸せな気分だと、ブーンは思った。

( ^ω^)「お待たせだおー」

ブーンがツンに紅茶を差し出す。ツンはそれを受け取ると、ニコッと笑った。

ξ゚?゚)ξ「ありがと」

ブーンは急に耳が熱くなるのを感じた。心臓がドキドキしている。
ツンの、少しはにかんだような笑みがとてつもなく可愛く見えて仕方がない。
ブーンはペットボトルの蓋を開け、お茶を喉に流し込んだ。

ブーンは、この感情を持つのがいけないことのように感じていた。
ツンは大切な友達。友達に恋愛感情を抱いてはいけない。
それに、これはツンの意外な一面を見てしまったが故の一時的な感情にすぎない。
つり橋の法則と一緒。二人で旅行という初めての経験への緊張を恋だと勘違いするようなものだ。

ブーンがペットボトルを座席の下に置いたところで、場内にアナウンスが入った。

「本日は、チェミストリーコンサートツアーイン千台にご来場いただき、誠に有り難う御座います。
 まもなく開演になります。場内が暗くなりますので、お席をお立ちのお客様は、お早めに御着席下さいますよう、
 お願い申し上げます」

そのアナウンスを聞いたツンが、嬉しそうにブーンに話し掛ける。

ξ゚?゚)ξ「もうすぐ始まるね!」

ツンはバッグとペットボトルを座席の下へ置き、じっとステージを見つめる。

(*^ω^)(もうすぐチェミの歌が聞けるお・・・)

ブーンの期待が自然と高まる。心臓が静かに、そして強く鼓動する。

「お客様にお願い申し上げます。場内が暗くなりますので、お席についたままお待ちください」

そのアナウンスの後、場内の照明が落とされた。
ステージに淡いスポットがあたる。その先にはピアノが置いてあり、そこにはすでに人が座っていた。
場内が少しずつ静まり返る。ステージ横の時計を見ると、6時を少し過ぎたところだった。
もうすぐ始まる・・・。場内の観客は、息をのんでステージを見守った。

その時、ピアノの音とともにチェミストリーの二人がステージの奥から現れた。
場内に黄色い歓声が飛び交う。
チェミストリーの二人は黙ったまま、ステージにセットされてあるオブジェのようなものに座った。

ピアノの音が場内に響き渡る。歓声がおさまるのと同時に、ピアノの音がやんだ。
そして、アカペラで二人は歌い始めた。
観客たちは、静かにじっとして二人の歌声を聞いている。
ブーンたちも同様に、ステージ上のチェミストリーを見つめていた。

歌が2番に入った時、ピアノの演奏も一緒に始まった。
そして、淡いスポットがひとつ、ふたつと増え、それと同時にアコースティックギター、バイオリン、ドラムなどといった
楽器が次々と演奏に加わり、歌を壮大に盛り上げた。

ブーンはその様子を見て思わず震えた。舞台演出や楽器の演奏のテクニックもさることながら、
何よりもチェミストリーの歌声に酔いしれていた。
ブーンは我を忘れてステージを食い入るように見つめる。すぐ近くではないが、同じ会場内にいて同じ空気を吸って
自分の前でチェミストリーが歌っている。
その感動を何と例えたら良いか、ブーンには思い浮かばなかった。

コンサートは休むことなく続けられた。時間いっぱい、チェミストリーの美しい歌声が観客を魅了し続けた。
途中二人のトークが入ったりして、場内があたたかな雰囲気に包まれる。
観客はすっかりチェミストリーの虜になっていた。

最後の曲になり、チェミストリーが”最後はみんなで立って、手拍子で演奏に参加して下さい”と促すと、
観客たちは次々と立ち上がった。
ブーンたちも、周りが立ち上がるのにあわせて立ち上がった。
チェミストリーの歌声と観客の手拍子という夢の共演に、観客たちはとても興奮していた。
そして、チェミストリーのコンサートは、大盛り上がりの中、幕を閉じた―。

ξ*゚?゚)ξ「はぁ~、すごかったね、チェミストリー!」

二人はコンサート会場を後にし、駅のホームで電車を待っていた。
その間も会話はチェミストリーのことで盛り上がった。

ξ*゚?゚)ξ「本当に歌うまかったよね!」

(*^ω^)「最後の歌の手拍子もすごく楽しかったお!」

興奮はおさまる事を知らない。コンサートを思い出すたびに心も体も熱くなっていく。
まるで夢の中にいるかのようだった。

ξ゚?゚)ξ「きっと今夜は打ち上げやるんだろうねー」

( ^ω^)「牛タン食って帰るって言ってたお。明日牛タン屋に行ったら会えるかもしてないおwwwww」

ξ゚?゚)ξ「チェミと牛タン食べた~い!」

電車を降りた後、二人ははしゃぎながらホテルへ歩いた。
時計を見ると、もうすぐ10時になろうとしていた。

( ^ω^)「これからどうするお?どこかでご飯食べてくお?」

ξ゚?゚)ξ「うーん、今日はもう疲れたし、コンビニで何か買って入ろ」

( ^ω^)「わかったお」

二人はホテルの隣のコンビニに寄った。そこでおにぎりやスナック菓子類を買い、ホテルへ向かった。
そしてチェックインを済ませて預けていた荷物を受け取り、二人は部屋へ向かった。

( ^ω^)「303号室と305号室だけど、どっちがいいお?」

ξ゚?゚)ξ「どっちでもいいわよw」

そう言ってツンは内藤の手から鍵を奪い取った。305号室の鍵だった。
エレベーターで3階へ上がり、ブーンはツンを部屋の前まで見送った。

( ^ω^)「305はここだお。明日の朝は何時に出発にするお?」

ブーンがツンに尋ねる。しかしツンは上の空で、視線が宙に浮いていた。何か他の事を考えているようだった。

( ^ω^)「ツン?どうしたお?」

ξ゚?゚)ξ「あのね・・・・」

ツンが真剣な表情でブーンの顔を見つめる。
一体何事なのだろう。まさか、今になって”泊まるのはよくない、帰る”なんて言い出すのでは・・・。

ξ゚?゚)ξ「私・・・・部屋に一人はこわい」

(;^ω^)「は?」

急に何を言い出すかと思ったら・・・。ツンの表情は真剣だが、まるで子供のようだ。

(;^ω^)「高校生にもなって何言ってるんだお」

ξ///)ξ「だって・・・しょうがないじゃない!
      自分ち以外の場所で一人になるのが嫌なのよ!」

ツンが怒った表情のまま頬を赤く染める。部屋の鍵をぎゅっと握り締め、視線をそらした。

(;^ω^)「もしかして、幽霊とか信じてるお?」

ξ///)ξ「信じてるわけじゃないけど・・・!!
      だって、よく言うじゃない?ベッドの裏にお札がびっしり・・・とか!」

(;^ω^)「そんなの都市伝説だお。大体お札があったら幽霊は出ないお」

ξ゚?゚)ξ「とにかく!一人はこわいの!」

普段意地を張りまくってるくせに、幽霊や都市伝説を信じているなんてツンらしい。

ξ゚?゚)ξ「でも、多分眠くなったら怖いのとかどうでもよくなると思うから・・・」

ξ゚?゚)ξ「寝る前までブーンの部屋にいてもいい?」

(;^ω^)「えっ・・・・」

思いも寄らないツンの言葉に、つい返事に詰まる。
言葉が出てこない。なんて言ったらいいのだろう。

ξ゚?゚)ξ「じゃあ、荷物置いたらあんたの部屋に行くから!」

(;^ω^)「ちょwwwww・・・・・・・・・わかったお」

ξ゚?゚)ξ「じゃ、ピンポーンって鳴ったらすぐ出なさいよ!」

ツンはそう言うと、305号室へ消えていった。

ホテルでの夜を、ツンと一緒に自分の部屋で過ごす・・・。
予想を越えた事態に、ブーンの思考回路は完全に停止していた。

部屋の鍵を開けると同時に、部屋の照明がついた。
ブーンはコンビニの袋を小さなテーブルの上に置き、ジャケットをハンガーにかけた。
そしてベッドに腰掛け、ふーっとため息をついた。

(;^ω^)「もうすぐツンが部屋に来るお・・・」

そわそわして落ち着かない。無駄に携帯をチェックしてしまう。
ツンは寝るまで自分の部屋にいると言っていたが、はたして何時に寝るつもりなのだろうか。
今日はたくさん歩いたし、コンサートでもはしゃいだから疲れているはず。

(;^ω^)「なんかやけに喉が渇くお・・・」

ブーンはコンビニで買ったお茶をごくごくと飲んだ。

ピンポーン

(;^ω^)「!!」

部屋のインターホンが鳴った。
ツンがきた!ブーンはベッドから立ち上がり、急いでドアを開けた。

(;^ω^)「はいだおー」

ξ゚?゚)ξ「来たわよ。お邪魔しまーす」

ツンは、戸惑っているブーンを尻目につかつかと部屋に入った。

ξ゚?゚)ξ「ご飯食べよ」

(;^ω^)「うんお」

ブーンとツンはベッドに並んで座り、テーブルを引き寄せてその上にコニビニで買ったおにぎりや冷やし中華を並べた。
安いビジネスホテルのシングルルームはとても狭い。自然と二人の距離も近くなる。

ξ゚?゚)ξ「はい、お箸」

( ^ω^)「ありがとうだお」

ξ゚?゚)ξ「じゃー食べよ。いただきまーす」

ツンが両手を合わせておじぎをする。ブーンもそれに合わせて手を合わせる。
ツンはいつも食事の時はこうする。食べ終わった後も、「ごちそうさまでした」といって同じように手を合わせ、おじぎをする。
以前ブーンは、どうしてそんなに行儀がいいのかと尋ねた事がある。
その時ツンは、両親にしつけられたから、と答えた。

( ^ω^)「冷やし中華うめぇwwwwwwwwww」

ξ゚?゚)ξ「ちょっと、きったないわねー。あんたもっと落ち着いて食べなさいよ」

( ^ω^)「おにぎりうめえwwwwwwwwwwww」

ξ#゚?゚)ξ「あーっ!それ私のツナマヨ!!」

ツンとの食事がとても楽しい。ついつい大袈裟にはしゃいでしまう。

ξ゚?゚)ξ「それにしても、コンサートすごかったねー」

ツンは、冷やし中華の麺をかき混ぜながらコンサートのことを思い出していた。
とても明るく晴れ渡った空のような表情をしている。

( ^ω^)「チェミの歌聞けて良かったお」

二人は食事をしながら、チェミストリーの話に花を咲かせた。

食事も終わり、ツンはそのままブーンの部屋でテレビを見ている
ブーンは改めて、この状況の異様さを感じていた。

(;^ω^)(これは・・・・・・・・・据え膳!?)

(;^ω^)(・・・・いやいや、違うお。きっとツンは危機感を持ってないお。
      もしツンが危険だと思ってたら、そもそも俺の部屋には来ないお)

テレビを見て無邪気に笑うツンの隣で、ブーンは一人悶々としていた。

(;^ω^)(でも、夜のホテルの一室に若い男女が一緒にいるって、
      誰がどう見ても異常な状況だお)

果たしてツンの真意はどうなのだろう。
ツンはいつになったら自分の部屋に戻るのか・・・。

ξ゚?゚)ξ「あ、ごめんねブーン。もしかして眠い?」

ブーンが考え事をしているのが、眠たそうに見えたのだろうか。
ツンはブーンを気遣って話し掛けた。

(;^ω^)「いやっ、大丈夫だお!」

ξ゚?゚)ξ「私はまだ起きてたいけど、あんたが眠たくなったら部屋に戻るから言って」

(;^ω^)「わかったお・・・」

どうやらツンはまだこの部屋にいるらしい。
それにしても喉の渇きが激しい。部屋に暖房が効いてるわけでもなく、特に乾燥しているわけでもない。
なのに額には変な汗が滲み、水分を取っても喉がすぐ乾く。

ブーンが喉の渇きを潤そうとペットボトルに手を伸ばした。
ペットボトルを持ち上げると、手ごたえのない軽い感触がした。中身は底をついていた。

この状況で水分が取れないのは耐えられない。今すぐに水分が欲しい。

(;^ω^)「ツン、俺、コンビニにジュース買いに行くお」

ξ゚?゚)ξ「あ、わかった」

(;^ω^)「何か欲しいものでもあるかお?」

ξ゚?゚)ξ「さっき買ったから特にないよ」

(;^ω^)「じゃあ行って来るお
      鍵は置いていくから、インターホンが鳴ったら開けてくれお」

ブーンはジャケットをはおり、ドアノブに手を掛けた。

ξ゚?゚)ξ「気を付けて」

ドアを開けたところで、後ろからツンが声をかけてきた。
ブーンは適当に返事をして部屋を出た。

(;^ω^)「さっきから変な考えしか浮んでこないお・・・」

ツンと同じ部屋にいて、考え付く事はよこしまな事ばかり。
10代の血気盛んな男子には仕方のないことではあるが・・・。

ブーンはコンビニに入り、1リットルのお茶をかごに入れた。
もしかしたらこれでも足りないかもしれないが、その時はまた買いに来ればいい。

他に特に買うものもなく、ブーンはコンビニを出てホテルへ入った。
フロントの前を通ると、男性スタッフがおかえりなさいませ、とおじぎをした。
ブーンはエレベーターに乗り、3階のボタンを押した。

( ^ω^)「あっ、コンドーム買うの忘れたお」

本気でツンを襲うつもりはなかったが、もしかして必要になるかもしれないとブーンは思っていた。
あまりの異常な事態に、ブーンの思考回路は壊れ始めていた。

エレベーターが3階についた。
ブーンは部屋に向かい、インターホンを押した。

ピンポーン

( ^ω^)「・・・・・・・・・・・・」

(;^ω^)「・・・・・・・・・?」

いつまで経ってもドアが開かない。もしかしてツンは飽きて自分の部屋に帰ってしまったのか?
それなら、ブーンは自分の部屋に入ることはできない。

ブーンはもう一度インターホンを押した。
すこし経ったところで、ようやくドアが開いた。

ξ゚?゚)ξ「・・・・・ごめん、遅くなって」

ドアの影からツンが顔を出した。ツンはブーンが部屋に入った後にドアを閉めると、再びベッドへ座った。

( ^ω^)(”コンドーム買うの忘れた”
       ・・・・なんて、言ったらきっと軽蔑されるお)

よっぽど冗談で言おうかと思ったが、ぐっとこらえて胸にしまった。
ベッドに座るツンが、目をこすりながら言った。

ξ゚?゚)ξ「出るの遅くてごめんね、うとうとして寝ちゃってた」

( ^ω^)「そうかお」

ブーンはベッドの枕側に腰掛け、コップにお茶をついで飲んだ。
うとうとしていたというツンは相変わらずテレビを見ている。一向に帰る気配を見せない。

( ^ω^)(いつまでここにいる気だお・・・)

コップのお茶を飲み干しテーブルに置くと、ブーンは靴を脱いでベッドに上がり、壁によりかかった。
考えるのは今そばにいるツンのことばかり。テレビの内容なんて頭に入って来ない。

( ^ω^)(もしかして、これがOKサインってやつかお?)

そう考えたらツンの全ての行動に頷ける。
部屋に一人が怖いと偽ってブーンの部屋に一緒にいる口実を作り、
眠くてうとうとしたにも関わらず部屋に居続けるのは、”抱いて欲しい”というツンのOKサインなのではないか。

(*^ω^)(ツンと・・・・ツンと・・・・・)

よからぬ妄想がブーンの脳内をかけめぐる。
自然に体中の血液が一点に集中していく。

( ^ω^)(あっ)

(;^ω^)(やばいお!ちんちんおっきしてきたお!!!!)

ブーンのそれは、ズボンの下で存在を主張していた。
お願いだから落ち着いてくれ、というブーンの願いとは裏腹に、それはどんどん大きくなっていく。
ツンに見られたらまずい。ブーンは枕を抱くふりをして、さりげなく股間を隠した。

(;^ω^)(生き地獄だお・・・・)

もう泣いてしまいたいくらいに耐えがたい状況だ。
ブーンの分身は衰えることなく、完全な状態を維持し続けている。

それでもブーンが理性を失わないのは、ツンを大切な友達だと思う以上に、
ツンの過去の出来事がブーンを抑制しているからだ。

( ^ω^)(ツンは人並み以上に男に対しての警戒心が強いお。
      そんなツンが俺の部屋に来たってことは、俺に心を許しているからで、
      男として見ていない証拠だお・・・)

そう考えたところで、ブーンのものが少しずつ勢力を失っていく。
ツンと一線を越えてはいけない。ツンに劣情を抱くのは、ツンを裏切ることと一緒だ。

ふとツンの方を見ると、眠たいのか目がうつろになっている。
今の自分のそばにツンをおいておく訳にはいかない。もし自分を見失ってツンを無理矢理抱いてしまったら、
ツンの心の傷をえぐってしまう事になるだろう。

ツンを、大切にしたい。

( ^ω^)「ツン、寝るなら部屋に戻るお」

ξ-?-)ξ「うん・・・わかった」

( ^ω^)「送っていくかお?」

ξ-?-)ξ「大丈夫・・・一人で・・・・」

ツンはそう言うとふらりとベッドを立ち上がった。
ブーンもベッドから降り部屋のドアを開けてやると、ツンはおぼつかない足取りで部屋を出た。

ξ゚?゚)ξ「じゃ、おやすみ」

( ^ω^)「おやすみだお」

ブーンはツンが部屋に戻るのを確認する前にドアを閉め、ベッドに倒れこんだ。

これで良かったのだ。例えツンがブーンに抱かれるのを望んでいたとしても、
今の自分にはツンの心の傷を一緒に背負うことなどできない。
荷が重い。ツンを受け入れる覚悟が、自分にはまだない。

ブーンは、ツンに恋愛感情を抱く前に性的興奮をしてしまったことをひどく後悔した。
所詮自分も男ということか。本能とはいえ勃起してしまったことに憤りを感じた。

( ^ω^)「俺は最低だお・・・」

部屋にはツンの香水の香りがまだ残っている。
ブーンにはその香りが媚薬のように感じた。

ブーンのものが再び急激に大きくなる。
びっくりして股間をおさえると、手に固い感触がした。こんな状況で、体はどうして正直なものか。

(;^ω^)「おおおおおおおおおお」

ブーンはわけがわからないまま性器をものごい勢いで刺激した。
そして絶頂に達し果てた時、どうしようもなく鬱々とした感情がブーンを襲った。
射精後の倦怠感が、それを一層強いものにさせた。

( ;ω;)「おっおっおっ・・・」

ただ何も考えず、大きくなった性器を無我夢中で刺激しただけ。
しかし何故だろう、ツンに対しての罪悪感が強いのは・・・。

ツンを友達として大切にしたいと思っているのに、自分はなんて情けないのだろうか。
これではツンを襲った奴と変わらない。所詮自分も男だということなのだろうか。
頭の中がぐちゃぐちゃだ。考えれば考えるほど、今まで感じた事のない黒い感情がブーンに重くのしかかる。

それでも、ツンの笑顔を大切にしたい。何よりもツンの近くにいたい。
その思いが強くなるたび、ブーンは罪悪感に蝕まれていった。

ピピルピルピピ~♪

( -ω-)「ん・・・」

翌朝、ブーンは携帯の着信音で目が覚めた。
ねぼけまなこで携帯電話の画面を見ると、ツンからの着信だった。

ピッ
( -ω-)「はいお」

ξ゚?゚)ξ「あ、おはよー」

ツンの少し鼻にかかった声が受話器越しに聞こえた。
どうやらツンも寝起きらしい。

ξ゚?゚)ξ「ごめん、まだ寝てたでしょ?」

( ^ω^)「大丈夫だお。何だお?」

ξ゚?゚)ξ「うん、ホテルの朝食が8時半までだから、そろそろ行った方がいいと思って。
      あんたも行くでしょ?」

部屋の時計を見ると、7時を少し過ぎたところだった。
昨日の疲れが完全に取れておらず体が少しだるかったので、もう少し寝ていたいとも思ったが、
ツンがわざわざ早めに起きて声を掛けてくれたのだ。好意を無にする理由はない。

( ^ω^)「俺も行くお」

ξ゚?゚)ξ「よかったー。一人じゃ心細かったのよね。
     じゃあ7時半くらいにあんたの部屋に行くから準備しといてよ」

( ^ω^)「おk」

ツンとの電話を切り、ブーンは思いっきり背伸びした。
レースカーテンから差し込む朝日が眩しい。今日もいい天気になりそうだ。

一泊二日の旅行の最終日。今言うのも変だが、あっという間に時間が過ぎた。
ツンともっと旅行していたい。何日も。

7時半を少し過ぎたところで、ツンが迎えにきた。
ツンは、少しレースがついたベージュのチュニックワンピースとピンクブラウンのカーディガンに細身のグレーのジーンズをあわせたコーディネートで現れた。

二人はエレベーターに乗り、1階のフロントの奥にある小さなレストランへ向かった。
スタッフに朝食券を渡し、窓際の席を確保した。
朝食はバイキング形式で、数種類の焼きたてパンと、コーヒー、オレンジジュース、
そしてスクランブルエッグ、ウィンナー、サラダというオーソドックスなメニューだった。

ブーンがカップにコーヒーをついでいる隣で、ツンがオレンジジュースをつぎながら
よくそんな苦いもの飲めるわね、と悪態をついてきた。
ブーンが”大人の味はお子様にはわからないお”と言うと、ツンがむきになって反論してくるのが楽しかった。

そして適当にパンを選び、サラダなどを皿に盛り、席についた。

ξ゚?゚)ξ「では いただきます」

( ^ω^)「いただきますおー」

二人で手を合わせておじぎをする。
ツンといるうちに、自分もクセになってしまったようだ。

ξ゚?゚)ξ「私、半熟の卵大っっ好き!」

そう言ってツンはケチャップの乗ったスクランブルエッグを嬉しそうに頬張った。
ブーンは、ツンが美味しそうにご飯を食べる姿を見るのが好きだった。

( ^ω^)「ところで今日はどこに行くお?」

ξ゚?゚)ξ「うーん、どこって言ってもあんま千台知らないしねー。
     ご飯食べるとこしか調べてないからよくわかんないんだよなぁ」

( ^ω^)「ちょっと遠いけどペニーランドはどうかお?」

ξ゚?゚)ξ「それって遊園地だっけ?」

( ^ω^)「そうだお」

ツンはフォークをもったまま真顔で何か考え始めた。そして、

ξ゚?゚)ξ「歩き疲れてるから遊園地はいい」

( ^ω^)「そうかお」

ツンはウィンナーを口にしながら、再び何か考え始めた。
ブーンも、お皿にてんこ盛りになってるパンをほおばった。

( ^ω^)「パンうめえwwwwwwwwwwww」

ξ゚?゚)ξ「今日も買い物する!」

ようやく考えがまとまったのか、ブーンがパンに舌鼓をうってる時に急に話し掛けた。

( ^ω^)「わかったお。じゃあ、ツンが気になってたワンピースを見にまたポーラスに行くかお?」

ξ*゚?゚)ξ「行く!!!!!」

ツンが目を輝かせて言った。
いつもはキツイ言葉ばかりのツンが、今回の旅行ではやけに素直になったように感じる。
言動もいつもよりやわらかいようだ。

今日も、適当に街を歩いてウィンドウショッピングをすることになった。
あえてしっかりした予定を決めずに、気ままに散策するのが二人の性にあっていた。

( ^ω^)「チェックアウトは10時だけど、何時にここ出るお?」

ξ゚?゚)ξ「じゃあ10分前くらいにあんたの部屋に行くことにする」

( ^ω^)「朝は一緒に過ごさないのかお?wwwwww」

ξ゚?゚)ξ「過ごさないわよ!私だってやることがあるのよ」

朝食を食べ終え、二人はそれぞれの部屋に戻った。

( ^ω^)「お腹いっぱいだお。パン食べ過ぎたお」

ベッドに横になり時計を見ると、まだ8時半になる前だった。
テレビをつけ、朝のニュース番組をBGMに、ブーンは帰り支度を始めた。

昨晩の出来事がブーンの脳裏をよぎる。
色々考えたが、ツンの傷を、友達として見守ってあげる事ならできる。
そう考えたら、心が少し軽くなった。
自分にもできることがあるのだ。

約束通り、10時にはる10分ほど前にツンはブーンの部屋を訪れた。
二人はホテルをチェックアウトし、駅に向かった。そしてコインロッカーに荷物を入れ、
昨日に引き続き千台の街を散策した。

ツンが気になっていたワンピースは、それが最後の一着だという店員の一言で、意を決して購入した。
少々高かったが、ツンは満足気にそのショップの袋を抱えていた。
そしてブーンも、同じビルに入っているメンズのセレクトショップで財布を購入した。
予てから買い替えたいと思っていたので、ちょうどいい機会だった。
そしてアーケードをぶらぶらと歩き、お腹がすけば目についたレストランで食事をし、
また歩き、疲れたらカフェで一休みをした。
その間、昨日の疲れがあるにも関わらず二人は楽しく会話し続けた。
ブーンは、はたから見れば二人は恋人同士に見えるだろうか、と何度か考えた。

午後5時になる少し前。
駅でお土産を買い込み高速バス乗り場に向かうと、既にバスが着いていた。
二人は運転手にチケットを渡し、半券を受け取って指定の席についた。

ξ゚?゚)ξ「はー、歩きっぱなしで疲れたねー」

( ^ω^)「喋りすぎて喉がガラガラだお」

荷物を網棚に乗せ、椅子に座って思いっきりのびる。

ξ゚?゚)ξ「つーかあのアーケードにあるコスメショップの店員うるさかったねー」

( ^ω^)「ちょっと失礼だったお」

ξ-?-)ξ「”お肌が疲れてらっしゃいますね”なんていきなり言われて、買う気にならないっつーの」

( ^ω^)「そう言うあの店員さんの方がよっぽど肌汚かったおwwwwww」

今日起こった事を二人で思い返している間に、バスは出発した。
楽しかった旅行ももうすぐ終わる。地元に着きバスを降りてツンと別れれば、またいつもの日常に戻る。

ξ-?-)ξ「帰りたくないなぁ」

ふとツンがもらした言葉に、ブーンも同意した。

( -ω-)「まだ千台にいたいお。やっぱり都会はいいお」

いけないと思いつつも、ついつい会話が愚痴っぽくなってしまう。
なんだか、どっと疲れが襲ってくるようだ。

ξ-?-)ξ「うーだめだ。寝ちゃいそう」

( -ω-)「俺も疲れたお。帰りはゆっくり寝ることにするお」

座席を少し倒し、ねぼけた声でおやすみ、と言い合い、二人は目を瞑った。
よっぽど疲れていたのだろう、二人はすぐに眠りについた。

バスが1時間ほど走ったところで、バスは一旦サービスエリアで休憩に入った。
それを知らせるアナウンスと、周りの人の話し声でブーンは目が覚めた。

( -ω-)「ん・・・・」

すっかり寝入ってしまった。今まで車内で眠るなんてことがなかったから、
体に少し違和感を感じた。
しかし、それ以上に何やら右肩が重い。
ゆっくり目を開けると、そこにはツンの顔があった。

(;^ω^)「ちょwwwwwツンwwwwwwww」

ツンはすやすやと小さな寝息を立てていた。

( ^ω^)(動いて起こすのも悪いけど・・・
      このままだと寝違えて首が痛くなるお)

( ^ω^)「ツン、起きるお、首痛くなるお」

ブーンはツンの耳元で小さな声で話し掛けた。

ξ-?-)ξ「んー・・・」

ツンは少し反応したが、完全に目が覚める事はなく、そのまま再びすやすやと寝始めてしまった。
ブーンは仕方なく、ツンの肩を抱いて席に戻そうとした。

ξ-?-)ξ「ん・・・」

ツンがまた少し反応した。今度は少しだけ目を開けた。

( ^ω^)「ツン起きたかお?体勢を・・・」

ξ-?-)ξ「・・・・・」

ツンは再び目を瞑り、今度はブーンの膝元にゆっくり倒れこんだ。
ブーンがツンを膝枕する体勢になった。

(;^ω^)「ちょwwwwwwwwwツンwwwwwwwwww」

ツンはまたすやすやと寝息を立てて寝始めた。

(;^ω^)「いくらなんでも寝ぼけすぎだお」

そういえば、以前用事があって深夜にツンに電話をかけた時、長いコールの後電話に出たツンが
”本日のラストオーダーは終了致しました”とねぼけた声で言った直後に電話が切れたことがあった。
翌日ツンにその話をしたら、ツンはブーンから電話がきたことすら覚えていないということがあったのだ。

ブーンの膝の上で、ツンはぐっすりと眠っている。
思わず触れたくなるほど艶やかな長い髪を見つめている時、ブーンは体に異変を感じた。

(;^ω^)「ちょwwwwwwwwwwwwwww
      ちんちんおっきしたおwwwwwwwwwww」

ズボンの股間の部分が固く盛り上がり、痛いくらいにパンパンに膨れ上がっている。
一日中歩いて疲れたせいか、それともツンが自分の膝の上で寝ているからなのか。
それにしても、どうしてこんなに体は正直なのだろう。

(;^ω^)(自分が嫌になるおwwwwww)

ツンの顔がこっちを向いていないのがせめてもの救いだった。
もしこの状態でツンが目が覚めたら、なんて言い訳をしたらいいか、全く思い浮かばない。

やがてツンが再びねぼけ半分で最初の位置に戻るまで、
ブーンは身動きができない状態が続いた。

数時間後、バスは無事目的地に到着した。
二人が荷物を持ってバスを降りると、眼前に見慣れた地元の街の風景が広がった。
無事帰ってこれて良かった、という安堵感よりも、現実に引き戻される不安感の方が大きかった。

バスの中、ブーンの膝枕で寝ていたツンはというと、
あれから一時間ほどあの体勢で眠った後に目を覚まし、無言のまま
元の体勢に戻り、再び眠った。
そして20ほど経った後に再び目覚め、今度は完全に起きたようで、ジュースを一口飲んだ後に
”今どこ?”とブーンに尋ねた。
ツンは、ブーンの膝枕で寝ていたことを全く覚えていないようで、今は何食わぬ顔でブーンの隣にいる。

ξ゚?゚)ξ「あー、帰ってきちゃったねー。もっと千台にいたかったなー」

ツンは名残惜しそうな表情でバスを見つめていた。

( ^ω^)「千台楽しかったお。また行きたいお」

ξ゚?゚)ξ「そうだね・・・」

( ^ω^)「ところでこれからどうするお?もう帰るかお?」

ξ゚?゚)ξ「うーん、どうしようかな」

( ^ω^)「ご飯食べてから帰らないかお?」

ξ゚?゚)ξ「もうそんな時間かー。いいわよ」

二人は近くのファミレスに入って食事を取った。そして1時間半後、二人は別れた。

( ^ω^)「ただいまだおー」

二日ぶりの我が家への帰宅。家の懐かしいにおいが鼻をくすぐる。
すごく心が落ち着くのを感じる。やはりなんといっても自分の家が一番だ。

J(‘ー`)し「ブーンおかえり」

( ^ω^)「かあちゃん、お土産だおー」

J(‘ー`)し「あら何かしら?」

母がお土産の入った紙袋の中を見ている間に、ブーンはバッグの中の洗濯物を洗濯機に放り込んだ。
リビングの方で母が嬉しそうにお土産のパールのピアスを眺めているのを見た後に、
洗濯機のスイッチを押し、2階の自分の部屋に行って部屋着に着替えた。

J(‘ー`)し「千台はどうだった?楽しかった?」

( ^ω^)「楽しかったお!チェミかっこよかったお!」

ブーンはその日夜遅くまで、母に千台での思い出話を聞かせた。
母はブーンの話を、ただ黙って嬉しそうに聞いていた。

3日後の水曜の夜、ブーンはドクオのバイト先のホーソンを訪ねた。

( ^ω^)「ドクオーお土産だおー」

ブーンがお土産の入った紙袋を差し出すと、ドクオはあからさまに嫌そうな顔をした。
口元がいつにも増して歪んでいる。

('A`)「お前、まさか荻の月とか言わねぇよな?」

ドクオが差し出された紙袋を、少し身をひいて嫌そうな目で見つめる。
ブーンは、そういえばドクオは荻の月が嫌いだったんだっけ、と思った。

(;^ω^)「いちおうアヌメイトで買った咲代のフィギュアだお・・・」

('A`*)「マジで!?サンキュー!!」

ドクオは紙袋を奪い取り、早速箱を開封し始めた。

(;^ω^)「ちょwwwwおまwwww仕事中だおwwwwwww」

('A`*)「やっぱパンツは白と水色のしましまだよな」

咲夜のフィギュアを下からの角度で眺めるドクオを見ながら、ブーンは
いっそのこと荻の月を押し付ければよかった、と思った。

('A`)「ところで、どうだった?」

( ^ω^)「千台楽しかったお!チェミかっこよかったお」

('A`)「そうじゃなくて」

( ^ω^)「?」

('A`)「ツンがさ」

(;^ω^)「!?」

急にドクオの口からツンの名前が出たからびっくりした。
なんて答えて良いか分からず、ブーンはただドクオの顔を見ていた。

('A`)「久々に会ったんだろ?なんか変わりなかったか?ってこと」

(;^ω^)「ああ・・・・別に変わりなかったお」

ブーンの脳裏に、バスの待合室に現れたツンの姿が浮んだ。
本当はツンはずっと大人っぽくなっていた。しかしブーンは、そんなツンを知っていることをなんとなく隠した。
ドクオの知らないツンを知っていたかった。

('A`)「ふーん。あいつももう3年生じゃん?進路はどうなってんの?」

(;^ω^)「・・・・・・・・・・知らないお」

('A`)「はぁ?お前ら一体何の話してたわけ?」

そう言われれば、ツンももう高校3年生だ。そろそろ進路をどうするか考えがまとまっていなければならない。
しかし、そんな話はツンとはしなかった。
あんなにたくさん会話をして盛り上がっていて、ツンのことでは知らないことはないと思うくらいたくさんお喋りしたのに、進路については1回も話題に出なかった。
それどころか、自分の今の職業についても聞かれなかった気がする。
聞き漏れはないと思うくらい会話をしたと思っていただけに、ブーンは少しショックを受けた。

('A`)「まぁ別にいいけどね」

ドクオは咲代のフィギュアを大切そうに箱にしまい、レジの後ろのカウンターの上に置いた。

ブーンはペットボトルのお茶を買い、ホーソンを出た。
実はドクオに話していないことがもう一つあった。それは・・・

ピピルピルピピ~♪

( ^ω^)「・・・・」
ピッ

『from:ツン
 件名:
 本文:今日もバイト疲れたー。
     ところで、駅で買った牛タン食べた?
     すっごくやわらかくて美味しかったよ 』

(*^ω^)「♪」

卒業式以来、ツンからチェミストリーのチケットの件で電話が来るまで一切連絡を取り合っていなかった二人だったが、
千台から帰って以来、毎日メール交換をするようになっていた。
しかも一日一通ではなく、最低でも四通くらいはやりとりしている。
今までもメールのやりとりはしていたが、以前にも増して頻繁にメールを送りあっている。
ブーンは、何かあればツンに真っ先にメールしようと思ったし、何もなくてもメールを送った。
きっとツンも同じ気持ちなのだろう。

すでに次に会う約束もしてある。
2日後の金曜日、ツンが学校が終わってからカラオケに行くことになっているのだ。
ブーンはその日が楽しみで仕方がなかった。
その気持ちが、余計にツンへのメールの本数を増やした。

2日後。ブーンは午前中にほした洗濯物を取り込んだ後、午後3時くらいに家を出た。
待ち合わせ場所の駅まではバスと徒歩で30分ほどでつくが、
途中本屋やCDショップに寄ったりしてゆっくり向かおうと思ったのだ。
そういえば、卒業以来一人でゆっくり街を歩くのは初めてかもしれない。
街頭の木々の鮮やかな新緑とそこに吹く爽やかな風は、まるで心がリフレッシュするようだ。

本屋に寄り週刊誌を立ち読みし、CDショップに入り新人アーティストの曲を試聴したりした後に待ち合わせの駅に向かい、
約束の4時半には駅前のベンチで缶コーヒーを飲みながらツンが来るのを待った。

約束の時間を5分ほどすぎたところで、遠くからツンが走ってくるのが見えた。
駆け足でブーンの元へ駆け寄る。ツンの制服姿を見るのは卒業式の日以来だ。

ξ;゚?゚)ξ「遅くなってごめん!帰りのHRがいつもより長引いちゃって・・・」

( ^ω^)「大丈夫だお。カラオケは5時からの予約だお」

ξ゚?゚)ξ「じゃあゆっくり行っても間に合うね。
     ちょっとジュース買って行ってもいい?」

( ^ω^)「じゃあ途中のミミストップに寄るお」

二人はミミストップに寄ってジュースを買い、雑誌を立ち読みした後、カラオケに向かった。
そこは、駅の近くにあり料金設定が安いことから以前からよく二人で利用していた。
いつもの機種を指定し、部屋に入る。

ξ゚?゚)ξ「ここ来るのも久々だねー」

( ^ω^)「前はよく二人で来てたお」

ツンはソファに座り、バッグからジュースを取り出す。
ブーンはテーブルの上に置いてある食事のメニューやカラオケの料金表を隅にひとまとめにして置く。
ブーンは、テーブルの上が散らかったままの状態が好きではなかった。よくこまめにゴミを片付けたりする。
一方ツンもブーン同様、あまり散らかっているのは好きではなかったが、ブーンが過剰なまでに片付けてくれるので
すっかり任せっきりにしていた。

(;^ω^)「ツンは本当にA型かお?」

ξ゚?゚)ξ「うちは父がOで母がABだからね。色々混ざってるんじゃない?よくわかんないけど。
      それより、O型って意外にきれい好きなのね」

( ^ω^)「うちは両親ともOで、二人ともおおざっぱだけどきれい好きだお」

ツンはふーん、と相槌をうちながら、カラオケのリモコンをブーンに差し出した。

ξ゚?゚)ξ「じゃあ、はい、あんたから歌って」

( ^ω^)「ちょwwwwなんでいつも俺からだおwwwwww」

ξ゚?゚)ξ「こうゆうのは年上から歌うもんなのよ!」

またツンのわけのわからない屁理屈が飛び出した。
しかしこんなことは日常茶飯事なので、ブーンは軽く流しながら仕方なしに毎回先に曲を登録していた。

ξ゚?゚)ξ「ちょっと、飛来ケン歌ってよ」

( ^ω^)「わかったお。じゃあツンはまやや歌ってくれお」

ξ゚?゚)ξ「え?やだ」

(;^ω^)「・・・・・・・・・」

ツンはブーンにいつも曲のリクエストをしてくれるが、
ブーンがリクエストする曲はツンはいつも歌ってくれない。
ツン曰く、そういう気分ではないそうなのだが、何度突っぱねられてもブーンは歌って欲しい歌があればリクエストした。
20回に1回くらいの確率で歌ってくれることもあったので、油断禁物だった。

ブーンはとても不思議な感覚に陥っていた。

二人でカラオケに来るのは今まで何度もある。
しかし今日は、今までとは違ってものすごく楽しいというか・・・。
今までももちろん楽しかったのだが、それとは違って、もっとアドレナリンとかなんとかの興奮物質が脳内に溢れてるような、
そんな状態だった。

ツンに対しても、今までとは全く違った感情が芽生えている。
それは恋愛感情とかではなくて、もっともっと大切な何かだと思うのだが、
ブーンにはそれを上手く説明することも表現することもできなかった。

隣で楽しそうに歌うツンを見て、ブーンはツンと同じ気持ちになりたいと思うと同時に、
ツンも自分と同じ気持ちであって欲しいと思っていた。

ξ゚?゚)ξ「なんか久々に楽しかったー!」

二人は、駅前のバス停にあるベンチに座っていた。
駅の明るい照明が暗い夜道を照らしているが、そこにいる人はまばらだった。
仕事帰りのサラリーマンや、部活帰りのジャージ姿の高校生がいるくらいで、その市の中心駅とは思えないくらい閑散としている。

( ^ω^)「カラオケ久々だったお」

ξ゚?゚)ξ「そうだねー。私も久々だった。
      あんたが卒業してから、一緒に行く人いなくなったもん」

そう言いながらツンは携帯の画面を見ている。

ξ゚?゚)ξ「バス来るまであと15分か・・・」

相変わらずのバスの本数の少なさを実感する。
一時間の本数が一番多い路線では5~6本は出ていたが、
ツンが通学に利用するバスの路線は、通勤や通学など利用者が多い時間帯は一時間に2~3本で、
基本的には一時間に1~2本しかバスがない。
また、ブーンの利用する路線も同じような状況だった。

ξ゚?゚)ξ「千台行った時はあんなにバスも電車もあったのにねぇ」

( ^ω^)「やっぱり田舎とは違うお」

爽やかな夜風がロータリーの中心に聳え立つ大きな木の葉を揺らす。
車の通りも少ない。駅前だというのに、電車の発着を知らせるアナウンスが聞こえる以外は静まり返っている。

( ^ω^)「良ければまた遊ばないかお?またカラオケ行きたいお」

ξ゚?゚)ξ「いいねー、分かった。じゃあまたメールする」

( ^ω^)「ゲーセンも行きたいお。ドクオは完全に夜型になったからなかなか合わないんだお」

ξ゚?゚)ξ「そういやドクオは元気なの?」

( ^ω^)「元気そうだったお。こないだお土産渡しに行ったお」

ξ゚?゚)ξ「ああ!アヌメイトで買ったあの人形ね!喜んでた?」

( ^ω^)「すごく喜んでたお」

ξ゚?゚)ξ「どうせスカートの中覗いてたんでしょ」

(;^ω^)「その通りだお」

ξ゚?゚)ξ「かわんないねードクオ」

ツンはふふっと笑って空を見上げた。
そこには晴れ渡った夜空が広がり、一等星だけが浮き上がって存在を示している。
ブーンも同じように空を見上げた。

小さな星から大きな星、明るい星から、輝きの小さい星・・・。
今自分が目にしてる星以外にも、この夜空には星が数え切れないくらいたくさん瞬いているはずなのだが、
ここでは、一番明るく大きな星しか目にする事ができない。
それは、今のブーンの状態と同じだった。
生まれてきてから今まで、数え切れないほどの人と出逢ってきた。クラスメイトや生徒会役員を始め、一度しか会わなかった人や、毎日顔を合わせても一言も声を交わす事のなかった人、ただすれ違うだけの人。
こんなにたくさんの人と出逢ってきたが、今の自分の目に一番写るのは、今隣にいるツンである。
ツンが一番光り輝いて見え、まばゆすぎて見失いそうな錯覚にさえ陥る。
ツンと自分の関係をなんとしてでも繋ぎとめておきたい。ずっと。

( ^ω^)「ツン、また機会があったら千台行かないかお?」

ξ゚?゚)ξ「そうだねー。今度はお金いっぱい貯めて、服買いまくりたい!!」

無邪気に笑うツンに引き込まれそうになる。
時間が止まればいいと、初めて思った。

ξ゚?゚)ξ「あ、ようやくバス来た」

定刻通りにツンのバスがやってきた。停留所に停まり、バスの後方のドアが開いた。
ツンはバスに乗り込み、振り返ってブーンに軽く手を振る。

ξ゚?゚)ξ「じゃーまた」

( ^ω^)「ばいぶー」

ドアがしまり、バスは走り出した。
ブーンはそのバスが見えなくなるまで目で追い続けた。

翌日の土曜日、ブーンの家にギコが迎えに来た。
ブーンはいつものようにギコの車の助手席に乗り込んだ。

(゚Д゚)「よおー久し振り。どうだった?千台は」

( ^ω^)「楽しかったおwwwwこれお土産だお」

(゚Д゚)「え?そんな、気つかわなくていいのに・・・」

( ^ω^)「お休みくれたおかげで行けたお。受け取って欲しいお」

(゚Д゚)「サンキュー。会社着いたら早速開けてもいいか?」

( ^ω^)「おkwwwwww」

10分ほど車を走らせ、微糖園の事務所に到着した。
事務所の入り口にあるタイムカードを押して中に入り、作業着をはおる。
ギコは窓際のソファーに腰掛け、ブーンからもらったお土産の中身を取り出す。

(*゚Д゚)「おわあああああああああああああああ
    チェミのライターじゃねーか!!!!!!!!!」

それは、ブラックのボディに、チェミストリーのロゴがシルバーで箔押しされているライターだった。

(;^ω^)「zippoじゃなくてごめんお」

(*゚Д゚)「いいんだよ、別に高いのじゃなくて。
    つーかこれ超イカす!かっこいい!」

( ^ω^)「パンフレットは売り切れて買えなかったお」

(*゚Д゚)「普段使えるやつのほうがいいよ!マジでサンキュー」

ギコは相当嬉しかったようで、ライターを色んな角度で眺めては、
すげぇ、これすげぇ、と歓声をあげる。

(*゚Д゚)「これでタバコなんて吸っちゃったら、ドラッグ以上にイッちまうぜ」

そう言ってギコはズボンのポケットからタバコを取り出し、火をつけようとした。

川`~`)||「ギコさん!事務所内は禁煙ですよ!!」

(;゚Д゚)「えっ?ああ、わかってるよ」

事務のかおりに注意され、ギコは慌ててタバコをしまった。

(゚Д゚)「さっ、そろそろ行くかー」

ギコはソファから立ち上がり、作業着のファスナーをとじる。
そしてトラックの鍵を持ち、事務所を出た。
ブーンもその後に続き、ドリンクを積んだ後、補充へと向かった。
移動中の車内では、チェミのコンサートの話題で持ちきりだった。
ギコは興味深そうな表情で、うん、うんと聞き入り、時折歓声を上げた。

ツンとは、バイトがない放課後はカラオケに行ったり、
ツンがバイトの日は、バイト先まで迎えに行ってご飯を食べたりと、会う機会を重ねていった。
もちろん毎日のメールを欠かすことがなかった。

(゚∋゚)「ツンちゃんさっきは災難だったね・・・今日はあがっていいよ」

ξ゚?゚)ξ「いえ・・・お疲れ様でしたー」

ツンは少し気落ちした様子でロッカールームへ入り、自分のロッカーの鍵を開けた。

ξ#-?-)ξ「あの客マジでむかつく・・・」

この日、ツンはラストオーダー間際に来た若い男二人組みの客に、しつこく声をかけられた。
最終的に店長のトリィが接客に回ったが、非常に不愉快な思いをしたのだ。

ξ#゚?゚)ξ「怒りがおさまらない・・・」

ツンはバッグから携帯を取り出し、すぐさまブーンにメールを送った。

ξ゚?゚)ξ(”今日男の客にしつこく声かけられてすごくいやだった”・・・と)

メールを送信し、ツンは制服を着替え始めた。
少し経って、ブーンからの返信がきた。

『from:ブーン
件名:
本文:可愛いこはナンパされやすいお。
   気を取り直してツンも一緒にブーンするお』

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・・・」

”気を取り直して一緒にブーン”というのは、ツンが落ち込んでいたり気分が良くない時にブーンがつかう励ましの言葉だった。
今まで何度言われただろうか。逆にブーンの様子がいつもと違う時には、気を取り直してブーンでもしなさい、とツンが声を掛けたものだ。

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・」ピッピッ

『To:ブーン
件名:
本文:わかった。じゃあブーンして帰る(笑)』

ξ゚?゚)ξ(送信・・・と)

携帯をバッグに入れセーラー服に着替え、ロッカールームを出た。
タイムカードを押して外に出ると、冷たい風が吹いていた。5月とはいえまだ肌寒い。

ツンは、最近のブーンとの関係に違和感を感じていた。
千台から帰ってから、ブーンが自分に接するときの態度が今までとなんとなく違う気がする。
そして、自分のブーンに対する気持ちも、徐々に変化してきた。

ツンはさきほどブーンからきたメールを読み直していた。

『from:ブーン
件名:
本文:可愛いこはナンパされやすいお。
   気を取り直してツンも一緒にブーンするお』

ξ゚?゚)ξ(”可愛い”なんて、今まで一度も言った事なかったのに・・・)

もちろん自分のことをそう言ってくれて素直に嬉しい気持ちはあるのだが、
ブーンに言われるのは、この関係で言われるのは何か違う気がする。
上手く言えないけど・・・。

最近ブーンのことばかり考えるようになった。
出会ってから今までのことは勿論、仲違いした時のことや、卒業式でのこと。
そして、旅行でのこと・・・。
授業中やバイト中も、思い出してはニヤニヤしてしまう。
ブーンといた日々が、とても楽しいものになっている。

しかしツンはその気持ちを押し殺した。
ブーンは友達だ。大切な男友達だ。きっと仲が良すぎてこんな気持ちになってるんだ。
そう考えるようにしていた。

ξ゚?゚)ξ(大体あいつと私なんて釣り合わないわよ・・・!身長差もあるし、
     私みたいな性格の女がブーンと付き合ったところで、彼氏を尻に敷いてるみたいに思われるのも嫌だし、
     第一ジョルジュ君との仲を取り持ったあいつと付き合うなんてなんか変な気が・・・・)

ξ;゚?゚)ξ(・・・・・・・・・・ん?)

ξ///)ξ(つーか何考えてるの私・・・・)

ブーンのことを考えては先走ってしまう。
勝手に脳内で暴走しては、自爆する。ツンは最近考え事をしてると、こんなことばかり繰り返していた。

もしかして、自分はブーンのことが好きなのではないか、と最近思い始めた。
ブーンからメールが来ればすごく嬉しいし、ブーンに会うと何故か胸がドキドキするし、
何よりも一緒にいるのがものすごく楽しい。
ブーンに対してこんな感情を抱くのは初めてなので、ツンは戸惑っていた。

ξ;-?-)ξ(違う・・・好きとかそんなんじゃない。
      ただ一緒に一泊で旅行に行ったから、ちょっと気持ちが舞い上がってるだけだ。
      こんな気持ち、多分長続きはしない。きっとすぐ冷めるはず・・・・)

ツンは、一時の情熱だけで交際相手を簡単に決めるのは良くないと思っていた。
なぜなら、ジョルジュに恋愛感情を抱く前に付き合い始めたからだ。
ブーンが取り持ったから、というのもあるが、ツンはジョルジュを使って賭けたのだ。
消えない過去を持っている自分だが、男性と付き合っても意外に平気かもしない。
機会があればあのことを話してもいいが、隠したまま付き合い通せれば、それはそれでいいかもしれない。

そんな気持ちでジョルジュと付き合い始めたが、やがてツンはジョルジュのことを本気で好きになった。
しかし根底にある自分の気持ちが、自分もジョルジュも苦しめた。
打ち解けているように見せかけて壁を作っている自分に、ジョルジュは悩んだに違いない。
ジョルジュに一歩踏み出せなかったせいで、結局ジョルジュの気持ちは他に移ったし、自分もジョルジュを信じることができなかった。

付き合うなら、全て見せられる人がいい。ありのままの自分を受け止めてくれる人がいい。

そう考えると、今の状態でブーンのことを好きだと確信するには判断材料が少ない気がした。
うわついた気分のまま、もし付き合うことになっても、長続きしない気がする。

ξ-?-)ξ(・・・って勝手に考えても仕方ないか)

自宅までの道を歩いている時、ツンの携帯がなった。

ピルル~

『from:ブーン
件名:
本文:無事に帰れたかお?』

ξ*゚?゚)ξ「・・・・」

色々考えてはいるが、メールがくれば嬉しいことには変わりはない。
ツンは”ただいま。無事帰宅しました。”と打ち、送信した。

ξ゚?゚)ξ「晩御飯何にしようかなー」

冷蔵庫を開け、食材を確かめる。ナスと豚挽き肉が入っているから、トマトソースとあわせてパスタにでもしよう。
手馴れた手付きでソースを作り、パスタをゆでてお皿に盛り付ける。
最後にバルメザンチーズを振り掛けて、完成。
今日も一人っきりの食卓だ。

リビングのテレビをつけ、携帯を見るとブーンから”晩ご飯はハンバーグだったお”とメールがきていた。
ツンは”うちはナスと豚挽き肉のトマトソースパスタです”とメールを送った後、一人夕食を取り始めた。

今日は宿題がないから、ゆっくりお風呂に入ろう。
食事を取り終え、ぼーっとテレビを見ていると、ブーンからメールがきた。

『from:ブーン
件名:
本文:うまそうだおwwww俺も食べたいお。
   今度作ってくれお              』

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・・・・・」

最近、あきらかにこちらに好意を持っていると思わざるを得ないメールが多くなった。
ブーンは今までこんなメールを送ってくれたことはなかった。
考えるたびに否定してきたが、ブーンは自分のことが好きなのでは・・・?

ξ;゚?゚)ξ「・・・・・なわけないか。自意識過剰すぎ」

すぐにメールを返そうしたが、うまく言葉が浮んでこない。

ξ゚?゚)ξ「どうせ暇だしなぁ」

ツンは電話帳でブーンの名前を検索し、通話ボタンを押した。

ピピルピルピピ~♪

自分の部屋でソファに腰掛けながらテレビを見ているところに、ブーンの携帯がなった。

( ^ω^)「・・・・ツンからだお」

ブーンはすぐさま通話ボタンを押した。

( ^ω^)「もしもしだおー」

ξ゚?゚)ξ「あーもしもしー。今何してた?」

( ^ω^)「部屋でテレビ見てたお。どうしたんだお?」

ξ゚?゚)ξ「私もテレビ見てたんだけど、暇だったからさ」

( ^ω^)「そうかお」

ξ゚?゚)ξ「ハンバーグおいしかった?」

( ^ω^)「テラウマスだったおwwwwwww
      ツンのパスタはどうだったお?」

ξ゚?゚)ξ「うん、上手く出来たから美味しかったよ」

( ^ω^)「うはwwwwうまそうwwwwww食べたいおwwwwwwww」

ξ゚?゚)ξ「いつも晩御飯一人だからねー。今度食べに来る?w」

(*^ω^)「ktkrwwwwwwww」

心がくすぐったくなるような会話が続く。
お互いの気分の高揚が手に取るように分かるほど、会話ははずんでいる。
電話がこんなに楽しいと思ったことがあっただろうか?

( ^ω^)「そういえば今日は大丈夫だったかお?」

ξ゚?゚)ξ「何が?」

( ^ω^)「ナンパだお」

ξ゚?゚)ξ「ああ、私はキッチンに回って、ホールは閉店まで店長がやってくれたから」

( ^ω^)「そうかお。大変だったお。
      困った時はブーンするお。俺がすぐ飛んでくおwwwwww」

ξ゚?゚)ξ「はは・・・・」

( ^ω^)「?」

ツンの様子が急に変わった。渇いた笑いを浮かべたあと、急に黙ってしまった。
何か気に触るようなことを言ってしまったのだろうか?

( ^ω^)「どうしたお?」

ξ゚?゚)ξ「ねぇ・・・・」

( ^ω^)「なんだお?」

ξ゚?゚)ξ「あんた・・・・・私のこと好きなの?」

(;^ω^)「!!!!!!!!!」

ツンの突然の質問にブーンは驚いた。予想もしない言葉に、ブーンの心臓がきゅっと引き締まる感じがした。

(;^ω^)「な、なんだお急に・・・」

ξ*゚?゚)ξ「だっ、だって・・・・」

ξ*゚?゚)ξ「なんかさ、言動とかで・・・そう思ったのよ!」

(;^ω^)「あうー・・・・・」

一瞬止まりかけた心臓が、今度はすごい鼓動で動いている。
口から心臓が飛び出すのではないかと思う程、激しく鼓動している。

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・・まぁ、私の勘違いなら別にいいんだけど・・・・」

(;^ω^)「・・・・・」

(;^ω^)(どうしよう、今ならごまかせるお?)

( ^ω^)(・・・・・・ごまかす?何を?)

ブーンは、今までのことを思い返した。
ツンのことを大切にしたいと思ったあの気持ちは嘘ではない。

ちょっとワガママで言葉が悪くて、すぐ人をパシリに使って、
でもすごく優しくて、思いやりがあって、無邪気で、明るくて、
感情の起伏が激しくて、ちょっとのことで落ち込んで、でもすぐ元気になって、
人には言えない傷を持っていて、でもそれをほのめかすそぶりは全然見せなくて、
何より笑顔がとびきりまぶしくて―。

そんなツンに対する気持ちを一言で表すとしたら・・・・。
この言葉以外、他に思い浮ばない。

( ^ω^)「ツン」

ξ゚?゚)ξ「?何よ?」

( ^ω^)「俺は、ツンのことが好きだお」

ξ;゚?゚)ξ「!!!!」

ツンはきっと狼狽しているだろう。
しかし、ずっと自分の中であやふやにしてきた気持ちをようやく言葉にできた。

(*^ω^)「俺はツンが大好きなんだお」

ξ///)ξ「なっ・・・!別に、私に言われたからって合わせなくてもいいわよ!」

(*^ω^)「本当だお!」

ξ///)ξ「・・・・・・・・」

(*^ω^)「信じてくれないのかお?」

ξ///)ξ「だって・・・私なんて超ワガママだし、口悪いし
      こんな女のどこがいいって言うのよ」

(*^ω^)「そういうのも全部ひっくるめて好きなんだお」

ξ///)ξ「・・・・・・っっ」

(*^ω^)「もう一回言うかお?俺は・・・」

ξ///)ξ「いや!・・・・・・・いい」

(*^ω^)「・・・・・・・・」

(*^ω^)「ツンは?ツンはどう思ってるのかお?
      俺のことは、友達のままかお?」

ξ///)ξ「・・・・・・・・・・」

( ^ω^)「もしそうならそれでいいお。
      ツンはすぐに男を受け入れられないのは分かってるお」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・・・・」

( ^ω^)「ツンが望むなら、友達に戻るお」

ξ;゚?゚)ξ「・・・・・・・」

その言葉を聞いて、ツンの背筋が冷たくなった。
確かに、中途半端な気持ちでブーンと付き合っても傷つくのはブーンだし、何より長続きしない。
だからと言って、簡単に友達に戻れるのだろうか?
好きだと告白されて、”お友達のままで”と断っても、今までのような関係を続けられるだろうか?

ツンの脳裏には、友達同士という関係すら崩壊している未来が浮んだ。
例え今までの関係に戻れたとしても、友達同士ということは、お互い自由に恋愛ができるということ。
ブーンは他の女の子と付き合うことになるだろうし、ツンにも彼氏ができるかもしれない。
しかし、ツンはブーンが他の女の子と一緒にいるのを想像したくなかった。
ブーンの隣にいるのは自分であって欲しい。
今までそうだったように、これからも。

ブーンを自分だけのものにしたい。独り占めしたい。

ξ゚?゚)ξ「ブーン」

( ^ω^)「なんだお?」

ξ///)ξ「わ・・・・・わたしも・・・・・」

( ^ω^)「?」

ξ///)ξ「あ・・・・あの・・・・・・わたしも・・・・・・ね・・・・・・・」

( ^ω^)「???」

ξ///)ξ「・・・・・・・・・・・・」

( ^ω^)「ツン?」

ξ///)ξ「・・・・・・・・・・・・・・・あんた、そんなに私が好きなら」

(;^ω^)「?」

ξ///)ξ「付き合ってあげても・・・・いいわよ・・・・」

(*^ω^)「ktkrwwwwwww」

ツンにとっては、これが精一杯の愛情表現だった。
ブーンには、この素直になりきれないツンの様子が手に取るように感じられた。
ツンはなんて不器用なのだろう。
そこがまた可愛いのだが・・・・。ちょっとからかってやろう。

( ^ω^)「でも、ツンに気がないなら、無理しなくていいお」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・」

( ^ω^)「無理に付き合って欲しくないお。
      付き合うなら、俺のことを好きな人と付き合いたいお」

ξ;゚?゚)ξ「!!」

( ^ω^)「ツンの正直な気持ちを知りたいお。
      やっぱり、友達のままかお?」

ξ;゚?゚)ξ「・・・・・・・・・」

( ^ω^)(ちょっと焦ってるおwwwwwwww)

ツンの様子は、電話越しでも手に取るように分かる。
きっと、どうやって自分の気持ちをうまく隠せるか、考えているところだろう。

( ^ω^)「ツン?やっぱり、友達のままで・・・・」

ξ;?;)ξ「・・・・・・・・・・うっ・・・・」

(;^ω^)「ツン!!??」

電話の向こうで、ツンが声を殺して泣き出した。
小さく鼻をすする音が聞こえる。少しからかいすぎたようだ。

(;^ω^)「ツン、ごめんお!イタズラが過ぎたお」

ξ;?;)ξ「・・・・・・・・・・・死ねばか」

(;^ω^)「許してくれお、悪かったお」

ξ;?;)ξ「そんな、急にどうなのかとか・・・聞かれたって・・・・・・分かるわけ・・・・ないじゃない・・・」

(;^ω^)「ツンもさっき”私のこと好きなの?”って聞いたお・・・」

ξ;?;)ξ「そうだけど・・・・」

(;^ω^)「ごめんお・・・・俺が悪かったお・・・泣き止んで欲しいお」

ξ;?;)ξ「・・・・・・・」

ξ-?-)ξ「・・・・・・・・・・」

ξ゚?゚)ξ「私があんたなんかの為にに涙流すわけないでしょ!!!」

(;^ω^)「ちょwwwww」

ξ#゚?゚)ξ「あんたねー、そんな意味わかんないことして!
     余計信じられなくなったわよ!!」

(;^ω^)「あうー」

ξ゚?゚)ξ「なんか証明してよ!私のこと好きだっていう証明!!」

(*^ω^)「ツン・・・・・・・好きだお(はぁと)」

ξ;゚?゚)ξ「キモイ!!!!!」

( ;ω;)「おー」

ξ゚?゚)ξ「もういいわよ!」

( ^ω^)「わかったお。今度会うお。そこで証明するお」

ξ゚?゚)ξ「え?」

( ^ω^)「失った信用を取り戻すお」

ξ゚?゚)ξ「え・・・・?そ、そんな・・・・」

( ^ω^)「そこで信じてもらえなかったら諦めるお」

ξ*゚?゚)ξ「わ・・・・わかった」

( ^ω^)「今度いつバイト休みかお?」

ξ*゚?゚)ξ「あ、えと・・・金曜日・・・明日」

( ^ω^)「ktkrwwwwタイムリーだお
      じゃあ明日、学校終わったら駅前にブーンで集合だお」

ξ゚?゚)ξ「うう・・・わかった
      ・・・・・・・・いや、ブーンはしないけどね!?」

( ^ω^)「じゃあそろそろ寝るお」

ξ゚?゚)ξ「うん」

( ^ω^)「それじゃあおやすみだおー」

ξ゚?゚)ξ「おやすみ・・・」

ピッ
( ^ω^)「うはwwww明日ツンと会えるのかおwwwww」

とりあえずいつものようにカラオケにでも行こうか、と考えながら、ブーンは着替えを持って風呂場へ向かった。

ξ゚?゚)ξ「はー・・・なんか疲れた・・・」

目に残る涙を拭き取り、ベッドに寄りかかる。
なんかすごいことが起きた気がするけど、頭がうまく回らない。

ξ゚?゚)ξ「とりあえずお風呂入ろうかな・・・」

ツンはチェストから着替えを取り出し、風呂場へ向かった。

翌日、ブーンはいつものように家事を済ませ、午後4時頃に家を出た。
そしてバスに乗り、駅に向かう。
4時半になる少し前に駅に着いた。ツンが来るのはもう少し後だろうか。
ブーンは自販機で缶コーヒーを買って駅前のベンチでツンを待つ。

ブーンは驚くほど冷静だった。昨晩あんなことを言ったが、あまりにも唐突すぎたせいか、いまいち現実感がないのが正直なところだ。
ベンチに座ってぼーっとしてると、後ろから話し掛けられた。

ξ゚?゚)ξ「・・・・お待たせ」

( ^ω^)「きたかお」

ξ゚?゚)ξ「どこ行くの?」

( ^ω^)「うーん、とりあえずカラオケはどうだお?」

ξ゚?゚)ξ「わかった」

空き缶をゴミ箱に捨て、いつものカラオケに向かう。
道中、ツンは昨晩のことを話題に出さなかった。何事もなかったかのようにブーンの隣を歩いている。

(;^ω^)(しまったお・・・・信用を取り戻すとか言ったけど、
      具体的にどうするか考えてなかったお)

まぁいいか、どうにかなるだろう。ツンが好きな気持ちは変わらないのだから。
そう考え、カラオケへと向かった。

ξ゚?゚)ξ「んー、何歌おうかなー」

( ^ω^)「まやや歌ってくれお」

ξ゚?゚)ξ「やだ」

(;^ω^)「うはwwwwwwwヒドスwwwwwwwww」

いつものように二人はカラオケを楽しんだ。
ブーンは我を忘れて思いっきり歌った。ツンもいつものように歌っていた。

しかし、ツンの様子はどこかいつもと違った。平静を装っているつもりなのだろうが、ちょっとよそよそしいというか、
ブーンに対しての態度がちょっと違う。
ブーンはそれを感じつつも、ツンが一応それを隠そうとしているようなので、特に気にすることなくカラオケを楽しんだ。

そして3時間経ち、二人はカラオケを後にした。

駅までの道のりを、二人は無言で歩いていた。
この道は車の通りが多き時と少ない時の差が激しく、、通りに面している店はほとんど夜7時か8時で閉まるので、
明かりは街頭だけで、駅前へ続く通りにしては寂しい場所だった。
今も車は時折1台、2台通るだけで、あとは人もまばらだ。

(;^ω^)(結局普通にカラオケを堪能しちゃったおwwwwwwww)

どこかでツンにアピールできるところがあると思ったのだが、なかなかうまくいかなかった。

( ^ω^)(・・・・まぁ、楽しかったからいいお)

ブーンはご機嫌な様子で足取り軽く歩いていた。
しかし、隣を歩くツンの表情は険しかった。

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・・ちょっと」

急にツンが立ち止まり、ブーンに話し掛けた。それも、キツイ口調で。

( ^ω^)「?どうしたお?」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・あんたは一体何を考えてるの?」

(;^ω^)「?」

ξ゚?゚)ξ「昨日言ったこと、覚えてないの?」

( ^ω^)「覚えてるお。信用を取り戻すって、
     ツンが好きなことを証明するって言ったお」

ξ゚?゚)ξ「・・・・で?あんたは今日それを私にしたの?」

( ^ω^)「歌に愛を込めて歌ったお。伝わらなかったかお?」

ξ゚?゚)ξ「全然伝わらなかった」

(;^ω^)「あうーおかしいお・・・・」

ξ゚?゚)ξ「伝える気あるの?信用取り戻すんでしょ?」

( ^ω^)「わかったお」

ブーンはそう言い、ツンのそばに歩み寄った。
そしてツンの右手をつかみ、ぎゅっと握り締めた。

ξ*゚?゚)ξ「・・・・っ」

ツンが恥ずかしそうにうつむく。
やはり、こうして見るとツンは小さい。自分との身長差もある。
抱きしめたら、壊れてしまいそうだ。

( ^ω^)「あ。ツン、ちょっとこれ見て欲しいお」

ξ゚?゚)ξ「え?何?」

ツンが顔を上げた瞬間、ブーンの顔がゆっくり近付く。
そしてブーンは、ツンの額に優しく口付けた。

ξ///)ξ「!!!!!!」

ツンの顔がみるみる赤くなっていく。
ツンとつないでいる手が、急激に熱くなるのを感じた。

( ^ω^)「伝わったかお?」

ξ///)ξ「・・・・・・・・ん」

( ^ω^)「ktkrwwwwwww」

ブーンはツンとつないだ手をブンブンと振り回した。
ツンはもう片方の手をおでこにあてたままうつむいている。

( ^ω^)「うはwwwwwGJだおwwwwwww」

ブーンが一人喜ぶ隣で、ツンは上目使いでブーンを見た。

ξ*゚?゚)ξ「ちょっと・・・・」

( ^ω^)「ん?なんだお?」

ξ*゚?゚)ξ「・・・・・・・・・・私・・・あんたのこと・・・・」

( ^ω^)「・・・」

ξ///)ξ「・・・・・・・すき、かも・・・・・・・」

(*^ω^)「うはwwwwwwwwwwww」

この言葉を待っていた!
まさか、ツンから言ってくれるなんて、思ってもみなかった。
ブーンは嬉しくなり、ツンに抱きついた。
ツンは突然のことにびっくりして目を丸くする。

ξ;゚?゚)ξ「ちょっと!急に・・・・」

(*^ω^)「俺もツンが好きだお!!!!!」

ξ///)ξ「・・・・・・・・・・っっっ!!!!」

こうして、二人はようやく結ばれた。
出会ってから約2年。それまで普通の友達として付き合ってきた二人が、
晴れて恋人同士になったのだ。



幼馴染・親友・友達 | 【2015-09-27(Sun) 23:00:00】 | Trackback:(0) | Comments:(0)

( ^ω^)とξ゚?゚)ξが愛のあるセクロスをするようです。2


( ゚∀゚)「ツン、やっぱりおかしいんだ」

( ^ω^)「・・・・」

数日後、ジョルジュは再びブーンの家を訪ねていた。

( ゚∀゚)「今日さ、学校でツンの姿を見かけたときに、冗談で
     ”ツンちゃん”って呼んだら、あいつ今にも泣きそうな顔で振り向いたんだよ」

(;^ω^)「・・・・・・・・・・」

( ゚∀゚)「何かあったのかな・・・」

(;^ω^)「・・・・・・んー・・・・」

ジョルジュの話を聞きながら、ブーンは心が締め付けられるのを感じた。
ツンの意志を尊重して言わないべきか?
それとも、ジョルジュに全てを告白して、なぜツンの様子がおかしいか分からないとい不安を解消してやるべきか?
考えても考えても答えは出ない・・・。

( ゚∀゚)「ごめん。こんなこと相談できるの、ブーンしかいなくて」

( ^ω^)「気にするなお。聞いてやることしかできないけど、
      それでもよければいつでも来るといいお」

( ゚∀゚)「・・・・・・・・・ありがとう」

そうは言うものの、本当は相談に乗りたくなかった。
ブーンは先ほどから、ジョルジュに無言の威圧をかけられているような錯覚に陥っていた。
俺はお前の知らないツンを知っている。
お前の知らないところで、ツンと恋人同士の時間を過ごしている。
お前がツンとしたことがないことをツンとしている。
俺とツンの絆は固い。何人も入る隙なんてない。
そんな重圧を感じながらも、結局のところ自分はどうすることもできないのだ。
ブーンは自分の無力さを感じながら、ただただジョルジュの話を聞くしかなかった。

ピロリ~♪

その時、ジョルジュの携帯電話が鳴った。

( ゚∀゚)「あ、電話だ。ちょっとすまん」

( ^ω^)「うんだお」

ジョルジュはポケットから携帯電話を取り出す。
まさか、ツンからの電話なのでは・・・?
だとしたら、二人の会話を聞くなんて自分には耐えられない。

( ゚∀゚)「もしもし・・・うん、ごめん。今日は行けないんだ。明日は行くよ。
     ・・・・・・・・うん、うん、じゃあまた明日」

( ^ω^)(そういえばツンはバイトがあるはずだお・・・ツンじゃないお?)

ピッ
( ゚∀゚)「ごめんごめん。友達からだった」

( ^ω^)「そうかお・・・」

( ^ω^)(・・・・・・”また明日”って言ってたお。やっぱりツンかお?俺のことを気遣って友達からの電話だって嘘ついたお?
      それとも本当に友達なのかお?でも・・・)

(;^ω^)(・・・・・裏を読んでいても仕方ないお。どっちにしろ俺には関係のないことだお)

ジョルジュは一時間くらいツンのことを話した後、すっきりした様子で帰っていった。
ただ話を聞いていただけなのに、ブーンはぐったりと疲れているのを感じた。

明け方頃に降り出した雨が、地面を冷たく濡らしている。
いつもなら初雪が降る頃なのだが、今年は暖冬らしく、未だに冬の知らせが届いていなかった。

ξ゚?゚)ξ「寒いねー。冬の雨って、雪よりも冷たく感じるよ」

( ゚∀゚)「珍しいね。11月に雨なんて」

この日二人は屋上ではなく、特別教室棟の4階の階段の踊場にいた。
ここは普段人がめったに通らないので、外の天気が悪い日はここで昼休みを過ごしていた。

( ゚∀゚)「今日ツンはバイトないんだよね?」

ξ゚?゚)ξ「うん。でもジョルジュ君は塾の日だよね」

( ゚∀゚)「うん・・・。ごめんね、一緒に帰れなくて」

ξ゚?゚)ξ「ううん!大学に受かる為だもん、大丈夫だよ」

( ゚∀゚)「ツンはいいこだね」

ξ///)ξ「・・・・・・・っっ」

いつものようにジョルジュがツンを抱きしめる。二人の唇が自然に引き寄せあう。
ゆっくりと舌を絡めあい、濃厚なキスに夢中になる。

( ゚∀゚)「そういえばツンは悩み事とかないの?」

唇を離してしばらくジョルジュの胸に顔をうずめているところに、急に話し掛けられた。

ξ゚?゚)ξ「なぁに?突然・・・」

( ゚∀゚)「いや、そうゆう話聞かないからさ」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・まぁそれなりにはあるけど・・・気にしていてもしょうがないしね・・・・」

( ゚∀゚)「うん・・・」

ξ゚?゚)ξ「なるべく前向きにできるようになればいいなーとは思ってるよ・・・」

( ゚∀゚)「そっか・・・・」

ξ゚?゚)ξ「どうしたの?」

( ゚∀゚)「いや、俺の自慢のコはしっかりしてるなーと思って♪」

ξ///)ξ「もうっ」

本音ではなかった。
本当はずっと引きずっている事がある。夢に見てまでうなされる事がある。
前向きに考えられない事がある。

でも、ツンはジョルジュに気付いて欲しかった。表面だけじゃなく、心の奥の奥まで見てもらいたかった。

( ゚∀゚)「じゃあ、夜にメールするから」

ξ゚?゚)ξ「うん。頑張ってね」

二人はこの日、予鈴前に教室に戻った。

午後の授業を終え、ツンは一人本屋に来ていた。

ξ゚?゚)ξ(カラーコーディネートの資格欲しいんだよなぁ・・・)

実はツンはひそかに、メイクアップアーティストになりたいと思っていた。
女性の顔をより美しく彩るメイキャップに、ツンは憧れを抱いていたのだ。

ξ;゚?゚)ξ(うわ・・・なんか覚えるの難しそう・・・)

カラーコーディネートの資格は、本人のセンスというよりも、
本の内容を丸暗記しなくてはいけないと知人が言っていたのを思い出した。

ξ;゚?゚)ξ(覚えるの苦手なんだけどな・・・)

ツンはその本を手に持ち、一通り店内を回り終えた後、会計をして店を出た。

ξ゚?゚)ξ(あっ、雨やんでる!良かったー)

店の傘立てにさしていた自分の傘を手に持ち、今度は図書館へと向かう。

ξ゚?゚)ξ(図書館なんて小学校の頃に行ったきりだなぁ)

ξ*゚?゚)ξ(いつもジョルジュ君はこの道を通って図書館へ向かっているんだよね・・・)

彼とは一緒にいられないが、同じ道を同じ目的で歩いていることに嬉しくなる。
自然と足取りも軽くなった。

この図書館は規模は小さいものの、他の図書館よりも閉館時間が遅いため、多くの学生が受験勉強に利用していた。
入り口の自動ドアをくぐりぬけると、館内は異世界に迷い込んだのかと思えるような張り詰めた空気に包まれていた。
ツンは緊張を禁じえなかった。

ξ;゚?゚)ξ(うわ・・・センター近いからピリピリしてるなぁ)

あまり長くいない方が自分の身のためだ。
そう思い、足早に資格の本のコーナーへと向かった。

希望の本を見つけ、早速読もうと思ったが、1階の閲覧席は全て埋まっていた。
仕方なくツンは2階へと足を運んだ。

ξ;゚?゚)ξ(2階はもっとピリピリしてるんだろうな・・・)

そう考えながら、階段をのぼった。
2階には、一般書コーナーの窓際に閲覧席があり、他に自習室が5部屋あった。
この自習室は毎年この時期ともなると受験生で溢れかり、おのずと緊迫感も高まっている。

ツンはちょうど奥の閲覧席が開いているのを見つけ、一目散にその席へ向かった。

ふと一番手前の自習室の中へ目をやると、
そこには塾へ行ったはずのジョルジュの姿があった。

ξ゚?゚)ξ(あれ・・・?ジョルジュ君、塾終わったのかな?)

いつもジョルジュが塾を終えて帰宅するのは、早くても夜9時頃で、遅いときは12時にまで及ぶ事もある。
ツンは携帯電話の時計を確認した。まだ6時前だった。

ξ゚?゚)ξ(塾の休み時間なのかな?)

ツンは疑うこともせず、ジョルジュに話し掛けようと自習室へ入ろうとした。
その時・・・・。

ξ;゚?゚)ξ「!!!!!」

おくの机の影からジョルジュに話し掛けている人物が見えた。
二人は何やらこそこそと話をし、向かい合って座っていた。

目をこらしてよく見ると、ジョルジュの隣に座っているのは
市内の女子高の制服を着ている女の子だった。

ツンは足元がぐらつくのを感じた。
いまいち状況が飲み込めないのだが、とりあえずこの場から立ち去らなくては・・・。

おぼつかない足取りで図書館を後にし、自宅近くへ向かうバスへ乗り込んだ時には、
空から再び氷のような雨が降り始めていた。

頭がぼーっとする。まるで自分の体ではみたいだ。
何が起きたのか、よく分からない。
塾に行っているはずのジョルジュが、図書館にいて、知らない女の子と一緒にいた。

ξ;゚?゚)ξ「どういうこと・・・・?」

(´・ω・`)正直もううざいんだよね

ξ;゚?゚)ξ「!!!!」

ツンの脳裏にあの男の声が響く。こだまするように、何度も何度も。

ξ;゚?゚)ξ「・・・・・・・ううん!きっと何か訳があったんだ!」

後ろめたいことなんかがあるわけない。ジョルジュを信じたい!
あの声を振り切るように、そして呪文を唱えるように、ずっとそんな事を考え続けていた。

翌日、ツンとジョルジュはいつものように昼休みを一緒に過ごした。
そして放課後はいつものようにツンはバイト先へ、ジョルジュは図書館へ向かった。
いつもと変わらない日常。いつもと変わらない二人の関係。
昨日あんな光景を目にしながら、ツンはジョルジュに真実を確かめることができなかった。

ξ゚?゚)ξ(もしジョルジュ君が浮気してるのだとしたら、私が問い詰める事で”真実”になってしまう。
     それならいっそこのまま黙っていて、隠し通された方がまだマシだ・・・)

真実に向き合う事に臆病になっているツンは、ジョルジュを信じることしかできなかった。
ただ、表面上では信じてはいるものの、心の奥には微かな不信感が芽生え始めていた。
しかしツンはそれをあえて遮り、自分に嘘をついてジョルジュと接し続けた。

('A`)「おいブーン、帰りヅダヤ寄ってかね?」

( ^ω^)「いいお。俺もちょうど欲しいCDがあったお」

二人はいつものように一緒に下校していた。
ヅダヤは二人の通学路とは逆方向にあったが、
邦楽が好きなブーンと、アニメのビデオやCDを借りるのが好きなドクオの帰りの寄り道の定番となっていた。

( ^ω^)「ドクオはヅダヤに何の用だお?」

('A`)「日蝕グランギニョルが欲しい」

(;^ω^)「・・・?」

('A`)「あるかな。田舎のヅダヤにも」

(;^ω^)「・・・・・・わかんないお」

('A`*)「・・・楽しみだな」

二人は店内に入り、CDのコーナーへ向かった。

( ^ω^)「チェミストリーのアルバム欲しいお。でもお金ないお」

('A`)「おい、ねーぞ日蝕グランギニョル」

(;^ω^)「しらないお」

('A`)「・・・・・・・・・・・もうやる気なくした。オナニーする気力もねーよ」

(;^ω^)「そんなに欲しいなら注文するといいお」

('A`)「俺に、ヅダヤの店員に話し掛ける勇気があると思うか?」

(;^ω^)「・・・・・・・勇気出すお」

('A`)「・・・・・・・・・・・・・いくら振り絞ってもしっこしか出ない。帰ろうぜ」

(;^ω^)「・・・・・・・・・・・・・」

二人は結局何も買わずに店を出た。
ドクオは、俺は社会不適合者だからな、と、なんだかよくわけの分からない言い訳をしていた。

( ^ω^)「ドクオ、元気出すお。ゲーセンにでも行くお」

('A`)「・・・・・・・・・・メイたんが俺を待っているというんだな?」

(;^ω^)「メイたん?」

相変わらず会話が噛みあわないまま、二人はいつものゲーセンに向かった。

( ^ω^)「本当に暖冬かお?すごく寒いお。でも雪が降らないってことはやっぱり暖冬かお」

('A`)「俺の心にはいつも雪が降り積もっている」

(;^ω^)「・・・・・・」

('A`)「・・・・・あ、もうすぐ点広真人のイラスト集出るな。予約しようかな」

二人がいつも寄る本屋の前に差し掛かった時、ドクオは歩きながら外から店内を覗いた。
その時、ドクオの足が止まった。

('A`)「・・・・・・・・・・・・」

( ^ω^)「ドクオどうしたお。早くゲーセンに行くお」

('A`)(あれは・・・)

( ^ω^)「ドクオ?何見てr・・・」

('A`)「アッ―」
  
( ^ω^)「・・・・・・!」

その時、本屋の自動ドアから、見覚えのある人物が出てきた。

( ^ω^)「・・・ジョルジュ!」

(;゚∀゚)「ブーン!?」

ジョルジュの明らかに焦っている様子を見て、ブーンは疑問に思った。
そして・・・

ヽ^∀^ノ「ジョルジュ?どうしたの?」

ジョルジュの後ろから、他校の制服を着た女の子が顔を出した。

(;^ω^)「・・・・・・・・」

(;゚∀゚)「あっ、ああ、高校の友達」

ヽ^∀^ノ「ふーん」

(;゚∀゚)「・・・じゃ、またなブーン、ドクオ」

ジョルジュはその女の子を連れ、そそくさとその場を後にした。

(;^ω^)「・・・・・・・・・・・・」

あの女の子は一体誰なのか?もしやジョルジュが、浮気を・・・?

('A`)「お前!決め付けるなって!妹かもしれねーだろうが!」

(;^ω^)「・・・・まだ何も言ってないお・・・」

('A`*)「アーン」

もはやゲーセンに行く気にもなれなかった。
二人はそのまま帰宅した。

そしてその夜―

( ^ω^)(納得いかないお。ジョルジュはどうして他の女の子と一緒にいたお?)

帰宅してからずっと、ブーンは本屋の前で起きたことを考えていた。
ジョルジュが狼狽している様子は、きっと誰が見ても不自然だっただろう。
明日学校でジョルジュを問い詰めなくては。
ブーンはそうは思ったものの、果たして自分が介入して良い問題なのか疑問を感じた。
もしかしたら「お前には関係ない」と門前払いをくらうかもしれない。

( ^ω^)「・・・・・・・ちょっとドクオの意見も聞くお・・・」

いつもならオナニーをしている時間だが、今日はやる気をなくしたと言っていたから、きっとゲームをしているだろう。
そう思い、携帯を手にした。

ぴぴるぴるぴぴ~♪

その時ブーンの携帯がなった。
画面に表示されている名前を見て一瞬出るのを躊躇したが、思い切って電話に出ることにした。

ピッ
( ^ω^)「・・・・・・もしもし」

( ゚∀゚)[・・・もしもし、俺だけど]

(;^ω^)(・・・・ジョルジュ・・・)

まさかジョルジュの方から連絡してくるなんて予想外だったが、遅かれ早かれ話さなくてはいけない事。
それならいっそ早い方がいい。

( ゚∀゚)[なんの用件かもうわかってるとおもうけど・・・・]

( ^ω^)「・・・ジョルジュのこと見損なったお。浮気なんてする奴じゃないと思ってたお」

(;゚∀゚)[違うんだ!あれは塾が一緒のコで・・・それで仲良くなったんだ]

( ^ω^)「・・・」

(;゚∀゚)[志望校が同じだから一緒に勉強してるだけで・・・・恋愛感情は全くない]

( ^ω^)「本当かお?」

( ゚∀゚)[ああ。俺が好きなのはツンだけだ]

それを聞いて安心した。
・・・・という言葉が脳裏に浮んだが、何故か声になって出ることはなかった。

( ゚∀゚)[・・・でも、誤解される状況作ったしな・・・ツンには正直に言おうと思ってる]

(;^ω^)「ツンに言うのかお!?」

( ゚∀゚)[ああ。バレてから言うよりも、事前に話しておいた方が後ろめたさもないし]

果たしてその選択は正しいのか、ブーンには決めかねる問題だった。
ジョルジュの言うことも一理あるのだが、ツンの心の傷をますますえぐる事になるのではないか。
自分でさえジョルジュに怒りを覚えたのに、ツンには重荷になるだけなのではないだろうか・・・。

( ゚∀゚)[じゃあそういうことだから]

(;^ω^)「あっ・・・待つお!」

( ゚∀゚)[?・・・何?]

(;^ω^)「・・・いや、なんでもないお。」

( ゚∀゚)[じゃあ、また明日な]

(;^ω^)「ばいぶーだお」

ピッ

電話を切り、携帯電話を充電器につなげた。

実はツンには消したくても消せないつらい過去がある。
そう喉まで出かかったが、その言葉を制止した。
自分が言うべきではない。ツンが言いたい時に言えばいいことなのだ。
でもこのままではツンが傷つくのを黙って見ているだけになってしまう。

(;^ω^)(・・・・・・・・やっぱり俺には何もできないお)

もはや自分とツンを繋ぐ存在はジョルジュだけであったが、
ブーンには越えられない壁となって伸し掛かっていた。

次の日の3時間目の休み時間。ツンは美術室へ移動していた。

( ゚∀゚)「ツン!」

ξ゚?゚)ξ「あ、ジョルジュ君」

美術室へ入ろうとしたところで、ジョルジュに声を掛けられ、立ち止まった。

( ゚∀゚)「今日の昼休みは図書室で勉強するからさ、一緒にいれないんだ」

ξ゚?゚)ξ「そっか。分かった」

( ゚∀゚)「で、そのかわりに今日一緒に帰らない?バイトないでしょ?」

ξ゚?゚)ξ「え?今日は勉強はいいの?」

( ゚∀゚)「うん。放課後玄関で待ってるから」

ξ゚?゚)ξ「わかった」

( ゚∀゚)「じゃあね」

いつもならメールで済ませるぐらいの用なのに、どうして今日はわざわざ直接来たんだろう。
と疑問に思いつつも、思いがけずジョルジュと会う事が出来てツンは嬉しかった。
それに今日は久し振りに放課後デートができる。

(^▽^)「なぁに~?デートの約束?ほんとラブラブだねー」

ξ*゚?゚)ξ「またからかうー!」

授業が終わるの楽しみだな。
果物をデッサンしながら、ジョルジュとどうやって過ごそうかをずっと考えていた。

ξ゚?゚)ξ「・・・あっ、ジョルジュ君!ごめん待ってた?」

( ゚∀゚)「いや、大丈夫。それじゃあ行こうか」

授業が終わった後に早めに教室を出たつもりだったが、玄関にはすでにジョルジュの姿があった。

ξ゚?゚)ξ「どこ行こっか?」

( ゚∀゚)「ああ、俺んち来ない?」

ξ;゚?゚)ξ「え・・・ジョルジュ君の家?でも急に悪いな・・・」

( ゚∀゚)「親はまだ仕事だからいないよ。じゃあ行こうか」

なんか今日はジョルジュのペースに振り回されてる気がする・・・。
そう思いつつも、やっぱり一緒にいれるのは嬉しい。
ジョルジュの家に行くのは気が引けたが、素直に一緒に過ごそう。
ジョルジュの後ろを歩きながら、ツンはそう思っていた。

( ゚∀゚)「ごめんね、急に呼んじゃって」

温かいココアが入ったマグカップを差し出してジョルジュがツンに声を掛ける。

ξ゚?゚)ξ「ううん。・・・・いいの?勉強」

( ゚∀゚)「ああ。センター前の最後の模試でA判定が出たから」

ξ゚?゚)ξ「えっ?すごいね!合格確実だね!」

( ゚∀゚)「でもまだまだ油断できないよ。余裕こいて足切りになったら洒落にならないし」

ξ゚?゚)ξ「そうだね・・・」

( ゚∀゚)「今までどんなにあがいてもB判定までしかならなかったんだけど、一緒に勉強する人ができてね。
    その人と勉強したり対策問題を交換したりして、やっとA判定取れたんだ」

ξ;゚?゚)ξ「へぇ・・・」

その言葉を聞いて、図書館での出来事を思い出した。
まさか・・・今ジョルジュが話している人が、あの時の女の子・・・?

( ゚∀゚)「その人はクオリティ高校のコなんだけど」

クオリティ高校・・・。市内にある唯一の女子高である。
そして、図書館で見た女の子の制服も、クオリティ高校のものだった。

ξ゚?゚)ξ「それって・・・女の子ってことだよね」

( ゚∀゚)「でも、別にそのコのことが好きなわけじゃない。
    ただ志望校が同じで一緒の塾に通ってるからってだけで・・・」

ξ-?-)ξ「・・・・・・・・・・・・・」

( ゚∀゚)「俺が好きなのはツンだけだよ・・・」

ジョルジュはそう言ってツンを抱きしめ、額にキスをした。
ふと目が合った時に、ツンは思わずうつむいてしまった。
ジョルジュがツンに触れる時の手はいつものように優しかったが、
その優しさが余計にみじめになった。

時計の秒針の音と一緒に自分の心臓の鼓動が部屋中に響いているのではないかと思うくらい、
ツンの心臓は高鳴っていた。

いつものように、誰もいない真っ暗な家に帰宅する。
真っ先に自分の部屋へと向かい、電気もつけずにベッドに飛び込み枕に顔を埋めた。

まさか、自分が問い詰める前にジョルジュから先に言われるなんて、
予想していなかった。心の準備もしていなかった。
ジョルジュがそばにいない今も、未だに居心地の悪さを感じている。

ξ゚?゚)ξ(先に言っちゃった方が私に隠さなくて済むからやりやすいんだよね・・・きっと)

ξ゚?゚)ξ(ジョルジュ君のこと、信じたい。信じたいけど・・・)

肩のあたりに、ジョルジュに抱きしめられた時の感触がまだ残っている。
いつもの優しい触れ方が、急に偽物のように感じた。

夜の暗闇と心の中の黒い感情が溶け合っていく感覚を覚えながら、
自分も溶けてなくなればいい、そう思った。

翌日の放課後も、ジョルジュはいつものように塾へ向かった。
塾のない日はいつものように図書館に行くのだろう。あの女の子と。

この頃ツンは、一人でいる方が気が楽だと思うようになっていた。
ジョルジュはもちろん、友達とでさえ話をしているのが苦痛に感じ始めていた。
みんな自分と仲良くしてくれているけど、いつか裏切るのではないか。
思考が悪い方向へ及んでいるのに嫌気を感じつつも、どうしても止められなかった。

インクボトルが倒れると、中のインクは瞬く間にこぼれ広がる。
そして、染み付いたインクはなかなか取れない。
ツンの心はまさしくこんな状態だった。

ジョルジュの受験勉強の追い込みとツンの心境の変化が手伝って、二人が一緒に過ごす時間は日に日に短くなっていった。
例年より遅めの初雪が降り始めた頃には、赤や緑のイルミネーションが街を鮮やかに彩っていた。

( ゚∀゚)「ツンは何か欲しい物ある?」

ξ゚?゚)ξ「んー・・・・。そういうジョルジュ君は?」

( ゚∀゚)「てゆうかクリスマス意識してるってのバレバレだねw」

ξ゚?゚)ξ「そうだねw」

一応普段通りの会話は心掛けるようにしていた。
多分、ジョルジュにはばれていない。自分の心が少しずつ離れていっているということは・・・。

( ゚∀゚)「毎日会えなくてごめんね。でもイブの日は一緒に過ごそうな」

ξ゚?゚)ξ「でも、私バイトがあるかも・・・」

( ゚∀゚)「早番か遅番かどっちかだろ?
    早番なら夜一緒に過ごせばいいし、遅番ならバイトが始まる時間まで一緒にいよう」

ξ゚?゚)ξ「うん」

( ゚∀゚)「ごめんね、まだ12月に入ったばっかりなのに、気が早いよね」

ξ゚?゚)ξ「ううん、楽しみにしてるね」

いつものように、夜11時頃にジョルジュから電話がかかってきた。
昼休みも一緒に過ごすことがなくなったので、電話は二人の仲をひきとめる大切な手段になっていた。
しかし、ツンにはこの電話が苦痛になっていた。

( ゚∀゚)「そういえば今日さ、クオリティ高の試験問題もらったんだよ。
    やっぱ高校によって内容が変わるんだな。解いててすごく楽しかった」

( ゚∀゚)「クオリティ高校の数学の先生はメイヂ大出身らしくて・・・」

( ゚∀゚)「そのコの先輩でメイヂ大に行った人がいて・・・」

あの日以来、ジョルジュはクオリティ高校のあの女の子のことをツンに話すようになっていた。
ツンにはだいぶストレスになっていたが、ジョルジュの受験が成功するためだと思い、適当に相槌を打ちながら聞いていた。

( ゚∀゚)「・・・・あっ、もうこんな時間か。そろそろ勉強しないと」

ξ゚?゚)ξ「まだ起きてるの?明日も学校でしょ?」

( ゚∀゚)「とりあえず数学だけやって寝るよ。ごめんね、ツンと話してると時間忘れちゃうんだよね」

ξ゚?゚)ξ「無理しないでね」

( ゚∀゚)「ありがとう。じゃあ、おやすみ」

ξ゚?゚)ξ「おやすみなさい」

ツーツーツー

電話が切れたのを確かめると、ツンはベッドに横になり、部屋の電気を消した。
お風呂に入るのも面倒くさい。明日の朝シャワーを浴びてから学校に行こう。
そして放課後はバイトで・・・。ジョルジュはきっと塾か図書館に行くんだろうな。明日はどっちかな。
まぁ、どっちにしろジョルジュとあの女の子は一緒に肩を並べて勉強するんだろうな。

あの時、ツンが「女の子と二人で勉強しないで」と言えば、ジョルジュはその通りにしただろう。
けどツンは言わなかった。言えなかった。
言おうと思うと、ツンの脳裏にはブーンと仲良くしている時の様子が浮んできた。
ξ゚?゚)ξ(私はブーンと仲良くしてたのに、ジョルジュに”女の子と仲良くしないで”って言うのは
      虫が良すぎるよね・・・)
自分の事を棚に上げてジョルジュを責めることなど、ツンにはできなかったのだ。

次の日の放課後。
ジョルジュは塾がなかったらしいのだが、珍しく図書館へも行かずにそのまま自宅へ帰ったらしい。
ジョルジュからのメールを見てそのことを知ったのは、ツンがバイト先についた後だった。

ξ゚?゚)ξ(いつもなら授業中にメールくれるのに・・・)

また自分のペースが乱されてる。
そんなことを思いながら、ツンはホールへと向かった。

(゚∋゚)「ツンちゃん、24と25は出番でもいい?」

ξ゚?゚)ξ「あっ・・・うーん・・・そうですねぇ・・・」

(゚∋゚)「ツンちゃんも予定があるだろうけど、せめてどっちかは出てくれない?」

ξ゚?゚)ξ「はい・・・わかりました」

(゚∋゚)「ごめんね、人手不足でさ。食器洗いのコもまだ入ったばかりで心配なんだよ」

ξ゚?゚)ξ「・・・・」

(゚∋゚)「じゃあ上がっていいよ。おつかれ」

ξ゚?゚)ξ「お疲れ様でした」

重い足取りでロッカールームへ向かう。
今日も疲れた。家に帰ったらまたジョルジュから電話がかかってきて、話した後にお風呂に入って・・・。
最近、先のことばかり考えるようになっている。毎日が平坦すぎる気がする。前はこんなんじゃなかった気がする・・・。

何が自分をそうさせるのかはなるべく考えないようにしていた。

ピルル~

着替えている時、ツンの携帯が鳴った。

ピッ
『from:ジョルジュ
件名:
本文:バイト終わったかな?
   話があるので、家に着いたらメールちょうだい』

ξ゚?゚)ξ(話・・・ね)

ジョルジュがこんなメールをしてくるのは、明日一緒に何をしようとか、休日に遊ぶ予定を立てる時だった。
きっとクリスマスの話でもする気なのだろう。
ツンは特に気にとめることもなく、メールの返事をしないままバイト先を後にした。

真っ暗な家に帰宅し、リビングの電気をつけた。

ξ゚?゚)ξ「新しいバスソルト買ったから、今日はちゃんとお風呂に入ろう」

バスタオルと入浴剤を用意し、給湯器の温度を設定してお湯はりのスイッチを押す。

ξ゚?゚)ξ「あ、ジョルジュ君にメールしないと」

今帰宅したことを告げるメールを送った後、自分の部屋へ着替えを取りに行った。
そこでちょうどジョルジュから電話がかかってきた。

ピルル~♪

ξ゚?゚)ξ「もしもし」

( ゚∀゚)「あっ、ツン。おつかれー」

( ゚∀゚)「今、大丈夫?」

ξ゚?゚)ξ「大丈夫だよ」

いつものように、15分くらいで電話は終わるだろう。
そしたら新しく買ったバスソルトを入れた湯船にゆっくりつかって・・・
あ、そうだ、行きつけの美容室からヘアトリートメントのサンプルをもらったんだ。それも使ってみようかな。

ツンが他の事に思考をめぐらせている時、ジョルジュがまたあのコのことを話し始めた。

( ゚∀゚)「クオリティ高のコがさ・・・」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・・・・・」

またあのコのことか・・・。
バスタイムのことを楽しく思い浮かべていたツンの心が急に重くなる。
今日はうまく聞くことができるだろうか・・・。

( ゚∀゚)「なんか、悩んでるみたいで。ツンに同じ女として意見を聞きたいんだけど」

ξ-?-)ξ「うん・・・・・」

あまり聞きたくない話題だな・・・。
まぁ、適当に流して適当にコメントしていればとりあえずやり過ごせるだろう。

( ゚∀゚)「最近彼氏と別れたらしいんだけど、原因は彼氏の浮気だったみたいなんだ」

ξ゚?゚)ξ「ふーん」

( ゚∀゚)「それで、人間不信になったとか言って、泣くんだよ」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・・」

( ゚∀゚)「ツンならどんな言葉をかけて欲しい?」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・・・・・・・」

この人は私に何を求めているのだろう。
私は、彼が他の女の子と仲良くする手助けをする為に付き合っているのだろうか。

ξ゚?゚)ξ「多分・・・そのコはジョルジュ君のことが・・・・好きなんじゃないかな」

( ゚∀゚)「えっ?」

言ってしまった。
言ってはいけないことだったかもしれない。
けどもう感覚が麻痺している。
というか、ぶっちゃけそのコのことなんてどうでもいい。

ξ゚?゚)ξ「ジョルジュ君に優しくして欲しいんじゃないかな?だからそんな相談するんだよ」

一度スイッチが入ってしまえば、もう怖いものなど何もないかのようにどんどん言葉が出てくる。
まるで、頭で考えるよりも先に言葉が出てきているようだ。

( ゚∀゚)「そうかなぁ・・・でもそのコにはツンのことも話してるよ」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・好きなら関係ないよ・・・」

( ゚∀゚)「・・・・・・うーん・・・」

これをきっかけに、そのコと会うのを止めてくれれば・・・・。
そんな淡い期待はジョルジュに届くのだろうか。

( ゚∀゚)「ごめんね、こんな相談、ツンにすべきじゃないのに」

ξ゚?゚)ξ「ううん・・・・」

( ゚∀゚)「じゃあ、俺勉強に戻るな」

ξ゚?゚)ξ「うん。頑張ってね」

電話を切り、携帯を充電器につなげた。
ジョルジュは私の気持ちに気付いただろうか?
他の女の子の話をされて気分が良くないこと。そして、ヤキモチをやいていることを。

ピーッピーッピーッ

湯船にお湯がたまった合図のアラームが聞こえた。
気を取り直してお風呂でも、なんて気分にはなれなかったが、とりあえず何も考えないようにしよう。
軽くため息をついた後、風呂場へ向かった。

翌日、道路は雪でうっすらと白くなっていた。
まだ雪は積もるほど降ってはいないが、いつ大雪が降ってもおかしくないくらいの雲が天を覆い、
地上には身がひきちぎれるような冷たい風が吹いていた。

('A`)「おいブーン、俺帰り本屋寄ってくけど」

( ^ω^)「俺は今日は遠慮しとくお。おうちに帰ってご飯作るお」

('A`)「お前・・・まさか・・・」

( ^ω^)「たまには俺も手伝っておげるお」

('A`)「そうか・・・お前にもついに彼氏が・・・・」

( ^ω^)「ちょwww違うおwwwwwかあちゃんの誕生日なんだお」

('A`)「ああ、なんだ人妻か」

(;^ω^)「そんな言い方やめるおwwwwwww」

('A`)「お前のかあちゃん美人だよな。萌えるぜ」

(;^ω^)「そんな目で見るなお。咲代はどうしたお」

('A`)「人妻は別腹だ」

(;^ω^)「そうかお・・・。でも俺のかあちゃんはやめてくれお」

('A`)「で?メシ何作るんだ?」

( ^ω^)「とりあえずカレー作るお。帰りにスーパーに寄って買い物するお」

('A`)「そうか。俺も付き合うぜ」

( ^ω^)「いいのかお?」

('A`)「ああ。どうせ暇だしな」

今日はブーンの母の誕生日だ。中学の時に父が亡くなって以来、それまで以上に仕事に励んできた母を少しでも労ってあげたい。
あまり豪華なパーティーはできないけれど、母の好きなチーズケーキを用意して、ささやかにお祝いをしよう。

( ^ω^)(楽しみだお)

その日、ブーンは授業中も落ち着きなく過ごした。
そして放課後にドクオと一緒にスーパーで買い物をしたあと、帰宅した。

( ^ω^)「・・・・あれ?」

いつもは閉まっているはずの家の鍵があいている。
まさか・・・。

( ^ω^)「ただいまだお」

J(‘ー`)し「おかえりブーン」

( ^ω^)「ちょwwwかあちゃんなんでこんなに早いお」

J(‘ー`)し「今日は本社で研修だったから、早く帰してもらったんだよ。
      ブーン、これから外食にでも・・・」

( ^ω^)「あ・・・・」

J(‘ー`)し「・・・・・・・・あれ、ブーン、ご飯の材料買ってきてくれたの?」

( ^ω^)「今日は俺がカレー作ろうと思って・・・・」

J(‘ー`)し「ブーン・・・・」

( ^ω^)「でもいいお、今日はどこかにご飯食べに行くお。カレーは明日にするお」

J(‘ー`)し「でもせっかく買ってきてくれたんだし、作ってちょうだい」

( ^ω^)「でも・・・」

J(‘ー`)し「お前は気分屋だからね。今を逃したらもうお前の手料理なんて食べれないかもしれないし」

( ^ω^)「ちょwww明日また作るって言ってるおwwwwww」

J(‘ー`)し「実はお母さん疲れちゃって、外出するの億劫だったんだよ。だからカレー作ってちょうだい」

(*^ω^)「わかったお」

ブーンは張り切って台所に立った。しかしブーンは普段料理をしないので、何をするにも手際が悪かった。
そんな様子を見かねて、母があれこれ口を出して、終いにはほとんどの工程を母がこなしてしまった。
これじゃあいつもと変わらないね、と母は笑いながら言った。

( ^ω^)「うひょwwwwおいしそうだおwwwwいただきますお」

結局ブーンは野菜を切っただけになってしまったが、それでも母と二人で作ったカレー。いつもよりも何倍も美味しく感じた。
母も嬉しそうにほおばっている。

食後にバースデーケーキがわりのチーズケーキを食べている最中に、母が思い出したように言った。

J(‘ー`)し「そういえば、春に新商品が出るんだけど、試してみてくれない?」

( ^ω^)「今度は何かお?」

J(‘ー`)し「ボディケアの新ブランドなんだけど・・・」

化粧品メーカーの美容部員をしているブーンの母は、未発売の化粧品のサンプルを持ち帰っては、ブーンにモニタリングさせていた。
といっても本格的なスキンケア用品はさすがに使うことができないので、いつも10代向けのニキビケア用品だとか、リップクリームなどを使っていた。

J(‘ー`)し「パッケージは可愛いんだけど、ティーン向けだからお母さんには若すぎてね」

( ^ω^)「容器がすごく可愛いお。女の子が好きそうだお」

J(‘ー`)し「良かったらハンドクリームだけ試してみてくれない?それでいつものようにこの紙に感想書いてね」

( ^ω^)「わかったお」

J(‘ー`)し「実は他にもサンプルいっぱいもらったんだけど・・・さすがにこんなにいらないわよね」

そう言って母は、リップクリーム、ボディローション、ミルク、クリーム、ボディコロンなど、春に発売されるという新商品のサンプルがたくさん入った紙袋を持ってきた。

J(‘ー`)し「香りもとてもいいんだけど、お母さんには潤いが足りないのよね・・・」

( ^ω^)「良ければ俺がもらうお。使ってみたいお」

J(‘ー`)し「そお?でもブーンには油分が多いかもしれないから、ニキビが増えたらすぐに使うのやめてね」

( ^ω^)「わかったお。これでプリプリお肌になるお」

ブーンはその化粧品を部屋に持ち帰り、タンスの一番下の引き出しに大切にしまった。




(゚∋゚)「ツンちゃん、もうあがっていいよ。おつかれー」

ξ゚?゚)ξ「はい、お疲れ様でした」

いつものように9時半になるちょっと前にバイトが終わった。
ジョルジュは今日は図書館に行ったらしい。そして、ツンが帰宅する頃に電話をくれるとのことだった。
正直気が重い。だけどちょっと期待していた。もうあのコと二人で会わないと、ジョルジュが告げるのを。

家に帰り、リンビングの電気をつけ、まかないでもらったチャーハンを冷蔵庫に入れた。
今日はちょっと食欲がないから、明日のお弁当に入れよう。
そんなことを考えていたところに、ジョルジュから電話がかかってきた。

ピルル~♪

ξ゚?゚)ξ(あれ?ジョルジュ君の家の電話からだ。珍しいな・・・)

ピッ
ξ゚?゚)ξ「もしもし」

( ゚∀゚)「あ、ツン。家に着いた?」

ξ゚?゚)ξ「うん。ジョルジュ君ももう部屋?」

( ゚∀゚)「うん。今日もバイトお疲れ様」

ξ゚?゚)ξ「ありがと」

今日はジョルジュに会ってすらいない。そんな状態で電話をするのは珍しいから、なんだかちょっと緊張する。

( ゚∀゚)「昨日話してたあのコのことなんだけど・・・」

ξ゚?゚)ξ「!」

きた。またあのコの話だ。
まさか、もう二人きりで会わないって決めたとか、そういう話?

( ゚∀゚)「今日、もう二人っきりで会うのはやめようって言ったんだ」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・そう・・・」

しまった。そっけない返事をしてしまった。
でも、本当はすごく嬉しい。まさか本当に自分の期待通りになるなんて。

( ゚∀゚)「そしたらあいつ急に泣き出して・・・・」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・・」

( ゚∀゚)「”やっぱり私より彼女の方が大切なんだ”って言って・・・・」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・」

そりゃそうだよ。女友達よりも彼女が最優先に決まっている。私だってジョルジュを優先してきたんだもの。

( ゚∀゚)「それで、”私を見てくれるヒトがいなくてつらい、寂しい”って言うんだ」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・うん・・・・」

( ゚∀゚)「で・・・・・・・・・・泣きながら、吐いちゃってさ」

ξ;゚?゚)ξ「・・・・・・・・え?」

( ゚∀゚)「ごめん、ごめんって謝りながら吐いて、泣き続けて・・・・」

ξ;゚?゚)ξ「・・・・・・・・」

これはどうやらそのコの気持ちは本物かもしれない。
本気でジョルジュのことが好きに違いない。
そうじゃなきゃ、そこまでしてすがりつくとは思えない。

( ゚∀゚)「・・・・・で、ツンには悪いと思うけど」

( ゚∀゚)「そのコについててあげようと思うんだ」

ξ;゚?゚)ξ「!?」

ξ;゚?゚)ξ「それってどういう意味?」

( ;゚∀゚)「誤解しないでくれ、ツンと別れるとかそんなんじゃない。
     ただ、そのコには受験勉強ですごくお世話になったし、同じ大学を目指す戦友っていうか・・・」

ξ;゚?゚)ξ「・・・・・・・・」

( ゚∀゚)「今までお世話になった分のお礼みたいな感じ。
   他についててあげれる奴がいないみたいだし・・・」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・・・・・・」

( ゚∀゚)「傷ついたコは放っておけないだろ?」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・・・・・・・そうだね・・・・」

本当はそのコなんてどうでも良かったが、とりあえず当り障りのない返事をしてみた。

( ゚∀゚)「精神的に弱いコなんだよ。それに更に元カレの浮気で傷ついちゃってて、トラウマになってるみたいなんだ」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・・・・・・・」

( ゚∀゚)「せめて受験が終わるまではついててあげようと思う」

ξ゚?゚)ξ「そっか・・・・・」

( ゚∀゚)「ツンには寂しい思いさせると思うけど・・・」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・・・・・・・・・・・」

( ゚∀゚)「あっ」

ξ゚?゚)ξ「?」

( ゚∀゚)「ごめん、携帯に電話きた。また明日メールするから」

ξ゚?゚)ξ「・・・うん」

( ゚∀゚)「じゃあな」

ツーツーツー

ξ゚?゚)ξ(どうせあのコからの電話なんでしょ・・・)

なんだか急に胸のあたりが重くなった。
冷凍して作り置きしていたスープでも温めて軽い夕食にしようと思っていたが、それすら喉を通りそうにない。

ツンはふらふらと階段を上がって、自分の部屋に入り、ベッドに飛び込んだ。

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・・あのコの寂しい気持ちは埋めてあげるのに、私には寂しいの我慢しろってこと?」

急に、名前も知らないあのコへ対して殺意が芽生えた。
彼女がいると分かっている相手に、同情を買うような形で心の隙を見せるなんて卑怯だ。
ジョルジュは受験が終わるまでそばにいるって言っていたけど、もし二人とも同じ大学に合格したら―。
それこそ、自分の目の届かない場所に二人がいってしまう。
自分がいないところで二人に何が起こっても、私は何も知らずに過ごす事になる。
そのコがどのくらい精神的に弱いのかだとか、どの程度心に傷を負ったかは知らないけれど、
どうして私までその事を知らされなきゃいけないのだろうか。

ここで自分が過去のことをジョルジュに話したところで、ただの不幸自慢になってしまう。
先手を取られた、まさしくそんな感じだ。

ジョルジュは、ツンなら大丈夫だと思って、ツンを信用してこのような決断をしたのだろう。
だがそれはツンには重荷でしかなかった。ただの足かせだった。
海の底で、海面に向かって一生懸命泳いでもいつまでたっても光が見えてこない、そんな感じだった。

ξ-?-)ξ「・・・・・・・」

なんか、色んなこと考えたらスッキリした。
そう思い、ツンはジョルジュに電話をかけた。

トゥルルルルル・・・・

( ゚∀゚)「はい、もしもし」

ξ゚?゚)ξ「あ、ジョルジュ君?」

( ゚∀゚)「ごめん、またあのコから電話がくるからさ・・・・」

ξ-?-)ξ「・・・・」

ツンの中で何かがプツッと切れたような気がした。

ξ゚?゚)ξ「私さ、どうすればいいの?」

( ゚∀゚)「?ツン・・・?」

ξ゚?゚)ξ「そのコのこと、ジョルジュ君はすごく心配してるだろうけど」

ξ;?;)ξ「私もそのコの心配しなきゃいけないの?」

(;゚∀゚)「・・・・・・・!!」

ξ;?;)ξ「勉強が目的とはいえ、女の子と二人で過ごしてたってだけでもすごくつらかった。
      本当は嫌で嫌で仕方なかった。できるなら会わないで欲しかった。
      なのに今度はそのコが立ち直る応援までしなきゃいけないの?」

(;゚∀゚)「いや、そこまで言って・・・」

ξ;?;)ξ「同じようなもんじゃない。そのコが元気になるまで私は待ってなきゃいけないんだよ。
       どうしようもないくらいに嫉妬しながら我慢してなきゃいけないんだよ」

(;゚∀゚)「・・・・・・」

ξ;?;)ξ「・・・・・・・・私には無理・・・自信ない・・・」

(;゚∀゚)「ツン・・・・」

ツンは溢れ出る涙を頬で感じていた。
今まで、ジョルジュに対してこんなに感情的になったことはあっただろうか。
涙は止め処なく流れてくるが、感情的になりつつも、自分でも驚くほど冷静だった。

( ゚∀゚)「ごめん・・・ツンが無理なら、仕方ないな・・・・」

ξ;?;)ξ「・・・・・」

( ゚∀゚)「・・・・・・・・わかった」

( ゚∀゚)「別れよう」

ξ;゚?゚)ξ「・・・・・・・・・・・・・・え」

思いも寄らない言葉が返ってきた。
体が急激に硬直する。目の前がグラつく。
嫉妬に苦しんでひたすら我慢して・・・。その結果がコレ?

( ゚∀゚)「ツンをそんな気持ちにさせるなんて彼氏として失格だよ」

ξ;゚?゚)ξ「・・・・・・・・・・・・・・」

( ゚∀゚)「今までつらい思いさせてごめん。
    でも俺はあのコを放っておけないし、ツンが俺を待てないって言うなら、別れよう」

ξ;゚?゚)ξ「・・・・・・・・・・・・・・」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・・・・・・・・・わかった。
・・・・もう、終わりにしよう」

( ゚∀゚)「・・・・・・・・うん、今までごめん」

ξ゚?゚)ξ「ううん・・・・私の方こそ・・・・」

( ゚∀゚)「じゃあ・・・・・・・さようなら」

ξ゚?゚)ξ「さようなら・・・・・・・」

プッ
ツーッツーッツーッ

受話器から聞こえる機械音を聞きながら、ツンはしばらく放心した。

ジョルジュと、別れた?
あんなに大好きだったジョルジュと?
こんなに突然?

あまりに唐突すぎて事態がうまく飲み込めない。
頭の中をめいっぱい掻き回されている感じだ。
めいっぱい頭をフル回転させようとしても、完全にショートして動かなくなってしまっているようだ。

ξ゚?゚)ξ「・・・ふふ・・・変なの・・・もう、涙すら出ないよ・・・」

そう呟くツンの頬には、大粒の涙がぼたぼたと零れ落ちていた。

その夜はあまり眠れなかった。
寝苦しくて起きて、寝苦しくて起きてを繰り返していた為、
朝目覚し時計が鳴って起きた後も、頭がすっきりしなかった。

そんな状態で頭が働かないままなんとなく学校に行って、なんとなく授業を受けた。
お昼休みにはまかないのチャーハンが入ったお弁当を食べ、ぼんやりしたまま午後の授業を受け、
放課後にはバイト先へ向かった。

今日はお客さんが少ない日だったので、ボーっとしたまま働いていても特にミスをすることはなかった。
ただただ時間が経つのを待ちながら働き、今日は珍しく9時に上がる事ができた。

ξ゚?゚)ξ(・・・・あ、そうだ、コンビニに寄ってジュース買ってかえろ・・・・)

バイト先の通用口を出て、いつも帰る道とは反対側にあるコンビニへ向かおうとした。
その時―

( ゚∀゚)「ツン!」

声をかけられ振り返ると、そこにはジョルジュの姿があった。

ξ゚?゚)ξ「ジョルジュ君・・・」

( ゚∀゚)「ちょっと・・・いい?」

ξ゚?゚)ξ「ごめん、私帰るから・・・」

( ゚∀゚)「待ってくれ!!!」

ジョルジュがツンの腕をつかんだ。

ξ゚?゚)ξ「・・・・・なに?」

( ゚∀゚)「昨日はあんなこと言ってごめん!俺もちょっと気が滅入ってて・・・・」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・」

( ゚∀゚)「・・・・・ちゃんとやり直したい。昨日の話、取り消してもいいかな?」

まただ。
また自分のペースが乱されている。

ξ゚?゚)ξ「私の気持ちは変わらないから」

( ゚∀゚)「ツン・・・・」
     ・・・・・・・本気か?」

ξ゚?゚)ξ「さようなら」

( ゚∀゚)「・・・・・・・ツン・・・・」

ツンはジョルジュに背を向けて歩き出した。
その後姿に向かって、ジョルジュが急に叫んだ。

( ゚∀゚)「もし俺がっ・・・!!」

ξ゚?゚)ξ「?」

ツンは立ち止まった。

( ゚∀゚)「もし俺がもう他の女の子と会わないって言っても別れるって言うのか!?」

ξ゚?゚)ξ「!!」

”他の女の子とは会わない”
この言葉をどれほど待ちわびただろうか。昨日の電話でも、いつジョルジュからこの言葉が出るかと期待していた。
自分のことをずっと好きでいてくれたジョルジュなら、こう言ってくれると思っていた。
そしてついにこの瞬間、自分が望んだ言葉をジョルジュが言ってくれた。

ツンはうつむいて少し考えた後に、ジョルジュに向かって言った。

ξ゚?゚)ξ「もう遅いよ」

(;゚∀゚)「・・・・・・・・・ツン」

ξ゚?゚)ξ「やっぱり気持ちは変わりません」

(;゚∀゚)「ツンッ、ごめん、ほんとに俺はもう―」

ξ゚?゚)ξ「さよなら」

ジョルジュの言葉を遮り、ツンはその場を後にした。
もし昨日、あの時に言ってくれてたら、違う今があったかもしれない。

でも、もう遅い。自分の気持ちはすっかり離れてしまったし、ジョルジュも自分よりもあのコの事で頭がいっぱいなはずだ。
ジョルジュの中で自分の存在が一番大きいのなら、誰よりも自分を優先してくれたはずなのだ。
だけどジョルジュはあのコといることを選んだ。それが何よりの答えだった。

付き合い始めて2ヶ月半。
二人の関係は、幕を閉じた―。

それからしばらくして、ジョルジュはクオリティ高校の”さやか”というコと付き合い始めたことを、ジョルジュとの共通の友人から聞いた。
ツンの中で全てがつながった。ようやく完全に納得できた気がした。

そしてブーンも、ツンとジョルジュが破局したという話を耳にした。
クリスマスも終わり、あと数日で新年を迎えようとしている時だった。

1月1日。新しい年の始まり。
新年を迎えたからと言って、何か特別なことをするわけでもない。
ただおせちを食べて、お餅があれば食べて、つまらない特番を見て、いつもより少しのんびりと過ごすだけだ。
しかし去年と一昨年はスーパーのバイトをしていたので、本当に一日中のんびりできるお正月は3年ぶりだった。

( ^ω^)「あけましておめでとうだお」

J(‘ー`)し「はいおめでとう。これお年玉」

( ^ω^)「うはwwありがとうだおwwwwwwww」

J(‘ー`)し「今日は出かけるの?」

( ^ω^)「ドクオと初詣に行くお」

J(‘ー`)し「そう。ドクオ君にヨロシクね」

外に出ると、さわやかな寒さが身を包んだ。
昨晩まで降り続いた雪は明け方頃にやみ、辺りは真っ白な世界が広がっていた。
いつもより時間が流れるのがゆっくりな気がする。ブーンは、積もった雪の感触を楽しむように歩いていた。

ピンポーン
( ^ω^)「お迎えにきたおー」

('A`)「うーす」

( ^ω^)「どこ行くお?去年と同じ神社でいいかお?」

('A`)「どこでもいい」

( ^ω^)「じゃあバロス八幡宮に行くお」

二人はバスを乗り継いで、市内で一番大きい神社へとやってきた。
初詣でこの神社を訪れる人はとても多い。屋台がたくさん並んで正月をにぎやかに演出するのも、集客が多い理由のひとつだ。
去年は元旦の夜、バイトが終わった後にブーンとドクオ、そしてツンの3人で初詣に来た。
人ごみをかきわけながら、ブーンは、背の小さなツンがはぐれないように注意をはらって歩いた去年の初詣のことを思い出した。

('A`)「やっべ、これ去年よりも人多いぜ」

( ^ω^)「そりゃそうだお。去年は夜に来たお」

('A`)「そういやそうだったな。しかし、夜でも人多かったよな。
   ツンもよく迷子にならなかったよな」

( ^ω^)「二人でちゃんとツンに注意して歩いてたからだお」

('A`)「・・・・・・・俺はいつでも迷っている。人生という名の迷路の中をな」

(;^ω^)「それ去年も言ってたお」

屋台が並ぶ通りを抜けると、御守りや破魔矢を販売している売店があり、その先に神社がある。
御守りの売店の隣には、甘酒を無料で配るテントが設けられている。
そのテントの裏に、パイプ椅子に座ってうなだれている酔っ払いがいた。

('A`)「おいっ!!!!!あのおっさん今年もいるぞ・・・・・」

(;^ω^)「ほんとだお。あいつには散々な目にあったお・・・」

('A`)「まぁ今年はツンがいないから大丈夫だろうけど」

( ^ω^)「・・・・・・・・」

('A`)「早くお参りして屋台まわろうぜ。くるくる巻きのお好み焼き食いたい」

( ^ω^)「俺も食べたいおwwwwwwwあ、おみくじも引くお」

('A`)「・・・・おみくじか・・・・・事の発端はおみくじだったんだよな」

( ^ω^)「・・・・・・・去年のことはいいお・・・・とりあえず早くお参りに行くお」

去年の話をすると、どうも歯切れが悪くなる。
そうは思いながらも、つい口からツンの名前が出てしまう。それはブーンだけではなく、ドクオも同じだった。

お参りの長い列に並び、やっと自分の順番がきた。鈴をならして手を合わせて目をつぶり、
今年も無事に過ごせるようにと心の中でお願いした。
ブーンがお賽銭を入れようと思ったその時、人ごみに流されてあっという間に列の外にはじき出された。
仕方なく、列の外から賽銭箱めがけて15円を投げ入れた。
ズボンのポケットに手を入れて行列を観察していると、ドクオがけだるそうな表情で人ごみの中から出てきた。
人が多くてお参りどころじゃねーな、なんて会話をしながら、二人はおみくじを引きに売店に立ち寄った。

('A`)「おい、おみくじどうだった?」

( ^ω^)「うはwwwwwww大吉ktkrwwwwwwwwww」

('A`)「マジか。俺、去年と同じ吉だった。微妙だ」

( ^ω^)「大吉なんて小学校の時以来だおwwwwwwww」

('A`)「俺の人生、おみくじごときで決められちゃつまらん。
  俺は自分で自分の道を切り開く!」

( ^ω^)「ドクオ、ここ見るお!」

('A`)「あん?」

( ^ω^)「”出産:案ずるより産むがやすし”って書いてあるお」

('A`)「・・・・・・・・俺に出産をしろと?」

( ^ω^)「おめでたktkr」

('A`)「子供の前に・・・・・・まずは童貞を捨てないと・・・・・・」

( ^ω^)「・・・・・・・・・・・・」

('A`)「早く俺のマグナムをインサートしたい」

(;^ω^)「・・・・・・・神聖な神社でなんてことを・・・・・」

('A`)「真性って言うな!」

(;^ω^)「ちょwwwwwwwwwww」

ピルル~♪

ξ-?-)ξ「ん・・・・・・」

携帯の着信音でツンは目を覚ました。部屋の時計を見ると、午後1時をさしていた。
携帯を見ると、友人から初詣のお誘いのメールが来ていた。
すぐに断りの返事を送ると、ツンは再び布団にもぐった。

ツンのバイト先は、今時珍しく元旦は定休日になっていた。
おかげでツンはのんびり元旦を過ごす事ができる。

ピルル~♪

また携帯がなった。さきほどの友人からのメールだった。

ξ-?-)ξ「もー、行かないって言ってるのに」

”場所はバロス八幡宮だよ。気が向いたらおいで☆”

ξ-?-)ξ「バロス八幡宮ね・・・・」

そういえば、去年ブーンとドクオと3人で行ったっけ。

ξ#-?-)ξ「・・・・・・・・・・・今思い出しても腹立つ!」

去年の元旦。
ブーンが午後5時半までバイトだった為、その後に待ち合わせをして、ブーンとドクオ、そしてツンの3人でバロス八幡宮へ初詣に行った。
お参りをした後に3人でおみくじを引いたのだが、ツンは末吉を引いてしまった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ξ#゚?゚)ξ『もう1回引く!!!!!』

(;^ω^)『ちょwwwおみくじは何回も引くもんじゃないおwwwww』

ξ゚?゚)ξ『うっさいわね、せめて中吉じゃないと気が済まないのよ!』

ツンは合計3回おみくじをひいたが、なんと全て末吉だった。

('A`)『これがお前の運命ってやつさ』

ξ;゚?゚)ξ『はぁ・・・・今年は悪い一年になりそう・・・・』

/'、З『おいお前ら、どうだった?』

(;^ω^)『・・・・・?』

('A`)『・・・・・・・・・・・』

ξ;゚?゚)ξ『・・・・・・・・・・・』

(;^ω^)『あの・・・・?』

/'、З『俺、この神社の住職だけど』

(;^ω^)『・・・・・・・・・・本当かお?』

('A`)(ただの酔っ払いにしか見えねーよ)

/'、З『本当だよ。お前ら、おみくじで何かわからない事があったら聞け』

ξ;゚?゚)ξ『・・・・・・・・』

(;^ω^)『なんで1回100円なんですかお?』

/'、З『それはなぁ、財布から取り出しやすい金額だからだ。
   150円だったら半端だし、500円じゃ高いだろ?』

('A`)『一理あるな・・・』

/'、З『まぁ、100円という値段でおみくじを出せるのは、大抵の神社のバックにヤクザがいるからだよ』

(;^ω^)('A`)ξ;゚?゚)ξ『・・・・・・・・・・・・』

/'、З『ん?お嬢ちゃん、3回も引いたのか?』

ξ;゚?゚)ξ『あっ・・・はい、3回とも末吉で・・・・』

/'、З『そうか。同じ結果になったということはそれはやっぱり神様の力が働いてるからだ
   あとヤクザの力もな』

ξ;゚?゚)ξ『・・・・そうですか・・・』

/'、З『お嬢ちゃんはいくつだ?』

ξ;゚?゚)ξ『16・・・・です』

/'、З『若いねー。うちの店で働かない?』

ξ;゚?゚)ξ『はぁ?』

/'、З『おじさん、飲み屋経営してるんだよ。この間人気のホステスが当然辞めちゃって困っててね。
    お嬢ちゃん可愛いから、時給3000円出すよ』

(;^ω^)『いや・・・・・あの・・・・』

/'、З『あれ、もしかして君、このコの彼氏?』

(;^ω^)『違いますお・・・・』

/'、З『違うの?でもさ、エッチはしたでしょ?』

('A`;)『・・・・・・・・・・・・・・』

ξ;゚?゚)ξ『・・・・・・・・・・・・何こいつ、きもい』

/'、З『あ?』

(;^ω^)『ちょwwwwwww』

('A`)『おいツン、相手にすんな』

ξ;゚?゚)ξ『だって・・・・』

(;^ω^)『お、おじさん、俺たちは帰りますお』

/'、З『待てよ、俺はヤクザの一員だぞ』

ξ;゚?゚)ξ『・・・っ!!!』

( ^ω^)『ツン、行くお』

ξ;゚?゚)ξ『う・・・うんっ』

ブーンはツンの手を引いて、早足でその場を立ち去ろうとした。

ξ;゚?゚)ξ『待って、まだドクオが・・・・』

('A`)『俺はいいから行け!』

( ^ω^)『わかったお!』

ブーンとツンは走ってその場を後にした。

/'、З『あ、お前があのコの彼氏なんだ?食った?食ったの?』

('A`)『すいません、今日のところは失礼しますんで』

/'、З『わかった、時給4000円でどうだ?』

('A`)『申し訳ないですけど、大切な妹に水商売させるわけにはいかないので』

/'、З『あん?お前あのコの・・・』

('A`)『兄です。ですから、すいませんが・・・』

/'、З『・・・・ちっ』

('A`)『じゃあ、失礼します』

/'、З『んだよ、じゃあ本人に話つけるよ』

('A`)『いえ、もう本当に勘弁して下さい。・・・・・・・あっ、ちょっと!!!!』

バタバタバタ・・・・

(;^ω^)『はあっ、はあっ、
      そこの角を曲がったところにコンビニがあるお、ひとまずそこに入るお!!』

ξ;゚?゚)ξ『うん!』

ξ;゚?゚)ξ『・・・・あっ、待って、ドクオが来た!!!』

(;^ω^)『ドクオ!!!!・・・・・・・・・あっ!?』

/'、З『おいこら待てや!!!!』

(;^ω^)ξ;゚?゚)ξ『!!!!』

ξ;゚?゚)ξ『ドクオの後ろにあのおっさんが・・・』

(;^ω^)『ツン!タクシーに乗るお!!!!』

ξ;゚?゚)ξ『うん!でも、ドクオは?』

(;^ω^)『運転手さん!友達が痴漢に追われてるお!友達を乗せたらすぐ出して欲しいお!』

(;`・ω・´)『ええ!?大丈夫か!?』

(;^ω^)『ドクオー―――――!早く乗るおー――――――っっ!』

ξ;゚?゚)ξ『あっ・・・・・・・・・・!おっさん転んだ!!』

('A`;)『はあっ、はあっ・・・逃げ切った・・・!』

(`・ω・´)『出しますよ!』

ブウウン・・・・

('A`;)『はあ、はあ・・・』

(;^ω^)『ドクオ、大丈夫かお?』

ξ゚?゚)ξ『ドクオごめんね・・・・ごめん・・・』

('A`)『あいつだいぶ酔っ払ってたから、本気で喋ってたわけじゃないと思うから・・・もう大丈夫だよ』

( ^ω^)『ツン、泣くなお・・・』

ξ゚?゚)ξ『泣いてないわよ!!』

('A`)『あいつはもういないから安心しろ』

ξ゚?゚)ξ『うん・・・ごめんね・・・ありがとう・・・・』

(`・ω・´)『お客さん、警察に行きますか?』

('A`)『いえ、いいです。相手はただの酔っ払いですし。とりあえず神山住宅街まで』

(`・ω・´)『はい』

~~~~~~~~~~~~~~~

ξ-?-)ξ「・・・・・・・・・」

そうだ、それでその後にドクオの家で大反省会したんだ。

ξ゚?゚)ξ(まさしく、末吉3枚分の災難だったな・・・)

ベッドから降り、思いっきり背伸びをする。
少し寝すぎた・・・。なんだかすっきりしない。
ブーンは、ドクオは、そしてジョルジュは、どんなお正月を過ごしてるのかな・・・。
そんなことを考えながら、ツンはあと2ヶ月ほどでみんなとの別れがくることを思い出した。

冬休み中もツンはバイトに明け暮れた。
たまの休みの日も、どこにも出かけずに家でゴロゴロしていた。
こんな休日の過ごし方もいいけど、やっぱりどこかへ出かける方が性にあっていることを、改めて実感した。

(^▽^)「ツンーひさしぶりー」

ξ゚?゚)ξ「あ、りかちゃん、久し振り」

新学期がきた。クラスメートとの久々の対面だ。
他のコたちは冬休み中も遊んでいたらしいが、ツンはバイトするか家にいるかだったため、
2学期の終業式以来の対面となった。

(^▽^)「もー、なんで初詣来なかったのよー」

ξ゚?゚)ξ「ごめんね、なんか気分が乗らなくて」

(^▽^)「冬休み中もさー、ツンに新しい彼氏ができるようにと思って合コンセッティングしたのにー」

ξ゚?゚)ξ「ああ・・・そうゆうのあんま好きじゃないんだ」

(^▽^)「なんで彼氏と別れたのよー?」

ξ゚?゚)ξ「え!?・・・・・・・まぁ、色々あってね」

(^▽^)「まぁ元気出しなって!ツンならすぐ彼氏できるよ!」

ξ゚?゚)ξ「うん・・・・」

キーンコーンカーンコーン

( ´∀`)「はい、始業式だから体育館に集合ー」

(^▽^)「体育館だって、行こー」

ξ゚?゚)ξ「うん・・・」

りかは、1年の頃からツンと同じクラスで、よくツンに話し掛けてくるコだった。
しかしツンはりかが苦手だった。今の会話のように、無神経な言動が多々あるからだ。

ξ゚?゚)ξ(なんで別れたとか・・・そんな理由、他人に言えるような簡単な問題じゃないってことがわからないのかな・・・?)

りかに嫌悪感を抱きつつも、事を荒立てるのも面倒だったので、いつも適当に話を聞いていた。

始業式では、校長が、3年生はもうすぐセンター試験があるだとか、
就職が決まっていない人は就職活動により一層励まなくてはならないとか、
3月には卒業式があるから頑張りなさい、という内容の話をした。
もう1月。2ヶ月も経てば、卒業式がくる。

卒業式という言葉が、やけにツンの心に残っていた。

('A`)「最近みんな忙しそうだよな」

(;^ω^)「当たり前だお。就活とか受験勉強があるお」

('A`)「お前、内定は?」

(;^ω^)「・・・・・・・・まだもらってないお」

('A`)「・・・・・・まぁ、落ち込むなって」

(;^ω^)「そんなこと言うと余計へこむお」

始業式が終わった後、二人はまたいつもの本屋に来ていた。

( ^ω^)「ところでドクオは専門学校にでも進学するのかお?」

('A`)「え?なんで?」

( ^ω^)「就活も何もしてないし・・・」

('A`)「何言ってんだ。俺は毎日ネトゲしてるぜ」

(;^ω^)「そうじゃなくて」

('A`)「あったあった、新しい快楽点。俺、村田オレンジの絵好きなんだよ」

ドクオは快楽点を手にすると、迷わずレジに向かった。
しかし高校の制服を着ているとの理由で、店員に販売を拒否されていた。
ドクオは、たまにはこんな日もあるさと、特に気にする様子もなく、再び成人向け雑誌のコーナーを物色していた。

( ^ω^)「ただいまだおー」

おかえり、の返事は今日もない。母はいつものように仕事に出ていた。
郵便受けを見ると、冬休みに入る前に面接を受けた企業からの封書が入っていた。
ブーンは自分の部屋に入り、その封筒をびりびりと破いて中の書類を取り出した。
書類を隅から隅までじっくり見た後、がっくりとうなだれてベッドに倒れこんだ。

不採用通知はもう見飽きた。そろそろ採用通知を見てみたかった。
しかし、何度面接を受けても、来るのは期待していない返事ばかりだった。

( ^ω^)「やる気がないのが、自然と態度に出てるのかお・・・?」

面接での受け答えもきちんとこなしてるつもりだったし、履歴書の応募動機の欄も手を抜いて書いたことはなかった。
それでも企業が自分を採用しないのは、面接者の本質を見抜く力があるからなのだろう。

( ^ω^)「本当にやりたい事が見つからないお・・・」

高校を卒業した後は進学せずに就職しようというのは、ずっと心にあった。
しかし、いざ就職活動をしてみた時、その職種の多さに戸惑った。
それと同時に、自分の考えがどんなに浅はかだったかということを実感した。

( ^ω^)「ここまできたら、就職が決まらないまま卒業するのを覚悟するお」

卒業後に、のんびりやりたい事を探せばいい。
・・・・なんてことは思わないが、どうすれば自分の納得のできるカタチに納まるかを日々探求していこうと、そう思っていた。

学校はもう自由登校に入っていたが、ブーンは毎日学校に行き、採用情報を調べていた。
担任と生徒指導室で話し合う日も多かった。そしてたまに生徒会室に立ち寄っては、思いにふける日もあった。

この日もいつものように採用情報を調べる合い間に、一人生徒会室で就職情報誌と睨めっこしていた。
その時、生徒会室をノックする音がした。

コンコン

( ^ω^)「はーい、あいてるおー」

( ゚∀゚)「・・・・よっ」

(;^ω^)「ジョルジュ!」

扉を開けて入ってきたのはジョルジュだった。
冬休みに入った時以来、ろくに会話もしていなかったから、少しだけ体が強張る。

( ゚∀゚)「就活頑張ってるな」

( ^ω^)「ジョルジュこそ、来週センターなのに大丈夫かお?」

( ゚∀゚)「ああ、今日はちょっと学校に用があってな」

( ^ω^)「そうかお」

( ゚∀゚)「懐かしいな、生徒会室」

そう言ってジョルジュはブーンの向かい側の椅子に腰掛ける。
ジョルジュの手を見るとひどく荒れており、ペンだこも以前にも増してふくらんでいた。
睡眠時間を削っているのだろう、目の下にはうっすらとクマができていた。
相当勉強しているのだろうということは、何も言わなくともジョルジュを見るだけで察することができた。

( ゚∀゚)「ごめんな、取り込み中なのに」

( ^ω^)「いや、いいお。今日はそろそろ帰ろうと思ってたお」

( ゚∀゚)「そうか・・・」

( ^ω^)「じゃあ、俺は帰るお。まだいるなら鍵を頼んだお」

( ゚∀゚)「あっ、待ってくれ。ちょっと話さないか?」

( ^ω^)「?いいお」

ブーンはペンを筆箱に入れ、本とひとまとめにしてカバンにしまった。
ジョルジュは少し遠くを見た後に、口を開いた。

( ゚∀゚)「知ってると思うけどさ、ツンと別れたんだ」

( ^ω^)「ドクオから聞いたお・・・」

やはりこの話題か。予想していた通りだ。
きっとこの後、ツンへの謝罪の言葉を口にするのだろう。

( ゚∀゚)「俺、ツンに悪い事をしたと思う・・・謝っても足りないくらいだ」

( ^ω^)(・・・・当たったお)

( ゚∀゚)「でも、ツンは俺との間に壁を作ってたと思う。
    俺が踏み込もうとしても、あいつ、近寄らせてくれなかった」

( ^ω^)「・・・・・」

( ゚∀゚)「でも、きっと無理に近付いちゃだめだったんだな。長い目で見ることができれば良かったんだ。
     そしてツンが全てを見せると決めたときに、受け入れてやれば・・・」

( ^ω^)「・・・・・」

( ゚∀゚)「今更気付いても遅いよな」

ジョルジュは口元にうっすらと笑みを浮かべた後、肩を落としてうつむいた。

( ゚∀゚)「俺、ツンのこと本当に好きだったんだ。正直今でも未練はある」

( ^ω^)「・・・・・」

( ゚∀゚)「でも今は新しい彼女もいる。今まで以上にそいつを大切にしようと思う・・・」

( ^ω^)「そうかお・・・」

( ゚∀゚)「ごめんな、なんかお前に聞いて欲しくて」

( ^ω^)「俺はジョルジュを尊敬するお。自分の気持ちをそんなにはっきりと示す事ができるなんて、羨ましいお」

( ゚∀゚)「そうか?逆に裏表がなさすぎるって自分で思うけどなw」

( ^ω^)「確かにそうだおwwwwww」

( ゚∀゚)「はははっ。じゃ、話はそれだけだ。邪魔してごめんな」

( ^ω^)「気にするなお。ジョルジュも勉強頑張るお」

( ゚∀゚)「サンキュ。じゃあな」

そう言ってジョルジュはすっきりした表情で生徒会室を出た。
その様子を見て、ブーン自身も晴れやかな気分になった。

時間がどんどん過ぎていく。
センター試験も終わり、受験生たちの勉強にも拍車がかかる。
また、未だに就職が決まらない生徒たちはさすがに焦りを隠せない様子だった。
中には諦めて専門学校への進学に変更する者もいたが、経済的に余裕のある家庭の生徒だけで、ごく一部だった。

( ´_ゝ`)「内藤、お前どうすんの。まだ内定もらってないでしょ」

( ^ω^)「俺はただ全力を尽くすだけだお」

( ´_ゝ`)「フーン。ドクオは?」

('A`)「俺もただ全力を尽くすだけだ」

( ´_ゝ`)「お前はどうせネトゲだろ」

一週間ぶりにドクオが登校してきたので、二人で流石のもとを訪ねた。
流石とは、教師と生徒という関係を忘れるほど仲が良かった。
こうして会話をするのもあと少しで終わりか・・・。そう思うと少し切なくなったが、卒業後も学校に遊びに来れば会える。
そう思えば、寂しさも少しは和らいだ。

('A`)「つーか流石、いい加減スタオ2返して。久々にレナたんに会いたい」

( ´_ゝ`)「ああ、借りたゲーム全部返すよ。お前今度いつ来るの?」

('A`)「アン?別にそんな急がなくても・・・」

( ´_ゝ`)「俺、転勤するんだよね」

(;^ω^)('A`)「!!!!」

( ´_ゝ`)「俺、新任でこの学校に来て、今三年目だろ?
     今度の春、違う学校に変わると思うんだ」

(;^ω^)「そうかお・・・・」

('A`)「まぁ、俺らもちょうど卒業だしな・・・ちょうどいいっつーか・・・」

( ´_ゝ`)「お前ら、元気でやれよ」

(;^ω^)「ちょwwwwwお別れの言葉はまだ早いおwwwwwwww」

('A`)「じゃー最後にお別れパーティーやんね?カラオケかどっかで」

( ^ω^)「それいいお!流石も来るお?」

( ´_ゝ`)「行けたら行く」

('A`)「決まりだな」

ブーンはふと、その日が楽しみだ、と言いかけた。パーティーは楽しみだが、別れが来るのは嫌だということに気が付いた。
これで、流石とも卒業後に気軽に会えなくなってしまった。
ブーンの気持ちとは反対に、卒業と別れへ対しての実感が日に日に強くなっていく。
皆は平気なのだろうか?卒業がくるということに。別れがくるということに。

( ^ω^)(もしかして、みんな考えてる余裕なんてないのかお?)

受験生は受験勉強のラストスパートに入っており、他のことを考える余裕などないだろう。
また、すでに推薦合格した者や、専門学校への進学を決めた者、就職が決まった者は、
卒業という”別れ”の後に、新しい出会いが待っている。
しかしブーンには、卒業後のビジョンがまだ描けていない状態だ。別れを惜しむ気持ちが強くなるのも無理はない。

(;^ω^)(・・・・悪い方に考えちゃだめだお!全力を尽くすお!!)

まだ結果が来ていない企業もある。最後まで望みを捨てずにいよう。
ブーンは改めてそう決心した。

2月は日数が少ないので、いつもより日が過ぎるのが早い。
私立大学と国立大学の受験も終わり、もうすぐ3月になる。
受験が終わったと言っても後期もあるので、まだ気が抜けない状態ではあるが。

この日、生徒会役員は久々の招集がかけられていた。

( ´_ゝ`)「来週はいよいよ卒業式です。
     例年通り、役員は卒業式の準備と後片付けをしなければなりません」

去年と同じ説明を受ける。
卒業式当日、役員はいつもより早く登校して式の準備をし、
式が終わった後は、クラスで帰りのホームルームが終わった後に体育館に集合して、椅子やテーブルなどを片付けなくてはならない。
他の委員会の生徒も手伝うことになっているので、さほど大変な作業ではないのだが、
一般の生徒よりも下校が遅くなるという点が、役員たちの不満を買っていた。
しかし普段あまり活動しない分、こういう場面でしか出番がないので、
文句を言わないことが、生徒会の暗黙の了解となっていた。

そして、様々な思いが揺れ動く月、3月がやってきた。
卒業式まで、時間はあっという間に流れた―。

(-_-)「ツン先輩、この花瓶はどこに置けばいいですか?」

ξ゚?゚)ξ「ああ、それは来賓席の横に・・・」

( ‘д‘)「ツンちゃん、こっち手伝ってー」

ξ;゚?゚)ξ「はーい」

前日から会場の準備に追われ、当日も時間ギリギリまで働いていた。
教室に戻るようにと指示を受けたのは、在校生が体育館に移動する5分前のことだった。
教室に戻ると、りかがツンを迎え入れた。

(^▽^)「ツンちゃんおつかれさまだねー」

ξ゚?゚)ξ「うん、本当に疲れちゃった。卒業式中に寝ちゃいそうw」

(^▽^)「卒業式なんてすぐ終わるから大丈夫!」

ξ゚?゚)ξ「そうだね」

( ´∀`)「おーい、体育館に移動するぞー」

(^▽^)「ツン行こー」

ξ゚?゚)ξ「うん」

休む間もなく体育館へと移動する。
もうすぐ卒業式が始まる、なんて緊張感もないままに。

体育館へ行くと、すでに卒業生の保護者たちの席は埋まっていた。
他の先生たちも体育館脇に一列に並んでいる。
在校生が自分の席につくと、「生徒たちは私語をやめてください」とアナウンスが入った。
体育館が静まり返ったところで、PTA会長などの来賓が入場し、開式のアナウンスが流れた。
「ただいまより、平成○○年度卒業証書授与式を行います」
「卒業生の入場です。在校生はご起立願います。在校生、及びご来場の方々は、拍手をして卒業生をお迎えください。
卒業生、入場!」

吹奏楽部の演奏と共に、卒業生たちが入場する。同時に、盛大な拍手が体育館を包んだ。
ツンはこの時改めて、今日が卒業式だということを認識した。
在校生たちは卒業生の方へ体を向けて、拍手をして卒業生を迎え入れる。
卒業生たちは少し照れながら、自分の席へと移動する。

ツンは顔を上げる事ができなかった。ずっとうつむいたまま拍手をしていた。
視界に入れたくないものがあったから・・・。

そして卒業生たちがそれぞれの席の前にスタンバイし終えると、
「卒業生、在校生、着席」
とうアナウンスが流れ、生徒たちは一斉に席についた。

放送委員の坦々としたアナウンスにより、式は順調に進行していく。
外は綺麗に晴れ渡っていたが、時折吹く北風が体育館の窓を揺らす。

会場内には大型のヒーターが設置されており、ぽかぽかと心地良い空気に加えて、
どこかの偉い人のスピーチが長くて、つい眠くなる。

ツンが軽くあくびをしたところで、式は卒業証書授与へとうつった。
「卒業証書授与。各クラスの代表は前へ出て下さい」
ツンはふと顔を上げた。3年2組の代表者の後姿に、妙に見覚えがあった。

ξ;゚?゚)ξ「あっ・・・・・・・・・」

壇上には、ジョルジュの姿があった。
まさかジョルジュがクラスの代表として卒業証書を受け取るなんて・・・。
確かにジョルジュは頭も良くて人気だった。性格も明るいから、代表に選ばれるのもうなずける。
しかしツンは壇上を見続けることができず、目線をそらした。別にジョルジュにはもう未練も何もないが、不意に視界に入るとやっぱり緊張する。
思わぬハプニングにびっくりしたが、嫌な気はしなかった。

式は順調に進んだ。涙をこらえながら答辞を読む卒業生の姿に、思わず目頭が熱くなったりもした。
生徒全員での校歌斉唱を終え、式は終わりを向かえた。

「卒業生退場。在校生、及びご来場の皆様は拍手で卒業生をお送りください」
再び、吹奏楽部の演奏が始まり、割れんばかりの拍手が会場に響き渡る。
その時、体育館の2階のギャラリーの方から紙ふぶきが舞い降りてきた。
できるだけ遠くに飛ばせるようにしているのだろう、演劇部で使用している大きな扇風機の風に紙ふぶきをのせて、
体育館中を色鮮やかに飾っていた。

そして、体育館の後ろの方には、いつの間にか応援団員が一列に整列していた。
団長「えー、卒業生のみなさん、ご卒業おめでとうございます!!!」
団員「おめでとうございます!!!!」
団長「只今より、VIP高の伝統にのっとり、卒業生へエールを送ります!!!!!」

ドンドンドンドンドンドン・・・!!
和太鼓の音が響き渡る。

団長「全員、かまえっ!!」
ドンドン!
団長「いくぞー――――――――っっっ!!!!」
団員「オス!!!!!」

団長「はいオメデト!」
団員「オメデト!!」
団長「オメデト!」
団員「オメデト!!」

団長「今夜の主役は卒業生♪別れがくるのは寂しいけれど♪門出を祝福致します♪
    ハイ!!」
団員「のーんでのーんでのんで♪のーんでのーんでのんで♪のーんでのーんでのんで♪のーんでのーんでのんで♪」
団長「お酒ははたちを過ぎてからああああああああああ!!!!!!!」
団員「オメデト!
   オメデト!
   オメデト!
   オメデト!」

これは、数年前から始めた応援団によるホスト応援で、主に体育祭と文化祭で披露されていたが、
職員会議で許可が下りると、運動部の壮行式や入学式などでもこのような応援の掛け声をすることを許されていた。
今年の卒業生は偏差値が高く、就職率も去年より高かった為、卒業式という厳粛な場でのホスト応援を許されたのだろう。

会場内に笑いが響き渡る。ホスト応援の掛け声の中、卒業生たちも笑いながら退場していく。
舞い落ちる紙ふぶきが、よりいっそうにぎやかに演出していた。

(^▽^)「まさか卒業式でホストやるとはねw」

ξ゚?゚)ξ「そうだねw去年みたく普通の掛け声かと思ってたw」

りかと笑い合いながら、ふと目線を上に向けると、その先にはブーンとドクオの姿があった。

ξ;゚?゚)ξ「・・・・・・・・・・・・あっ」

体が硬直し、視線が釘付けになる。
二人は紙ふぶきを体に浴びながら、何か話をしながら歩いている。
ツンはその様子を目で追った。
冗談を言い合いながら楽しそうに歩いていく二人の姿が、やけに眩しく見えた。

これで彼らは卒業。もうこの学校には来ない。
彼らとの関係を絶ってしまった今、今後会う機会も来ないだろう。

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・・・・・」

なんとも言えないむなしさがツンの胸に残った。

( ^ω^)「うはwwwwww卒業式テラネムタスだったお」

('A`)「おい、頭に紙ふぶきついてるぞ」

( ^ω^)「そういうドクオもいっぱいついてるお」

体育館の外に退場した卒業生たちは、興奮冷めやらぬ様子だ。
泣いている女生徒をなぐさめていたり、お互いについた紙ふぶきを払ったり、楽しく語らったりしていた。

( ´_ゝ`)「はいー卒業生は一旦教室に戻ってー」

流石が生徒たちを教室に戻るように促す。
生徒たちはぞろぞろと、教室に向かって歩き出した。

('A`)「流石ー今日来るよなー?」

( ´_ゝ`)「ちょっと遅くなるけど行こうと思う。何人くらい集まるんだ?」

( ^ω^)「多分10人くらいだお。場所はシダッ糞だお」

( ´_ゝ`)「フーン。まぁ行く前にメールするわ。つーか早く教室行け」

('A`)「ういー」

二人は他の生徒たちに混ざって教室に向かった。

('A`)「おい、カラオケって2時半集合だったよな?」

( ^ω^)「そうだお」

('A`)「俺、時間まで学校に残ってたいんだけど」

( ^ω^)「?」

('A`)「なんつーか、名残惜しいじゃん。ちょっと物思いにふけらせてくれ」

( ^ω^)「わかったお。俺も付き合うお」

('A`)「つーかお前もやり残した事あんじゃん」

(;^ω^)「?」

('A`)「ちゃんと渡せんのか?」

( ^ω^)「・・・・・・頑張るお」

('A`)「間違っても俺を敗戦処理道具にすんなよ」

( ^ω^)「うんお」

二人は騒がしい教室に戻った。ブーンは自分の席につき、黒板の上の時計を見た。

( ^ω^)「まだお昼前かお・・・」

きっと生徒会役員は卒業式の後片付けをするに違いない。
でも、他の委員の生徒も手伝ったりするから、いつも通りなら1時くらいで終わるはず。
ドクオと校内を回って思い出話をし終わる頃にはちょうど良く落ち合えるはずだ。

(;^ω^)「ふおおおお・・・・・」

なんだかとても緊張する。掌に汗がにじんでいる。
うまく言葉が出てくるだろうか。うまく目を見て話すことができるだろうか。

( ´_ゝ`)「お前ら席につけー」

流石が教室に入ってきた。生徒たちは自分の席についた。
この後流石は、数日後に控えている大学の合格発表の日程と合否報告の説明をした。
ブーンは時計をちらちらと見ながら、落ち着かない様子で流石の話を聞いていた。

( ´_ゝ`)「このメンバーでこの教室に集まるのは今日で最後です。
     社会に出る人も進学する人も引き篭もりになる人もそれなりに頑張って下さい。
     では終わり」

女子生徒1「先生!これ・・・・」

流石の話が終わった後、女子生徒数名が流石のもとへ歩み寄った。

女子生徒2「今までお世話になりました!」

( ´_ゝ`)「おお・・・・」

その生徒たちは、大きな花束を流石に手渡した。

女子生徒3「みんなでお金出し合って買ったんです」

男子生徒1「せんせー花束似合ってるよー」

男子生徒2「あはははは!!」

( ´_ゝ`)「お前らからかってねーか?まぁいいや、ありがとう」

流石の周りを、複数の生徒たちが取り囲む。
一緒に写真を撮るものもいれば、手帳にメッセージを書き込んでもらう者もいた。

('A`)「おいブーン、今のうちに行こうぜ」

( ^ω^)「うんお」

本当はこの後卒業生が学校を出るのを在校生が送り出すことになっている。
そこで、1・2年生は第2ボタンをもらいに行ったり、憧れの先輩と写真を撮ったりするのが毎年恒例となっていた。
二人はそれに参加せず、こっそりと学校に残ることにしたのだ。

('A`)「俺、写真とか好きじゃないんだよね。
    それに第2ボタンだって、なんで見ず知らずの後輩にあげなきゃならんの?」

(;^ω^)(勝手に、モテる先輩の設定にひたってるお・・・)

二人は屋上に向かった。冷たくはあるが、すがすがしい風が吹いている。
昨日まで雪が降っていた為、屋上は雪で埋もれていた。
ズボンの裾を軽く持ち上げながら雪の上を歩き、フェンスごしに下を覗いた。
玄関の外で、生徒たちがはしゃいでいる。

('A`)「ふっ・・・若いな・・・」

( ^ω^)「・・・・・・3年間、あっという間だったお」

('A`)「結局お前とは3年間同じクラスだったな」

( ^ω^)「そうだお。腐れ縁だお」

二人は屋上で思い出話に花を咲かせた。
こうして学校で語らうのも今日が最後、なんて考えが頭をよぎり胸がしめつけられるように切なくなったが、
ドクオとの付き合いは今後も大切にしていきたいと、改めて思った。

校内を回り、購買の自販機でジュースを買って一休みをしているところで、時計は1時を過ぎていた。

( ^ω^)「きっとそろそろ片付けが終わって帰る頃だお」

('A`)「おう。俺ここで待ってるから行ってこい。
   2時までにケリつけてこいよ」

( ^ω^)「わかったお」

ブーンは体育館へと向かった。体育館の引き戸をそーっと開けると、中には数名の生徒がいた。

( ^ω^)「あれ?いないお・・・・」

もしかしてもう帰ってしまったのか?
少し不安になりつつ体育館を後いしようと振り返ると、生徒会役員が歩いているのを見つけた。

( ^ω^)「あ、ちょっと・・・」

( ‘д‘)「あ、内藤先輩。まだ帰ってなかったんですか?」

( ^ω^)「あいちゃん、ツンがどこにいるか知らないかお?」

( ‘д‘)「あー・・・片付けが終わった後、すぐに帰りましたよ」

(;^ω^)「もう後片付けは終わってるのかお?」

( ‘д‘)「はい、15分くらい前かな・・・。今年は終わるの早かったから」

( ^ω^)「分かったお。ありがとうだお」

ブーンは急いで玄関へと向かった。そしてツンの下駄箱の中にツンの靴があるのを確認すると、再び校内へ戻った。

( ^ω^)(ツンはまだ学校にいるお・・・どこだお)

2年1組の教室に向かったブーンは、ツンの机を探した。
ひとつだけ、荷物が置きっぱなしになっている机があった。そこにはツンのバッグがあった。

( ^ω^)「・・・・ツンのバッグがあるってことは、まだ教室に戻ってないってことかお?」

教室にいないとすれば、生徒会室だろうか。
正直、生徒会室くらいしかツンが行きそうな所は心当たりがない・・・。
ブーンは生徒会室に向かい、ドアに手をかけた。

(;^ω^)「あれっ」

ドアには鍵がかかっていた。

(;^ω^)「ここにもいないお・・・?」

生徒会室にいないとすれば、ツンはどこにいるのだろうか。
ブーンは校内を隅から隅まで探した。
どこにもいない。どこにもツンの姿がない。

(;^ω^)「ツン、どこにいるお・・・」

校内の全ての教室を探し終わった頃には、もうすぐ2時になろうとしていた。

(;^ω^)「まずいお!ドクオにおいてかれちゃうお!」

ブーンは急いで購買へ向かった。
購買の前にあるベンチで、ドクオは「モノの旅」を読んでいた。

('A`)「おー、どうだった?」

(;^ω^)「ツンがどこにもいないんだお・・・・」

('A`)「は?電話しても出ないのか?」

(;^ω^)「電話!!!!!・・・・・・・・その手があったお・・・・」

('A`)「あんたばかぁ?つーかツンの教室で待ってりゃ良かったじゃん」

(;^ω^)「・・・・気付かなかったお」

('A`)「お前少しは落ち着けよ。
   んで、どうすんだよ?そろそろ出発すんぞ」

(;^ω^)「・・・・分かったお、仕方ないお・・・・」

('A`)「やれやれ。行くぞ」

ブーンは何か紙にメモをした後、ドクオと二人、購買を後にした。

ξ;-?-)ξ「あー疲れた・・・」

職員室からツンが姿を現した。
体育館の片づけが終わった後すぐに帰ろうと思ったのだが、運悪く家庭科の女教師につかまってしまい、
卒業式の来賓の控え室の後片付けと、湯のみ茶碗などの食器洗いを、職員室内の給湯室でさせられていた。

ξ;-?-)ξ「早く帰るつもりだったのに・・・」

女教師は、「これ、お礼ね」と言ってチョコレートを手渡してくれた。
そのチョコレートをほおばり、廊下をとぼとぼと歩いた。
2階にあがり、静まり返った教室のドアを開けた。他の生徒は帰ってしまったようだ。

ξ゚?゚)ξ「帰ったら何しようかな・・・・・」

今日はバイトもない。遊ぶ予定も入っていないので、何もすることがない。

ξ-?-)ξ(去年は卒業式の後、ブーンと一緒にドクオの家に遊びに行ったっけ・・・)

3人で楽しく過ごした去年と、今教室で一人でいることのギャップに、孤独感が一層強まった。
自分がみじめでたまらなくなった。

本当はブーンが卒業する前に仲直りしたかった。でも、自分からはなかなか連絡しづらかった。
ブーンから連絡がくることもなかったので、余計に疎遠になってしまった。

もしかして、ブーンは仲直りしなくてもいいと思ってるんじゃないかな。
自分勝手で、言葉遣いが悪くて、ネガティブな自分とは、友達でいる必要はないと思ってるに違いない。
だから、メールの1通もくれないんだ。

ツンの瞳に涙がにじむ。
・・・だめだ、泣くな。自分が撒いた種じゃないか。自業自得なんだ。
ツンは涙をぐっとこらえ、自分の机へ向かった。
何もする事がないけど、とりあえず家に帰ろう。

ξ゚?゚)ξ「・・・・あれ?」

自分の机の上に、見覚えのない紙袋が置いてあるのに気が付いた。

ξ゚?゚)ξ「・・・・この紙袋、射精堂の・・・・」

心臓の鼓動が早くなっていく。恐る恐る紙袋をあけてみると、
中には可愛らしいパッケージの化粧品が入っていた。

ξ゚?゚)ξ「これ・・・・雑誌に載ってた・・・」

それは3月末に発売になる予定の、10代向けの新ブランドのボディケア用品だった。
紙袋の中には、リップクリーム、ボディミルク、ハンドクリームなどが入っていた。
ツンがいつも買っているファッション誌に、この化粧品の特集が載っていた。
可愛らしいパッケージに惹かれ、とても気になっていたのだ。

ξ゚?゚)ξ「これ、まだ発売前なのに・・・・」

ふと、紙袋の底にメモが入っているのに気付いた。
ツンはそのメモを手に取った。

ξ;゚?゚)ξ「・・・・・・!!!」

そこには、見覚えのある字で自分当宛てのメッセージが書かれていた。

『ツンへ
 
 これからも 頑張って

 ハンドクリーム は 手がきれいになりました

                         ブーン』

ξ;゚?゚)ξ「ブーン・・・・」
 
いつも「ミミズみたい」と、笑ってからかっていた字。
お世辞にも上手とは言えない字なのに、急いで書いた為かいつもより余計に下手くそな上に、文もなんだかおかしい。

ツンは、以前ブーンとした会話を思い出した。

ξ;-?-)ξ『バイトで手が荒れてさー』
( ^ω^)『ふーん』

ξ;゚?゚)ξ「・・・・・覚えてたの・・・?」

ブーンに、ブーンに会わないと。
でも、きっともう帰ったに違いない・・・。どうしよう・・・・。
そうだ!電話しよう!

ツンは急いでバッグから携帯を取り出す。画面を見ると、メールが1通届いていた。
そのメールは、ブーンからのものだった。

『from:ブーン
件名:
本文:プレゼント置いておきました。
    良ければ使って下さい。    』

ξ;゚?゚)ξ「ブーン・・・!」

受信時間を見ると、14:05になっていた。
ツンの携帯の時計は、14:10と表示されていた。

ξ;゚?゚)ξ「ついさっきまで、ここにいたの・・・?」

ブーンはきっとまだ学校の近くにいる。もしかしたら近くを歩いているかもしれない。
ツンは窓から外を見た。

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・・・あっ、いた!」

そこには、ブーンがドクオと肩を並べて歩いている姿があった。
どうしよう、今から追いかけようか?いや、きっと間に合わない。
追いかけている間にバスにでも乗ってしまったら、今日はもう会う事ができない・・・。
いや、今日どころか、もうずっと会えなくなるかも・・・・・。

ツンは急いで窓を開け、思いっきり叫んだ。

ξ;゚?゚)ξ「内藤ー――――――――――――――――――――っっっっ!!!!!!!!!!!!!!」

その声に、ブーンたちの足が止まった。

( ^ω^)「ツン!?」

ブーンが見上げると、2階の2年1組の教室の窓から、ツンが身を乗り出してこちらを見ているのが見えた。
ちょうど逆光でうまく目を開けることができなかったが、それは間違いなくツンだった。

( ^ω^)「ツン!!!!!!」

ツンの姿を確認すると、ブーンもツンの名前を叫んだ。

ξ;゚?゚)ξ「・・・・・・・・」

どうしよう、つい勢いで呼んでみたものの、何を話せばいいか、何から話せばいいのか全く考えていなかった。
こちらを見上げているブーンの姿を見て、ツンの体が固まる。

ξ;゚?゚)ξ「あ、あの・・・・・えーと・・・・・」

( ^ω^)「ツン!!!!!」

ツンが言葉につまっているところに、ブーンがまた叫んだ。

( ^ω^)「今からカラオケ行くお!ツンも来るお!!」

ξ;゚?゚)ξ「えっ!?」

思いもよらない言葉が返ってきた。

ツンが返事に戸惑っていると、ドクオが叫んだ。

('A`)「ツン来いよ!一緒にまやや歌おうぜ!!」

ξ*゚?゚)ξ「・・・・・・・・・・うん!!!!!」

ツンは急いで窓をしめ、荷物を持って一目散に階段を駆け下りた。

慌ててうわばきを履き替え、外に出ると、正門の所にブーンとドクオが立っていた。

ξ;゚?゚)ξ「・・・・・・・」

ツンはここで、自分が一緒に言っていいのか迷った。
何も考えずにここまで走ってきたが、急に二人の間に自分が入り込んでいいものか。
今まで疎遠だったのに、こんなに都合よく仲間に加わってもいいのか・・・。
そう考え、再び体が硬直するのを感じた。

('A`)「おーいツン!早く行くぞー」

( ^ω^)「コンビニでジュース買ってくおー!早く来ないと買ってあげないおー!」

二人がツンに声を掛ける。二人は、以前と変わらぬ表情でツンを見ていた。
こんな私を、今まで通り受け入れてくれるの・・・・?

ξ;?;)ξ「・・・・・・・・・・・うんっ!!!」

ツンは二人のもとへ駆け寄った。
ドクオが、なーに泣いてるんだよ、と言ってツンの頭をなでる。
ブーンは笑顔で、卒業式の粗品だけど・・・と言ってツンにハンカチを差し出す。
ツンはそのハンカチで涙を拭き、もう大丈夫、と言った。

3人は歩き出した。
ツンをはさんで、両脇にブーンとドクオ。
以前と同じように肩を並べて歩く3人の姿が、そこにあった。

(;^ω^)「結局、就職決まらなかったおwwwwwwwwww」

卒業式から数日後、まだ結果通知がきていなかった企業から、不採用のしらせが届いた。
これでブーンは就職浪人となってしまった。

( ^ω^)「仕方ないお・・・パートでもいいから働くお」

そう思って求人情報を調べていたところへ、一本の電話がかかってきた。

ピピルピルピピ~♪

ピッ
( ^ω^)「もしもしだおー」

(゚Д゚)「あー、内藤ー?俺俺ー」

( ^ω^)「ギコさんかお?」

ギコとは、ブーンがスーパーでバイトをしていた時に知り合った、微糖園という飲料メーカーの営業の人だ。
年は離れていたが、好きなアーティストが一緒で、音楽の話をするうちに親しくなった。

(゚Д゚)「お前どこに就職決まったの?」

(;^ω^)「実はまだ決まってないお・・・」

(゚Д゚)「うっそ?じゃあうちでバイトしね?」

( ^ω^)「いいのかお?」

(゚Д゚)「ああ。でも土日と祝日だけなんだけど」

( ^ω^)「それでもいいお」

(゚Д゚)「マジで?助かるわー。休日だけのバイトしてくれる奴、なかなかいなくてよー」

( ^ω^)「いつから始まるのかお?」

(゚Д゚)「とりあえず来週の土曜の朝8時にお前んちに迎えに行くわ。
    契約書用意しとくから、印鑑持ってきて」

( ^ω^)「分かったお。よろしくだお」

(゚Д゚)「こちらこそよろしく。じゃー」

( ^ω^)「ばいぶー」

ピッ

(*^ω^)「とりあえずバイト決まったお。
       土日と祝日だけだけどまぁいいお」

こうして、ブーンの半ニート生活が幕を開けた。

翌週の土曜の朝、ギコがブーンを迎えに来た。
ブーンはギコの車に乗り、微糖園の営業所へと向かった。
そこで契約書に捺印し、早速バイトを始めることになった。

ブーンのバイトは、主に管轄内の自販機の補充や、スーパーでの販促・売場作りなどであった。
以前スーパーでバイトをしていたこともあり、体力勝負の仕事には慣れていた。

(゚Д゚)「お前、思ったよりも要領いいんだな」

( ^ω^)「そうかお?」

(゚Д゚)「ああ。なかなかよく気が付くし。
    お前みたいのが社員になってくれりゃ助かるんだけどな」

(*^ω^)「フッフ~ン♪」

本来なら、ここで”社員になりたい”と申し出るところだが、この時のブーンの頭には、
そんな言葉は浮んでいなかった。
まだ就職したくないという深層心理の表れか、はたまたただの天然なのか・・・。
それはブーン自身もわかっていない。

ギコのおかげで土日はバイトがあったが、平日は暇だった。
特にする事もないので、一日中家にいて家事を手伝ったりしていた。
ドクオとは割と頻繁にメールのやりとりをしていた。
ある日、ドクオから、”ホーソンの深夜のバイトが決まった”とメールが来た。

( ^ω^)「ドクオがニートにならなくて良かったお」

自分のことよりもドクオのことの方が気がかりだっただけに、その報告は何よりも嬉しいものだった。

平日は引き篭もり・土日はバイト、という妙なバランスの生活をしていたある日、
ドクオの誘いで久々にドクオ宅で遊ぶ事になった。

ピンポーン

ガチャッ
( ^ω^)「お邪魔するおー」

ブーンはドクオ宅のインターホンを押した後、慣れた様子で家の中に入り、
階段を上って2階にあるドクオの部屋のドアをノックした。

コンコン
( ^ω^)「きたおー」

('A`)「おー 入れー」

( ^ω^)「すぐそこの公園の桜が咲き始めてたお」

('A`)「もうそんな季節か。夜以外外に出ないから気付かなかった。
   つーか夜勤明けでねみい」

ドクオはけだるそうな表情でゲームをしていた。
ブーンは荷物をドアの近くのハンガーにかけ、ソファに腰掛けた。
テーブルの上にコップが2つ用意されていたので、ジュースを注いでドクオに差し出した。

( ^ω^)「バイトは慣れたかお?」

('A`)「ああ。もう入って3週間くらい経つからな」

暦は既に4月下旬になっていた。
この街の桜の見頃は、毎年4月下旬からGWかけてで、GWともなると近隣の町村から花見に来る人が多かった。

( ^ω^)「またみんなでお花見に行くお。
      去年のお花見は楽しかったお」

去年の5月の初め頃、ブーンとドクオは、ツンのバイト先を急に訪ねた。
そしてツンがバイトが終わった後に、公園に夜桜を見に行った。
お酒こそ飲まなかったが、ツンのお手製のチョコレートパフェ(といっても急いで作ってきたので
コーンフレークの上にアイスクリームと生クリーム、チョコレートソースがのっているだけだったが)と、
ツンのバイト先のファミレスの厨房のスタッフのはからいでもらってきた唐揚げ、焼きそば、そしてパスタの盛り合わせで、大いに盛り上がった。
3人という少人数ではあったが、気の知れた仲間同士、楽しく過ごす事が出来た。

('A`)「・・・ま、ツンが酔っ払いにからまれて大変だったけどな」

(;^ω^)「・・・・そんなこともあったお」

ツンと出かけると、何かしらハプニングがある。
男の中に女の子が一人だから、目立ってしまうのだろう。

('A`)「そういやツンといえばさー、こないだ電話かかってきたぞ」

( ^ω^)「?なんでだお?」

('A`)「シラネ。
   なんか夜9時半くらいにかかってきて、”あんた今何やってんの?ニート?”って。
   俺が”ホーソンで夜勤してる”っつったら、”バイト決まって良かったねー”とか言ってた。
   あとはもう取り留めのない話をしてた」

( ^ω^)「そうかお」

('A`)「やっべ、きたんじゃね?コレ」

( ^ω^)「?」

('A`)「ツン、俺のこと好きなんじゃね?」

( ^ω^)「wwwwwwwwwwwww」

('A`)「困っちゃうよー、俺には咲代がいるのにー」

( ^ω^)「良かったおwww同じツインテールだおwwwwwwwww」

('A`)「萌えるぜ」

ドクオの冗談にのって盛り上がっているところで、ブーンはふと気付いた。

(;^ω^)(そういえばツンとは電話どころかメールすらしてないお・・・)

卒業式の日にカラオケで盛り上がった後、
何通かメールのやりとりをしただけで、ツンとは連絡を取り合っていなかった。
なぜツンはドクオにだけ連絡を取ったのだろうか・・・?

( ^ω^)(ツンは気まぐれなコだお。
      きっと理由は”ただなんとなく”だお)

そうは思い聞かせたものの、何かがひっかかるのを感じた。
ブーンはその思いを振り払うように、コーラを飲み干した。

ブーンの表情が晴れない様子を、ドクオは見逃さなかった。

('A`)(やっべ、ちょっと調子に乗りすぎたかな)

ドクオは、体をテレビに向けたままブーンの方をチラリと見た。
コーラを無理に飲み干して少しむせた後、ブーンは何事もなかったかのように本棚から漫画本を選んでいた。

('A`)(・・・・・・・・・・まいっか。知ったこっちゃねー。
    つーか三次元なんて萌えねーよ。)

ドクオは再び体をテレビに向けた。

桜は見事に咲き誇り、綺麗な花びらを風にのせて、街中に春を運んでいた。
スイセンやチューリップといった色とりどりの花が街を鮮やかに彩り、春のやわらかな日差しが人々を明るく照らす。

5月に入ったばかりのある日の午後、家でテレビを見ていたブーンの携帯が鳴った。

( ^ω^)「・・・・・・・・ツンからだお!!!!」

携帯の画面には、『着信中:ツン』と表示されていた。
つい先日、ドクオとの会話に出てきたツンからの久し振りの電話だ。
まともに連絡をとるのは、実に1ヶ月半ぶりである。
ブーンはおそるおそる通話ボタンを押した。

( ^ω^)「・・・もしもしだお」

ξ゚?゚)ξ「あ、ブーン?私ー。久し振りだねー」

( ^ω^)「おひさだお」

以前と変わらないツンの声に、ブーンは心が落ち着くのを感じた。

ξ゚?゚)ξ「ところであんた、5月×日、暇?」

(*^ω^)(デートのお誘いktkr!!!!!!!!!!!!!)

ブーンの体温が一気に上昇していく。心臓の鼓動も急激に早くなった。

(*^ω^)「ひっ、暇だお!!!!!!!!」

ξ゚?゚)ξ「私、チェミストリーの千台公演のペアチケット持ってるんだけど」

チェミストリーといえば、ブーンの好きなアーティストで、よくツンにもアルバムを貸したりしていた。
雑誌に載っていれば必ずチェックしたし、よくツンと一緒に本屋へチェミストリーのインタビューが掲載されている雑誌を買いに行ったものだ。
そのチェミストリーのコンサートに、ツンと行ける。しかもツンからのお誘いで。

(*^ω^)「チェミ大好きだお!!!!!」

ξ゚?゚)ξ「チケット、買ってくんない?」

(;^ω^)「・・・・・・・・・は?」

意味が分からない。一緒に行こう、という誘いではないのか?

ξ゚?゚)ξ「知り合いにチェミファンがいて、×日のチケット取ったけど、都合悪くて行けないらしくて。
      チケット買わないかって言われて買ったはいいものの、一緒に行く人いないし・・・・。
      だからもし良ければ、ブーンが行かないかなーと思って・・・・」

(;^ω^)「俺も一緒に行く人いないお・・・」

ξ゚?゚)ξ「ドクオと行けばいいじゃない!」

( ^ω^)「ドクオは夜勤のバイトがあるお」

ξ゚?゚)ξ「休み取れないの?」

( ^ω^)「人手が足りなくて、契約休以外は絶対休めないらしいお」

ξ;゚?゚)ξ「そうなの・・・?
       あーどうしよう。ヤプオクで売ろうかな・・・・」

( ^ω^)「今から売っても遅いと思うお」

ξ;゚?゚)ξ「そうだよね・・・。どうしよっかな・・・」

( ^ω^)「ツンも一緒に行くなら買うお」

ξ;゚?゚)ξ「えっ?」

( ^ω^)「2枚買っても俺も一緒に行く人いないし・・・・
     ツンが行くなら俺も行くお」

ξ;-?-)ξ「えー、あんたと千台ー?あんた千台行った事あんの?
       言っとくけど私、地下鉄とか乗ったことないよ」

( ^ω^)「何回かあるお。電車も地下鉄も任せるお」

ξ゚?゚)ξ「どうしよっかな・・・・・・バイト休めないかもしれないし・・・・」

( ^ω^)「店長に休み取れるか聞いてみてくれお。それで休み取れたら一緒に行くお」

ξ゚?゚)ξ「うん・・・・・そうだね。わかった。聞いてみる」

( ^ω^)「取る時は二日取るお。千台へは日帰りで行けなくもないけど、
     コンサート終わってから最終の新幹線で帰るのは、結構疲れると思うお」

ξ゚?゚)ξ「わかった、二日ね。取れるか分かんないけど、聞いてみるよ」

( ^ω^)「ktkr」

ξ゚?゚)ξ「あー、バス来た。それじゃーね。休みの事決まったらまた電話する」

( ^ω^)「わかったお。ばいぶー」

ピッ

(*^ω^)「ツンと旅行ktkr!!!!!!!!」

ブーンは思わずガッツポーズをした。

( ^ω^)「・・・・・・でも嘘ついちゃったお」

実は、ドクオがバイトを絶対休めないというのは、口から出たデタラメだった。
ツンと旅行に行きたいが為に、ブーンは嘘をついたのだ。
でもまさか、こんなにうまくいくなんて。自分には詐欺師の才能があるのかもしれない。

( ^ω^)「それにしてもチェミのチケット買わされるなんて、ツンはお人よしだお」

ツンは男性には冷たい態度を取るが、女性に対しては(特に年上の女性には)逆らう事ができない性分だった。
今回も、大方、バイト先のスタッフにチケットを買ってくれと頼まれ、断りきれずに買ってしまったに違いない。
ブーンはそう予想した。

( ^ω^)「ツンは損な性格だお」

男性に対しても、ただ冷たい態度を取り続けるわけではない。
冷たい態度を取った後は、何気ない優しさを見せる。きっと、ツンなりの罪悪感があるのだろう。
その結果、無意識のうちに飴と鞭の行為を男性にしている時があるのだ。
それに勘違いをしたクラスメートに熱烈なアタックをされたことがある、とツンが言っていたのを思い出した。

何はともあれ、ツンと旅行に行けるかもしれない。
不測の事態ではあったが、なんだか上手く転がりそうな気がする。

(*^ω^)「楽しみだお」

ブーンは、心が今だかつてないほど軽やかなのを感じた。

つづく


先生・生徒・禁断 | 【2015-09-27(Sun) 21:00:00】 | Trackback:(0) | Comments:(0)

( ^ω^)とξ゚?゚)ξが愛のあるセクロスをするようです。

付き合い始めて1ヶ月後。
お互い初めて入ったラブホテルでは、ベッドでいちゃいちゃして、何もせずに朝を迎えた。

チュンチュン

ξ-?-)ξ「ん・・・ブーンおはよ・・・」

( -ω-)「おはだお・・・。結局何もしなかったお。残念だお」

ξ-?-)ξ「童貞のクセに偉そうなこと言うんじゃないわよ」

それから1週間後、2回目のラブホテルでは、ブーンたっての希望により、ツンは手でブーンの性器をしごいた。

(*^ω^)「ツン・・・もっと触って欲しいお」

ξ///)ξ「・・・・・・・っっ」

(*^ω^)「うはwwwwテラキモチヨスwwwwwww」

この日、ツンは初めて男性の精液に触れた。

そしてそれから更に10日後、
同じラブホテルで、二人は身も心も結ばれた―。

二人が出会ったのは、ブーンが高校2年生、ツンが高校1年生のこと。
VIP高校に入学したツンは、自ら生徒会役員になりたいと、生徒会顧問に申し出た。

ξ゚?゚)ξ「先生、私、生徒会に入りたいんですけど」

( ´_ゝ`)「なかなか入りたい人がいないから助かるよ。
     じゃあ、今はとりあえずお手伝いということで参加してもらおうか。
     後期になったら正式に入ってもらうよ」

ξ゚?゚)ξ「ありがとうございます。基本的にいつ活動するんですか?」

( ´_ゝ`)「体育祭とか文化祭とか、生徒総会の前に集まるくらいかな。
      早速今日の放課後に集まりがあるから、一応来て。
      場所は生徒会室じゃなく、3年1組の教室ね」

ξ゚?゚)ξ「わかりました」

別にリーダー的存在だったわけでも、とりたてて頭が良かったわけでもない。
正義感が人一倍強いわけでもないし、優等生と言われた事もない。
勿論、生徒会役員になった経験も一度もない。
ただツンは、何もせずに高校生活を送りたくないだけだった。

ξ゚?゚)ξ(高校に入ったらバイトしたいたから、部活には入りたくないしなぁ)

しかしそれでは学校にいる間はただ授業を受けているだけになってしまう。
それは嫌だった。
部活ではなく、自分の都合で気軽に参加できる何かを考えた時、真っ先に生徒会が頭に浮んだ。

VIP高校に入った中学の時の先輩に聞いたところ、この高校の生徒会は行事の前に集まるくらいで、
他に何か特別な活動をしているわけではないとの事だった。

(*゚ー゚)「私も1年の後期から2年の前期にかけて生徒会に入ってたけど、すごく楽だったよw
    就職活動の時も履歴書に生徒会役員だったこと書けるから、ちょっと得できるみたいだし」

これが決め手で、ツンは生徒会役員になろうと決めたのであった。
後期まで待とうか、とも思ったが、とりあえず顧問に生徒会役員になりたい旨を伝えて、
やる気があると思わせて点数アップにつなげようと思ったのだ。

ξ゚?゚)ξ(まさか前期からやるはめになるなんて、面倒くさいなぁ。
     でもまいっか。とりあえず株が上がれば
     それに、早めに参加してた方が、その分早くかわれるかも―)

【2年1組】

( ^ω^)「ドクオ、何読んでるお?」

('A`)「電撃ヂーヅマガジン。今日発売だった」

( ^ω^)「シスタープリンプリンかお?」

('A`)「咲代萌え。ツインテールがたまらん」

( ^ω^)「ちょwwwそういえば今日生徒会の集まりあるお」

('A`)「マンドクセ。今日何すんの」

( ^ω^)「新学期だからとりあえず集まるみたいだお。どうせすぐ終わるお」

('A`)「早く帰ってシスプリやりてぇ」

キーンコーンカーンコーン♪
放課後―。

ξ゚?゚)ξ(3年1組・・・ここね。なんか入るのに勇気がいるな・・・)
      それにしてもにぎやかね・・・)

廊下に響く話し声を聞きながら、とりあえず教室の外で顧問が来るのを待つことにした。
その時、

( ^ω^)「帰りカラオケ行かないかお?」

('A`)「まだシスプリの歌入ってないんだよな。まぁいいか。」

仲良さそうに話をしている男子生徒二人組が、ツンの前を通った。

ξ゚?゚)ξ(この人たちも生徒会かな・・・?)

ツンは二人の様子を目で追った。

その時、

( ^ω^)「お?」

ξ゚?゚)ξ「・・・!」

ξ///)ξ(やだ・・・見てるのバレちゃった・・・)

( ^ω^)(1年生かお?制服が新しいお。3年の教室に何か用かお?)

ガラガラガラ

('A`)「うーす」

ドクオが教室に入り、ブーンも後に続いた。
ツンは再び廊下に一人取り残された。

ξ-?-)ξ(はぁ・・・せんせぇまだかな。)

( ´_ゝ`)「あれ、ツンさん中に入らないの?」

流石がやってきてツンに声をかけた。
少し厚手の薄い灰色のYシャツからは、タバコの匂いがした。

ξ゚?゚)ξ「あっ・・・先生。はい、ちょっと一人だと入りづらくて」

( ´_ゝ`)「じゃあ後ろから入って適当に座って。最後に紹介するから」

ξ゚?゚)ξ「はい」

ガラガラ

( ´_ゝ`)「はいお前ら席につけー」

ガラガラ・・・

ξ゚?゚)ξ(失礼しまーす・・・)

ツンは静かに後ろのドアから教室に入った。
その時、教室にいた生徒たちが一斉にツンの方を見た。

( ^ω^)(お?あのコ、生徒会に用かお?)

( ´_ゝ`)「はいそれじゃ始めるよー」

流石のその一言で、生徒たちは視線を教卓へ向けた。

( ´_ゝ`)「みなさん、今期も頑張って下さい。終わり」

( ^ω^)「ちょwwwwそれだけかおwwww集まる必要ないおwwwww」

( ´_ゝ`)「そして、みなさんに紹介します。
     新入生のツンさんです。生徒会に入りたいという珍しい生徒です」

生徒たちの視線がまたツンに集中する。
ツンは慌てて立ち上がった。

ξ///)ξ「あ・・・よろしくお願いします」

( ´_ゝ`)「とりあえず前期はお手伝いということで来てもらって
     後期に正式に入ってもらうことにしたから。
     じゃあ今日は終わりー。」

(o゚ω゚o)「帰り本屋寄ってかね?」
(●∀●)「わかった。じゃあなみんなー」

( ^ω^)「ばいぶー」

('A`)「なぁ流石ー、こみパ早く返して」

( ´_ゝ`)「いや、まだ千花とヤってない。
     つーかぶっちゃけFF4やってるからPCは起動すらしてない」

('A`)「FF4?コレクションの方?」

( ´_ゝ`)「そう。子供リヂアにマテオ覚えさせたいから」

( ^ω^)「FFってパンジーステイオンラインかお?」

('A`)「違う。それはPSO、俺がやってるオンラインゲーム。
   FFはファインアナル・ファンタジア」

( ^ω^)「聞いたことあるお」

ξ゚?゚)ξ「あ、あの・・・・」

( ^ω^)「お?」

ξ゚?゚)ξ「あ、先生・・・今日は帰ります。ありがとうございました」

( ´_ゝ`)「ああ、これからよろしく。ほら、お前らも挨拶して」

('A`)「うい」

( ^ω^)「よろしくだおー」

ξ///)ξ「あ・・・よろしくお願いします」

( ´_ゝ`)「次は体育祭の前だから、集まるのは6月のはじめ頃かな」

ξ///)ξ「はい・・・ではさようなら」

ツンはそそくさと教室を出て、帰路についた。

ξ゚?゚)ξ(あーすっごく緊張したー。次集まるのは6月か。1ヶ月以上ある・・・。
      本当に私が想像してた生徒会と正反対だな。
      先生とあの人たち、ゲーム?の話してたし、先生のこと名前で呼び捨てしてたし・・・)

あれが俗に言うおたくなのかな、と思った。

( ^ω^)「夏服になったばっかなのにまだ肌寒いお」

('A`)「今日集まりだっけ、マンドクセ」

( ^ω^)「そうだお。生徒会室に行くお」

(o゚ω゚o)「ブーン、ドクオー。生徒会室行くんだろ?」
(●∀●)「鍵借りてきたよ」

( ^ω^)「ありがとうだお」

体育祭はあと半月に迫っていた。
それでも緊張感がないのは、生徒会が決めることといえば、
競技中に流すテーマ曲を選ぶことくらいだからだ。
競技内容などは全て職員会議で決める。

(●∀●)「今日、あの1年生のコ来るのかな?」

( ^ω^)「あー、そういえば。来るんじゃないかお?」

(o゚ω゚o)「ツンさんだっけ?可愛かったよね」
(●∀●)「一目惚れか?」
(o゚ω゚o)「そんなんじゃないけどさー」

( ^ω^)「・・・・・・」

('A`)「ツインテール萌えるよな」

4人は生徒会室の鍵を空けた。
この部屋に最後に入るのは1年の終了式の日以来だから、実に3ヶ月弱ぶりだった。
3ヶ月も締め切っていた部屋は、なんともいえないすえた匂いに包まれていた。、
4人は最初に顔を少ししかめたが、後は慣れている様子で、隅に積まれてある長机を組み立て、椅子を設置し、窓を開けた。

('A`)「俺、ちょっとションベン。ブーンも行く?」

( ^ω^)「俺はいいお」

(o゚ω゚o)「あ、俺ボカリ買ってくる。この後部活なんだ」
(●∀●)「俺も」

( ^ω^)「・・・・・・」

ブーンは生徒会室に一人取り残された。
ふと目をやると、机にドクオのものと思わしき雑誌が放置されていた。
表紙にはウサギの耳のついた可愛い女の子の絵が描かれており、
上部に「パソコン楽園」と大きく書かれてあった。
ブーンは何気なくパソ楽のページを開いた。

(*^ω^)「ちょwwwこれエロいゲームの雑誌かおwwww」

(*^ω^)「・・・・・キャノンって、ドクオの部屋に貼ってあるポスターのやつかお?
      目でけぇwwwwwなんか鯛焼き食いたくなってきたおwwwwww」

フェラ、手コキ、足コキ、中出し、羞恥プレイ、スカトロ、獣耳、触手、強姦、痴漢・・・。
ありとあらゆる淫猥な言葉とともに、アニメのキャラのような女の子が性行為をしているイラストで埋め尽くされている。
ブーンはつい我を忘れて読みふけっていた。

コンコン

(;^ω^)!! ビクッ!!!!

生徒会室のドアをノックする音で、ブーンは現実の世界へ引き戻された。

(;^ω^)「は、はいだお。開いてるおー」

ξ゚?゚)ξ「し、失礼します・・・」

ドアがそっと開き、ツンが顔を覗かせた。

(;^ω^)(あ、このコは・・・)

ξ゚?゚)ξ「あの・・・今日生徒会あるって聞いて・・・」

( ^ω^)「あるお。まぁ適当に座るお」

ξ゚?゚)ξ「あ・・・はい・・・」

とりあえずツンは一番近くの椅子に座ろうとした。

( ^ω^)「ちょwww遠いおwwwwこの辺に座るといいおwww」

ξ///)ξ「はっ、はい・・・」

ツンが素直にブーンが指差すあたりに座ると、ちょうどブーンと向かい合う形になった。
ツンは人見知りが激しかった。
女同士でも打ち解けるのに時間を要するくらいだから、
男性とは、目を合わせるだけで顔が真っ赤になるほどだった。

( ^ω^)(緊張してるのかお?)

うつむいて黙ったままのツンを見て、ブーン自身も緊張を禁じえなかった。
パソ楽を見て半勃ちだった男性器もすっかりしぼんでいた。

(;^ω^)(ドクオまだかお・・・)

こんなにもドクオを求めたことなんて今まであっただろうか。
ただただドクオの帰りを待ちわびるブーンだったが、ふとツンの視線に気が付いた。

ξ゚?゚)ξ「・・・・・」

どこを見ているのか。どうやら自分の顔ではないようだけど・・・。

( ^ω^)「どうしたお?」

ξ;゚?゚)ξ「・・・・えっ?あっ、いえ、その・・・」

ξ///)ξ「携帯・・・・一緒だから・・・・」

( ^ω^)「携帯?」

裏返しにされたパソ楽の隣に、ブーンの携帯電話が置いてあった。
どうやらツンは同じ機種の携帯を持っているらしかった。

( ^ω^)「これは俺の携帯だお。機種が一緒かお?」

ξ///)ξ「は・・・・はい・・・・色は違うんですけど・・・」

ツンは膝の上に乗せていたバッグから、携帯を取り出して見せた。

( ^ω^)「やっぱり女の子はピンクだお。俺のはシルバーだお」

ξ///)ξ「別にピンクが好きなわけじゃなくて・・・他にいい色がなかったから」

( ^ω^)「携帯はピンクで顔は真っ赤だおwwwwwwwww」

ξ///)ξ「・・・・・・っっ」

それは不快感ではなく、心地良いくすぐったさだった。

( ^ω^)「良かったらメルアド教えてくれないかお?生徒会同士の連絡とかもあるし」

ブーンはツンの返事を聞く前に、自分の携帯にメールアドレスを表示させてツンに差し出した。

ξ゚?゚)ξ「あ、はい・・・。じゃあ、メール送りますね」

ツンはそのメールアドレスを打ち込み、空メールを送った。

( ^ω^)「うはwwwwktkrwwwwww」

ブーンは『ツン』と打ち込み、メールアドレスを電話帳に登録した。

ξ*゚?゚)ξ「あ、あの・・・」

( ^ω^)「なんだお?」

ξ///)ξ「・・・・・・名前・・・・」

(;^ω^)「あ、そうだったおwwww内藤ホライゾンだおwwwww
      ブーンって呼んでくれお」

ξ゚?゚)ξ「ないとう・・・・ほらいぞん・・・・」

( ^ω^)「ツンさんのことはツンさんでいいかお?」

ξ゚?゚)ξ「はい。ところで内藤さんは・・・」

(;^ω^)「ちょwwwwブーンでいいおwwwww」

ガラッ

('A`)「ういー。でっけーうんこが出・・・」

(;^ω^)「あ・・・・」

(*'A`*)「あっ―」

ξ///)ξ「・・・・・っっ」

('A`)「・・・・・・・今日のうんこすげーキレが良かった。ティッシュいらなかった。
    毎日あんなうんこが出ればいいのに。なぁブーン」

(;^ω^)「ちょwwwwww」

ツンは顔を真っ赤にしてうつむいていた。
それから他の役員が続々と集まり、話し合いは進んでいったが、
ツンの視線はブーンに向けられることはなく、話し合いが終わると同時にツンは逃げるように帰っていった。
その様子を、ブーンは寂しげに目で追った。

(o゚ω゚o)「じゃあ俺ら帰るな。ブーン、鍵よろしくー」

( ^ω^)「おk」

('A`)「まだ5時半かよー。終わるのはええよ。俺ら意味あんの?」

( ^ω^)「ドクオ…ツンさん恥ずかしがってたお。女の子の前でうんこの話はやめるお」

('A`)「あ?別にいいじゃねえか。照れてるツインテール萌え。
   それにツンさんだってうんこするっつーの」

(;^ω^)「ちょ・・・」

('A`)「ところで二人っきりだったのか?ヤった?」

(;^ω^)「ヤるわけないおwwwwメルアドは聞いたお」

('A`)「マジでか。おせーて」

(;^ω^)「いやだおwwww自分で聞くおwwwwww」

('A`)「ケツ貸すから」

(;^ω^)「いらないお・・・・」

それ以上の会話がされることはなかった。
ドクオがパソ楽をリュックにしまうと、二人は生徒会室を出て、鍵を閉めた。

ξ゚?゚)ξ「内藤ー。CDありがとー」

( ^ω^)「もういいかお?」

ξ゚?゚)ξ「うん、MDに落としたから」

二人が仲良くなるのには少し時間がかかった。
ブーンは人見知りの激しいツンの心を溶かすのに苦労をした。
毎日メールを送り、校内で会えば必ず挨拶をした。
最初は話し掛けるたびに顔を真っ赤にしていたツンも、回数を重ねるごとに自然に接することができるようになった。
そして、ツンがブーンのことを「内藤さん」から「内藤」へ、
ブーンがツンのことを「ツンさん」から「ツン」へ呼び方を変える頃には、木の葉が風に舞い散り、北風が吹き始めていた。
その頃にはツンは正式な生徒会役員になり、そして自然な笑顔でブーンと話せるようになり、ブーンの友達とも仲良くなっていった。
それでも、ブーン以外の男子と話すときはぎこちなさは抜けなかったが・・・。

ツンは、夏休みからファミレスでアルバイトを始めていた。
ブーンも、1年生の頃に始めたスーパーでのアルバイトを続けていた。
それなりに忙しくはあったが、予定があえば二人で遊んだりもした。バイトのない放課後は二人でカラオケに行く事も多かった。
テスト期間中は図書室で勉強したりもした。

二人は、よく「付き合ってるの?」と聞かれた。その度にツンは強く否定をし、ブーンは笑いながら軽く流してきた。
もちろん付き合っているというわけではなく、純粋に「いいお友達」同士の関係が続いた。
しかし、ツンが時折見せるどこか寂しげな表情を、ブーンは見逃す事がなかった。
気になって話し掛けようとするとツンがすぐに元通りの笑顔に戻るので、いつまでも核心に迫ることはなかった。

お互い異性として特に気にすることもなく楽しく過ごしてきたが、
その関係は、ブーンが高校3年 ツンが高校2年の2学期の中頃で一度途絶えた。

( ゚∀゚)「ツンのことが好きなんだ。付き合って欲しい。」

ξ;゚?゚)ξ「!!!?」

ツンは高校2年生になり、季節はすっかり秋へかわっていた。
同じ生徒会役員で1学年上のジョルジュの突然の告白に、ツンは戸惑った。
いや、実はジョルジュの気持ちなんとなく察してはいたのだ。ブーンと遊びに行く時も隙あらばついてきたし、
送ってくるメールの内容からも容易に読み取ることができたのだ。

ξ///)ξ「あ・・・・あの・・・・」

( ゚∀゚)「まぁ、考えておいてよ」

学校の裏に一人取り残されたツンは、真っ赤に色付いたナナカマドの木の下で身動きがとれないでいた。
脱力感がツンを襲う。

('A`)「ブーン帰ろうぜ。ゲーセンでギルティゴルァやりてぇ」

(;^ω^)「きょ、今日はちょっと用事があるお。また今度行くお」

('A`)「ツンと遊ぶのか?」

(;^ω^)「今日は違うお。ツンはバイトだお」

('A`)「ツンにさー、また俺んちでPSOやろうぜって伝えといて。
   あいつにメッセージ打ってもらうとネカマって事バレないんだよね。
   じゃー俺帰るわ。またな」

( ^ω^)「わかったお。ばいぶー」

ブーンは3年の夏休みいっぱいでアルバイトを辞めていた。
2学期から、就職活動に本腰を入れようと思ったからだ。
ドクオは相変わらずゲームばかりしていたが・・・。

ガラガラッ
その時、教室のドアが開いた。

( ゚∀゚)「お、ブーン」

(;^ω^)「おっ、ジョルジュ・・・」

( ゚∀゚)「今、伝えてきた」

(;^ω^)「そ、そうかお・・・。どうだったお?」

( ゚∀゚)「とりあえず返事待ちってとこ」

( ^ω^)「そうかお。いい返事がもらえるといいお」

( ゚∀゚)「なあブーン、お前本当にツンのことなんとも思ってないんだよな?」

(;^ω^)「何度も同じこと聞くなお、なんとも思ってないお」

( ゚∀゚)「すまん、どうしても気になっちまって。
     本当に応援してくれるんだよな?」

( ^ω^)「もちろんだお、二人がうまくいくように手伝うお」

( ゚∀゚)「サンキュー」

ぴぴるぴるぴぴ~♪

( ^ω^)「お、メールだお」

『from:ツン
件名:
本文:今日9時半に迎えよろしく』

(;^ω^)(ツン・・・)

「迎え」というのは、ツンがバイトが終わる頃にツンのバイト先で合流することで、
よく、その後にご飯を食べに行ったり、遊びに行ったりしていた。

『to:ツン
件名:おkwwwwww
本文:ついでにこの前借りたCDも返すお』

( ^ω^)(送信・・・と)

ジョルジュとツンが付き合うことになれば、こうして二人で会うことはできなくなる。
それはすごく寂しかったが、二人の仲を応援すると決めたブーンは、寂しさを胸にしまうことにした。

この街は人口が20万人ほどで、特に何か有名な名物があるわけでもなく、
郊外型に栄えた中途半端な土地だった。
夜8時ともなれば駅前でも人気がまばらになり、ほとんどの店は9時で閉店する。
新しく進出してきたファミレスは深夜2時まで営業している所もあったが、
ツンがバイトしている駅前のファミレスはどちらかといえば中堅の店舗で、まだ経営方針が古く、夜9時閉店の店だった。

(゚∋゚)「ツンちゃん、なんか今日元気ないね」

ξ゚?゚)ξ「えっ?そうですか・・・?」

(゚∋゚)「体には気を付けてね。今日は上がっていいよ」

ξ゚?゚)ξ「あ、ありがとうございます。お疲れ様でした」

時計を確認すると、針は9時25分をさしていた。
ツンは急いでロッカーへ向かい、ウェイトレスの制服を着替え、通用口から外へ出た。

( ^ω^)「おっ、ツンお疲れ様だお」

ξ゚?゚)ξ「ブーン、ごめん待った?」

( ^ω^)「そんなに待ってないお。どこ行くお?」

ξ゚?゚)ξ「とりあえずいつものファミレス。お腹すいちゃった」

( ^ω^)「俺もご飯食べてなかったお。ツンの奢りktkrwwww」

ξ゚?゚)ξ「ちょっと!誰も奢るなんて・・・w」

他愛もないやりとりをしながら、ブーンは心がちくりと痛むのを感じた。
二人はファミレスへ向かい、いつものように食事をした。
その間、ツンの口からジョルジュの名前が出ることはなかったが、
どこかぎこちなく笑いを作るツンの様子を、ブーンは見逃さなかった。

ξ゚?゚)ξ「はぁ~っ、すっかり寒くなったね」

( ^ω^)「もう秋も終わるお。冬がくるお」

ファミレスから出た二人は、冷え込んだ空気を感じながら夜の路地を並んで歩いていた。
不意に、刺すような北風が吹いた。

ξ゚?゚)ξ「うっ・・・さむっ」

( ^ω^)「大丈夫かお?俺のジャケット着るといいお」

ブーンは自分のジャケットを脱ぎ、ツンの肩にかけた。

ξ゚?゚)ξ「・・・・ありがと。あんたは大丈夫なの?」

( ^ω^)「俺は平気だお」

遠くで、木の葉が風にカサカサと揺れる音が聞こえた。
等間隔で並ぶ街灯の間に、自動販売機の明かりが見えた。

ξ゚?゚)ξ「ブーンちょっと待ってて」

ツンは自販機に向かって走り出し、暖かいコーヒーとミルクティーを買ってブーンに差し出した。

ξ゚?゚)ξ「ジャケットのお礼。どっちがいい?」

( ^ω^)「ツンはコーヒー飲めないお。だからコーヒーでいいお」

ξ゚?゚)ξ「まぁ、例えあんたが紅茶を選んでも強制的にコーヒーを渡すけどね」

(;^ω^)「ちょwwwwww」

温かいコーヒーを一口飲む。甘味がほんのり口の中に広がった。
ツンはミルクティーの缶を両手で包み込むようにして口を付けた。

ξ*-?-)ξ「はぁー、あったかい」

( ^ω^)「ツン、話があるお」

ξ゚?゚)ξ「何よ?」

( ^ω^)「ジョルジュのことだお」

ツンの顔が強張る。急に険しい目つきへとかわった。

( ^ω^)「ジョルジュはいい奴だお。ツンがどういう答えを出すかは分からないけど、
     俺はうまくいくように応援するお」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・・・・・」

( ^ω^)「ツンの人見知りもなおってきたと思うお。だからきっと大丈夫だお」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・・・・・・・勝手なこと言わないでよ」

(;^ω^)「お?」

ξ゚?゚)ξ「勝手なこと言うなって言ってるの!
      あんたが私の何を知ってるっていうのよ!!」

(;^ω^)「・・・・・・」

ξ゚?゚)ξ「一体あんたはどっちの肩を持つ気なのよ?」

(;^ω^)「俺は・・・」

ふと、ジョルジュに「うまくいくように手伝う」と言ったことを思い出した。
それはツンの気持ちを無視しているのではないか?
ジョルジュのことも応援するけどツンの気持ちも大切にしたい。
そうできれば一番いいのだが、ツンにとってはそれが偽善ぶってるように見えたのだ。

ξ゚?゚)ξ「私が知らないところで勝手なことしないでよ!!」

ツンがブーンを責めたてる。
ふと、ブーンの目つきがかわった。

( ^ω^)「何が悪いんだお!!!!!!!!」

ξ;゚?゚)ξ「・・・っ!」

ブーンが急に声を荒げたから、ツンはびっくりして言葉を失った。
今までどんなにひどい言葉を浴びせても怒ることのなかったブーンだっただけに
一気に血の気が引いていくのを感じた。

(#^ω^)「友達が幸せになるのを応援して何が悪いお!
       ツンもジョルジュも大切な友達だお!その二人が幸せになるのをただ純粋に応援したかっただけだお!」

ξ゚?゚)ξ「・・・・」

( ^ω^)「・・・・・・結果的にツンの気持ちを無視するようなかたちになってすまなかったお。
      でも、俺はただ・・・」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・」

( ^ω^)「それに、ツンの人見知りもなおってきたし、うまくいくはずだお」

その言葉を聞いて、ツンの顔が更に曇った。

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・・・・だ か ら・・・・」

( ^ω^)「?」

ξ#゚?゚)ξ「あんたは私の何を知っててそんなこと言ってるのよ!!!!
       いい加減にして!!!!!!!」

(;^ω^)「ツッ、ツン・・・・
      だって、あんなに人見知りの激しかったツンが男とも普通に話せるようになったし、
      何よりも俺とこんなに仲良くなったお。きっとジョルジュとも仲良くできるお」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・・・・・」

ξ;?;)ξ「・・・・・・・・・・・・うっ」

(;^ω^)「ツン!?」

ツンの瞳から大粒の涙が溢れた。
女の子が泣くのを初めて目の当たりにしたブーンは動揺した。

ξ;?;)ξ「・・・・うっ・・・・うっ・・・・・」

ツンの胸元に涙がぼたぼたと落ちる。
ブーンは体が硬直しているのを感じた。なんて声をかけたらいいのか分からない。
ツンをただただ見守るしかできなかった。

夜の住宅街の外れに、ツンの嗚咽だけが静かに響く。
しばらく涙を流した後、ツンは涙目のままブーンを睨みつけた。

ξ;?;)ξ「・・・・・・・・勘違いしないでよ、
       別にあんたに対して特別な感情があるわけじゃないんだから・・・」

(;^ω^)「・・・・・」

ξ;?;)ξ「・・・・・・・」

ξ;?;)ξ「今日は帰る」

(;^ω^)「おっ、送っていくお!」

ξ;?;)ξ「・・・・・・・・・・いらない」

ツンはブーンにそっぽを向け、自宅の方向へ歩き出そうとした。

(;^ω^)「ツン、待つお!!!!」

ブーンは思わずツンの腕をつかんだ。
ツンが驚いて振り返った。

(;^ω^)「落ち着くお」

ξ;?;)ξ「・・・・・・・」

ツンの瞳からは涙が流れ続けている。
ツンの潤んだ瞳が、寂しげに街灯に照らされている。

( ^ω^)「ジョルジュと付き合う気がないならそれでいいお。
      でも、何か理由があるのかお?」

ξ-?-)ξ「・・・・・・・」

ツンはカバンからハンカチを取り出し、涙を拭き取った。
しばらくうつむいた後、吹っ切るように話し出した。

ξ゚?゚)ξ「私が人見知りをするのは、男が嫌いだからだと思う」

(;^ω^)「?男が・・・・?」

ξ゚?゚)ξ「なぜなら、レイプされそうになったからです」

(;^ω^)「!!!!!!!!」

ツンの突然の告白、ブーンは驚いた。
レイプなんて、AVとか雑誌とかでしか聞いたことがなかったから、
まさかツンからそんな言葉がでるなんて・・・。

ξ゚?゚)ξ「中学の時、私あんま良い子じゃなくて・・・・・一時期、悪い友達と付き合ってて・・・
      それで、その時付き合ってた人とか友達とかに騙されて・・・・・」

ツンの脳裏にあの時の情景が甦る。
中学2年生の夏休み。友達のお兄さんの紹介で知り合った高校生と付き合っていたツンは、
その彼に誘われて、初めてクラブハウスに行った。
「ここで待ってて」と言われ、倉庫のような場所へ連れて行かれ、複数の男に囲まれた時はさすがに覚悟を決めた。
しかし間一髪、たまたまクラブのスタッフがその倉庫へ機材を取りに来たことにより、ツンの貞操は守られたのだった。

その彼氏にはツンの他にも何人も彼女がいて、その中でどうでもいい女を仲間に売っていたことを後で知った。
”処女は特に高く売れるから”という言葉に絶望し、しばらく部屋に引き篭もったりもした。
今思えば、ツンにその彼を紹介した友達とその兄もグルだったのだろう。

ξ゚?゚)ξ「元々ちょっとだけ人見知りだったんだけど、
      それがきっかけで極度の人見知りになっちゃって・・・・」

ξ゚?゚)ξ「でも高校に入ったらかわりたかった。
      あんまり頭良くなかったけど、頑張って勉強してVIP高に入った。
      人とうまく接することができるようにと思って生徒会にも入った」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・まぁ、そうは言ってもあんま無理しすぎるのも嫌だったから
      生徒会はゆるいって聞いたから入っただけなんだけど」

ξ゚?゚)ξ「正直言って、私に気がある人と接するのはこわい。
      何か企んでるんじゃないかって変に勘ぐっちゃうし、
      裏切られた時のショックが大きいから・・・」

あの時の男達と全ての男を一緒にするつもりはない。
世の中の男がみんなひどい訳ではない。
それは理解してはいるのだが、どうしても拒絶してしまう。
そんな自分に対して嫌悪を抱くことも多かった。

そんな中、ブーンと出会った。
最初は、なんでこんなに話し掛けてくるのだろうと疑問に思っていた。
しかし、打算せずにただ仲良くなりたいという一心で何度も何度も声を掛けてくれるブーンに
ツンは心を動かされたのだ。

ξ゚?゚)ξ「ブーンは・・・・・・・・私がジョルジュ君と付き合えばいいと思ってる?」

突然話を自分にふられ、ブーンは戸惑いながら答えた。

(;^ω^)「おっ、おっ、思うおっ!」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・・そっか」

心なしか、ツンの表情が暗くなった気がした。
何かツンに言葉をかけてあげたい。けど、言葉が出てこない。
自分はなんて無力なのだろうと、ブーンは思った。

ξ゚?゚)ξ「今日は帰るね。ジャケットありがとう」

( ^ω^)「送っていくお」

ξ゚?゚)ξ「いい、一人で帰れるから。じゃ」

そういうとツンは早足でブーンのもとを去った。
ブーンは、薄暗い夜道を歩くツンの様子をじっと見守り、
その姿が街灯の向こうへ消えたところで、自分も帰路についた。

( ^ω^)「・・・ただいまだお・・・」

時計は、午前0時を少し過ぎたところだった。
両親は既に就寝しており、玄関を残して家中の電気が消えていた。
ブーンは自分の部屋へ入り、ベッドに倒れこんだ。

( ^ω^)「なんだか疲れたお・・・」

服を脱いでパジャマに着替えた。明日は休みだ。もう今日はこのまま寝てしまおう。
そう思って電気を消そうとスイッチに手を伸ばしたところで、携帯が鳴った。

ぴぴるぴるぴぴ~♪

( ^ω^)「・・・・・・・・・」

『from:ツン』

( ^ω^)「やっぱりツンだお・・・・」

『本文:今日は暗い話してごめん。ジョル
    ジュ君のことなんだけど、付き合っ
    てみることにする。それじゃ。   』

( ^ω^)「付き合うことにしたかお?・・・・・・・・・・・・・・よかったお」

強烈な眠気がブーンを襲う。
( ^ω^)(ツンは可愛い方なのに、なんで彼氏がいないかなんとなく分かった気がするお)
そんなことをぼんやり考え、心に何かモヤモヤしたものを感じながら、眠りについた。

サービス業は、土日祝日が最も忙しい。
ツンのバイト先のファミレスも例外ではなかった。
お冷を運んで、注文を取って、料理を運んで・・・
子供が多いと、ジュースをこぼしたり食器を壊したりなんてことも多くなるから、余計に忙しくなる。
それでも、忙しい方が都合が良かった。
こうして仕事に集中して動き回ってることで、余計なことを考えなくて済むから。

(゚∋゚)「ツンちゃん、11番に食後のコーヒー!」

ξ;゚?゚)ξ「はい!」


J(‘ー‘)し「ブーン!いつまで寝てるの?早く起きなさーい」

( -ω-)「んー・・・・・・・・・・」

母の声で、ブーンはやっとのことで起きあがった。
起き上がり、時計を見るともう午後になっていた。
けだるい土曜の朝ほどやる気の出ないものはない。
ブーンは頭をかきながら大きなあくびをして、少し気合を入れてからベッドを降り、リビングへ向かった。

( -ω-)「おはだおー」

J(‘ー‘)し「ブーン、お母さん出かけてくるからね。ご飯は冷蔵庫に入ってるから」

( ^ω^)「わかったお」

洗面所に向かい、洗顔ネットに水をつけ、ネットで洗顔フォームを泡立てる。
ブーンは中学の時にニキビに悩んでいた。正しい洗顔方法で洗顔をすれば改善できると聞き、
アクネケア用の洗顔フォームをネットで泡立てて洗顔してみたところ、肌が劇的に改善したので、
それ以来、ふわふわの泡を使っての洗顔を欠かさない。
母が化粧品メーカーの美容部員をしているので、肌に関する悩みは全て母に聞いていた。

洗顔が終わり歯を磨いている時に、ふと足元に何かが転がっているのに気がついた。
それを拾い上げると、母のリップクリームだった。

( ^ω^)「なんだおwww中身ないのかおwwww捨てるお」

リップクリームをゴミ箱へ向けたところで動きが止まった。

( ^ω^)(このリップクリーム、去年のツンの誕生日にプレゼントしたお・・・)

ツンは唇の乾燥に悩んでいた。特に冬になるとガサガサになるので、
見かねてちょっと高価なリップクリームを贈ったのだ。

ξ゚?゚)ξ『内藤!このリップクリーム今まで使った中で一番いいよ!
     さすが射精堂は違うね』
無邪気に報告してくれた時のあの笑顔。

ξ;゚?゚)ξ『えっ・・・・これ、私がいつも使ってたリップの10倍以上もすんの?』
値段を聞かれ、つい答えてしまった時のツンの驚いた表情。

ξ゚?゚)ξ『はぁ?あんたネットで洗顔してるの?・・・・・・・・・・・・キモイ』
自分の洗顔事情を説明した時の言葉。
言葉こそキツかったが、ブーンはツンの心意を分かっていたから、別に腹がたつ事はなかった。

( ^ω^)(ツンは今でもあのリップクリームを使ってるのかお?
      そういえば、ファミレスで食器洗いを手伝わされると手が荒れるって言ってたお。
      今度の誕生日は・・・)

( ^ω^)「・・・・・・・・・!!!!」

(;^ω^)だっ、だめだお!!!!」

不意に、ツンのことを思い出すのがいけないことのように思えてきた。
もうツンはジョルジュと付き合うと決めたのだ。
今までのような友達関係ではいられなくなる。
二人を応援すると決めた。

でもなぜだろう、今になって、ツンのことばかり考える。
思い出されるのはツンの笑顔。
ツンの表情、言葉、仕草が、自分の体に染み付いてるようにブーンにつきまとう。

( ^ω^)「やっぱりちょっと距離を感じるお。寂しいけど、仕方ないお」

ブーンは悶々とした気持ちを振り払って、リップクリームをゴミ箱へ投げ入れた―。

ピンポーン

( ^ω^)「・・・・・・・・・・・」

ガチャッ

('A`)「ういー。まぁ中入れよ」

( ^ω^)「お邪魔しますおー」

ブーンの家から歩いて20分ほどのところに、ドクオの家があった。
ブーンとドクオはVIP高で知り合った。たまたま隣の席になり、話していくうちに仲良くなっていった。
ドクオはゲームやアニメが趣味の、いわゆるおたくだった。
かたやブーンは、ゲームは小学生の頃にボンバーマンをやったっきりで、アニメも殆ど見ずに育ってきた。
趣味といえば音楽を聴くくらいだし、毎日に刺激を求めるでもなく、暮らしてきた。
二人は全く正反対だったのだ。

('A`)「さっきCHIRUOの同人誌が届いたばっかなんだ。
    コミケとか行けないしな」

( ^ω^)「ちるお?」

('A`)「シスプリのさくまもが好きな奴」

( ^ω^)「さくまも????」

('A‘)「学ランのまもり萌え」

二人の会話はかみ合わないことも多かったが、それでも特に気にした事はなかった。
お互いマイペースだったが、絶妙なバランスで補ってきた。
普通、おたくの友達とここまで仲がいいと多少なりとも影響を受けるものだが、
ブーンは興味がないものにはとことん興味が沸かない性分だったために、幸いにもおたくになることはなかった。

ドクオは、家にブーンが遊びにきても気にせず一人でゲームをしたりアニメを観たりしているから、
ブーンは部屋中にある漫画本を読んだりインターネットをしたりして勝手に楽しんでいた。

('A`)「晩飯食ってく?ピザでいい?」

( ^ω^)「おk」

夕食にデリバリーのピザを取り、食べ終わって一休みしている時に
会話はツンの話へとうつった。

('A`)「ふーん、ツンとジョルジュがねぇ」

( ^ω^)「二人がくっついて良かったお。でも遊び相手が減って寂しいお」

('A`)「お前には俺がいんじゃん」

(;^ω^)「キモスwwwwwwwwww」

('A`)「あー、俺もセックスしてえぇー」

( ^ω^)「・・・・・・・・・・!セッ・・・?」

('A`)「付き合い始めてどれくらいでヤルもんなの?俺にはわかんね」

( ^ω^)「・・・・・・・俺もだお」

不意に、ツンとジョルジュが性行為をしている様が浮んだが、なんだか気持ち悪くなってすぐに掻き消した。

(;^ω^)(かあちゃんととうちゃんのセクロスを思い浮かべるのも気持ち悪いけど・・・)

なんていうか、それとはまた違った気持ち悪さというか・・・。
そもそもツンはジョルジュと性行為に及ぶことができるのか?
レイプされそうになったのなら、そういう行為に多少なりとも抵抗があるのではないかと思うのだが、
結局は自分のことじゃないので、考えは想像の域を出ない。

(;^ω^)(つーか・・・・・・・・・・・・またツンのこと考えてるお)

いけない。
ブーンはコーラを一気に飲み干した。

('A`)「あーセックスしてえなー」

( ^ω^)「・・・・・・・・」

('A`)「・・・・・・・・・まぁ、あれだ」

( ^ω^)「?」

('A`)「お前のペースでツンをサポートしてやればいいんじゃね?」

( ^ω^)「・・・・・・・!」

('A`)「ツンが決めたことなんだから受け入れるしかねーし・・・・・・
   それでもしツンが傷つくようなことがあったら・・・・・その時はお前がフォローしてやれよ」

( ^ω^)「・・・・・・・・・・・・・ドクオ」

ブーンは、目の奥が熱くなるのを感じた。
これが二人の「絶妙なバランス」というもので、正反対でマイペースな二人を繋ぎとめる大切な絆だった。
ブーンがドクオの顔をじっと見つめると、ドクオの口元が歪んだ。

('A`)「なんだよ?気持ちわりいな」

(*^ω^)「今ちょっとドクオに抱かれてもいいと思ったおwwwwwwwww」

('A`)「うほっwwwwww気持ちは嬉しいが、どちらかといえば俺も抱かれたいタイプだ」

(;^ω^)「・・・・・・・・・・・・・・アウアウwww」

('A`)「・・・・・・・・・・・・アーロンになら抱かれてもいい」

そう言うとドクオは再びTVへ向かい
ファインアナル・ファンタジア10を始めた。

(゚∋゚)「ツンちゃん早番ご苦労様ー。上がっていいよ」

ξ゚?゚)ξ「はい、お疲れ様でした」

土日の2日間、ツンは休むことなく動き続けた。
土曜の夜はバイトから帰った後は疲労ですぐに眠りについたし、
日曜は早番で9時半出勤だったから、起きてすぐにバイト先へ向かった。
そして何も考える余裕もなく働いた。

ξ゚?゚)ξ(5時かぁ・・・・。いつもならブーンと遊ぶんだけど・・・・)

その時、後ろからタバコのにおいがした。
ロッカールームには喫煙所がある為、休憩中のスタッフはここでタバコを吸うのだ。

ξ;゚?゚)ξ「うう・・・・」

ツンは思わず口元に手を押さえた。
タバコのにおいをかぐと、あの時のことがフラッシュバックされる。

ξ゚?゚)ξ(これでも良くなってきたのよ・・・・)

前はタバコのにおいをかぐだけで吐き気を催したり、パニックになっていた。
それが、今では嫌悪を抱くくらいで体調に変化があらわれることもなくなった。

ξ-?-)ξ(吐き気がないのはいいけど・・・・・
       私はこうやってあの時の気持ちを忘れていくのかな・・・・)

ブラウスのボタンに手をかける。
一刻も早く、あの時のことを忘れたいと思う反面、気持ちが風化していくことに疑問を感じることがある。
あんなに悔しい思いをしたのに、あんなに人を憎んだのに、あんなにつらかったのに。
今はまるで何事もなかったように暮らしている。
あの時の気持ちは嘘じゃなかったはずなのに、こんなに簡単に忘れるものなの?
本当にこれでいいのか、時々分からなくなるし、忘れた方がいいのか、忘れずにいた方がいいのか、答えは今も出ていない。
私はどうしたらいいんだろう。どうしたら素直な気持ちで人を好きになれるんだろう。
どうしたら、人を信じることができるようになるんだろう。

ξ-?-)ξ(こんなネガティブな、悲劇のヒロインみたいな考え方をしちゃうのも嫌だ・・・)

どうしたら自分のことを好きになれるんだろう。
ブラウスのボタンを開ける手がとまった。

ξ;?;)ξ(こんなのがあるから、私はいつまでたっても・・・・・・・・・・)

鎖骨の下の小さなアザを見て、心から黒いドロドロした感情が溢れ出すのを感じた。

( ゚∀゚)「あっ、ツン・・・!」

ξ゚?゚)ξ「ジョルジュ君!?」

着替え終わってジュースを飲んで一休みし、バイト先を出たところで
不意にジュルジュに声をかけられた。

ξ゚?゚)ξ「・・・・あれ、どうしたの?」

( ゚∀゚)「ツンと話がしたくて・・・・いい?」

ツンはこくんと頷いた。
大丈夫、もう答えは出ている。早かれ遅かれ言わなきゃいけないことだったのだ。
そう思い、覚悟を決め、先を歩くジョルジュの後ろを追って歩いた。

( ゚∀゚)「ごめん、なんか落ち着かなくてさ」

ξ゚?゚)ξ「いや・・・・そんな・・・・」

( ゚∀゚)「あんまりツンの負担になるようなことはしたくなかったんだけどさ。
    ツンのこと考えたら、いてもたってもいられなくなっちゃって」

ξ*゚?゚)ξ「・・・・・・」

( ゚∀゚)「一昨日言ったように、俺はツンのことがずっと前から好きだったんだ。
    ツンのことは絶対大事にする」

ξ///)ξ「・・・・・・・・・・・・」

( ゚∀゚)「これだけは分かって欲しかったんだ。
     あとはツンがどんな返事をしても俺は受け入れるから。
     だから納得のいく答えを出してくれ」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・・・」

( ゚∀゚)「話はそれだけ。ごめんね急に押しかけて。
     それじゃあ帰・・・」

ξ゚?゚)ξ「ちょっと待って」

( ゚∀゚)「?」

ジョルジュが帰ろうと立ち上がったところで、ツンは引き止めた。
この人なら大丈夫かな?私の全てを受け入れてくれるのかな?
大丈夫、ブーンとあんなに仲良くやれてた。
私は男嫌いがなおったんだ。

ξ゚?゚)ξ「私でよければ・・・よろしくお願いします」

( ゚∀゚)「本当に!?」

ξ///)ξ「うん・・・・」

( ゚∀゚)「あっ、ありがとう!!!!!」

ひたすら喜びつづけるジョルジュを見て、嬉しいような恥ずかしいような、胸が痛むような・・・。
今この瞬間から、この人は私の「彼氏」なのだ。

ふと、あの時付き合っていた男の顔を思い出した。

ドクオの家へ遊びに行ったブーンは、そのままドクオ宅に泊まった。
そして次の日、ドクオと一緒に街へ遊びに行った。ゲーセンに行って、カラオケに行って、
とにかくむしゃくしゃした気持ちを発散したくて騒ぎまくった。

日曜の夜9時に帰宅し、机の上に放置された携帯電話に目をやった。
いつもなら持ち歩くのだが、あえて家に置いたまま出かけたのだった。

その携帯の画面には『着信あり/メールあり』と表示されていた。
ブーンは携帯を手に取った。

( ^ω^)「・・・・・・・・・」ピッピッ

( ^ω^)「おっ、ジョルジュからメールがきてるお」

『from:ジョルジュ
件名:応援ありがとう
本文:今日、ツンからOKをもらって、付
    き合うことになりました。これもブ
    ーンの応援のおかげ。マジであ
    りがとう。             』

( ^ω^)「ツンが返事したのかお・・・」

ピッピッ
(;^ω^)「・・・・・・・・・・・・お?」

『     着信履歴
 ?10月×日(日) 16:38  〔不在〕
    ツ ン           』

(;^ω^)「ツンから電話がきてたのかお・・・・」

ブーンは少し考えた後、メールを打った。

( ^ω^)「送信・・・と。さて、風呂入るお」

クローゼットから着替えを取り出し、風呂場へ向かった。

『to:ジョルジュ
件名:おめでとうだお
本文:うまくいって良かったお。
   ツンのことよろしくだお。 』

( ^ω^)「うは~~~~~wwwwwww風呂キモチヨス」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・・・・・・・・」

ξ-?-)ξ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はぁ」

その日ツンは、鳴るはずのない携帯電話をいつまでも見つめていた。

あの日以来、ブーンとツンは連絡を取り合うことはなくなった。
ジョルジュの知らないところでツンに連絡をするのは気が引けたし、
何よりもあの日、着信があったのに電話もメールもしなかったことに後ろめたさを感じていたからだ。
今までどおりに接する事ができるか分からない。きっと不自然に接してしまうだろう。
そしてそれ以上に、ツンは自分のことを今までのように「友達」と思い続けてくれるかが心配だった。

ツンも、ブーンのことを極力避けた。
校内でなるべく会わないように、教室を移動する時も周りに注意して歩いた。
ブーンがすでに生徒会を引退していたので、教室まで会いに行かなければ会うこともない。
二人は校内で顔を合わせることはなかった。少なくとも、ツンはそう思っていた。

( ^ω^)「・・・・・・・・・」

('A`)「おいこらてめぇ俺の話聞いてんのか」

(;^ω^)「・・・・おっ?おお、すまなかったお」

('A`)「外なんか見て黄昏れやがって。俺好みの萌えるツインテールでもいんのか?」

(;^ω^)「おっ・・・・・」

('A`;)「あ・・・・・」

ドクオが教室の窓から乗り出して外を見ると、ツンが校門で誰かを待っているのが見えた。
少ししてツンのもとへジョルジュが駆け寄り、何か言葉を交わした後に、二人は肩を並べて歩いていった。

('A`)「・・・・・・・まぁ確かにツインテールだな」

ドクオはバツの悪そうな表情で椅子に座り、読みかけのライトノベルを開いた。

( ^ω^)「うまくいってるみたいで良かったお。安心したお」

('A`)「・・・・・・・・・まぁ、はたから見てりゃあジョルジュはツンにぞっこんだもんな。
   それにまだ付き合い始めて1ヶ月くらいじゃねーか。そりゃラブラブだわな」

( ^ω^)「ずっとラブラブなままでいられるといいお。そう願ってるお」

('A`)「・・・・・・・・・・・・ノーコメント」

(;^ω^)「・・・」

ドクオは気付いていた。ブーンがいつもツンの姿を探していたことを。
無意識に、ツンと同じように二つ結いの髪型の女の子を目で追ったりしていたし、
放課後ともなればいつも教室の窓から外を眺めていた。

('A`)(不器用なやつ・・・・)

そんなブーンを見て、ドクオはいつもそう思っていた。

ξ゚?゚)ξ「・・・えっ?メイヂ大学?」

( ゚∀゚)「うん、1年の時から目指してるんだ」

ξ゚?゚)ξ「へぇー、なんかすごいね。メイヂ大学って東京でしょ?」

( ゚∀゚)「ああ、晴れて合格したら上京だな」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・すごいね」

( ゚∀゚)「あっ、さては俺と離ればなれになるのがて寂しくなるとか思ってる?」

ξ*゚?゚)ξ「やっ・・・・やだっ
      そうやってからかって!!!」

( ゚∀゚)「大丈夫!ちゃんと電話もメールもするって!
    ほんっと、ツンは可愛いなぁwwwwww」

そう言ってジョルジュはツンの頭を撫でた。

ξ*-?-)ξ「・・・・・もうっ」

( ゚∀゚)「ツンがどんなことで悩んでるか、なんとなく分かるよ。
    俺のことは気にしなくていい。ツンのペースでいいから、無理しないで。
    俺と会うのがつらかったら正直に言ってくれ
    そばにいていいなら、いつでもツンのそばにいるから」

ある日の帰り道にジョルジュはツンに言った。
ジョルジュは、こちらが申し訳くなるほどに心が広かった。
これが”大人”なんだと、ツンは思った。
その言葉のおかげで、自分に負担をかけずに付き合うことができた。
すぐに打ち解けるのは無理だったが、徐々に徐々に心を開いていったのだ。

( ゚∀゚)「もうすぐ付き合って1ヶ月だね」

ξ゚?゚)ξ「えっ?あっ、そうだね」

( ゚∀゚)「初めての記念日だよ。なんか楽しみだねー」

ξ゚?゚)ξ「えっ?普通記念日って半年とか1年とかじゃないの?」

( ゚∀゚)「お祝いがいっぱいあった方が楽しいじゃん」

ξ*゚?゚)ξ「ふふっ・・・・・・そうだね」

ごく普通のカップルみたいになれたことがたまらなく嬉しかったり、逆に違和感を感じたりもしたが、
それなりにうまく付き合うことができて、ツンは安心していた。

( ゚∀゚)「じゃーまた明日。家に着いたらメールするな」

ξ゚?゚)ξ「うん、気を付けて帰ってね」

ジョルジュの顔がツンの顔へと近付き、唇と唇が軽く触れる。
そしてジョルジュはツンをぎゅっと抱きしめる。これが二人のさよならの儀式だった。
玄関先でジュルジュに小さく手を振り見送る。そしてジョルジュの姿が見えなくなったところで、家に入る。
これがいつもの流れだった。

ξ-?-)ξ「・・・・・ただいま」

部屋に入り、制服を脱ぎ捨て部屋着に着替える。
両親はまだ帰っていない。父は外資系の商社マンで、母は新聞社に勤めている為、
二人供いつも帰宅が遅かった。
ひどい時には帰らない日もあるほどだ。
幼い頃から放任主義な家庭で育ったツンは、まだ17歳だったが家事は一通りこなしていた。

ξ-?-)ξ「・・・・ご飯作ろ」

朝食は母が用意してくれていたが、夕食はいつも自分の分だけ作っていた。

ξ゚?゚)ξ「バイトがない日はご飯作るの面倒くさいなぁ」

ツンがファミレスでのバイトを選んだのは、休憩時間の食事を支給してくれるからだった。

ピルル~♪

ツンの携帯電話が鳴った。
野菜を洗う手を止め、タオルで水気を拭き取り携帯を開く。

『from:ジョルジュ
件名:
本文:ただいま帰宅!
   来週の開校記念日の日はバイト休みだっ
   たよね?良かったら俺んちに来ない?
   むさ苦しいところですが・・・(笑) 』

ξ゚?゚)ξ「・・・ジョルジュ君の家に・・・」

しばらく携帯を見つめていたが、メールの返信をせずに夕食作りの作業へ戻った。

翌日の昼休み
いつものようにジョルジュが2年の教室にツンに会いにきた。
頭が良くて心の広いジョルジュと、可愛くて女子の憧れの的のツン。
二人が付き合い始めたという話はすぐに広まり、密かに「理想のカップル」と言われるまでになっていた。

ジョルジュは大学受験を控えているということもあり、勉学に追われていてなかなか忙しい毎日を送っていたが、
それでもなんとか時間のやりくりをしてツンと会う機会を作っていた。
そして昼休みにはよく屋上で話しをしたりしていた。

この日もいつものように、屋上で肩を並べて話す二人の姿があった。

( ゚∀゚)「開校記念日の日さ、ちょうど親が出掛ける予定なんだ。
     俺も塾ないしさ、うちにおいでよ」

ξ゚?゚)ξ「うーん、でもなんか緊張するな・・・」

( ゚∀゚)「緊張する必要ないって!普通の民家だしw」

ξ゚?゚)ξ「・・・・」

( ゚∀゚)「・・・・・・・・・心配?」

ξ;゚?゚)ξ「えっ!?」

それまでうつむいていたツンだったが、ジョルジュに顔を覗き込まれてドキッとして顔を上げた。
ジョルジュの顔が思ったよりも近いところにあって、更に心臓が高鳴るのを感じた。

( ゚∀゚)「俺が何か変なコト企んでるんじゃないかって思ってる?」

ξ;゚?゚)ξ「そ、そんなんじゃ・・・!」

( ゚∀゚)「お前はすぐに顔に出るなwバレバレだよ」

ξ///)ξ「・・・・・っ」

この人には全て見透かされている気がする。
なんでも気付いちゃうんだ・・・。

( ゚∀゚)「まぁ男の”大丈夫”なんて信用できないと思うけどさ。
     俺はただお前と楽しく過ごしたいだけだよ」

ξ*゚?゚)ξ「・・・・」

( ゚∀゚)「んー、でもツンが嫌なら無理強いはしないよ。
     映画でも見に行く?」

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・・・・・・いいよ
      せっかくゆっくりできる日なんだから、ジョルジュ君の家で遊ぼ?」

( ゚∀゚)「いいの?大丈夫?無理しなくても・・」

ξ゚?゚)ξ「いいの!無理なんてしてないよ
      何かお菓子作って持ってくね」

( ゚∀゚)「ツンの手作りのお菓子か!楽しみだなぁ!!
    俺、甘いもの大好きなんだ」

屈託なく笑うジョルジュの笑顔に吸い込まれそうになる。
なんていうか、巧みな話術で騙されているような錯覚に陥ることがよくある。
人の心を誘導するのがすごく巧い。

とは思うものの、ジョルジュがすごく楽しみにしている様子を見て、純粋に嬉しい気持ちになることには変わりはない。
何を作ろうかな、折角だから新しいレシピに挑戦してみようかな。
そういえば他人に料理を出すのは初めてだ。

キーンコーンカーンコーン♪

ξ゚?゚)ξ「あっ、予鈴・・・ 次移動だ」

( ゚∀゚)「じゃあまた帰りに」

ξ゚?゚)ξ「うん、午後の授業頑張ってね」

( ゚∀゚)「サンキュ」

ジョルジュはツンを引き寄せ、優しく抱きしめた。
二人の唇が重なる。2回、3回軽く口づけたあと、手をつないで屋上と教室をつなぐ階段を駆け下りた。

( ゚∀゚)「ツンお待たせ」

ξ゚?゚)ξ「ごめんね、わざわざ駅まで迎えにきてもらっちゃって」

( ゚∀゚)「いいんだって。家で待ってても落ち着かないしさ。
    それに、早くツンに会いたかったし」

ξ///)ξ「・・・・もうっ」

( ゚∀゚)「照れた照れた♪
    さ、行こうか。ちょっとコンビニで買い物して行ってもいい?」

ξ*゚?゚)ξ「うん」

開校記念日。約束の日がきた。
二人は駅前で待ち合わせをし、近くのコンビニでジュースやおやつを買い、ジョルジュの家へ向かった。

( ゚∀゚)「ささ入って。誰もいないから遠慮しないで」

ξ゚?゚)ξ「お邪魔しまーす」

ジョルジュの家に着くと、すぐにジョルジュの部屋に通された。
7畳ほどのフローリングの部屋には大きな本棚があり、難しそうな本がぎっしり並んであった。
机の上には教科書や参考書が積み重なって置かれていて、これがまさしく受験生の部屋なんだな、と思った。

ξ゚?゚)ξ「勉強は大丈夫なの?私なんかと遊んじゃって・・・」

( ゚∀゚)「毎日勉強してるんだ、一日くらいツンとゆっくり過ごしたってバチは当たらないよ」

ξ゚?゚)ξ「それもそうね・・・。じゃあ明日からまた勉強頑張らないとね」

(;゚∀゚)「早速明日の話かよ。勘弁してくれー」

ξ*゚?゚)ξ「ふふw
     あ、そうだ。これ作ってきたんだけど・・・」

( ゚∀゚)「えっ、本当に作ってくれたの!?うわっ嬉しー」

ツンは昨日の夜、バイトから帰った後に遅くまで起きて作ったレモンタルトをテーブルの上にさし出した。
初めて作るレシピだったが、なかなか上手く焼けたと思う。
二人は早速切り分けて食べた。

( ゚∀゚)「マジ美味い!めちゃくちゃ感動!!」

ξ゚?゚)ξ「おおげさだってw」

( ゚∀゚)「いいや!今まで食べたお菓子の中で一番美味い!
    本当にありがとうツン!!」

ξ///)ξ「・・・っ」

それにしても、ジョルジュって本当に美味しそうに食べるなぁ。
これだけ食べっぷりがいいと、もっと腕をふるいたくなっちゃうよ。


ξ゚?゚)ξ「あーっもう!ジョルジュ君にはかなわないよ!」

( ゚∀゚)「ハハハ 結構やり込んだからな、この格ゲー」

タルトを食べ終えた二人は、ストリート・ファッカーという格闘ゲームをしていた。

ξ゚?゚)ξ「でも面白いね、格闘ゲームって。私初めてやったよ」

( ゚∀゚)「ごめんね、大人気なく勝ちまくっちゃって」

ξ゚?゚)ξ「どうせ私は弱いですよー」

( ゚∀゚)「あはは、そう拗ねるなってw」

ξ///)ξ「・・・っっ」

そう言ってジョルジュはツンの頭を優しく撫で、抱きしめた。
最初は抵抗があったツンだったが、回を重ねるごとに慣れていった。
今ではこの行為をいとおしく感じている。

ジョルジュの指がツンの唇に触れ、そっとなぞる。

( ゚∀゚)「ほんと柔らかくて気持ちいいよね、この唇」

ξ///)ξ「・・・・っ」

ツンは誕生日にブーンからもらったリップクリームをずっと愛用していた。
そのことを思い出したツンの心がチクリと痛んだ。

ツンの唇にジョルジュの唇が優しく触れる。

( ゚∀゚)「慣れた?キス」

ξ*゚?゚)ξ「う・・・うん」

( ゚∀゚)「付き合い始めの頃は目すら合わせてくれなかったもんなw」

ξ///)ξ「ご・・・ごめん」

( ゚∀゚)「ほら、顔上げて・・・」

再びジョルジュの唇が重なる。

ツンは今、ジョルジュの事を本気で愛し始めていた。
大人のような包容力と優しさを持つジョルジュは、決してツンに強引に肉体関係を求める事はなかった。
優しく、様子をうかがいながらツンに接するジョルジュを見て、
”この人なら信じられるかもしれない”
そう思っていた。

( ゚∀゚)「ツンのこと、もっと深く愛したいな」

ξ*゚?゚)ξ「???」

( ゚∀゚)「くち ちょっとあけて」

ξ///)ξ「!!!!」

ジョルジュの唇が触れ、舌が濃厚に絡まる。

ツンは脳がしびれるのを感じた。
生まれて初めてするディープキス。他人の舌が自分の口の中に入るなんて気持ち悪いと思っていたが、
ジョルジュの舌がツンの舌と絡み合う感触がとても気持ちよかった。
気が付くとツンは自ら舌を絡めていた。

静かな室内に響く二人の吐息と、舌と舌が絡まりあう音を聞きながら、
ツンは頭の中が真っ白になっていくのを感じた。

ジョルジュに抱きしめられ、濃厚なキスを交わしながらツンはふと思った。
ジョルジュ君、前にもしたことがあるのかな・・・。
そう考えたところで、どこかへ飛んでいた意識が急に引き戻された。

血の気が一気にひいていく。
ξ゚?゚)ξ(私以外の人とも、同じようなことを・・・?)
激しい焦燥感がツンを襲う。
何故こんな気持ちになるのかツン自信も戸惑ったが、明らかに嫉妬していることは理解できた。

ξ-?-)ξ(・・・私だって中学の時に彼氏がいたんだもの、ジョルジュ君にいたっておかしくないよね。
       何考えてるんだろ・・・)

ツンはそっと唇を離し、うつむいた。

( ゚∀゚)「?どうしたの、ツン。嫌だった?」

ξ;゚?゚)ξ「あっ、そういうわけじゃ・・・」

( ゚∀゚)「ごめんな、俺焦りすぎたな。ほんとごめん」

ジョルジュがツンの頭を撫でる。

ξ゚?゚)ξ(違うの・・・悪いのは私なのに・・・どうしてこんなに優しいの?)

目の奥が熱くなる。ツンは涙をこらえるのに必死だった。

( ゚∀゚)「ツン、気分転換に音楽でも聴くか?」

ξ゚?゚)ξ「・・・うん」

( ゚∀゚)「何がいいかなー。ツンって普段何聴いてるの?」

ξ゚?゚)ξ「えーとねぇ・・・・・・あっ」

( ゚∀゚)「?」

CDラックの隣のカラーボックスに、”卒業アルバム”の文字が見えた。

ξ゚?゚)ξ「これ見たい♪・・・だめ?」

( ゚∀゚)「んー・・・・いーよー」

ξ゚?゚)ξ「えへへ、ジョルジュ君の中学生の頃かー」

( ゚∀゚)「おいおい、ツンだから見せるんだぞ。俺だって恥ずかしいんだからなー」

ξ゚?゚)ξ「はーい」

卒業アルバムのページをめくる。そのアルバムは、幼さの抜けない生徒たちの笑顔で溢れていた。

ξ゚?゚)ξ「ジョルジュ君って、何組だったの?」

( ゚∀゚)「当ててみー?」

ξ゚?゚)ξ「うーん・・・・」

クラス別の個人写真のページを開き、一人ずつじっくり眺める。

ξ゚?゚)ξ「・・・あっ、これ?3年4組!」

( ゚∀゚)「あたりー。あーすげー恥ずかしいからあんま見ないでくれよ」

ξ*゚?゚)ξ「へー、これが昔のジョルジュ君かぁ。今とあんま変わらないね」

( ゚∀゚)「よく言われるよ。ツンは中学生の時から可愛かったんだろ?」

ξ*゚?゚)ξ「もー、そんなことわかんないよー」

( ゚∀゚)「可愛かったんだろうな、中学生のツン」

ξ///)ξ「もー」

ツンが照れながらページをめくっていると、一番最後の、メッセージを書き込むコーナーに辿りついた。
そのコーナーの一番最初のページに書かれてあるメッセージに、ツンは思わず見入ってしまった。

( ;゚∀゚)「あっ・・・・・」

『ジョルジュへvvvv
 ずっとずっと一緒だよvvvお嫁さんにしてねvvvvv
                              さやか』

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・・・・・・・・」

体が硬直している。もしかして、見てはいけないものを見てしまったのではないか。
・・・いや、できることなら見たくないものだった。

( ;゚∀゚)「ツン・・・・・」

ξ;゚?゚)ξ「・・・ご、ごめんね。見ちゃいけなかったかな?」

( ゚∀゚)「・・・・・・・・・・当時付き合っていたコなんだ。高校に入った後すぐに別れたけど・・・」

ξ゚?゚)ξ「・・・・そっか」

( ゚∀゚)「そいつとはもうとっくに終わったんだ。今はなんとも思ってない」

そういうとジョルジュは卒業アルバムと閉じ、元あった場所にしまった。

( ゚∀゚)「・・・・音楽聴こうか、何がいいんだっけ?」

ジョルジュが立ち上がりCDラックへ向かうと、ツンに背中を向ける形になった。
ツンにはその後姿が寂しげに見えた。

ξ゚?゚)ξ「ジョルジュ君・・・」

ツンは立ち上がり、ジョルジュの背中にぎゅっと抱きついた。

ξ゚?゚)ξ「ごめんね、私は全然気にしてないから、心配しないで」

( ゚∀゚)「ツン・・・・」

ジョルジュは振り返り、ツンをそっと抱きしめる。そして、唇を重ねた。
今度は何も告げずに舌をからめてきた。ツンもそれに応える。

( ゚∀゚)「ツン、そこに座って」

ジョルジュがツンをベッドに誘導する。ツンは言われるがままにベッドに腰掛けた。
お互い向かい合うように座ると、ジョルジュはツンを強く抱きしめた。
そして、濃厚にツンにキスをする。
しばらくキスをしたあと、今度はツンの耳に軽く口付ける。そして、ジョルジュの手がツンの服の中に入ってきた。

ξ;゚?゚)ξ「!!!!」

ツンは驚いたが、ジョルジュのキスにすっかり酔っていて、
このまま身を預けてもいいと、そう思っていた。

ジョルジュの手が下着ごしにツンの胸に触れる。ツンは恥ずかしくて思わず身悶える。
それでもジョルジュの手が止まることはなかった。
ジョルジュは片手でブラジャーのホックを外し、ツンの小さな胸に直接手を触れた。

ξ///)ξ「・・・・・・・・・・」

濃厚なキスをしながら乳房を触られ、ツンはおかしくなりそうだった。
掌で乳房を優しく揉みながら、親指で乳首を軽く刺激され、どうしようもないくらい興奮していた。

その時、ジョルジュの唇がツンの唇から離れた。
そして、ツンの服をゆっくりと捲り上げた・・・。

ξ;゚?゚)ξ「!!!!!」

突然、ツンは例えようのない恐怖感に襲われた。
そして

ξ;?;)ξ「・・・・・・・・・・・うう・・・・」

ツンは溢れ出る涙をこらえることができなかった。

(;゚∀゚)「ツン!?ごっ、ごめん!!」

その様子に気付いたジョルジュは、すぐさま愛撫する手を止め、ブラジャーのホックをしめ、捲くっていた服を元に戻し、
ツンを抱きしめた。

( ゚∀゚)「ごめん!ツンの気持ち無視して・・・。
    俺、今日どうにかしてるな」

ξ;?;)ξ「・・・・・・・・・・・」

ツンはジョルジュの胸の中で静かに泣いた。


ξ゚?゚)ξ「今日はお邪魔しました。勉強しなきゃいけないのに、ごめんね」

( ゚∀゚)「俺のほうこそ、ツンを困らせちゃってごめんな」

ξ゚?゚)ξ「ううん・・・・私の方こそ・・・」

( ゚∀゚)「焦らなくていいよ。俺らは俺らのペースでいこう」

ξ*゚?゚)ξ「・・・・・うん」

二人は軽く口づけをして別れた。
空の色が、赤から濃紺へと移り変わっていた。

('A`)「なんだよあの本屋。ヂーズマガジン置いてないなんてふざけやがって」

ドクオは腹を立てながら薄暗い歩道を歩いていた。

('A`)「「帰ってオナニーでもして寝るか・・・・・お?」

ドクオは反対側の歩道をとぼとぼと歩くツンの姿を見つけた。

('A`)「おーい、ツーン」

ξ゚?゚)ξ「ドクオ!?」

ドクオは道路を渡り、ツンのもとへ駆け寄った。

ξ゚?゚)ξ「こんな所で会うなんて奇遇だね!」

('A`)「ああ、どうしたんだ?一人で。今日はデートじゃなかったのか」

ξ゚?゚)ξ「もーからかわないでよー」

('A`)「うまくいってるみたいだな」

ξ゚?゚)ξ「・・・う、うん、ぼちぼち」

('A`)「ブーンがさ、寂しがってるんだ。メールしてやってくれよ」

ξ゚?゚)ξ「ブーンが・・・」

('A`)「じゃなきゃ俺犯されちまうよ」

ξ;゚?゚)ξ「キモッ!」

('A`)「ところでお前んち、あの辺だよな?送ってこか」

ξ゚?゚)ξ「大丈夫だよ、この辺は人通りも多いし。じゃあね」

('A`)「おー。気を付けて帰れよな」

ドクオはツンの姿を見送ると、

('A`)「なんかあったなありゃ」

そうつぶやいた後、今夜のおかずはツインテールは止めておこう、
そんなことを考えながら、自分も帰路についた。

ξ゚?゚)ξ「今日も図書館に行くの?」

( ゚∀゚)「ああ。センターまであと2ヶ月だしな」

ξ゚?゚)ξ「そっかぁ。頑張ってるね」

( ゚∀゚)「ツンも今日バイトだろ?お互い頑張ろうな」

そう言ってジョルジュはツンの小さな手を優しく握る。

ξ*゚?゚)ξ「うん」

ツンもそっと握り返した。

( ゚∀゚)「あれ・・・なんか手荒れてるね」

ξ゚?゚)ξ「あ、うん。食器洗いのバイトの人が急に辞めちゃって。
     新しい人入るまで、ホールと食器洗い両方やってるの」

( ゚∀゚)「そうなんだ。ぞれじゃあ仕方ないね。
    大変だろうけど頑張ろうな」

ξ゚?゚)ξ「うん」

ジョルジュがツンの透き通るような白い頬に口付ける。

暦は既に11月になっていた。
ジョルジュがセンター試験を控えているせいもあり、二人が会う機会は日に日に少なくなっていた。
それでもジョルジュはツンへのメールを欠かさなかったし、あまり会えない分、二人一緒に過ごす時間を
大切にしていた。
ただ、あの日以来、二人の関係が進展することはなかった。

( ゚∀゚)「もうすぐ予鈴なるね。そろそろ行こうか」

ξ゚?゚)ξ「うん」

ツンが屋上のドアに手をかけたところで、ジョルジュがツンの手をつかんだ。

( ゚∀゚)「ツン・・・」

ξ゚?゚)ξ「?どうしたの?」

ジョルジュはツンをそっと抱きしめた。

( ゚∀゚)「寂しい思いさせてごめんな。俺はかわらずツンのこと愛してるから・・・」

ξ///)ξ「・・・・・・・・・・・・うん」

二人は甘い口付けを交わす。
夢中になって口付けあっていたが、しばらくして予鈴がなり、二人は慌てて教室へと走った。

放課後―

(^▽^)「あれ、ツン
     今日は彼氏と一緒に帰らないの?

バイト先に向かおうと下駄箱から靴を取り出しているところに、クラスメートから声を掛けられた。

ξ゚?゚)ξ「うん、勉強しなきゃいけないし、私もバイトだから」

(^▽^)「そっかー。旦那に浮気されてなきゃいいネw」

ξ゚?゚)ξ「もー!」

その時、ツンの脳裏に、卒業アルバムのあのメッセージが浮かび上がった。
あの日以来、ジョルジュが以前付き合っていた「さやか」という女の子のことが気になって仕方がなかった。

(^▽^)「冗談だってwそんな暗くならないでよ。
     あ、バス停まで一緒に行こーよ」

ξ゚?゚)ξ「うん」

心が重くなるのを感じながら、うわばきを下駄箱にしまった。

( ^ω^)「おーすっかり寒くなったお。息が白いお」

('A`)「もうすぐ雪降るかもな」

学校の帰り道。二人はいつものように、近くの本屋へ向かっていた。
先月まで赤く色付いていた木の葉はすっかり風にさらわれ、はだかんぼうの木々が北風に必死に耐えている。

('A`)「そういやお前、就活どなってんの?」

(;^ω^)「まだ一社も内定もらってないお」

('A`;)「・・・・・・・マジでか」

本屋に入り、ドクオは「アニメ・ゲーム 雑誌」のコーナーへ一人向かった。
ブーンは店内を見渡し、「パソコン資格」の分類の本棚へと向かった。

( ^ω^)「今のご時世、資格を持ってないと就職できないのかお・・・・
     まだ漢検3級と英検4級しか持ってないお」

ブーンはパソコンの資格の本を手に取り、一通りさらさらっとページをめくった。

( ^ω^)「パソコンなんてネットしかやらないお」

学校の授業でパソコンをやってはいたが、就職活動にそれ程危機感がなかったブーンは
検定を受けるまでに思考が及ばなかった。
今思えば、もっと貪欲に資格取得に挑めば良かったと思う。

( ^ω^)「とりあえずこの本買うお」

今からでは遅すぎることは分かっていたが、
裏表紙に表示されてある値段を確認し、財布の中身を確かめると
ブーンはレジに向かった。

会計を終え、ドクオのもとへ向かうと、ドクオは電撃萌キングを立ち読みしていた。

('A`#)「なんだよ!こんな明らかに狙ったとしか思えないパンチラなんて萌えねーよ!
    こんなのただのエロ本だろうが!!大体俺は健全な萌えをだな・・・」

( ^ω^)「ドクオ、俺の用事は終わったお」

('A`)「おう。じゃ行こか」

ドクオは雑誌を本棚にしまった。

( ^ω^)「何にそんなに怒ってるお?」

('A`)「萌えってゆーのはさ、何気ない仕草とかキャラの持ち味から自然に滲み出るものなんだ。狙っちゃだめなんだ。
   メディアはそれを分かっちゃいねー」

( ^ω^)「???そうかお。奥が深いお。
      ところでドクオは女の子には興味ないのかお?」

('A`)「何言ってんの。俺の恋人はシスプリの咲代だ」

(;^ω^)「ちょwwwwそうじゃなくて
     生きてる女の子を好きになったことはないのかお?」

('A`)「三次元に興味はない」

( ^ω^)「????さんじげん??????」

('A`)「俺には咲代がいるからな」

(;^ω^)「・・・・・・もういいお」

ドクオと別れ、ブーンは家路を急いでいた。早く帰って、さっき買った本を読みたかったのだ。
空はすっかり夜の帳が下り、小さな星たちが輝いていた。

( ^ω^)「きれいなお星様だお」

ブーンは星空を見上げながら夜道を歩いていた。

( ^ω^)「それにしてもドクオは漫画の女の子にしか興味がないなんて不健全だお。
     ぜったいおかしいお」

そんなことを考えながら自宅近くまで来たところで、後ろから声をかけられた。

( ゚∀゚)「よおブーン」

( ^ω^)「お?ジョルジュ!?どうしたお??」

そこには、図書館に行ったはずのジョルジュの姿があった。

( ゚∀゚)「ちょっと話があるんだ。いいか?」

( ^ω^)「わざわざ来たのかお。いいお、俺んちに来るお」

( ゚∀゚)「すまないな」

ブーンはジョルジュを連れて帰宅し自分の部屋に通した。

( ^ω^)「適当に座ってくれお。今ジュース持ってくるお」

( ゚∀゚)「いや、いいよ。お構いなく」

( ^ω^)「どうかしたお?何か話でもあるのかお?」

( ゚∀゚)「・・・・・・・・・うん、ツンのことなんだけど」

(;^ω^)「ツンがどうかしたかお?」

( ゚∀゚)「ツンのさ、様子がおかしいんだよね。
    まぁ男が苦手なのは付き合う前から分かってたけど」

(;^ω^)「そうかお・・・」

( ゚∀゚)「この間俺んちに呼んだ時にいい感じになって、先に進もうとしたんだけど・・・
     あいつ、急に泣き出したんだよ・・・・」

(;^ω^)「・・・・・・・・」

( ゚∀゚)「俺、どうしたらいいかわかんなくて。
    最近会う機会も減っちゃってるし、あいつきっと不安がってると思うんだ」

( ^ω^)「・・・・・・・・」

( ゚∀゚)「お前、あいつから何か聞いてない?
     俺に対することとか、悩みがあるとか・・・」

(;^ω^)「・・・・・・・・俺はツンとは連絡とってないお」

( ゚∀゚)「え?なんで?あんなに仲良かったじゃん」

(;^ω^)「ジョルジュに悪いと思ったお」

( ゚∀゚)「んなこと気にすることないのに。そんなことで怒ったりしねーよ。
     付き合う前の方がよっぽどお前にやきもち焼いてたっつーの」

(;^ω^)「それもそうかお・・・・・」

( ゚∀゚)「んー、でもお前が何も聞いてないなら仕方ないな」

( ^ω^)「すまんお」

( ゚∀゚)「お前が謝ることじゃねーよ」

( ^ω^)「ツンはジョルジュのこと好きなはずだお。だから自信持つお」

ブーンはジョルジュに精一杯の励ましの言葉をおくったつもりだったが、
急にジョルジュの顔色が変わった。

( ゚∀゚)「・・・・・・・・・・・・そんなことは分かってるよ」

ジョルジュの口調が少し暗くなる。ブーンへの微かな怒りが感じられた。
お前なんかに言われなくとも、俺が一番ツンを理解している。
そんな心の声が聞こえてくるようだった。

(;^ω^)「・・・・・・・すまんお」

( ゚∀゚)「・・・じゃあ、俺は帰るな。急に押しかけてごめんな」

( ^ω^)「気を付けて帰るお」

( ゚∀゚)「サンキュ。また明日、学校でな」

ブーンはジョルジュを玄関先で見送り、自分の部屋に戻った。

(;^ω^)「・・・・・・・・・・・・嘘ついちゃったお」

ツンがジョルジュに体を許さない理由は、ブーンは痛いほど分かっていた。
ツンと付き合う以上、早かれ遅かれぶち当たる壁。
いつかこんな日が来るのではないかと、ブーンは常々思っていたのだ。

( ^ω^)「ツンが何も言わない以上、俺からはジョルジュに話せないお」

ブーンは制服のままベッドに寝転がり、先ほど買った本を読もうと、バッグの中を漁った。

( ^ω^)「・・・・・お?」

ふと手に何か固いものが当たり、無意識にそれを取り出した。

(;^ω^)「・・・・・・・・これは・・・」

それは、数ヶ月前にツンから借りたCDだった。
あの日返そうと思ってバッグに入れたまま、今日に至っていたのだ。

( ^ω^)「・・・・・・・・返せる日は来るのかお・・・・」

CDを再びバッグにしまい、先ほど買った本を取り出す。
あお向けでベッドに寝転がりながら本のページをパラパラとめくった。

ブーンは本を眺めながら、これまでのことをぼんやり考えていた。
ツンといた日々が、輝やくように脳内にうつしだされた。

( ^ω^)「就活もうまくいかない・・・ツンとも喧嘩したまま・・・・・」

( ;ω;)「俺は・・・本当にだめな男だお・・・・・・」

涙が耳元へ流れる。
本を枕もとに置き、うつぶせになってむせび泣いた。

( ;ω;)「おっおっおっ・・・・・」

あの時、ツンに何か声をかけてやれば・・・。
ツンの頬に流れる涙を拭ってあげることができれば、こんな”今”じゃなかったかもしれない。
ツンの輝くような笑顔をそばで見続けることができたかもしれない。
でも自分にはできなかった。ツンの心の傷に向かい合うことができなかった。
それどころか、あの時の自分の行動はツンを突き放す結果になってしまった。

後悔しかない。
あの時ツンに何もしてやれなかったせいで、こんなに悔むなんて思ってなかった。

( ;ω;)「俺は・・・俺は・・・本当にだめな男だお・・・・・・俺は・・・・・・・うう・・・・」

そんなことを繰り返しつぶやく。
こんなことをしてもツンと仲直りできるわけではない。でも自分には何もできない。
メールも電話もできない。直接会うこともできない。
何もできない。
あんなに毎日聞いていたツンの声を、もう聞くことができない。

( ;ω;)「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ツンのことはジョルジュが幸せにしてくれる。
自分がいなくても、ジョルジュがそばにいればツンはきっと昔の傷を癒せるはず。
ツンには、ジョルジュと一緒にいるのが一番いいはずだ。
少なくとも、無力な自分がそばにいるよりは・・・・。

こんなにもツンの存在を遠く感じたことがあったろうか。
今までにない孤独感が、ブーンを襲った―。

( -ω-)「・・・・・」

('A`)「おいブーン、どうした?元気ないな」

翌日、ブーンは珍しく遅刻してきた。
今までブーンは一度も学校に遅れてくることはなかったのだが、この日は1時間目の授業をしている最中に登校してきた。

('A`)「ちょっと遅刻したぐらいで何ヘコんでんだよ」

( -ω-)「寝不足だお・・・夕べ遅くまで本を読んでいたお」

('A`)「オナニーのしすぎには気ぃつけろ。俺みたくクマができるぞ」

(;^ω^)「ちょwwwwエロ本じゃないおwwwww」

ブーンの目元が赤く腫れているのを、ドクオは見逃さなかった。
しかしあえてそれには触れなかった。
言いたい時に言えばいい。そうしたら俺はいくらでも話を聞いてやる。
ドクオは心の中でブーンにそう話し掛けた。

('A`)(でもこいつ、変に頑固なんだよな。普段はどんな些細なことも報告してくるのに、
  悩み事は一切相談してこねぇんだよな)

夕べも相当泣いたのだろう。
鼻をかみすぎたのか、鼻の頭の皮膚が少しだけカサついていた。

('A`)「溜めすぎは良くないぞ。悩みも、精子も。」

( ^ω^)「・・・・お?今なんて言ったかお?聞こえなかったお」

('A`)「やっぱニ次元が一番ってこと」

(;^ω^)「またそれかおwwwwwwいい加減目覚めるおwwwwwwww」

('A`)(その言葉、そっくりお前に返してやるよ)

ドクオはブーンの肩をポンポンと叩き、自分の席についた。
2時間目の授業開始を知らせるチャイムが鳴った。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(´・ω・`)『ここで待ってて。すぐ来るから』

ξ゚?゚)ξ『うん、分かった』

ξ゚?゚)ξ〔ここ・・・どこだろう?機械がいっぱい置いてあるけど・・・薄暗くてこわいなぁ〕

ギィ・・・ガチャッ

DQN1『こんにちはー』

ξ゚?゚)ξ『?こんにちは・・・』

DQN2『ツンちゃんだよね?』

ξ゚?゚)ξ『はい、そうですけど・・・』

DQN3『あいつの言うとおり、顔は可愛いな』

DQN2『おい、鍵閉めとけ』

カチッ

ξ゚?゚)ξ『・・・?』

DQN1『ごめんねツンちゃん。ひどいことはしないよ。一緒に楽しもうね』

ξ;゚?゚)ξ『!!??』

DQN2『おい、逃げないように捕まえろ』

DQN3『おう』

ξ;゚?゚)ξ『やっやだっ、何す・・・・・・・・!!!!』

DQN1『大人しくしてればすぐすむから、ね?』

ξ;゚?゚)ξ『やだやだやだ!!!!!・・・・・・ひっ』

DQN1『やっぱ中学生、胸はねーな』

ξ;///)ξ『・・・・っっ』

DQN2『でも反応が新鮮だよな。俺の女なんてガバマンでよー』

DQN1『おい、約束通り俺が最初だからな』

DQN3『分かってるよ。ちゃんと抑えとくから』

DQN1『ツンちゃん、これ分かる?保健体育でやったよね?これがペニスだよ』

ξ;゚?゚)ξ『・・・・・・・』

DQN1『お口あけてねー』

ξ;゚?゚)ξ『むぐぅっ!?』

DQN1『歯立てるなよ、舌で舐めるんだ』

ξ;?;)ξ『ん゛ーっん゛ーっ』

DQN1『あらら、もう泣いちゃった』

DQN2『大丈夫、こうすりゃーいくら処女でも言う事聞くようになるって』

ξ;?;)ξ『ん゛っ!!??』

DQN2『なんだ、乳首たってんじゃん。まんざらでもねーよコイツ』

DQN1『オラ、もっと舌使えよ』

ξ;?;)ξ『ん゛ん゛ーっ!!!ぷはっ!』

ξ;?;)ξ『ショッ、ショボンーーーーッッ!!!!!助け・・・きゃっ!?』

DQN1『叫ぶんじゃねーよ!!!』

ξ;?;)ξ『・・・・・ぐぅっ』

DQN3『おいおい、いくら腹でも殴るのは・・・』

DQN1『うるせぇよ。
     つーかコイツうぜーな。助けなんてこねえっつーの』

ξ;?;)ξ『はあはあ・・・ショ・・・ショボン・・・・』

DQN1『黙れこのクソガキが!!!!』

ジュッ

ξ;?;)ξ『熱いっっ!!!!!!』

DQN2『自分の立場がわかった?ツンちゃん
     おりこうさんだから大人しくしてようね』

ξ;?;)ξ『・・・・・・・・・・・・・』

DQN3『あらら?ツンちゃん、おもらししちゃったよ!』

DQN2『マジで?失禁するほど嬉しかった?』

DQN1『ハハハッこいつをAV女優になれるように育てようぜ』

DQN2『いいねーハハハハハ!!!!』

ξ;?;)ξ『・・・・・・・・・・・・・・・・・』

ガチャッガチャッ

スタッフ1『あ・・・あれ?』

DQNたち『!!!!!!!!』

スタッフ2『どうした?』

スタッフ1『鍵がかかってんだよ。確かにあけたはずなのに・・・』

スタッフ2『仕方ねーな、鍵取ってくるか』

スタッフ1『おお』

DQN3『おい、ここはイベント中は誰も来ないんじゃなかったのか』

DQN2『知らねーよ。つーかどっちにしろ逃げなきゃやべーんじゃね?』

DQN3『コイツどうする?連れてく?』

DQN1『こんな状態の奴連れてったら俺たちがあやしまれるだろうが。
     逃げるぞ!』

ガチャッ!
カンカンカンカン……

ξ;?;)ξ『・・・・・・・・ううっ・・・・・・・・・・・・痛い・・・・・・』

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

∬`▽´∬『ツン・・・話はアニキから聞いたよ』

ξ-?-)ξ『・・・・』

∬`▽´∬『アニキのダチから聞いたんだけど、ショボンさん、他に何人も彼女がいるんだって』

ξ;゚?゚)ξ『!!!!』

∬`▽´∬『それでね、遊びの子は仲間に売るんだって。ひどいよね』

ξ;゚?゚)ξ『・・・・・・・・・・・・』

∬`▽´∬『ツンは可愛いし処女だから、きっと高く売れたんだよ』

ξ;゚?゚)ξ『・・・・・・・・・・・・・・・』

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ξ;?;)ξ『ううっ・・・ショボン・・・・』




(´・ω・`)中学生の女が欲しくて付き合ってるんだけど、正直もうウザイんだよね
・えーマジっすか?じゃあ俺に下さいよ
(´・ω・`)うん、売ってあげる。でも処女だからそれなりにもらうぞ
・分かってますって!
(´・ω・`)複数で楽しんじゃっていいから。あいつきっと淫乱だぞ
・へへっいつもありがとうございますショボンさん




ξ;?;)ξ『うう・・・・ショボン・・・・あんなに好きって言ってくれたのに・・・・
      ひどい・・・・・・・ううっ・・・・・・・・・・・』

ひどい・・・・・ショボン・・・・ひどい・・・・・・・・ひどい・・・・・ひどい・・・ひどい・・

        ひ  ど  い  ! ! ! ! ! ! ! ! !

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ξ;゚?゚)ξ「・・・・・・・・・・はっ!!!!!!」

ξ;゚?゚)ξ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・夢・・・・・・・」

ツンは、どこか高い所から落ちるような感覚で目が覚めた。
時計を見ると、午前5時をさしていた。
空がようやく白み始めた頃だった。

ξ゚?゚)ξ「汗びっしょり・・・・」

ツンは起き上がると、タンスから着替えを取り出しお風呂場へ向かった。

ξ゚?゚)ξ(忘れかけたと思ったのに・・・・・・・やっぱり見ちゃうんだ・・・・)

脱衣所でパジャマを脱ぐ。下着姿になったところで、ツンは鏡の中を自分を見た。

ξ゚?゚)ξ「・・・・・・タバコの跡って、やっぱり消えないのかな・・・」

左側の鎖骨の下に、あの時の男に押し付けられたタバコの跡が残っていた。
色白のツンの肌には、くっきりと印を刻むようにその跡が浮かび上がっている。
まるで、レイプされた証のように・・・。

ξ;?;)ξ「ううっ・・・もうやだ・・・」

そのままツンはその場に泣き崩れた。
当時の自分の幼さを呪いながら。



先生・生徒・禁断 | 【2015-09-27(Sun) 20:00:00】 | Trackback:(0) | Comments:(0)

マキを狙うやつら vol.4


マキを狙うやつら vol.1~3 ディレクターズカット版

俺は、湯船につかりながら、今日一日の出来事を回想していた。
【今日は、色々あったなあ。まさか、マキとあんなことをするなんて……。兄貴失格だな。でも、『明日も……』とか言ってたなあ。明日もしたら、最後まで、我慢する自信がないなあ。とりあえず、抜こ】俺の心の声

俺は、湯船から出て、マキとの事をオカズに自慰行為に耽けようとしていた。

マキ「おにいちゃん。ちょっと、いい?」
いきなりマキが脱衣所から声をかけた。

俺「な、なんだよ!?」
【マキ頼むよお。さっきから、これからってときに……】

マキ「ちょっと、開けていい?」

俺「え!? ちょっと、まってくれ」
俺は、湯船に入った。

俺「いいぞ」

マキが風呂場の扉を開けた。
マキ「急にごめんネ」

俺「なんだ? どうした?」

マキ「うん。あのね。今日、おにいちゃんに色々お世話になったから……。おれいに背中でも流そうかなあとおもってネ……(照)」

俺「別に、世話なんてしてないよ(苦笑)。変な気をつかうなよ」
【お世話になったのは、俺の方だよ。それに、背中なんか流されたら逆に悶々とするよ。今は部屋に戻ってくれ。そうしないと、抜けない】

マキ「いいの、いいの。そうしないと、私の気が済まないから」
マキはそう言って風呂場に入ってきた。

俺「マキ、いいって。服も濡れるし……。服濡れたら夏場でも風邪ひくぞ。今、受験で大事な時期なんだから……」

マキは、白のタンクトップにピンクの短パン姿だった。

マキ「そうだね。このままじゃ、濡れるよね(笑)。風邪引いたらまずいよね」
そう言うとマキは、風呂場から、出ていった。(諦めたのかな……)

俺は、少し、ホッとした、と同時に少しおしいことをした気分になった。

しかし、マキは諦めた訳ではなかった。
下着姿になって、再び風呂場に入ってきた。
花柄模様のついたスカイブルーの上下お揃いの下着だった。
プールで見たビキニ姿とは違い、何やら、エロさを感じさせるマキだった。

マキ「脱いできちゃった(微照)」

俺「おい、なんて格好だよ。それに、お母さんに見られたらたらやばいよ」
【どうせ、脱ぐなら全部脱いでこいよ。でも、今、お母さんに見られたらヤバイなあ】

マキ「大丈夫だって。お母さんは、もう寝ちゃってるし、一度寝たら朝まで起きないから……」

俺「でも、その格好は……。恥ずかしくないのか?」

マキ「おにいちゃんなら、平気だよ。それに、さっき見られてるし(笑)」

俺「まあ、マキがそう言うなら……」
【仕方がない。このまま、背中を流してもらうか……。それに、マキの下着姿を目に焼き付けて、後で、オカズにしようっと】

マキ「じゃあ、おにいちゃん湯船から上がって」

俺は湯船から出て、マキの前に背中を見せて座った。

マキは、俺の背中をゴシゴシと、石鹸をつけたタオルで洗い始めた。
(背中をタオルで、ゴシゴシやってもらうのがこんなに気持ちがいいとは知らなかった。)

マキ「おにいちゃん。どう?」

俺「うん。気持ちいいよ」
【ヤバイヤバイ。勃起してきた】
俺の息子は、マキの下着姿と背中ゴシゴシで、ギンギンになっていた。

マキ「おにいちゃん。じゃあ、次は、前ね」

俺「ま、前!? 前はいいよ」
【今、前を見られたら……。俺のギンギンの息子を見られてしまう】

マキ「今更、遠慮しなくていいよ。ついでだから、前も……」
そう言うとマキは、俺を無理やりマキの方に向かせた。
マキは、振り向いた瞬間は笑顔だったが、俺の息子に視線がいった途端に絶句した。
一方、俺も、マキの濡れた下着姿を見て心の中は欲情し、息子はますますギンギンになった。

マキ「男の人の……って、こんなに大きくなるんだあ」
マキは、好奇心と驚きと照れを混ぜたような表情で言った。

俺「おう(照)。そうなんだよ。男の……は、女性の身体とか見ると興奮して勃起するんだよ。自然の摂理だよ」俺は、動揺を隠す為にワザと堂々と言った。

マキ「さわってもいい?」好奇心旺盛な目をして言った。

マキのその一言に動揺した。
しかし、動揺を隠すために堂々とすることにした。
俺「ああ、いいぞ。いくらでも、触ってくれ。減るもんじゃないから」
【やばい。触られたら、噴火しそうだ。今のマキの格好も堪んねえ】

マキの下着は濡れて透けていた。
ブラジャーからは、乳輪がくっきりと浮かびあがり、パンティからは、陰毛が透けて見えていた。
その姿が、なんともエロくて、俺の息子を益々ギンギンにして、今にも、噴火しそうになっていた。

マキ「じゃあ、さわるよ」
マキは、そう言うと俺の息子の頭(亀頭)を人差し指でゆっくりと触った。

マキに触られた瞬間に、俺の息子から、俺の全身に電気が流れたような気分になった。

マキは、人差し指で、俺の息子の頭をすりすりと触り始めた。

俺の息子は、人差し指で触られているだけだが、もう、爆発寸前だった。

俺「もう、いいだろ。満足しただろ」

マキ「えっ? まだだよ(笑)。もう少し……」
マキは、そう言うと俺の息子の頭を上から、手で覆うような形で、五本の指で、つまみあげるように、すりすりと触り始めた。

これには、俺も耐え切れなくなった。

俺「あっ、いく」
俺の息子はマキの手に精液を噴出してしまった。
ちょうど、マキは、手で覆うような形だったので、マキの手の平にかかって、周りには飛び散らなかった。
俺は、羞恥心と満足感と達成感で固まっていた。

マキは、不思議な顔をしながらも、少し、驚いたような表情をしていた。

マキ「おにいちゃん。なに、これ?」
マキは、手の平についた、俺のベトベトした精液を不思議そうに見ていた。

俺「そ、それが、精液だよ。学校で、習っただろ」

マキ「これが……、すごい。初めてみたよ」

俺「男は、興奮して、最終段階で、精液が出るんだよ」

マキ「これで、子供が出来るんでしょ。でも、なんか、変なにおい」

俺「とりあえず、洗え。よく洗えよ。臭いがのこるぞ」

マキ「エー、やだ!!」
マキは、手を入念に洗った。
シャワーで手を洗ったので、マキの体は、益々濡れて、下着もびしょびしょになった。

マキ「あれ、おにいちゃんの……なんか、元気なくなったね」

俺「男の……は、一度果てると、萎えるんだよ」

マキ「へぇ、そうなんだ」

俺「マキ、そんなことより、下着、びしょびしょじゃないか。風邪引くぞ。早く上がって拭いたら……」

マキ「そうだね。このままだと、風邪ひくよね」
マキはそう言うとその場で、下着を脱いだ。
そして、下着だけ、脱衣所に出した。

マキは、俺の前で、真っ裸になっていた。

透き通った白い肌。
スレンダーな体には大きいおわん型のはりのあるオッパイ。
薄いピンク色の可愛い乳輪。
少し、幼さも感じさせる、くびれたウェスト。
そして、しっかりと陰毛の生えたあそこ。

俺は、そんなマキを見ると、先程果てたばかりだというのに、また、欲情してきてしまった。
俺の息子は、再び、ギンギンになった。

マキ「あっ!? また、大きくなったよ」

俺「男の……は、何度でも大きくなるんだよ。興奮とスタミナが続く限りは……」

マキ「じゃあ、また、触ってもいい?」
マキは、そう言うと俺の許可も待たずに俺の息子を触った。
今度は、上から触るというより、横から握って(一般的なやつ)きた。

俺は、もう、堪えられなくなった。

俺「マキ。俺も、触るぞ」
俺は、そう言うとマキの乳輪に吸い付いた。

マキ「あっ、おにいちゃん。あっ、だめ」
マキは、言葉では拒否しているようだったが、相変わらす俺の息子を触っていた。

俺「マキ、どうせ触るなら、上下に移動してくれよ」

マキ「上下に移動?」

俺はマキの手をとり、俺の息子を握りながら、上下に動かすことを促した。

俺「こうやると、男は、気持ちがいいんだよ」

マキ「本当? じゃあ、がんばってみるよ」
マキは、俺の息子を握りながら上下にこすりだした。

俺「俺も女が喜ぶことをしてやるよ」
俺は、マキのあそこ指を入れた。
マキのあそこは、かなり濡れていた。

マキ「あっ、おにいちゃん。そこは、ダメ」

俺「大丈夫。お互いに気持ちよくなろう」
俺は、あそこの穴に指を入れて攻め立てた。
そして、立った乳首を唇でくわえるような感じで攻めた。

マキのピストン運動は、そんなに上手くはなかったが、マキの裸を攻めている興奮とマキにピストン運動されている興奮があいまって俺は、再び、果ててしまった。

マキも、俺が、果てた少し、後位に変な声を出して、ぐったりしてしまった。
(マキも果てたようだ)

俺「マキ。大丈夫か?」

マキ「うん。大丈夫。なんか、目の前が一瞬変な感じになったよ」

俺「でも、兄妹で……。ちょっと、やばいよな」

マキ「おにいちゃん大丈夫だよ。私たちの秘密にすれば……」

俺「でも、マキ。俺なんかと、その、いいのか?」

マキ「平気だよ。私、おにいちゃんのこと大好きだから……」

俺は、うれしくなって、マキにキスをした。
舌は入れなかったが、一分間位していたと思う。
そのあと、俺達は、頭と体をお互いに洗って、一緒に湯船につかった。
湯船の中で、又、キスをした。
今度は、舌を入れて……。

俺達は、風呂から上がると、お互いの部屋に帰って、すぐに寝た。(俺はすぐに寝た。マキは知らないが)

次の日の朝、マキが俺を起こしにきた。

マキ「おにいちゃん。起きてよ」

俺「うん? どうした? マキ」俺は少し寝ぼけながら言った。

マキ「おにいちゃん。今日、何か予定あるの?」

俺「予定? 今日は、別に……無いな」

マキ「じゃあさぁ。今日も、一緒に出かけようよ」

俺「出かけるって、どこに?」

マキ「映画とかどう? 私観たい映画があるんだ」

俺「映画かあ。わかった。昼から行こう」

マキ「だめ。今から。昼までに映画観て、一緒にランチして、そのあと、一緒にいろいろネ」

俺は、もう少し寝たい気分だったが、マキの強引さに負けて一緒に映画に行くことにした。
俺は、着替えを済ませると玄関の外でマキを待った。

マキ「お待たせ」
マキが出てきた。
マキは、白いミニのワンピースを着ていた。
透き通るような白で、マキの透き通るような肌にはマッチしていた。
生地は、薄いようだが、不思議と下着は透けてなかった。

俺「そのワンピにあってるじゃん」

マキ「ほんと? ありがとう」

俺「ほんと、似合ってる。でも、生地が薄そうだけど……大丈夫か?」

マキ「大丈夫だよ。おにいちゃん。今日は、下着も白にしたから……」

俺「しろ……か」

マキ「おにいちゃん。なんかいやらしい(笑)」
マキはそう言うとその場で、少し回転した。
その回転で、マキのミニのワンピがめくれあがって、白のパンティがチラっと見えた。

マキ「おにいちゃん。いま、見たでしょ(笑)」

俺「見たんじゃないよ。見えたんだよ」

マキと俺は昨日の件以来、どうも、仲の良い兄妹でありつつ、ラブラブのカップルのような感じになったようだ。

俺達は、マキの観たい映画を観るために映画館に向かった。
映画館に着くと上映まで、少し時間があったので、屋上に上がって、展望でもしようということになった。
屋上に上がると人は、まばら(まばらというよりほとんど)だった。
夏場ではあるが、屋上は意外に涼しく風もよく吹いていた。

俺「マキ。あの石のイスの上に立ったら、もっと上からのいい景色が見えると思うよ」

マキ「うん。そうだね。あがろうよ」
マキは、鉄柵の近くの石のイスに立って、景色を眺め始めた。

マキ「高いところから見る街って、いいよね。癒される」
マキは、機嫌よく景色を眺めていた。

その時、急な突風が吹いた。

少し、高台にいるマキのミニのワンピースがその突風でめくれあがった。
白い、本当に、白い純白のパンティが全開に見えた。
そして、ワンピースは、マキのおへそあたりまで、めくれあがっていた。

マキ「キャー!! ヤー」
マキは、すぐにワンピを抑えたが、前を押さえても、後ろが、後ろを押さえても前がめくれ上がり、白のパンティは、見えっぱなしだった。
マキが、その場にうずくまり、風も弱くなってようやく、ワンピはめくれなくなった。

俺「マキ。大丈夫か?」
【朝から、ラッキーだなあ】俺の心の声

マキ「朝から、ついてないよ」

俺「そういうなって。映画館の隣のゲームセンターにでもいこうぜ」

マキ「うん」

マキのワンピがめくれあがった姿を見ていた野郎が、数人いたみたいで、マキのことをニヤニヤと見ていた。
俺は、そんなやつらにマキをさらすのが嫌だったので、急いでマキを連れてゲームセンターにむかった。

そんな俺達を見ていた、変なオヤジがいた。





近親相姦 | 【2015-09-27(Sun) 16:00:00】 | Trackback:(0) | Comments:(0)

スッチー事情

セフレ(セックスフレンドの略です。昔は妾であったり、2号という呼び方が多かったですね。まぁ妾と言われたのは戦前のまだ妾を持つことが法律で認められていた時代のことですけどね。戦前は貧富の差が激しかったですから、お金持ちの妾になれることはやはり嬉しいことでした。例えば「備中聖人」と言われた山田方谷にも愛人がいたようですね。おじいさんになってから、若い女の子の世話をしていたようです。山田方谷と言えば、大前研一が大尊敬するという河合継之助の師匠ですね。方谷は管仲か諸葛孔明みたいな人です。佐藤一斉の教える昌平黌の塾頭を務め、佐久間象山といつも議論していたようです。象山は方谷に一度も議論で勝てなかったようです。方谷の作った漢詩を調べてみるとペリーの頃には「江戸幕府は潰れる」旨の論述をしていました。すごいですね。「家康が拵えた着物を吉宗や水野忠邦、松平定信が洗濯をしたが、もうボロボロになってしまってこれ以上洗濯できない。」ということを書いています。)のJAL(稲盛さんが会長に就任して、しばらく経ちましたね。稲盛さんは従業員と客を搾取して、自分だけいい格好して寄付などをしていると悪評高い方ですが、それが真実かはさておき、JALのいい加減な経営は更正してくれそうな気がします。期待しましょう。)のスッチー(スチュワーデスです。最近は客室乗務員と言われますね。でもいちいち、名前を変える必要があるのでしょうか?男はパーサーでいいと思います。看護婦さんも、最近、看護士と呼ばねばならなかったり、面倒くさいですよね。では尼さんを、僧侶と呼ばねばなりませんし、妻も配偶者と呼ばねばなりません。アホくさい話です。)との話です。

彼女(セフレのことです。)が東京(昔は「木綿のハンカチーフ」や「とんぼ」に象徴されるように、皆、東京に憧れがありましたが、最近は東京も近くなりました。面白いことですが、うちの田舎から東京に来た人はみな「なんかバカにされてる気がする」「東京は暗い」「東京の人は冷たい」という印象があるようですね。下町の肉屋さんや八百屋さんも、こち亀の漫画ほど人情に富んではいません。だいたい、愛想笑いすらしない店がほとんどです。田舎ではそんなことありえませんからね。不況だと言いつつ、やるべきサービスをしてないのが現状でしょう。むしろ下町よりは麻布十番や自由が丘の方がはるかに、皆の顔が明るいですね。ちなみに私は人生をかけて日本人の顔を明るくしようと思っています。ま、自分の勤める会社が潰れて、来週には職も寮も失うんですけどね。はは。まだ、次の職もアパートも見つけていません。)に来るときはいつも、

その滞在するホテルに押しかけてエッチ(よく知られていることですが「えっちする」という言葉は明石家さんまさんが作ったようですね。自分としてはさんまさんとしずかちゃんが一緒に作った気がします。しずかちゃんで思い出しましたが、白川静さんによれば、孔子のお父さんも老齢の時に巫女をしている少女と交わっていたらしいですね。それでできた子供が孔子のようです)していました。

恐らく隣の部屋や廊下に、声が漏れ(昔は2ちゃん用語で「漏れ」という言葉がありましたが、最近めっきり無くなりましたね。「オマエモナー」とか「香具師」「逝ってよし(藁)」などという言葉も無くなりました。2ちゃん用語でないですが「チョベリグ」や「オッハー」などを知らない子もいるんじゃないでしょうか。)ています。

「恥ずかしくないの」と訊くと、「みんな、男を連れ込んでる」(本当に全員なわけないですけどね。中には貞淑な子もいると思います。)とのことで、
あの声(おもしろいですよね。なぜ、気持ちいいと声が出てしまうのでしょうか。私も上手に性感マッサージをされると声が出てしまいます。あれは恥ずかしいですね。恥ずかしいで思い出しましたが、私の人生も恥ずかしいですね。アラサーで童貞というのも究極に恥ずかしいですし。やはり何より恥ずかしいのは中2病ですね。「こんな文章を書くなんて今でもお前、中2病だろ」だって?そう思います。自分でも気づいていない、病んだ部分がたくさんあると思います。優しい人は、細かく指摘してくれますが、そうして下さるとありがたいですね。人生を変えてくれます。人生で思い出しましたが、「ライフプランニングが必要と言うことをどの本でも書いてあったので、何回も一生懸命プランしましたが、全く、描いた通りに行きませんね。頭がいい人は、プランを立てなくても見通しが利くんでしょうかね。悪いと、下手な頭でいくら考えても、いくら頭のいい人が書いた本を読んでも、見通しが利かないんですよね。困ったものです。ケセラセラという歌を聴くと、少し心がほぐれます。ケセラセラはスペイン語で、意味は「LetItBe」と同じようです。歌詞の生き方が正しいかわかりませんが、聴くと希望が沸きます。)を聴かれることが別に珍しくないようです。

同僚のあの声が聴ける職場だなんて、うらやましい限りですね。


純愛・恋愛 | 【2015-09-27(Sun) 12:00:00】 | Trackback:(0) | Comments:(0)

連続絶頂トイレット

連続絶頂シリーズ合わせてご覧ください。
30回編→
カーセックス編→

はてさて、連続絶頂の主人公のM子との話である。
先に補足をしておくと、M子は、性感帯の範囲が広く、ほぼ全身にわたっていたのと、浅めのオルガスムスを何回も繰り返せるというだけで、コメントで指摘された様な、連続性性喚起症候群(イクイク病)ではないし、シャワーを浴びてどうにかなってしまうようなこともなかった。日常生活にはなにも支障がない。ただイキやすい、それだけのことであった。

カーセックスを覚えると、会うときは、なるべく車、そして、カーセックスという流れだった。多摩川沿いの人気の無い道路、畑と建物に囲われたブックオフの駐車場、東名高速を渡る橋、大学の駐車場。およそ人気の無い所で、やりまくっていた。
人間贅沢なもので、回数に満足すると、こんどは、質に不満が出てくる。旧いマーチでセックスするのは、とてもじゃないが、窮屈だし、体位も限られる。対面座位が一番楽だが、むりして、正常位、騎乗位、バックをすると、身体のどこかしらに負担がかかった。
もっと、のびのびとセックスがしたい。さりとて、毎週ホテルにいける様なお金もない。
そんな2人が、次にたどり着いたのは、公園のトイレである。
夜の公園のトイレは、人気がないし、当時身障者トイレの設置が普及し始めたころであったから、セックスできる場所を見繕うのは難しいことではなかった。
砧公園という、大きい都立公園がある。ここは、辺鄙なところにあるせいで、夜になると奥の方は、人気が絶える。その奥部の身障者トイレが初めての場所だった。
きょとんとするM子をトイレに連れ込み、鍵をかけると、たったままキスをする。事情がのみこめたM子も、舌を絡める、抱きついてくる。てっとりばやく、スカートをまくりあげ、パンティのうえから、あそこをなでてやると、「あぁん」と声をあげる。背中に回した腕で、M子をささえ、パンティの中に手を滑り込ませる。すでに、ぐっしょり濡れた割れ目に人差し指を這わせ、クチュクチュ音をたてさせながら、「トイレで興奮してるの、いやらしい」とささやくと、M子は「ぁん、違う・・・もん」と悶える様につぶやきながら、身体をびくんと小さく震わせた。
「もうイッちゃったの?トイレでいっちゃったね」と意地悪くささやきながら、指でなおも割れ目の中をかきまわしてやると、「ダメぇぇ」と小さく悲鳴をあげながら、身体をびくんびくんと連続して震わせてイッた。こうなるともう、立っていられないので、しっかり抱きとめてやる。人気がないとは言え、そう長い間騒いでいられないので、俺は、ズボンを下ろして便器に座り、ゴムを装着すると、M子にパンティを片足だけ脱がせて、上に跨らせた。こちらも、ギンギンに勃起していたが、すでに二回もイッたM子のあそこは、なんの抵抗もなく、ぬるりと男根を呑み込んだ。(この頃には入れただけでイッてしまうようなことはなくなっていた。入れられる、ということ自体に興奮していた、処女ならではのお楽しみだったらしい。)蓋のない便器だったので、のけぞる様な格好で、騎乗位のポジションをとる。腰が思うように振れないので、はじめは、M子の大きめの尻を両手で持ち、上下に揺すったり、前後左右に動かしてやった。「いい、いい、イクぅ」とM子は絶頂を迎える。腕が疲れたので、少し休もうとすると、M子は、自分で動くという。いままで、騎乗位で上下に動こうとしてうまくいかなかったのが、今回、前後左右に動いても気持ちいいことが分かったのだという。前後に腰をふり始め、要領をつかんでくると、俺の上で、腰を回し始めた。身障者トイレで、オトコにまたがって、腰をグラインドさせる、M子、つい三ヶ月前まで、処女だったとは思えない、淫らな姿である。当然、自分で腰をふりながら、M子も感じている。その勢いはドンドン加速していき、「あ、ぁ、スゴぃ、スゴぃ、イッちゃう、イッちゃうぅぅ」とこの日一番の深さでイッてしまった。M子はだらりと、身体の力が抜けてしまったので、下からささえてやらなければならなかった。こちらの、快感も高まってきていたので、M子の尻をもって、かき回すように動かしてやった。「だめっ、すぐは、ダメえぇ」と、びくんとはねながらイクM子の哀願は無視しながら、勢いづけて射精してやった。

他にも、渋谷の住宅街の小さな公園のトイレでもやった。お屋敷に囲まれて、夜は歩いている人も少ない。トイレがあることを、念頭に起きながら、ベンチで軽く前戯をした。服の中に手をいれ、乳首をさわり、硬くなるのを楽しんだり、こちらの男根をズボンの上から触らせてみたり、軽く前戯をする。今度は男子トイレに連れ込み、小汚い個室で、M子のパンティをずらし、立ちバックから男根をねじ込む。夜とはいえ、深夜でもないし、ただの個室なので、いつ人がくるか、心配だったようだが、それ故に、M子は興奮するようで、さわってもいないのに、あそこはびしょ濡れ、やすやすと男根を呑み込んでくれる。
身長差があるので、立ちバックは、基本的に辛いのだが、小汚い公衆便所で十代の女子大生を犯している状況に、こちらもいたく興奮した。
「んっ、ぁっ、だめ、だめ、イッちゃう」と、声を押し殺しきれずにイクM子に、こちらも、いつもより早く、射精してしまった。

車の中に比べて、トイレでは足を伸ばしてセックスができる。しかしながら、ここでも体位は限られてしまうのは、仕方がない。
トイレはトイレで良いのであるが、没頭するほどの魅力はなかった。
二人が次に進むべきは、一つしかなかった。


童貞・処女 | 【2015-09-27(Sun) 05:00:00】 | Trackback:(0) | Comments:(0)

歳の近い義母のマリナさんが手ほどき

ボクのお母さんは小学校4年生のとき交通事故で亡くなりました。それから4年間はお父さんと二人暮らしでしたが、中学校3年生になったばかりの日曜日のことでした。お父さんが朝から出かけ、部活にも入っていなかったボクは留守番をしていました。夕方頃にお父さん帰って来ましたが、若いお姉さんを連れていました。そして
「サトシ。この人が今日からお母さんだからね。」
と言いました。あまりに突然のことで、しかも今年五十歳になる父親が自分の娘のような若い女の人と再婚するなど思いもよらなかったので、しばらく黙っていると
「サトシ君、初めまして。急なことでビックリしちゃったかもしれないけど、よろしく。何か困ったことがあったらいつでもママに言ってね。」
玄関で立ちすくんでいるボクの前にひざまずくと、そのお姉さんはボクの両手を取ってこう言いました。ボクは思わずその手を振りほどいて部屋に駆け込みました。本当のお母さんでも「ママ」なんて言ったこともなかったのに、初めて会っていきなり「ママに言ってね。」なんて言われたものだからとても驚きました。そして両手をつかまれた時の温かく柔らかな感触。部屋に入ってからもおかしなくらい胸がドキドキしていました。
 突然やって来た新しい「ママ」は「マリナ」という名前で(お父さんが「マリナさん」呼んでいたので。)、身長はボクより少し低いくらい、体つきはすらっと細身で顔は特に美人でもありませんでしたが、笑うとかわいらしい人でした。歳は聞かなかったのですが、お父さんの会社で高卒で働いていたらしく、多分まだ二十歳過ぎくらいの感じでした。決していやな感じの人ではありませんでしたが、いきなり「ママ」と言われてもボクの中で亡くなったお母さんがまだ生々しく息づいていて、その人を新しいお母さんなどと思えるわけもありません。同時にもうお母さんを忘れてしまったかのようなお父さんを憎むようになり、マリナさんが家に来て以来ボクは家では口を利かなくなりました。学校も時々サボるようになりました。夏も近づいたある夜、ボクにとってショックな出来事がありました。中学3年生になっていたボクはとうに精通があり、まだセックス経験はないものの、たまってきたらおちんちんをしごいて出すことは普通にしていました。友達同士の会話や雑誌のネタからセックスについても知っていました。友達の中ですでに女の子と付き合ってセックスをしている話を聞いてうらやましくなったこともありました。その夜は何かムシムシとして寝苦しかったので夜中に目が覚めました。しーんと静まりかえった家のどこからか、女の人のすすり泣くような声がかすかに聞こえてきました。ボクは一瞬怖くなってしばらく布団にもぐるようにして怯えていました。しかし、よく聴いているとそのすすり泣く声がマリナさんの声の似ていました。ボクは怖いもの見たさで起き上がると部屋のドアを少し開けて階段の下に目をやりました。ボクの部屋は2階で、お父さんはマリナさんと1階の寝室で寝ていました。すすり泣くような越えは寝室の方向から聞こえてきます。そろそろと階段を下りて寝室の前まで来ると、声は間違いなく寝室からもれてきます。注意して聞いていると、すすり泣くような声は「ウンッ、アンッ」という短い声が混じっています。「泣いてるんじゃない!!」そう思ったボクは震える手でゆっくりと寝室のドアを開けてみました。寝室は真暗ではなく、ベッドのそばの小さなライトが点けてあって寝室の様子がぼんやりと見えました。次の瞬間ボクは凍りついたように固まってしまいました。ボクがそこで見たものはベッドの上で横たわるお父さんとその上にまたがっているマリナさんでした。しかも二人とも全裸!!お父さんは寝室の入り口に足を向けた格好で、マリナさんは背中を向けていました。マリナさんは声を出しながら腰を前後に振っています。お父さんはマリナさんの腰をつかむようにして下から突き上げるような動きをしています。そしてお父さんの太いおちんちんがマリナさんのおマンコに出たり入ったりしているのがはっきりと見えました。お父さんがマリナさんとセックスしている!!ボクのおちんちんは痛いくらいに堅く大きくなっていました。もっと見ていたかったのですが、見つかると大変なのでそっと部屋に戻り二人のセックスを思い出しながらおちんちんをしごきました。いつもの想像と違って本物を見た刺激と興奮はスゴイものがあったようで射精の瞬間の気持ちよさも出た量もこれまでで一番でした。次の朝二人は自分たちのセックスを見られたことに気づいていないようでしたが、ボクはまともに二人の顔を見れませんでした。
 さっきも書きましたがこの頃のボクはよく学校をサボっていました。マリナさんは自分にも責任があると思ったのでしょうか、ボクに学校に行くように言いませんでした。マリナさんとボクが男と女の関係になってしまったのはボクが学校をサボったある日のことでした。その頃お父さんは仕事が大変で土曜日も日曜日も朝早くから仕事に出かけ、帰ってくると晩ごはんを食べて風呂に入りすぐに寝るという毎日でした。あれからボクは何度か二人のセックスをのぞいたことがあったのですが、ここ2ヶ月ほどは「すすり泣く声」を聞いていませんでした。友達が女の人も自分で自分のおマンコをさすったり中に指を入れたりしてマンズリをすると言っていました。「ひょっとしてマリナさんもマンズリをしているのだろうか?」そんなことを思いながらお昼近くまでベッドに横たわっていると、その日に限ってマリナさんが部屋の前まで来て
「もう起きてる?そろそろお昼ごはんにしない?」
と声をかけてきました。ボクが黙ったままでいると
「ねえサトシ君。どこか具合でも悪いの?」
それでも黙っていると、ドアが開いて
「あら、起きてるんじゃない。大丈夫?」
と言いながらベッドのそばまで近づいてきました。
「大丈夫だよ。ちょっと疲れてるだけだから。」
そっけなく返すとマリナさんの口からビックリするような言葉が出ました。
「は~ん、サトシ君年頃だからといって少しやり過ぎてるんじゃない?」
いきなりそんなことを言われてボクは恥ずかしくなる、マリナさんから目をそらし黙っていました。「サトシ君の部屋のごみを片付けてるとザーメンのにおいプンプンしてるもん。ほとんど毎日でしょ?でもしょうがないよね。若いんだもん。」
そういいながら頭をなでてくれました。この時すでにボクのおちんちんはカチカチの状態でした。どうしてそんな行為に出てしまったのか、いまだにわからないのですが、何かに動かされているように僕はマリナさんの手をつかむと反対の手を腰に回し、すばやくきゃしゃなマリナさんをベッドに倒しました。ちょうどボクとマリナさんがベッドで横向きに向き合うような体勢になったのです。そのままボクが上になってマリナさんにかぶさろうとすると
「キャッ、サトシ君、やめて。どうしちゃったの?」
マリナさんは必死に抵抗してボクをはねのけようとしますが、力の差ははっきりとしていてボクは上からマリナさんに抱きつきました。ボクのビンビンになったおちんちんがマリナさんの太股のあたりに当たっています。そして自分の口から思いもしなかった言葉が出ました。
「ママ、ママ」
ボクはそう言いながらマリナさんにキスをしました。「ママ」という言葉が効いたのでしょうか。マリナさんの力がすっと抜けていくのがわかりました。ボクのほうから舌を差し入れるとマリナさんも舌を絡ませてきました。その時ふと我にかえって「しまった!!とんでもないことをしている。」そう思いながら、もうやめようかとも思いました。しかし、ボクのおちんちんはもう爆発寸前でここでやめれるはずもありません。さっきまでもみ合っていたので気づかなかったのですがマリナさんは体がきゃしゃな割には胸はけっこう大きかったのです。ボクは震える手で着ていたワンピースの上から胸をそっと揉んでみました。キスをしながら揉んでいるとマリナさんの吐く息が何か甘いように感じました。そしてあのときのように「ウンッ、アンッ」という声がもれてきました。そのままの状態で少し時間が経ったときマリナさんがそれまで閉じていた目を開いてボクを見上げ
「サトシ君。そんなんじゃエッチできないよ。」
ボクはその一言で動きが止まってしまいました。
「サトシ君、ママとエッチがしたいの?」
したいに決まっていましたが、こんな風に聞かれると答えに困ります。マリナさんはさらに追い討ちをかけるように
「ママとしたいんでしょ?ママのおマンコにおちんちんを入れたいんでしょ?ちがうの?」
ボクはかろうじてうなずきました。
「毎日おちんちんで遊ぶし、学校はサボるし、ママとエッチしたいなんて悪い子!!」
マリナさんはボクのおでこを指先でつつくとボクをどかし、一度下に下りて行きました。戻って来るとボクを仰向けに寝かせ
「じゃあママがエッチの仕方を教えてあげるからそのとおりにするのよ。」
と言いながらボクの隣に横たわりました。
「さっきのキスはよかったわよ。でもその後がダメ。女の子の胸はただ揉んだらいいってわけじゃないの。トップの乳首が一番感じるの。だから親指が乳首をなでるようにするの。やってみて」
ボクは言われたとおりにしました。
「そうよ。いいわよ。女の子がもっとして欲しいかどうかは声でわかるわね。胸の次はここよ。」
そう言うとボクの右手をワンピースの裾から太股の内側に差し込みました。
「いきなりさわっちゃだめ。太股から少しずつ上へ上へとなでていくの。少しじらし気味のほうが感じるのよ。」
マリナさんが導いてくれるとおりにしているとやがて指先があの部分に触りました。ショーツ越しに柔らかいものがありました。しかもじっとりとしています。「ここにおちんちんが入るんだ!!」そう思うと気持ちがあせって力が入ってしまいます。
「ダメダメ、もっとやさしく!!」
「ママごめんなさい。」
「いいのよ、だって初めてだもんね。でもサトシ君上手よ。ママもう感じちゃってるもん。」
しばらくボクはマリナさんのおマンコをショーツの上からなでていました。時々指が割れ目に食い込むようになると
「アッ、アッ、いいわ。もっと、もっとォ。」
と言いながら太股をよじるように動きます。
「そろそろしようね。」
マリナさんはボクにパジャマを脱ぐように促し、自分もさっさとワンピースを脱ぎブラジャーもはずすとショーツ一枚になりました。ブリーフ一枚になったボクを抱き寄せるとブリーフの中に手を突っ込んできました。おちんちんの先からは我慢汁が大量にあふれてズルズルでした。そのおちんちんの皮を剥くように手で包み込んでいました。かなり前から爆発寸前だったボクのおちんちんは初めて女の人に触られた興奮と亀頭から伝わる強烈な刺激に我慢できなくなって
「あっ、ママ出ちゃう、出ちゃう。」
そ言ったのが最後でマリナさんの手の中にビュ~ッと勢いよく射精してしまいました。
「うわっ、すっご~い!!こんなに出るのね。」
ブリーフから抜き取った手を見てマリナさんはとても驚いていました。ボクのブリーフを脱がすとくるっと丸めてベッドの下に置きました。おちんちんは少し柔らかくなったようでした。
「じゃあ、ここからはママに任せてね。」
マリナさんはボクのおちんちんを握ると亀頭のあたりをなめ始めました。そして口に含むと舌先で亀頭を転がすようにしてくれました。手でやるのと違ってとても気持ちがいい!!思わず声を出したりしているうちにすっかり堅さを取り戻したのを確認するとマリナさんはショーツを脱ぎました。
「もう一回触って。胸もおマンコも今度は直接よ。」
ボクはさっき教えられたとおりに左手で乳首をなでるように胸を揉み、片方の乳首を舌先で転がしてみました。そして右手はマリナさんのおマンコに。もうすっかりズルズル状態でした。割れ目に沿ってなでてみたり、時々割れ目に指を入れてみたりしました。するとマリナさんはアンも夜と同じすすり泣きのような声を出しながら
「いいィ~、いいわよサトシ君。もっと、もっとよ~!!」
もうすっかり感じているようでした。ボクはおちんちんをおマンコに入れたくてしようがなくなり、マリナさんの足を開くとおちんちんを入れようとしました。ところが
「ちょっと待って。このままじゃダメ。ゴム付けないと。」
マリナさんは起き上がるとさっき下から持ってきたポーチを開け、中から銀色の四角い包みを取り出しました。
「これわかる?コンドームよ。結婚するまではこれをちゃんと付けないと赤ちゃんできたら困るでしょ。私はサトシ君のママでしょ。赤ちゃんできたらややこしいもんね。」
そんなことを言いながらいきり立ったボクのおちんちんにゴムをかぶせてくれました。ゴムをかぶせ終わるとボクの両肩を引き寄せるようにして自分から仰向けになりました。
「じゃあ入れて。サトシ君のおちんちんをちょうだい。」
ボクがなかなかうまく入れられないでいるとマリナさんはそっと手を添えてくれました。
「そう、そこでいいよ。そのままずうっと押し付ければいいよ。」
言われるままに腰を前に押し付けるようにすると、僕のおちんちんは柔らかいものに包まれていきました。ヌルッという感じでマリナさんのおマンコに入っていったのです。すっかり中に入るとボクは自然に腰を動かしていました。薄いゴムが隔てていてもおマンコの温かさと微妙におちんちんをつかむような感触は気持ちいいのを通り越して思わず声が出るほどでした。
「ママ、気持ちいい!!気持ちいいよ~っ!!」
「ママもいいわ、もっと、もっとして。サトシ君上手よ、アア~ッ!!」
さっき出したばかりなのに入れて5分くらいで亀頭の先からあのむずがゆいようなくすぐったいような感覚がおちんちんの付け根に広がってきました。今出してしまったらもったいないような気がして必死に我慢しましたが
「ママ、もうダメ。出そう、出ちゃうよ。」
「いいのよ、サトシ君出して。ママの中で出して。」
その言葉に誘われるようにビュ~ッとマリナさんのおマンコの中で射精しました。おちんちんは何度も何度もヒクヒクしながら精液をいっぱい吐き出しました。頭の中が空っぽになったようで、全身がしびれるようなスゴイ快感でした。ボクはマリナさんにしがみついていました。マリナさんは小さな子をあやすように頭をなでてくれました。そしてこんな会話を交わしました。
「気持ちよかった?」
「ウン。」
「サトシ君に教えてあげれてよかった。これでもう大人よ。今度は好きな女の子とするのよ。」
「ウン。でもママはまだイッてないんでしょ?」
「じゃあ、イカしてくれる?」
「ウン。」
「生意気言って。この子は。」
二人は離れると後始末をしてもう一度抱き合いました。もうボクは自然にマリナさんのおマンコに手をやり、割れ目に指を這わせます。入り口付近の少しとがった部分に指が触れたとき
「そこ、そこよ。そこが一番いいの」
マリナさんの言葉通りにその部分を指先でさするようにしながら、また乳首を舌先で転がしました。いつのまにか堅くなったぼくのおちんちんをマリナさんはしごいています。そのうちマリナさんは「サトシ君、もう一回入れて。今度は一緒にイケそう。」
枕もとのゴムをもうひとつ開けるとすばやくおちんちんにかぶせ、今度はボクの上にまたがりました。あの夜と同じです。
「アッ、アッ、アッ」
そんな声を出しながらマリナさんは腰を激しく前後させます。今日のマリナさんはあの夜よりも激しいように思えました。ボクも負けずにあの夜のお父さんより激しく突き上げました。そのうち
「サトシ君、いいよ~、いいよ~、イク、イク、イク~ッッ!!」
ぎゅうっとボクにしがみつくようにして絶頂を迎えたようでした。ボクも次の瞬間マリナさんのおマンコの中で3回目の射精をしました。
 その後のことです。お父さんはボクが高校を卒業した年に心臓病で亡くなり、僕は大学をやめて働くことになりました。マリナさんとボクは隣の町で一緒に住んでいます。近所の人はボクたちを仲のいい夫婦だと思っているようです。実はあの日以来マリナさんとボクはお父さんの目を盗んではSEXしていました。もちろん子供ができないようにゴムはしていました。



幼馴染・親友・友達 | 【2015-09-27(Sun) 00:00:00】 | Trackback:(0) | Comments:(388)

テスト期間に始まった妹との行為

俺も一時期、自分は変態だと悩んでいたからね。
昔の王族の血縁婚とかを無理矢理引き出して、自分の中で正当化しようとしていた時期もあったw

まずは当時のスペックね


中学3年。テニス部だったが引退し、これから受験勉強って感じだった。
背は小さい。小学生くらいの頃はそうも思わなかったんだけど
中学生くらいの頃からチビの部類に入ったみたい。
もちろん今もチビ。身長を聞いたことはないけど
今でも150?くらいなんじゃないかと。
見た目は気の強さが顔に出てる感じ。実際に気が強い
系統は有名人では浮かばない。
数年前、甲子園で青い服のチアの画像があったけど
あの女と同系統。可愛いかどうかは別として。
頭が良くて英語が得意。当時から英検とかバンバン受けてた。
小学生の時は学級委員とかもしてたみたい。


高一。男子校で部活ばっかやってた。
今は180?あるけど、当時は特にでかい系ではなくて
普通の背格好の人として扱われていた。
ずっと部活とかもやってたしスポーツは人並みにできてた。
でも頭はどちらかと言うと劣等性気味だった。
授業中寝てたし。

親は共働きっぽい感じ。
母親はなにやら資格を持ってて
週3で日中、事務所でパートしてた。
何の資格だったか未だにわからない。聞いたことはあるんだけど忘れた。
そんな感じだから夕飯も9時とかだし、小さい頃から妹と二人で過ごす事は多かった。
最初のきっかけは二学期の中間テスト前、妹のオナニーを見てしまった事。
エロ話の中ではよくあるシチュエーションだけど、本当の話。
普段は俺は部活をしてたので家に帰るのは早くて7時くらいだったけど、その時はテスト期間で
部活がなく、妹よりも早く家に帰ってて、ベッドに寝転んで勉強もせずに漫画を読んでた。
すると妹が帰ってきて、そのまま自分の部屋に入って行った。
部屋の位置関係は真ん中に階段があって、階段の目の前が妹の部屋。俺の部屋はその奥。
反対側には親の寝室。
妹が帰ってきて少しすると、妹の部屋からベッドがギッギッと軋む音が聞こえる。
たまにでかい音でギッとなったりしている。
俺は「オナニーしてたりして」とほぼ冗談っぽく思った。
高校に進学して女のいない世界に閉じ込められ、しばらくしていた俺の頭はけっこうエロで充満してた。
でもいくら俺がエロでも「妹=オナニー」の構図はさすがに俺の中ではリアリティがないし、もし事実だったとしても正直見たくないと思ってた。
でも、もしかしたらという興味と期待のような悪戯心が出て、こっそり妹の部屋の前に行ってみた。
俺は部屋のドアを全開にしていたので、物音ひとつ立てず、妹の部屋の前に行くと妹もドアを全開にしていた。
たぶん、俺が帰ってきてる事に気付いてなかったのだろう。
妹はドア側(俺が見てる側)に足を向け、そして足をガバっと開いて腿を触ったり、股間をゆっくり指でなぞったりしていた。
もう片方の手でオッパイをぎこちなくTシャツの上から撫でていた。
パンツにはなにやらピンクの柄が入っていたのを思い出した。
本当にやってるとは思わないので、信じがたい光景を目にした気分だった。
しかも、それまでは妹のオナニーなんて見たくないと思ってたのに、俺はあり得ないほどカチカチに勃起し
目が釘付けになってそこから動けなくなった。
最初は腰をビクッと引きながら「う」とか「ん」とか小さく漏れる感じの声しか出していない、大人しい感じだったが
パンツとTシャツに手を入れたあたりから、徐々に動きと声が激しくなっていった。
俺も同調して妹のテンションが上がるにつれて頭が膨張してパンクしてしまいそうだった。
普段の妹からはまったく想像もできない姿だった。
小さい頃から知っている俺にとって妹は女じゃなく、「妹=性」がどうしても結びつかなかった。
でも、その時は思いっきり「女」だった。妹がAVと同じような喘ぎ声を出すなんて思ってもみなかった。
妹が絶頂に達して放心状態になるまでを全部見てから俺はこっそり部屋に戻った。
妹は誰も家にいないと思って結構でかい声を上げていた。だから俺は困った。
考えた末、ずっと寝てた事にしようと、ベッドや椅子の軋み音を出さないように
床に寝転がって漫画を読んだりしていると、妹がドアを閉める音が聞こえた。
ラッキーと思って、こっそり下に降りて、玄関のドアをガラガラッガラガラッと大きく開け閉めして
「ただいま」と言って部屋に戻って、堂々と電気をつけた。
そして、妹の喘ぎ声やパンツの中でモゾモゾと蠢いていた妹の手、妹の手の動きに合わせて形を変える
Tシャツ越しの胸の膨らみを思い出してオナニーした。
その日は何度オナニーしても収まらなかった。時間を置けばすぐに、快感に浸り、口を半開きにして
自分の身体を自分で刺激している妹の姿が脳裏をよぎって勃起してしまうのだ。

その日からは、もう妹のエロスの虜だ。
それまでは妹の胸の膨らみなんて、母親の胸が膨らんでるのと同じで
まったく眼中になかったのだが、その日以降は夕食時など、妹の胸を凝視するようになった。
胸だけじゃなく、生足なんかも完全にエロの目線で見てた。
妹が完全に性の対象になってしまったのだ。
俺はもう一度妹のオナニーが見たくて、色んな方法を考えた。
エロのパワーは色んなアイデアを引き出してくれた。
まず、帰ってきてる事がバレないように、裏口に靴を置いた。
天袋という場所だろうか。押入れの上にある収納スペース。
そこの上に天井裏に行けるよう、開けられるところが俺と妹の部屋にあった。
妹が帰ってくる前に帰り、妹の部屋の天袋の引き出しを開けておく。
そして、天井裏に行けるところの蓋を見やすいように少し開けておく。
そうしておいて、俺は天井裏にスタンバった。
しかし、妹は、毎日オナニーするわけではなかった。
妹が着替えて、半裸になる姿は見れたものの、数日間オナニー姿は拝めなかった。
それでも俺は諦めず、天井裏に潜んで毎日妹を観察した。
テスト期間が終わればまた部活で、こういう機会がなくなるので必死だった。
俺が天井裏に潜んで数日後、妹は帰ってくるなり、ドアを閉めて制服を全部脱ぎ始めた。
いつもは下着までなのに、その日はブラジャーやパンツまで脱いで全裸になった。
妹の全裸を見たのは初めてだった。ガリガリだと思っていたが脱ぐと意外と
オッパイがあった。そして少しガッカリしたというか、嫌悪感を感じたのは
陰毛がちゃんと生えていた事だった。
中三なので、生えていて当たり前なのだけど、正直その姿が生々しくて少し嫌な気分になった。
でも女に飢えまくってる俺にとってはそんな嫌悪感は些細なもので、例え相手が妹であろうと
生で女の裸を見たという興奮は大変なものだった。
素っ裸になった妹は寝転んで少しじっとした後、ゆっくりとオッパイに手を這わせ始めた。
俺は待ちに待ったその光景に「キター」と胸を膨らませて、裸で横たわっている妹に目が釘付けになった。
その日、妹は学校でよほどエロイ事があったのか、悶え方が激しく感じた。
最初から声や身体の反応は大き目だし、股間を指で、器用な動きでこねながら大きくビクンと身体全体を痙攣させたり、
頭を上げ、自分で股間のあたりを見ながら「やだ、やめて」などと自演っぽい事を言いながら腰を浮かして上下にカクカク動かし、指で弄っていた。
俺は見てはいけない妹の姿を見た気がしたが、その性欲を抑えきれず悶えている妹の姿に物凄く興奮した。
妹の手の動きに合わせて柔らかく形を変えるオッパイや中学生とは思えない腰のいやらしい動き・・・。
俺もその行為に参加したいと思った。とにかく頭に血が上ったのだ。
とにかく乱入しよう、とそう思った。
俺は体位を変えて四つん這いになって「ダメ・・・やめて、そんな」とか言いながら自分で弄ってる妹を尻目に
音をたてないように屋根裏の梁を進み、自分の部屋に降りた後、こっそり自分の部屋のドアを開け、妹の部屋に行った。
ドアの向こうで「いや、いや、ああ・・・」という遠慮のない喘ぎ声とギシギシと軋むベッドの音が聞こえる。

俺はバンッと勢いよく妹の部屋のドアを開けて乱入した。そして何食わぬ顔で「ああ、帰ってたんだ。何してるの?」と妹に声をかけた。
妹は一瞬何が起きたのかわからなかったのだろう。股間とオッパイに手を置いたまま一瞬固まって、こっちを見た。(オッパイに置いている指は乳首を摘まんでいた)
一息置いて、妹は凄い速さで近くの掛け布団を掴んで被った。そして妹は「え?どうしたの?」と責めるような声で言った。
俺は、チンチンがギンギンに勃起していたが、声は冷静を保った。
そしてベッドの縁に座り「いや、なんか苦しそうな声が聞こえてたから大丈夫かなって思ってね」みたいな、心配するような事を言った。
妹は「うん、大丈夫。とりあえず今ちょっと、こんな格好だからお兄ちゃん。ちょっと出て」と、早口で言った。
俺は、それには答えず「裸で何してたの?「やめて」とか言ってたけど」と言いながら耳の裏から首筋に指を這わせた。
妹は「何でもないから!いいから!」と布団を被ったまま語気を強めた。
普段の俺なら、それで大人しく引き下がるのだが、この時の俺は興奮しておかしくなっていた。
実の妹は家族の一人だ。その実の妹に「今、オナニーしてただろ」と言い放った。
すると妹は何も言わなくなり、強気になりかけてた顔からみるみる力がなくなり、不安気な顔つきになった。
「大丈夫だよ。皆やってる事だし。」と俺はそう言いながら掛布団をゆっくり剥がしてオッパイに手をやってゆっくり揉んだ。
頭で考えてやったわけじゃない。自動操縦のような感じで身体が勝手に動いた。
オッパイは想像より固く、そして妹は汗をかいていたので、なんというかツルンという感触だった。
「続きをやっていいよ。見ててあげる」俺はそう言ったが、妹は無言で目を伏したまま、俺と目を合わさなかった。
俺に胸を揉まれても何も言わず、流し眼のような目でそっぽを向いて無言のままの全裸の妹に
「わかった。じゃあ、俺も脱ぐよ。それなら恥ずかしくないだろ?」
と言い、俺は全裸になった。チンチンが勃起しているのでパンツを脱ぐ時は少し躊躇したが
エロスがそれを上回り、勢いで脱いだ。
この時の妹の目の動きが印象的だった。パンツを脱いでチンチンが出た瞬間、一瞬目が驚いたように大きくなったのだ。
俺が脱いでる間に再び被った掛け布団を俺は剥がし、またオッパイを撫でまわした。
「これで俺も同罪だ。恥ずかしがる事ないよ。みてよこれ。おまえの裸を見てこうなったんだよ」
といって妹の目の前に勃起したチンチンを持っていった。
妹はやっと一言だけ「キモい」とだけ言った。
俺はそれに構わず、妹の乳首にしゃぶりついた。これも自動操縦だ。頭で考えてやったわけじゃない。
そうしながら、指を妹の股間に持っていった。初めて触ったマンコの感触は、なんというか、口の中に手を突っ込む感じに似ていた。
この時、俺の頭の中に冷静な部分があって、このシチュエーションに「やってしまった、どうしよう」という気持ちがあった。
その一方で「ここまでやってしまったんだからもう引き返せない。最後までやってしまえ」という気持ちもあった。
俺はこの時、妹に「恥ずかしがる事ないよ。兄妹なんだから」とか「俺はたまたま見てしまったけど、みんなやってる事なんだから気にするな」
などとしきりに慰めるような事を言いながら妹の身体を舐めまわした。
妹は無反応だったが、乳首を口に含み、舌でペロペロすると俺の口の中で乳首がどんどん硬くなるのを感じた。
知識としては知っていたが、俺の愛撫で本当に固くなっていく乳首に興奮した。
「妹の乳首もやっぱり固くなるんだ」と。
妹は身体は反応していた。乳首は舐めれば固くなるし、マンコも濡れている。
でも妹自体が無反応で、伏し目がちに向こうを向いていた。
やはり、俺の愛撫で先程のように狂ってほしいと思った。
どうしていいかわからない、一方で
「一人の時はあれほどエロスの虜になっていた妹だ。説得すればまた簡単にエロくなる」という自信のようなものもあった。
でも妹は大人しいままだ。息も普通だし、声も出さない。
しかし妹はまったく俺の行為を拒否もしなかった。
オナニーの現場を思いっきり見られて負い目のようなものを感じていたのだろう。
俺がオッパイを揉もうが舐めようがなすがままだった。
足をM字に開こうとしてもまったく力を入れず、簡単に足を広げる事ができた。
そして俺が脚の間に顔を突っ込んで、マンコをマジマジと見ようが何も言わず、されるがままだった。

マンコはグロイという知識はあらかじめあったので、妹のマンコを初めて見た時、そんなにグロイとは思わなかった。
むしろ開くと内臓のようなデリケートな趣きがあって愛おしく思ったほどだった。
小陰唇を広げて内臓みたいに濡れて光ってるマンコを見た時、実の妹、一つ年下の妹に「女性」を感じた。
伝わらないかもしれないけど「女の子」でも「女」でもなく、「女性」だと思った。
俺は確かめるようにマンコを開いたり掻いたりしながら「どう触ると気持ちいい?さっきはどんなふうに触ってた?」などと聞いた。
もちろん妹は答えなかったが。
俺はしばらくグニグニとマンコを揉んだりした後、妹の股間に顔を近づけてむしゃぶりついた。ムッとする匂いがした。
何をやっても無反応の妹に対して、これしか対抗策が浮かばなかったのだ。
それまで無反応だった妹がビックリして「ちょっ汚い!何してんの?ああ」と言いだした。
俺はそれを無視して吸いつくように舌を押し付け、妹のマンコを貪った。
最初はしょっぱかったが、どんどん無味になっていった。

俺は妹の脚と脚の間に入り込んで、本格的にマンコを舐めた。
もちろん童貞なので、どう舐めていいかわからない。だからとにかく激しく貪った。
マンコを吸い上げたり、舌を押し付けてグリグリしたり。
妹は最初に叫んだ勢いのまま、「やめてちょっと」「だめ汚い」という声にだんだんと艶が入ってきて
「うっ・・・うっ・・・やめて・・」という絞り出すような声になった。
その「うっ」という声に合わせるように腰がビクッと動いた。
俺は愛液で顔がビチャビチャにしながら妹に「さっきみたいにもっと狂っていいよ。狂った○○ちゃん(妹の名前)が見たい」と言った。
すると、妹は急になにかリミッターのようなものが外れたのか「ああ!そんな!お兄ちゃんが・・・」みたいな、わからない事を泣きそうな声で、しかも
かなり大声のわりに聴きとれない感じで言った後、身体をビクンと震わせた。
その後の妹は凄かった。かなり激しくクネクネしたり「やめて・・・お兄ちゃんの・・・」とかうわ言のような事を喘ぎ声混じりに言った。
その後にした時もそうだが、妹はとにかくうるさい感じだった。
俺はその間、ずっと妹の汗でツルツル滑るオッパイを掴みながら股間に顔を吸いつかせて貪った。
妹の感じ方には終わりがなかった。いつイクのかもわからなかった。反応の波はあるものの、俺は終わりがわからず、舌の付け根が痛くなるまで
延々と妹のマンコに吸いついていた。
やがて俺も射精したくなったので、何度目かの妹の叫びが一段落したところで、俺は妹の股間から顔を外して「舐めてよ」と言って妹の顔にチンチンを近づけた。
始まった時はまだ普通に陽が照っていたのに、この時はすでに部屋は薄暗くて、ほぼ夜に近い感じだった。
薄暗い部屋の中で、妹は裸のままぐったりして鼻で「フーッ、フーッ」と荒く息をしていた。
そのまま寝てしまいそうな勢いの妹に俺が舐めてよというと、妹は目をこっちにむけて「やり方わかんないもん・・」と言った。
「じゃあ、俺が教えるからその通りやって」と言って、妹の手を取って起こした。
妹はよろけて「力が入んない」と半分笑って言っていた。
俺にはAVの知識しかないので教えようがなかったが、それでもチンチンに妹の手を添えさせて
「口に含んで、舌でペロペロと転がして」などと指示した。
妹はよろけながらも俺のチンチンをほおばり、言うとおりにした。
正直、俺には刺激が強すぎて、そんなに気持ちがいいとは思わなかった。
しかし、チンチンを咥えて貰っているというシチュエーションが射精を招いた。
「じゃあ、そのまま頭ごと上下して俺のをピストンして」と支持して
妹がその通りした瞬間、グググっとこみ上げてきて妹の口の中に射精した。
ビュッビュッビュッと3回くらい出たところで変な所に精液が入ったのか
それとも精液の臭いに吐き気がしたのか、妹は射精の快感に悶えてる俺から
離れて激しく咳こんでいた。
快感に支配されてた俺は、咳込んでうずくまってる妹の背中に向かってビクンビクンとしながら射精し続けた。
その後、妹に「大丈夫か」と言いながら背中をさすってやった。

妹が落ち着いて「大丈夫」と言った後は寄り添って口や背中をティッシュで拭いてやった。
実はこの時、冷静になって結構な嫌悪感を感じていたのだが、手を出したのは俺なので、そういう嫌悪感は
隠して、髪を撫でたり、話を聞いてやったりと、裸のまま精一杯優しくしてやった。
俺の中では、エッチ後の男は優しくするものなんだろう、という固定観念みたいなものがあったというのもある。
その相手が例え妹であろうと同じだった。
それが効を奏したのだろう。次の日に俺が妹に手を出してもまったく拒否されず
むしろ妹は、俺をからかうように自分から胸を押し付けたりしてきた。
初日は嫌悪感から「もう二度としない」と誓った。
しかし、そんなものは次の日、性欲が復活するとなくなっていて、学校にいる時から早く帰って妹とエッチしたくてしょうがなかった。
俺が先に帰り、妹が帰ってきたので、俺は早速妹の部屋にいった。しかし、キッカケが掴めない。
すると先に書いたように妹がからかうように「私の事をエッチな目で見てるくせに~」とか言って
胸を「ホレ、ホレ。触りたいくせに~」と押し付けてきた。
そこから俺は妹を裸に剥いて昨日と同じように妹を貪った。
妹はこころなしか、服を脱がされる時、嬉しそうな顔をして目を瞑っていた。
結局部活が始まるまで毎日勉強もせず、親が帰ってくる寸前まで俺と妹は汗だくになってお互いの身体を舐めたり触ったりしていた。

部活が始まると、俺が忙しくなった事もあり回数は減ったが、この関係は半年~一年くらい続いた。
部活が始まってからの行為は基本は夜中だが、俺は部活で疲れて親が寝るまえに寝てしまうし、妹はなにしろ行為中、かなりうるさいので、滅多にしなかった。
大抵、妹の部屋に行って行為が始まったり(受験生だったので大抵起きてた)、妹を俺の部屋に呼んでしていた。
夜中、俺が目を覚ますと妹が暗闇で俺のチンチンをフェラしてて、俺が起きると悪戯っぽく笑って抱きついて来て、そのまま行為が始まった事もあった。
夜中での行為は何時も妹は枕を口に押し当てて「う~う~」言いながら身体をくねらせていた。
期末試験の時も勉強せず、ここぞとばかりに妹と裸で乳繰り合った。妹の喘ぎ声を聞くのは久しぶりだとこの時思った。
こういう事をしていたテスト期間は3回。3回とも暗くなるまでほぼ毎日、妹は大きな声でアンアン言って身体をクネクネさせてたし、
最後は俺が妹にチンチンを咥えさせた状態で脚をじたばたしながら妹の口の中に射精してた。
妹は俺がいきそうになると口を離して悪戯っぽく笑って「いっちゃうの~?」とか言って焦らしたりもした。
それに俺が甘えて「早く~」という事もあった。今から考えると、兄妹でこの関係はさすがに気持ち悪い。
勢いあまって、そのままセックスしようとした事が何度もあったが、妹が痛がって入らず、結局しなかった。今から考えると、あの時入らなくて良かったと思う。
もし、最後までしてたらたぶん今もしてたかもしれない。
妹が「痛い!痛い!」と言って上にずり上がってる時に射精の波が来て、「せめて中で出してやる」と思ってそのまま押し付けて小陰唇の中に精液をぶちまけた事もあった。
今から考えると若さゆえの暴走だ。

実の妹に対して結構鬼畜な事をしていたとは思うが、エッチした後は普段とは違い、男として必ず優しくしてやった。妹はそれが好きだったようだ。
普段は多くの兄妹がそうだと思うけど結構横暴だったし、理不尽だったりしたからだ。
裸で、イッた後だけは抱きよせてナデナデしてやったりイチャイチャしたりしてたから、その後、際どい時間なのに二回目が始まる事もあった。
いつも最後に妹がフェラして俺が射精した後、精液を口に含んだままニコニコしながら俺の膝に座って「んっ!ん~っ」と言ってきた。
それを俺はティッシュで受けて、その後口や汗を拭いてやるのだ。
妹と俺のこういう関係は半年~一年くらいだったのだが、今から考えると後半、妹はムチャクチャエロいフェラをするようになってた。
二人でエロ動画とかを検索してみたりしてたから、たぶんそれで研究したんだろう。
そんな行為も妹が入試に受かり、高校に入ると自然と無くなっていった。妹が高一で俺が高二になってから、一学期のテスト期間に数回やったが
お互い、それぞれの世界ができて忙しくなったので、自然としなくなった。
それと同時に、しばらく拒絶してるのか気まずいだけなのかわからないが会話がなくなった時期もあった。
俺も妹がムスっとしてると、そんな行為を兄妹でしてしまった過去があるだけに話しかけられず、俺もムスっとした顔をするしかない。
そんな感じでなんだか仲が悪い感じになった。
でも今ではわりと打ち解けて話をするようになった。大学に入って俺に彼女ができたあたりからだ。
普通に会話はするのだが、その時期の事についてはお互い無かったような感じで避けてる。


近親相姦 | 【2015-09-26(Sat) 23:00:00】 | Trackback:(0) | Comments:(0)

由香里−バツイチ年増の彼女は濃厚!!

高校時代の俺は自分で言うのも変だが女に不自由をしなかった。性欲の処理にしても高校を出るまでの3年間は「マス」というものをほとんどやった覚えがない。その代わりホテル代やコンドームを買うお金に困って学校では禁止されていたバイトをしなければならなかった。(何せ家は母子家庭で貧乏だったので奨学金をもらっていた。)そしてバイト先でもきっちり年上の女性と知り合ってバイトの帰りにホテルでエッチ・・・などということは普通だった。バイト先に出入りしていた年上の保険セールスの女性にハマッたこともあった。
 保険セールスの女性というのは、後で分かったのだが32歳(俺より12歳も年上!!)の独身(実はバツイチ)。顔はけっこう整っていたが体つきは良く言えば「ポッチャリ」悪く言えば「やや太っちょ」。それまでだいたい自分の年齢前後の女としか付き合ったことのなかった俺にとって特に魅力は感じなかった。名前は名刺に「由香里」と書いてあった。ある日のバイト先からの帰り、後ろからプーッッとクラクションが聞こえた。振り返ると一台の車が左側に停まった。
「今帰り?」
由香里だった。
「うん」
「送ってこうか?乗る?」
「いいよ、駅はすぐそこだから」
「遠慮せずに乗りなよ」
じゃ、まあという感じで俺は由香里の好意に甘えて隣に乗った。女性の車というのは何かいいにおいがしていて清潔な感じだ。黙っていると。
「T君だったっけ。今どこの学校?」
「どこだと思う?」
「う~ん、けっこう頭良さそうだから国立のK大?」
「残念」
「じゃあ、私学?わかった、K学でしょ!何か育ちも良さそうだもん」
「残念、実はどっこも行ってないんだ」
「へぇ~っ、ほんと?何で?」
「高校時代ちょっと遊びすぎてさ、行くとこなかったんだ。それで今プータロー2年目の夏」
「ダメじゃん、ちゃんとしないと。家の人心配してない?」
「もう諦めてるんじゃない」
こんな会話が延々と続いた。由香里はまるで出来の悪い弟をなだめるように「ダメじゃん」を連発した。しかし、そろそろ真剣にもう一度大学に行こうと思っているところだと言うと
「よかったぁ、頑張りなよ。私これでも外大の英語科出てるから、英語だったら教えてあげるよ」
そう言いながらニッコリ笑った。始めのうちは前の景色ばかりを見ていたが、話をしながら時々横目で由香里を見ると、けっこう「かわいいな」と思った。運転している姿を横から見ると夏でもスーツを着ているブラウスの胸が突き出すように大きい。そして、シートに深く座っているので由香里がいつもはいているブラウン系のパンストに包まれた太股がタイトスカートからはみ出るように、かなり上のほうまでまくれていた。パンストの切り替えの部分が時々見えていた。プータローになってからは女性との関係が疎遠になっていたのでどちらかといえば欲望処理は風俗関係に頼っていた。だから、由香里を見ているうちに情けないほど俺のペニスは勃起していた。我慢汁が先っちょから噴出しているのが分かるほどだった。ズボンの前が膨らんでいるのを由香里に気づかれたくないのでわざと体を左側に向けたりしていた。
車はいつの間にか駅を通り過ぎて俺の家とは全然違う方向に進んでいた。
「この車どこに向かってんの?」
「さあね、どこだと思う?」
「どこって、分かるわけないだろ」
「私も分からない。何かT君と一緒にいたい気分なんだ」
「・・・・・」
「ひょっとしてT君は嫌?」
「嫌じゃないけど」
「ほんとはここが嫌がってたりして」
そう言うと由香里はいきなり、俺のすでにギンギンになっている股間を左手でギュッと掴んだ。
「いや~んっ、T君ったら。こんなになってんじゃん!」
由香里は手を離さない。それどころか掴んだまま力を入れたり抜いたり・・・。これはヤバイ!この何日か抜いてないので出てしまいそうだ。
「由香里さん、ちょっと待って。俺かなりヤバイ」
「ヤバイって?もう出ちゃうの?それは困ったわね」
由香里はその先の三叉路でハンドルと切ると山道の方に入っていった。しばらく行くと家もない山の中の一本道に入った。後ろからも前からも一台の車も来ない。
「ここならいっか」
由香里は車を停めると私を抱き寄せてキスをした。もうこうなったらヤルしかない!私は負けずに舌を差込み、由香里の胸に手を遣った。掌に余るほどの乳房だ!ブラに包まれてはいてもしっかりとした肉感と弾力が心地よい。
「ここで一回出しとこうね」
由香里は俺のズボンのチャックを下ろすとパンツからペニスを取り出して口に咥えた。フェラは風俗で慣れていたが由香里は上手い!舌の先が亀頭の下側のいちばん敏感な所に絡み付いてくる。
「ああァ~ッッ」
風俗でも声なんか出したことはなかった。しかし俺はもう我慢ができなかった。由香里が咥えて5分もたたないうちに限界に達した。
「由香里さん、もうだめ!!出る、出る」
ドビュッ、ドビュッと何度も痙攣させながら俺のペニスは由香里の口の中に射精したのだった。由香里は平然と俺の出した白いものを飲み込み
「すごくいっぱい出たね」
由香里は何か嬉しそうに潤んだ目で俺の顔を見上げながら言った。
「T君はもう経験済みでしょ?」
「うん。まあ」
「だって、舌の入れ方なんかけっこう慣れてる感じだよ。彼女いる?」
「今はいない」
「じゃあ、誰にも叱られないんだ」
「でも由香里さんはいいの?」
「私は大丈夫。2年前からフリー!!」
「ってことは」
「バツイチよ」
停めた車の中でいろいろとお互いに身の上話をした。俺が厳しい親に育てられて、結局親の思い通りにならなかったので、今は家に置いてもらってるだけということ。高校時代はせっかく私立の進学校に入ったのにもかかわらず、親への反発からセックスに溺れて落ちこぼれたこと。由香里が国立の外大を出て某一流証券会社に就職し、社内のエリートと同棲の末に結婚したものの、相手の不倫でモメた挙句に自分のほうが会社を辞めなければならなくなったこと等々。何か共鳴するものがあったのか、妙に意気投合してしまった。俺はフェラで一発抜いてもらっていたので今すぐにということもなかったが、由香里はキスと俺のモミモミですっかり感じてしまっていた。由香里のほうから俺に抱きつくようにキスを仕掛けてきた。そして
「まだ明るいのにしたくなっちゃった。うちに来る?」
「いいけど」
「じゃあ、決まり!!」
由香里は車をユーターンさせると元に道に戻り、自宅に向かった。由香里はけっこうオシャレな感じのマンションに住んでいた。けっこう儲けているらしい。玄関に入ると車の中と同じように何かいいにおいがする。これまで女の子の家へ行ったことは何度もあったが、大人の女性のところは初めてだったので妙に胸がドキドキした。玄関からまっすぐ行くとすぐにリヴィング。右手側のドアを開けるとベッドルームだった。きれいに片付いている。こういう働く女の人は掃除なんかしないと思っていた。しかし、由香里はきちんと掃除も片付けもできる女だったのだ。由香里はすぐにスーツを脱ぎ始めた。スーツの上下を脱いだ姿、つまり上はブラウス、下はパンティーストッキングという何ともいやらしさを感じる格好でベッドに座った。
「T君も服脱いでこっちおいでよ」
「う、うん」
さすが年上。エッチ経験では負けていないはずなのにほとんど圧倒された。俺はさっさと服を脱いでボクサーパンツ一枚になった。
「ヘぇーっ、いい体してるね。前のダンナなんて二十代から腹出てたからなぁ」
「一応小学校からサッカーやってたし、今でもたまにジムで体動かしてるから」
「う~ん、何か燃えてきたなァ」
そう言うと突然、由香里は俺の胸に顔をうずめるように抱きついてきた。俺は勢いでベッドに倒れる。俺の乳首のあたりに舌を這わせながら右手はパンツの中へ。一度出してから1時間くらい経っていたのでもうビンビンになっていた。由香里の豊かな胸が俺の太股のあたりに当たっている。さっきはブラウスとブラジャーが遮っていたが、今度は直に触りたくなった。体を起こすようにして由香里を仰向けにすると、俺はブラウスのボタンを素早く外し、薄い水色のブラのホックを外した。こぼれるように現れた二つの乳房は俺が今まで相手してきた女性ではいちばん大きかった。それだけではない。乳首がツンと上を向いてて、仰向けになっても形を崩さずにいた。由香里は自分からブラウスを脱いでブラを外したので、下は茶色いパンストだけになった。俺はまず両手で乳房を揉み始めた。由香里はまた俺の痛いほど固くなったペニスを握る。片方の乳首を口に含むと「アンッ」と声を出した。舌の先で転がすようにすると「ハアッ、ハアッ」と息が荒くなる。かなり感じている。そう思った俺は空いた手を下に下ろしていく。パンストのマチのところに指を二本差し込むようにして、下から上へ、上から下へと何度も往復させると体をくねらせて「アアア~ンン」と声を長く引っ張った。由香里はは両手で俺のパンツに手を掛けると膝まで下ろしペニスをしごき始めた。若い女の子と違って力の入れ方とか、亀頭の部分の摩り方とかが上手い!!俺も負けずに由香里のパンストのウエストゴムに手を掛けるとショーツごと膝まで下ろした。全裸になった由香里はポッチャリとしててもウエストくびれはそれなりにあって、肌もすべすべとしててきれいだった。茂みの部分は少し濃い目。その茂みの下にあの部分が濡れていた。指をソッと入れてみる。ヌルヌルしていて時々キュッと掴むような感触がある。入り口の突起部分に触れると膝をよじって
「アン、そこはダメ!感じちゃう」
と言いながら自分から押し付けてくるような動きをしている。その間も由香里にしごかれ続けた俺のペニスはそろそろ我慢ができなくなってきた。
「由香里さん、入れてもいい?」
「うん、いいよ。入れて!」
由香里の膝を立てて左右に開くとパンストとショーツを足から抜き取り、丸見えになったあの部分に亀頭をあてがう。由香里は両腕で俺を抱きしめてきた。ぐっと腰を突き出すとズズズっという感じで由香里の中に入っていった。コンドームをしていないので中出しはできない。しかし、由香里の中はすごく気持ちがいい。子どもを生んだことのない膣は暖かくて少し締まっているようで、何か奥の方に吸い込んでいくような感じさえした。俺は夢中になって腰を振った。その度に由香里は
「アフッ、アフッ」と善がり声を出す。
年齢の割には経験値の高かった俺はそこいらの若いやつらと違ってすぐにはイカない。さっきの車の中では溜まっていたのと由香里のテクニックで不覚をとってしまったが、今度は総簡単に出すわけにはいかない。ましてゴム無しのナマ挿入だ。
「T君っ、もっと、もっとよ、もっとちょうだい!」
俺が腰を動かすたびに由香里はあの突起の部分を俺のペニスに擦り付けるように腰を浮かせてしがみついてくる。由香里はクリが一番の急所のようだった。だから俺は意識してその角度を保って腰を前後させた。もちろんその間も両手で由香里の乳房を揉みしだき、舌先で乳首を転がす。
「アフッ、アフッ、いいわ、いいわ、もっと、もっと~ォ!!」
約十分くらいは頑張った。由香里がそろそろ絶頂に近づいてきた頃、膣の感じに変化が出た。それまで掴んでは放すような感じを繰り返していたのが、グニュグニュと揉みほぐすような動きに変わった。これは初めての感触だ。由香里の膣の壁が生き物のように俺のペニスを包み込んで愛撫してくれている。これはスゴイ。この快感にもう射精感が充満してきた。限界がやって来た。
「由香里さん、ごめん、俺ダメ。もう出そう!」
間一髪のところで抜き出して由香里のへそのあたりにビュッ、ビュッと射精した。由香里はダルそうに起き上がって、ティッシュで俺の出した白いものを拭き取りながら
「あ~あ!また自分だけイッちゃって。」
「だって由香里さんがあんまりよかったから。それにゴムしてないし・・・」
「そんな言い訳してもダメ。ちゃんと責任とって」
俺は由香里に申し訳ないのでそのまま体を下にずらしてクンニを始めた。由香里は体の向きを変えると二人は横向きの69の体勢になった。部屋中に「クチュ、クチュ」といういやらしい音が響く。由香里は柔らかくなってきたペニスを吸い込むように口の中全体で包み込む。そして例の舌の動きが敏感な部分を的確に捉える。カチカチになったのを確認して
「もう一回よ」
そう言うと俺の腰にまたがり、ペニスの先をあの部分にあてがうと腰を沈めてきた。そして、俺の肩に手を置いて腰を前後に揺すり始めた。ここまででイクちょっと手前まで来ていた由香里は
「アフッ、アフッ」を連発。
俺も由香里の動きに合わせて腰を突き上げた。それから俺は体を起こして茶臼の体位をとった。由香里は俺にしがみついてくる。俺は片方の乳首を口に含み、もう一方の乳房を揉みしだいた。
「T君、スゴイ!!当たってる、当たってる。イイィ~ッッ」
3回目だったので今度は長持ちした。やがて由香里の方が
「イッ、イッ、イックゥ~ッッ!!」
と大声で叫んで体をのけぞらせた。この声は外まで聞こえてるなと思った。
「俺はまだだから」
「T君もイッて、出していいよ」
俺は由香里の体をベッドに横たえると今度は俺が主導権を握る。由香里のあの部分はもうドロドロの状態だった。俺ひたすら腰を振る。由香里がまた「アフッ、アフッ」と言いだした頃にようやくこの日3回目の射精が近づいてきた。コンドームをしていないのでタイミングを計っていると
「ダメ、ダメ、またイッちゃう、イッちゃうよ~」
由香里は両足で俺の腰を挟み込むようにし、両腕でギュッと抱きついてきた。俺は何とか抜き出そうとしたが遅かった。ドビュッ、ドビュッと俺自身初めての中出しをしてしまった。ゴムで受け止められていない何とも言えない開放感が俺を襲った。由香里の膣内が俺の精液で満たされていく。全部出し終わってから
「ごめん、中で出しちゃった」
「きっと大丈夫だと思う。でも大丈夫じゃなかったらどうしてくれるの?」
「・・・・・・」
「うそ、うそ。T君に迷惑かけないよ。誘ったの私だから。それより私よかった?」
「うん、すごく。思ったよりうまくできなくてごめん」
「いいよ、ちゃんと2回もイカしてくれたから。今度はちゃんとゴムして思いっきり中で出そうね」
由香里はそう言うと子ども抱く母親のように俺を抱きしめてくれた。
 それ以来、俺とゆかりの関係は半年間続いた。由香里はコンドームも場所も全部提供してくれるので俺は財布の中を気にすることもなかったのだ。半年後、由香里は仕事を変えてアメリカへ行ってしまった。ただ、エッチ後の英語のレッスンのおかげで俺は無事K学に受かった。
 (作者自身が一部訂正してジャンルとタイトルを変更しました。)


その他 | 【2015-09-26(Sat) 21:00:00】 | Trackback:(0) | Comments:(0)

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