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もしも親同士の再婚でクラスの女子と兄妹になったらどうする?

父「おい、起きろ」
男「・・・なに、こんな朝から」
父「出かけるぞ」
男「・・・どこへ?まだ12時じゃないか、休みなのに」
父「馬鹿!休みだからって昼間で寝てる奴があるか!顔洗って来い」
男「・・・、眠い・・・くそ」
父「終わったらとっとと着替えて、出かける支度しろ~」
男「どこつれてくの?」
父「言い忘れていたが、会わせたい人がいるんだ」
男「?」

キキーッ

父「着いたぞ」
男「なに、ここ、料亭・・・」
父「お前がぐずぐずしてるから、ちょっと遅刻気味だ、早くこい」
男「こんなところで昼飯?」
父「しゃんとしろ、猫背!ピシっと!」
男「はい」

女将「イラッシャイマセー」

父「あ、予約している○○ですが」
女将「先方様はすでにいらっしゃいますよ」
父「あ~やっぱり、遅刻だ」
男「誰?待ち合わせ?」

ガラー

父「いやー遅れてすまない! こいつがぐずぐずするからに」
男「・・・?」

熟女「こんにちは、全然待っていないわ、気にしないで」
父「これが、うちの、あの、デキの悪い、息子です」
男「・・・?、えっと、あ、初めまして」
熟女「どうも、初めまして、よろしくね」
父「・・・え~、あ、そういえば、女ちゃんは?」
熟女「いまお手洗いにいってます、もう帰ってくると思うんだけど・・・」

男「・・・(ねぇ誰?どちらさん? まさか・・・)」
父「・・・(あ、ちゃんと紹介するから、ちょっと座ってろ)」

?「スイマセン・・・えっと・・・席はどっちでしょう?」
従業員「あ、どちら様・・・でしょうか・・・え~っと」
?「あ、あの、・・・どこだったかな・・・」

父「あ、女ちゃんかな?」
熟女「やだ、こんなところで迷うなんて・・・フフフ、ちょっとすいません」

男「・・・(あれ?この声・・・)」

ガラー

?「あ!お母さん!」
熟女「なんで普通に帰ってこれないの!恥ずかしいわね・・・」
?「だって、ここ全部個室でふすまふさがってるんだもん、何処の部屋かわすれちゃったよ」
熟女「『すずな』でしょ、ちゃんと部屋の名前覚えておきなさいよ」

父「はっはは、こんにちは女ちゃん!」
?「あ、どうも、こんにちは、○○さん・・・」

男「え・・・」

男「女・・・」
女「あれ、男くんじゃん、どうして?」

父「まぁ、まぁ、ちょっと座りなさい、まずは乾杯しよう」
熟女「さぁ、女、こっちに座るの」

男「・・・わけわかんない、わけわかんなくなってきた」
女「ひょっとして、○○さんの息子さんて、男くん?」

店員「お待たせいたしました、こちら、ビールです」
父「はいはい、ありがとう」
男「ちょ・・・とりあえず説明をお願いしますよ」
父「まずは乾杯からだ」

女「ねぇ、なんで教えてくれなかったの、分かってたんでしょ?」
熟女「サプライズがあってもいいじゃない」

父「じゃあ、とりあえずコップを持ちなさい、ほら、みんな」
熟女「準備はいい?」
男「・・・」
女「もう・・・」

父「新しい家族の始まりに」

一同「かんぱーーい」

男「って、あの、とりあえず僕だけ何も分からないみたいなんですが」
父「・・・グクグクググビビビビ プハー」
女「男くん、何も聞いてないの?」
男「そういう女は、これなんの集まりかは知らされてるの?」
女「う、うん・・・一応・・・」
熟女「○○さん、私たちのことまだ言ってないのね」
父「あ、ああ、サプライズだ、おまえんとこより、うちの息子には何も言ってないにゃん」

男「では、あの、説明を・・・」

父「はい、では、紹介します!」
熟女「紹介されます!」

父「こちらは、義母さん、お前の、新しい、母さんだ」
義母「よろしくね、男君」

男「・・・、まさかとは思ったけど、やっぱりそうでしたか」

父「こちらは、女さん、お前の、新しい、え~っと、・・・、これどっちだ?」
義母「妹?姉?」
女「知らない・・・」

男「つか、あの、・・・こちらの女さんは、クラスメートなんですけど」
父「うん、知ってるよ」
義母「だってそれが私たちの出会いのキッカケだもの」

男「・・・(言えよ)」

男「・・・えーっと、よろしく」
女「・・・よろしく・・・」

男「(気まずいなコレ)」
女「(気まずいなコレ)」

父「息子よ、なーに緊張してんですか、お前のクラスメートだろ?知った仲じゃんかね」
義母「ねぇ、あんたもいまさらネコかぶっても、あんたの素性知られてんでしょ」

男「・・・ちょっとはこっちも事情も考えて欲しいな」

~ 3日前 ~

男「最近、元気ないじゃんかよー」
女「うん・・・実は・・・」
男「何?何でも相談してみよ、聞き流すことならできるからさ」
女「実は、お母さんが再婚するらしいの」
男「へぇ、よかったね」
女「うん、でも、再婚相手の人を紹介されたんだけど」
男「へぇ」
女「あ、アンタと同じ○○さんていうひとなんだけどさ」
男「へぇ」
女「めっちゃテンション高くてー、なんかー・・・やっていけるのかなぁこの先と思って」

男「へぇ」
女「・・・いや、あの、本当に聞き流されても困るよ」
男「うん、で、それの何が悩みなの?」
女「見知らぬ男の人を父親として接しなければならないんでしょ・・・」

男「別にいいじゃないか、家族が増えるよ?やったね!女ちゃん!」
女「不吉なセリフ言わないで」
男「ごめんね、それは冗談として」

男「見ず知らずの他人が、ある日突然、特別な関係になるってのは、この世界ではごくごく自然なことだ」

女「自然かなぁ」
男「そう、会社の部下だった奴が、ある日突然上司になったり」
女「うん」
男「10年間共に過ごした人生の伴侶が、ある日突然他人の人妻になってしまったり」
女「えー」
男「両方ともうちの親父です」
女「レアケースばっかじゃん」
男「この世界では当たり前のことです」
女「つーか、お前んちバッカじゃん、狭い世界だな」
男「何が起こるかわからないのが人間関係」
女「お前のオヤジしょっぱいなー」

男「だから、女んちも、見ず知らずの人が新しい家族になるというのも」
女「うーん」
男「ごくごく一般的な、普通なことだと受け止めてみようよ」
女「でもね」

男「なんだよ、ウジウジしちゃってさ!そんなの女らしくない!」
女「だって、やっぱり、不安だよ」
男「うーん、そうかなぁ」
女「ただでさえメンタルメルトダウンな今、そういう変化はすぐには受け入れにくいよ」

男「・・・」

女「・・・何?何考え込んでるの?」

男「・・・、あのさ、じゃあ、さ、 毒をもって毒を制すってことで」
女「何?」
男「その・・・、あれだ、今ここで、そういう、特別な、体験を・・・あれだ・・・」
女「はっきり言えよ」
男「その、僕と女は、ただのクラスメートなわけだが、人間関係が突然変わるというものだ」
女「うん」
男「・・・、その、それをだな、今ココで・・・」
女「・・・大体、察しがついたけど、ちゃんと言って」

男「・・・ああ、やっぱり察しついちゃったのか」
女「早く言ってよ」

男「くぅーーー・・・っ!!やっぱまた今度なーーーーーーー!バイバイキーン!」
女「逃げた・・・」

・・・・・・

~ 戻る ~

男「(あの時、ちゃんと告白してたら、どうなってたんだろう・・・)」
女「(なんか、顔合わせずらいなぁ、男くんとこれから・・・)」

父「ほら、お前ら、盛り上がろうぜ」
義母「これからは、皆でひとつ屋根のした、仲良くしましょうね!」

男「?!」 女「?!」

男「え、みんな?一緒に暮らすの・・・ですか?」
父「だって、あの家、広いじゃーん、前の母さんでてってから、掃除しきれない部屋あるし」
男「・・・でもさ・・・」
父「部屋は2つも余ってるんだから、いっこは女ちゃんので、いっこは俺と義母さんの部屋な」
男「いや、別にいいんだけど」

女「え、あのアパート引っ越すの?」
義母「ええ、○○さんが、ウチで暮らさないかって」
女「・・・4人で?」
義母「ええ」

父「なぁ!イッキに2人ずつ家族が増えたんだ!めでたいよな!よかったよかった!」
義母「じゃあ、もう一回乾杯しちゃう?」
父「ええ!はい、かんぱーい! ほら、かんぱーい!」

男「まぁ、まぁ、よろしく・・・」
女「あ、あうん、よろしくね、男くん、・・・うー・・・」

父「えーっと、法律的なことは良く分からん」
男「はい」
父「もうめんどくさいから、お前が兄、女ちゃんを妹として接することにした」
男「それはどうして」
父「家族に何かあったとき、俺は義母をまもる、お前は女ちゃんをまもる」
男「はぁ」
父「なので、お前は、女ちゃんを常にしっかり守ってあげるべきだ、つまりお前が兄貴」
男「わかりました」

義母「えーっと、お母さん、法律とか分からないけど」
女「はい」
義母「私たちは、あんな広いおうちが手に入ったのよ?すばらしいと思わない?」
女「はぁ」
義母「貴方は男くんと仲良くするのよ、せいぜい妹として可愛がられなさい、私は○○さんを絶対離さないわ!」
女「妹かよ・・・」
義母「今まで男運なかったけど、ようやく幸運ゲットじゃあ!」
女「引くわ・・・」

男「やっと生活もひと段落ってとこかな、廊下のダンボールも片付いてきたし」

トットットット

女「あ、あの、おふろ、空いたよ・・・」
男「ああ、サンキュ」

キーバタン

男「でも、やっぱ慣れないな、女と同じ家で暮らしているなんて・・・」
男「ま、いいや、お風呂はいってこようっと」

女「う~ん、・・・まだなんか照れくさいな、どうしても自分の部屋にこもり切りになってしまう・・・」
女「それにしても、あまりにも人間関係が変わりすぎる・・・」

トットットット、ギーダタン!

女「男くん、おふろ上がったんだな」
女「・・・」

女「やっぱり、・・・モジモジするのは私らしくないな!ちょっと行ってこよう」

男「ふぅ~、ゆざめしそう・・・」
男「なんだかんだ、女とは、あまり顔合わせないよな」
男「朝は自分だけ早く先に学校いくし、教室でもよそよそしいし」
男「・・・」
男「気持ちの整理がつかないけど、とりあえず何か話してくるか」

ガチャ
ガチャ

男「あ、ああ」
女「ああ」

男「よ、よう」
女「お・・・おふろ、あがったんだ?」

男「・・・(タイミングが・・・)」
女「・・・(いいんだか悪いんだか・・・)」

男「そうだ、と、とりあえず、俺の部屋でビーマニしようぜ」
女「あ、うん、いく」

男「ホラ、アケコン買ったんだ」
女「うわー、さすがブルジョワ・・・2台で6万円、つーかコナスタじゃあもう売り切れなのに」
男「とりあえず何やる?金寺?腰寺?」
女「ハピスカ」

ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャ

女「相変わらず連打弱いねキミは」
男「うっせ、穴スクスカでもっかい勝負だろ」

女「ところでさ・・・」
男「あ?」
女「私たちのことって、クラスで言ったほうがいいのかな?」
男「・・・さぁ」
女「まだ苗字変えてないんだよね」
男「それっていいの?」
女「よくわかんない」
男「キューちゃん (※担任) は何て言ってる?」
女「家庭の事情にお任せするってってる」
男「・・・う~ん」

男「ややこしくなるから、このまま黙ってた方がいいかな」
女「何が?」
男「いや、お前、それは、その、俺のオヤジと結婚したって、苗字変わったって言ったら」
女「みんな、食いつくだろうね・・・」
男「なんだかんだカラカワレルだろうね」
女「男と同じ家で暮らしてるぅー、やーいやーい、って?あははは」
男「小学生だもんな、あいつら」
女「私たちが結婚したみたいに言われるかもね」
男「な」
女「・・・べ、別に、やな感じでもないけどね」

ガシャーン

女「あ、閉店した」
男「おま・・・そういう、な~んか微妙な空気になること言うなよ!」
女「ごめん、ごめんなさい」
男「言っとくけど、顔が真っ赤なのは湯上りだからなんだからねっ、勘違いしないでよっ!」
女「・・・すいません」

男「とりあえず、色々ルールとか決める?」
女「ああ、家の中とか?」
男「もそうだし、学校でとかも」
女「そうだね」

男「まずは、俺は、女のこと、女って呼ぶから」
女「・・・どこで?」
男「家でも、外でも」
女「はい、で私は、男くんのこと、なんて呼ぶの?」
男「・・・男くん」
女「家でも、外でも?」
男「・・・今までと変わらないな」
女「だよね、男くん、なんか意識しすぎじゃない?」
男「・・・う~ん、同じ苗字になるから、なんかつじつま合わなくなると思ったんだけど」
女「ひょっとして」
男「うん?」
女「おにいちゃん♪って呼んでもらいたい?」
男「なっ、なっ、なっ」
女「すっげぇ顔真っ赤」
男「からかうんじゃありません!」
女「冗談です、ごめん!」
男「・・・でも、一回ちょっと呼んで欲しい」
女「え?」
男「男おにいちゃんって、いや、男おにいたん で頼む」
女「・・・男おにいたん」
男「・・・」
女「なんか恥ずかしいな、もうやんないよ」

男「地球に生まれてよかったーーーーーーーー!」

・・・

男「(あれから1週間・・・なんだかんだ、元々友達だったんだ、楽しく暮らせて当たり前)」
男「(学校でもいつもと変わらないし)」
男「(うん、上手くやれてるよ)」
男「(義母さんは、ちょっと自重しろって感じだが)」

・・・
男「今日は映画を見に行きます!」
女「ラジャー!」
・・・
女「今日は一緒に図書館で勉強します」
男「は~い」
・・・
女「今何してる?」
男「部屋でゴロゴロ漫画を読んでいるのであります」
女「あ、この漫画、読みたい」
男「じゃあ、俺今4巻読んでるから、そこに1巻あるから」
女「すぐ追いつくよ」
男「ゆっくりしていってね」
・・・

女「(最初はどうなることかと思ったけど)」
女「(結局昔の関係と変わらないじゃんね)」
女「(義父も、そんなに変な人じゃないし)」
女「(男くんとも、兄妹になったからって、何も変わってないし)」

・・・

男「ただいまー・・・」

父「おう、お帰り、俺ちょっとまた出てくから、メシ適当によろしく」
男「義母さんは?」
父「なんか友達とダンススクールって言ってた」
男「またかよ、ちょっとそういうの多すぎない? 父ちゃんはこんなに働いてるのにさ」
父「まぁいってことよ、女ちゃんは?」
男「多分、部活・・・俺は休みだけど」
父「わかった、じゃあ、戸締りよろしく」
男「父ちゃんさぁ、ちょっと最近働きすぎじゃない?」
父「俺結構頑張ってるんだぜ?」
男「新しく家族4人そろったってのに、一家団欒の食事なんて、初めて会った料亭が最後じゃないか」
父「まぁ、まぁ、俺の留守中は、お前が主で、頑張れ!」

バタン

男「・・・(過労死しなけりゃいいが)」
男「・・・(つかれた、ソファーで、お昼寝してしまおう)」

スー

女「たっ、ただいまーぁー?」

女「(誰もいない・・・お母さんまたお出かけかなぁ)」
女「(義父は、事務所の方かな・・・忙しそうだし)」

女「・・・(あ、男くん・・・寝てる)」

スー スー

女「・・・(なんて天使な寝顔・・・、幸せそうやわ)」
女「・・・」

女「・・・(あの時、やっぱり私に告白するつもりだったんだよね・・・?)」
女「・・・(って、何で今そんなこと思い出すんだろう?)」

女「・・・(あーん、それにしても、天使な寝顔やわぁ・・・)」
女「・・・」

女「・・・(もうすこし見ててもいいよね?)」

・・・

フッ

男「?!」
女「・・・っ! いやっ!私じゃないよ!私じゃないから!」
男「何した?」
女「すいません、あまりにも気持ちよく寝ていたので、その、見とれてました」
男「あーそうかー・・・(よくわかんないけど、まぁいいやー、まだ眠い)」
男「一緒にねるー?・・・(眠い・・・)」
女「っ!えっ!!!?え、ええ、ええ」
男「こっちスペース開けるわ・・・(ねむ・・・)」

スースースー

女「また寝てしまった」
女「・・・(お言葉にお甘えして)」

・・・

フッ
ガバッ!

男「! ちょ・・なんでここで寝てんの?」
女「・・・ふぁ・・・起きた?」
男「・・・うっ、口くせぇ・・・」
女「お前も臭いぞっ」
男「ちょっと歯磨いてくる・・・」
女「あ、私も・・・」

ドキドキドキドキドキ
男「(そういえば、今家は、俺と女の二人っきり・・・かっ?)」
女「(やだ、そういえば、男くんとしかいないってこと?)」

義母「あ、起きた?ご飯はごめん、適当にチンしといて!」
男「・・・(帰ってたのか)」
女「・・・(チッ)」

・・・

男「季節はちょっとアレですけど、話の都合上、来週はもうクリスマスイブらしいですよ」
女「ふーん、そうなんだ、どっか遊びに行く?」
男「どこいこうかしらね」
女「お任せいたします」

男「(なんだか、ナチュラルにデートしてるけどなぁ・・・まだ付き合ってるとかではないんだろうな)」
男「(というか、兄妹だしな・・・)」

女「(男くんが家族になっただとか、そういうの関係なしに、最近いい感じじゃんね)」
女「(兄妹だけどね・・・これ以上はないんだろうなぁ・・・)」

・・・

男「待った?」
女「待ってないよ、どこいくの?」
男「今日は弁当食べてないよね?」
女「うん、言われたとおり、すげぇ腹ペコ」
男「おいしいと評判のパスタ屋に行きます」
女「パスタ(笑)」

男「じゃ行こう」
女「うん」

ギュッ

男「(あれ??今俺フツーに手繋いでる?)」
女「(・・・どうしよ、どうしよ、やっべー、高2にもなってなんでこんなことで・・・)」

・・・

女「なにこれ、意外とここのパスタ(笑)うめぇ」
男「うまいなら、『(笑)』はずせよ」
女「なんで、こんなお店知ってるの?」
男「家族で前に来たことがあるんだ」
女「へぇー、義父と、前のお母さん?」
男「それと、姉、な」
女「・・・あれ、あんたお姉さんいたっけ?」
男「あー、今はもういない。 なんかでてっちゃったよ、家出で」
女「家出?なんで?」
男「さぁ・・・なんか家の家系は女性がアウトドア派が多くて」
女「うはは、笑えねぇ」

外人「ラシャーイ カテテネー カコイイヨー ヤスイヨー」

男「よくできてるよね、こういうアクセサリーって、自分で作るのかな?」
女「作れるよ、ハンズでもキット売ってるし」
男「手作りだったら、5、000円はたけーよなー・・・これ」
女「そうだねー、どれも、うーん、いまいちくんだね、行こうか」
男「うん」
女「あ、でも、これはかわいいんじゃない?」
男「本当だ、かわいいね、値段が(500円か)」
女「目の付け所が違いますな」
男「そうですね、ま、ま、じゃ行こう」

男「(ボブ、コレ売ってくれ)」
外人「(センキューアルネー)」

女「何してんの」
男「なんでもない、行こう」
女「うん」

男「ヴァッ」
女「ひゃっ」
男「プレゼント」
女「びっくりした、これさっきの奴じゃん」
男「クリプレだ、受け取れ」
女「500円て・・・おいおい、しょっぱいな」
男「値段じゃないぞ!」

女「ありがとうよっ!」

・・・

男「(女からも、手編みのマフラーもらってしまった)」
男「(人のプレゼントに値段でケチつけたわりには、お前もベタなプレゼントしやがって)」

男「(それにしても、ずっとあのアクセサリつけてるな)」
男「(あんなデザインのどこがかわいいのやら)」
男「(イブの日は、家に帰ってもずっとあれ眺めてたし)」

男「(クリスマスプレゼント・・・)」
・・・

姉「男、プレゼントだ」
男「えー、なにこれ、服ぅ?ゲームボーイアドバンスじゃないの?」
姉「うるさい、身だしなみに気をつけないと、幸せになれないよ!」

姉「ほら、クリスマスプレゼント」
男「うは、靴・・・って、これすごくはき辛いよー」
姉「こういういい靴はいとかないと、まさに足元見られる世界なんだからね!」

・・・

男「(姉ちゃんも俺に色々プレゼントくれたよなぁ)」
男「(ファッション関連のグッズばっかで、子供の俺には不評だったが)」
男「(今でも大事にとっておいてあるもんな)」
男「(まぁ、・・・こういう、気持ちだよね、・・・家族からもらったプレゼント)」

コンコン
女「はいるよ」

男「うん」
女「お風呂空いたよ」
男「わかったー」

女「なにその靴」
男「昔姉ちゃんからもらった靴」
女「あ、ああ、お姉さん」
男「懐かしいなぁとおもって」
女「・・・、ふーん・・・」
男「俺が小さい頃に姉ちゃんがよくプレゼントしてくれてたんだけどさ」
女「うん・・・」
男「こんなアホな弟に優しくしてくれてたよなぁーとおもって」
女「・・・」
男「プレゼントってのは、あれだね、捨てられないものだよね」
女「私があげたマフラーは?」
男「あ」
女「あ?」
男「・・・ごめん、学校に・・・忘れてき」

ビシッ
男「がはっ」
女「死ね」

男「アクセサリーでしばかれた・・・、痛い・・・」

男「いてー、血でてる」
男「(下に絆創膏あったな)」

タントンタントン

男「あれ?また誰もいない」
男「・・・(書置き、父ちゃんは相変わらず事務所か・・・義母は・・・まぁ、いいや、ほっとこう)」
男「・・・(絆創膏、絆創膏)」

女「・・・(ちょっとやりすぎたかな)」
女「・・・(下か)」

タントントントン

女「げっ・・・血・・・出た?」
男「あ、いや、たいした事ないけど」
女「ちょ・・・っとちゃんと貼れてないじゃんか、貸して」
男「あ・・・ちょ・・・」

男「・・・(くそっ顔が間近にあるぜっ・・・)」
女「・・・ごめんね」
男「え」
女「・・・よくわかんないけど、・・・血でるとは思わなくて・・・ごめんなさい」
男「いや、俺も、せっかくもらったプレゼント・・・をさ、なんというか」
女「いいよ、また冬休み明けね」
男「ごめん、本当ゴメンな」

女「・・・(やばいぃ・・・顔が間近に・・・)」
男「・・・」

男「・・・(ああ、何気に見つめあってしまった)」

男「じゃ、じゃあ、俺、風呂いくから・・・」
女「う、うん、い、いっ、いってらっしゃい」

女「・・・(あれれ・・・あれれれ・・・見つめすぎだろ・・・死ねる・・・)」

・・・

男「ふぅ・・・いい風呂でした」
男「・・・」
男「・・・(さっきの女の顔が、なんか忘れられない)」
男「・・・(やっぱり女のこと、女として意識してるんだろうなぁ)」

男「今家に誰もいないなんて、残酷すぎる」

キャーーーーーーーーーーーーーーッ

男「?!」

ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ

男「女ぁっ!!!」
女「ギャーーース!」

男「ぐはっ」
女「ゴキブリがぁ!ゴキブリがぁ!」
男「とりあえず、なぜラリアットしてくるんだよ」
女「ちょっと、いいから、早く退治して!」
男「どれ」
男「あ、いた」
男「と思ったら、ベッドの下にいっちゃった・・・」

女「なんで、冬なのに、出てくるのぉーー?」
男「よく分からないけど、床暖房だからじゃないかな?」
女「関係ないでしょ!やっつけたの?」
男「ごめん、ベッドの下に逃がした」
女「ちょ・・・」
男「スプレーとかないしなぁ」
女「どうしよう、もうこのベッドで寝られない」

男「・・・」
女「・・・」

男「じゃあ・・・」
女「・・・?」

男「俺の部屋で寝ろよ」
女「え」

女「え、あ、い、いいけど?」
男「じゃ、ほら」

女「おじゃましま・・・す・・」
男「べ、別に、なに、か、かしこまってんだよ」
女「なんとなく・・・」

男「じゃあ、ベッド使えよ」
女「え、男くんは」
男「俺、下のソファーで寝る」
女「え、そんな」
男「ごゆっくり・・・」
女「ちょっと、駄目駄目、私がソファーに行きます、なぜ宿主の貴方に」
男「やどぬして・・・別に平気だし」
女「いいです、男くんはどうぞ、ベッドでお休みください」
男「いいから」
女「いいから」
男「・・・」
女「・・・」

男「じゃあさ・・・」
女「なに?」

男「一緒にベッドで寝よう!」

女「(きゃあああああああ)」
男「別にいいよな?俺たち、兄妹だもんな? なんの変なことはない!」
女「・・・(うぁ~、うぁ~、そういうときに兄妹だって言い訳するんだ・・・ずっこいなぁ、オトナってずっこいなぁ)」

男「もっと、奥行けよ」
女「・・・うん」

男「・・・」
女「・・・」

男「じゃ、電気消すよ」
女「う、うん」

パチン

女「・・・(どうしよう、どうしよう、これはどうしていいかわからない!)」
男「・・・(う~ん、勢いで言ってみたものの、よく考えたら俺チキンだし)」
女「・・・スー、スー (とりあえず、寝たふりをしよう、寝てしまおう)」
男「・・・(もう寝たのか)」
女「・・・スー、スー (寝れねぇ、寝れるわけねぇよお兄ちゃん、助けて)」
男「・・・(寝てる・・・)」
女「・・・スー、ズッ、スー(やばっ、心臓がドキドキしすぎて、寝息のリズムミスった・・・)」
男「・・・(寝顔、可愛いな)」

ムクリ

男「・・・(やっぱり下のソファーで寝よう・・・だめだ、寝れないッス)」

トントントントン 

女「・・・スー?スー?(あれ・・・?)」

チュンチュン・・・チチ・・・

男「(寝れネェ)」
男「(結局興奮して寝れなかった、冬休みでよかった)」
男「・・・(相変わらず父母は帰ってきてないと)」
男「(7時・・・おなか減った・・・ご飯作るか)」
男「(女も・・・)」

トントントントン

男「女~、朝・・・」
女「スー スー」
男「寝てるわ、そりゃそうか、まだ7時だもんな」
女「スー スー」
男「・・・(可愛いなぁ)」
男「・・・(ああ、窓からさす木漏れ日が、またまぶしくて)」
男「・・・」
男「・・・(可愛いなぁ)」
男「・・・(寝てるよな?これ、寝てるよな?)」
男「・・・」
男「・・・(アメリカでは、家族の挨拶はキッスで交わすそうだ)」
男「・・・」
男「(インターナショナルモーニン!)」

チュ

男「・・・」
男「・・・(柔らかい、柔らかいです)」

女「スー スー」
男「・・・」
男「・・・(調子に乗って、唇をはさんでみよう)」
男「・・・」
男「・・・(人間失格のような気がするが・・・もう知らない)」

ハム

男「・・・」
男「・・・(こっ、これはヤバい・・・)」
女「スー スー」
男「・・・」
男「・・・(これ以上、変な気を起こさないうちに、退散しよう)」
女「スー スー」
男「・・・」

トントントントン

女「スー スー」
女「スーゥゥゥゥ スウウスゥゥスゥス・・・・・スヴッ」

・・・
男「あけましてオメデトウ!」
女「オメデトウございます!」
男「・・・」
女「・・・」
男「なんで父ちゃんも義母さんもいないんだ、相変わらず」
女「これじゃ、お家を空けましてオメデトウだよね」
男「フラっと帰ってくるときもあるけど、もはやはぐれメタル級だよな」
女「初詣いく?」
男「行こうか」

・・・
女「つかれたー」
男「へぇー人が一杯すぎる・・・神様へのお願い事も順番待ちが大変だ」
女「さて、と、じゃあ、部屋で金寺やろ」
男「元気だな」
女「SP皆伝を和尚でやってカマイタチ2K越そうよ」
男「おk、いこうか」

・・・
男「うおおおおお、左手がつるーーー!!」
女「すげすげヴォー」
男「67発狂クルー!」

女「・・・? ん?」

男「うおおおお・・・お?」
女「何これ?」
男「何?」
女「何か、本棚の後ろに・・・挟まってる・・・」

・・・
男「あけましてオメデトウ!」
女「オメデトウございます!」
男「・・・」
女「・・・」
男「なんで父ちゃんも義母さんもいないんだ、相変わらず」
女「これじゃ、お家を空けましてオメデトウだよね」
男「フラっと帰ってくるときもあるけど、もはやはぐれメタル級だよな」
女「初詣いく?」
男「行こうか」

・・・
女「つかれたー」
男「へぇー人が一杯すぎる・・・神様へのお願い事も順番待ちが大変だ」
女「さて、と、じゃあ、部屋で金寺やろ」
男「元気だな」
女「SP皆伝を和尚でやってカマイタチ2K越そうよ」
男「おk、いこうか」

・・・
男「うおおおおお、左手がつるーーー!!」
女「すげすげヴォー」
男「67発狂クルー!」

女「・・・? ん?」

男「うおおおお・・・お?」
女「何これ?」
男「何?」
女「何か、本棚の後ろに・・・挟まってる・・・」

男「何?」
女「写真・・・」

男「あ、それは」
女「男くんと、・・・、だれこの女の人・・・」
男「あ、それは、姉ちゃんだよ」
女「姉~? 彼女とかじゃないの~?」
男「(目が笑ってない・・・)いや、本当に、姉ちゃんだよ」
女「本当に?」
男「そうだって、ほら、これが、あの、靴のプレゼントとかくれた・・・」
女「でも、仲よさげじゃない?ちょっとさ、ほら、腕組んでるけど」
男「姉弟なんてこんな、もんだろ?」
女「・・・」
男「・・・」

男「・・・(う~ん、なんかきまずい沈黙が・・・)」
男「あ、あの、それ家族3人で最後のスキー旅行行ったときのやつな、父ちゃんが撮影」
女「へぇー・・・」
男「姉ちゃん、俺が全然すべれないの知ってて、いきなり上級コースにつれてきやがってさ」
女「お姉さん、綺麗だね・・・」
男「あ、ああ、そうかな」
女「キレイだもん・・・」
男「まぁ、身内からみたらね・・・そんな・・・」
女「お姉さんのこと、好きだったんじゃないの?」
男「えっ?」

女「好きだったんでしょ、どうせ」
男「んな、わけない・・・でしょう」
女「キス」

男「えっ・・・」

女「とかしちゃったりして」
男「・・・、んなことするわけないじゃん・・・」
女「・・・ふーん・・・」

男「ねぇ、どした?なんかヘンだよ」
女「・・・なんでもないよ、グスッ」
男「顔上げて、ね?」
女「ズッ・・・なによ」

女「・・・(なんだろ、なんだろ、なんで涙が出てくるのさ)」
女「・・・(たかがマフラーを学校に置き忘れられたくらいで)」
女「・・・(というか、なぜそれを今思い出すんだろう)」
女「・・・(泣き顔見られちまってはずかしーなー)」
女「・・・(っていうか、もうこんな男くんの顔間近にあるから、もうどうでもいいや)」

男「・・・」
女「・・・」

男「(・・・やっぱ柔らかいわ)」
女「(・・・やーらかい・・・)

男「・・・(えーっと、あと何秒くらいこうしていればいいんだろう)」
女「・・・」
男「・・・(できればもう少しこのままでいたいけど)」
女「・・・」
男「・・・(鼻で呼吸するのもつらい・・・もう・・・離そう)」

スッ

女「・・・」
男「・・・」
女「・・・タネあかしすると」
男「何?」
女「本当はあの時、起きてたんだよ」

男「・・・!」
男「(やっぱり・・・)」

女「キスしてくれて、実はうれしかったりして」
男「・・・」
男「・・・(ヤバイ、可愛い・・・もうこれは抱きしめるしかない)」

ギュム

男「ごめんなさい、魔が差しました」
女「これも?」
男「今は正気です」
女「よかった」

~数日後~

顧問「よーーし、集合!」
部員「あっしゃーーーす!!!」
顧問「おあぇら、最後の夏のインターハイにむぅぇてぇーーー!!!」
部員「あっしゃーーーす!!!」
顧問「ゲロだってスポドリの代わり!地獄の猛特訓合宿、春休みスペシャルがもうすぐやってくる!!!!」
部員「あっしゃーーーす!!!」
顧問「期間は終業式後から4月まで!お前ら殺される覚悟で構えとけ!!!!」
部員「あっしゃーーーす!!!」
顧問「それでは全員いけぇぇえぇぇぇぇ!!!!!」
部員「ありあとざーーーしたーーーー!!!」

友「男、お前も春合宿参加する?」
男「ああ、どーせ大学受験があるしな、最後まで部活はやり通したいよ」
友「俺どうしよっかーなー」
男「まぁ、好きにするがいいさ」

男「・・・7泊8日間か・・・」

・・・

男「あ、あの・・・義母さん」
義母「なーにー?」
男「そういえば、ここ1週間くらい、父さんみてないんですけど」
義母「ああ、今新潟にいるみたい」
男「はぁ?なんでですのん」
義母「わかんない、何か急な仕事だって・・・」
男「・・・(一体、父ちゃん、どうしたっていうんだろう)」

男「・・・、あの、僕、終業式のあと、そのまま、部活の合宿に行ってきます」
義母「ああ、行ってらっしゃい」
男「・・・」
義母「・・・なに?」
男「いつまでとか、聞かないんですか?」
義母「いつまで?」
男「3月31日の夕方帰ってきます、じゃあ、宿題してきます」

トントントントントン

男「・・・(なんなんだ、いったい)」

女「・・・?合宿・・・?いつからいつまで?何で?何部?誰?」
男「うん、7泊8日の、っていうか、かくかくしかじか」
女「わかった・・・で、・・・行くの?」
男「え、うん、いくけど?」
女「・・・」
男「寂しい?」
女「・・・寂しい、だってお母さんも義父さんも、めったに家にいないし」
男「・・・ゴキブリ出るもんな・・・」
女「それは言うな! ・・・あと、それに」
男「それに?」
女「・・・男くんがいないと、つらいな」
男「う・・・」
女「それでも行くの?」
男「ごめん、な、俺中学の時から頑張ったバレーボール、6年間ちゃんとやり遂げたいんだ!」

女「うーーーーー」
男「ごめんね」
女「わんっ!」
男「きゃひん」

女「うそうそ、行っといで、がんばってね!」

~ 終業式(合宿)前日 ~

男「・・・(なんだろ、興奮して眠れない・・・意味わからん)」
男「(合宿の準備はオッケーだよな、うん)」
男「(2時・・・寝ないと明日に響くんだが・・・)」

男「(喉かわいた・・・)」

トントントントン・・・

ガチャ
男「(グビグビ・・・)」
男「ふー」
男「(そうだ、粉ポカリ、マネージャーに買ってきてもらわなきゃ・・・)」

ザーーーーーーーーーーー・・・・

男「・・・?(テレビの砂嵐?)」
男「(リビングの方から聞こえる・・・)」

男「(・・・、誰だ・・・?)」

父「・・・」

ザーーーーー

男「父ちゃん・・・帰ってたのか・・・」
父「あ、ああ、ただいま」
男「何砂嵐見つめてんだよ・・・さては、AVでも見てましたね?」
父「あっはっは、そうだよ、最後の男優のラストスパートにあわせて俺も必死でしごいて・・・ってバカー!」
男「疲れてるね」
父「ちょっと転寝してしまった」
男「ねぇ、本当に本気で、心配なんだけどさ、最近どうしたの?急に遠出とかさ」
父「いや、なんでもない、仕事が忙しいだけだ、忙しいうちが華だぞ」
男「本当・・・?ぶっちゃけてくださいよ、親子だし」
父「はは、本当っす」
男「浮気とかしてるんじゃなーいーのー?」
父「俺は義母ひとすじだぜ!」

男「・・・(まぁ、あっちのほうが怪しいんだけどね・・・)」
男「(久しぶりに父ちゃんの笑顔が見れた・・・ひどくやつれてるけど)」

~翌日~

男「合宿日和だねーぇー」
女「終業式日和でしょーが」
男「そうともいう」
女「そんなに合宿が楽しみ?地獄の猛特訓が?マゾ?」
男「あ、俺Mだけど、しらなかった?」
女「じゃあ、今度縛ってあげるよ」
男「・・・遠慮しておきます」
女「合宿から帰ってたらーー、楽しみにしてて」
男「しません」
女「私も応援にいったげる」
男「やめとけ、顧問怖いぞ!竹刀レーザー食らうぞ」
女「・・・つまんね」

・・・

顧問「うおりゃあああああああああああ!!!!鬼合宿じゃああああああああ!!!」
部員「ざーらーーっせ!!!ざーーーらっせーーーー!!」

男「ハァハァ・・・きつい・・・きつすぎる」
男「でもこれが、俺の6年間のバレー人生、最後一個前の試練だ・・・!」

・・・

~ 最終日の夜 ~

友「あーー、はらへったーーー」
男「(明日で合宿も最後・・・)」
男「(皆よく、がんばった・・・)」

友「ん?」
男「どうした?」
友「あれ、女じゃない?なんでこんな時間に・・・」
男「本当だ・・・(俺の様子を見に来た?)」
友「おーいおん・・フガッ」
男「ちょ!駄目だって、女をココに呼び寄せて顧問に見つかったら!何女連れ込んでんだgora!って」
友「あそか」
男「あ、俺、体育館に忘れ物した、お前先に宿舎戻ってて」
友「おー」

男「どうしたんだ・・・?」
女「えへへ、男くんがシンパイだから見に来てしまったよ」
男「まったく」
女「竹刀レーザーが飛んでこないか気をつけてたんだよ」
男「こんな時間に外でたら、義母さんが・・・って、どうせいないか」
女「・・・」
男「とりあえず寒いから、中はいろう」
女「うん・・・」

男「夜の教室って、結構不気味だよなー」
女「うん、でもさ、みんなで来ると、なんかワクワクしない?」
男「あー、わかるー」

女「はい、飲む?」
男「あ、サンキュ、奢ってくれるの?」
女「家の冷蔵庫にあったやつだけど」
男「それおれのー」

・・・

男「だから山田君はいつまでたってもロデオボーイIIから降りられないんだって言ってやって」
女「ふふふはは、アホだー」
男「はぁーは、久しぶりにしゃべった」
女「うん、はーはー、疲れた」
男「流石にこんなに夜遅くまでいちゃまずいんじゃないか?」
女「大丈夫だよ」
男「父ちゃんも義母も本当に今いないの・・・?」
女「・・・」
男「・・・?」

女「あのさ・・・」
男「どうした」
女「キスしよっか」
男「・・・え、う、うん・・・」

女「ん・・・」
男「・・・」

女「・・・、舌入れてもいいのに」
男「・・・」
女「・・・」
男「何かヘン、絶対ヘンだ・・・」
女「何が」
男「何か隠してない?」
女「別に」
男「ちょっとちゃんとこっち向いてくれない?」

女「いいからさ、続きしようよ」
女「(このままずっと男くんと一緒にいたいよ・・・)」

ギュム

男「・・・(もうなんでもいいや)」

女「あったかい」
男「相当外の風に当たってたんだな」
女「うん」
男「バーカ」

チュ

男「・・・」
女「・・・」

男「・・・(さわってもいいかな、いいよねこのシチュなら)」
女「・・・」
男「・・・」
女「くす・・・ぐったい・・・」
男「我慢・・・」
女「いいよ・・・がまん、・・・する・・から・・・」
男「うん・・・」
女「ずっとこのまま・・・一緒にいて・・・ほしいっす」
男「一緒にいるよ」

・・・

女「ん・・・う・・・男くん・・・」
男「ごめん、もう止まんないや、女」
女「・・・うん、私も・・・止まれません」

男「・・・(あ、そうだどうしよう、ゴムが)」
男「(生?まずいかな・・・どうしよう・・・)」
女「・・・?」

ソラトブ、マンダヒサコーーー!!!!!ソラトブ、マンダヒサコーーー!!!!!

男「うわっ、携帯が!」
女「びっくりした、なんでワッキーの着メロ?」

男「はい、もしもし・・・」
男「・・・え?」

・・・

キコキコキコキコキコキコキコキコキコキコキコキコキコキコキコキコ

男「あー、坂道駆け下りると夜風が気持ちいいね」
女「・・・」
男「寒いわー、って突っ込めよ」
女「・・・」
男「・・・なんで嘘ついたんだ?」
女「・・・ごめんなさい」
男「言ってたぞ、俺が合宿でかけた翌日から、二人とも家にいるようにしてたじゃないか」
女「・・・」
男「女が一人になっちゃうからって」
女「・・・」
男「急に女がいなくなるからびっくりしたって」

女「・・・スン・・ズッ・・」

男「(やばい、泣かせてしまった)」

女「・・・義父さんとお母さん、よくケンカするの」
男「え?」

男「ケンカ・・・?」
女「うん」
男「あの、料亭ではあんなに仲良さげだったじゃないか」
女「・・・わかんない」
男「・・・あ、そうだ、それは、どういうケンカ?」

女「・・・ごめん、ちょっと言いたくないかも・・・」
男「そう」
女「・・・」

男「・・・(一体何があったんだろう?)」

女「・・・(もう義父さんもお母さんも信じられない・・・)」

男「・・・(俺、女のことを、守れるかな、いや、守らなきゃ)」

女「・・・(男くん・・・)」

父「おかえり・・・」
女「・・・」

ダダダダダダ タンタンタンタン

男「無言で部屋に駆け込むなんて、なかったことだよね」
父「ああ」
男「なんで?何があったの?」
父「・・・」

男「なぁ、今、義母さんもいるんでしょ?」
父「あさって、時間を作ってくれ」
男「う、うん」
父「そのとき、話すわ」

男「・・・」

・・・

父「えー、ただいまよりー、第2回、緊急家族会議を始めます」
義母「ドンドンドン、パフーパフーパフー」

男「・・・」
女「・・・」

父「えー、前回はちょうど1年前、赤坂の××という料亭で、○○家結成記念パーティーを開催したわけですが」

女「・・・あれからもう1年たつんだ」
男「・・・ああ、話の途中で、クリスマスイブにタイムスリップしたし」

義母「そして、第2回目のとなる、今回のテーマは、えー、○○家の将来についてです」

女「・・・」
男「・・・」

父「結論から言おう」
義母「いいましょ」

女「・・・」
男「・・・」

父「この家を手放すことになりました」

男「・・・っ!え?!」
女「・・・」

義母「そして、私たちは離婚して、別々の人生を歩むことになったのです」

男「はぁああぁ?!」
女「・・・」

男「・・・、知ってた?」
女「・・・うん」
男「・・・俺だけ」
女「男くんが合宿に行ってる間、このことですごく揉めてた」
男「・・・そうか」

男「質問」
父「はい、男くん」
男「まずー、いろいろ突っ込みたいんですが、えーっと」
義母「あわてないで、ファイト」
男「そうそう、まず何故、この家を手放さなければならないのですか?」
父「はい、いい質問です」
女「・・・」
父「それは、とうさんの会社がとうさんしたからです」
男「?!」

父「父さんの建築事務所な、不景気で仕事来なくてさ」
男「新潟まで行ってたのは?」
父「いや、新潟はまた、・・・別の話だ」
男「・・・」
父「サブプライムローンのせいだな、うん」
男「いや、それは」
義母「ま~た、それだ、サブプライム、意味わかってつかってらっしゃるの?」
父「なんかこう、柑橘系の果物な香りがするやつだろ!だまってろ!」
男「・・・」
女「お母さんの離婚する理由だって信じられない・・・」
男「っ・・・あ、そうだよ、義母さんは、何故、離婚・・・やっぱり会社がつぶれたから?」
義母「だって、この広いお家もお金も全部なくなっちゃうのでしょう?」
女「・・・ひどい女」
父「別にこんな糞ババアにいまさら引っ付かれてもな!一人の方が気楽でいいしな!」
男「・・・(わけがわからない)」

男「・・・(いや、わけはわかる、会社がつぶれたのだって、両親の離婚だって)」
男「・・・(平穏無事な毎日が当たり前なわけじゃないんだから)」

女「もう・・・やめてよ・・・」
男「・・・」
父「まぁそういうこった、お前は俺と、女ちゃんは義母と一緒にくらしなせぇって」
男「・・・」
義母「あ~あ、またもとの生活になるのね・・・はぁ」

男「あのさ、女ちゃん、泣いちゃってるジャン、なにしてんの二人とも」
父「・・・」
男「それでも・・・っ・・・」
父「なんだ、言えよ・・・ 言いたいこと、全部言えよ」

男「・・・なんでもない」

男「・・・(父ちゃん、あんなに老けてたっけ)」
男「・・・(なんで、家族に何も相談しないで)」
男「・・・(一人で背負い込むんだよ)」

女「・・・(もう、・・・みんな・・・ケンカしないで・・・)」

~ 始業式 ~

友「よう、いその!」
男「誰がいそのだ、カス」
友「・・・随分老けこんでるけど、何かあったか?」
男「いや、なんでもないんだ、なんでも」
友「友達じゃないかー、水臭いなーー!」
男「シンパイさせてゴメンな」

友「なぁ、いその」
男「いそのはやめろ」
友「無理に話す必要はないけど、お前一人で抱え込む必要もないぞ?」
男「・・・ああ」
友「お前はひとりの体じゃないんだからな!」
男「ははは、誰のだ」
友「早くしないと校門しまるぞ! うおおお~僕の肛門も閉鎖されそうで~~す!!」
男「・・・、本当、いいやつだ・・・」

男「かくかく」
女「しかじか」
友「・・・そっか・・・」
男「このことは、クラスのみんなには内緒だからな」
友「うん、まぁな」
女「キューちゃんにもね!」
友「おう」

友「あのさ、いっそのこと、お前ら二人で暮らせよ、親元はなれて」
男「え?」
女「なんで?」
友「お前らの両親もさ、お前らがいなくなって、初めて子のありがたみがわかるんじゃないか?」
男「う~ん、ありがたみねぇ」
女「でも、どこに暮らせっていうの?こんな高校三年生が」
友「僕の家、何してるか知らないのかえ?」
男「お前んちって・・・」
友「アパート経営さ」
女「へぇー初めてしった」
友「こっそり、空き部屋使わせてあげるから、You住んじゃいなよ」
男「そんな」
女「それはまずいっすよ、なかじまさん」
友「なかじま言うな、 大丈夫だって、おじいちゃんボケてるから、わかんないよ」
男「いや、しかし・・・」
友「気にスンナ、友とその嫁がピンチなときに、動かないなんて漢じゃないでしょ?」
女「嫁て・・・わかってるじゃないか」

友「じゃ、そうと決まれば、さっそくデッパツー!」
男「うーん、本当にいいのか・・・?」
女「まぁ、なるようになれでしょ・・・」

男「(とはいえ、ちょっとワクワクしてたり)」
女「(とはいえ、かなりワックワックしてたり)」

・・・

女「何か食べたいもの、ある?ダーリン」
男「オムライスが食べたい・・・かな・・・」
女「牛肉安いわー、豚肉も安いわー」
男「そうだね」
女「あら、試食コーナー!試食しちゃおうかしらー」
男「ちょ・・・人波掻き分けてまで・・・」
女「ガーーーオーーー」
子供「うわあああああん」
母親「ちょっとウチの子に何するんですか・・・」
女「すいません、テンション上がってしまって」
男「(なんかすごいな、女、クライマックスだな)」

・・・

女「じゃあ、これからおいしいご飯をつくっちゃうからね!」
男「・・・無理するな、俺お前の家庭科の成績知ってるぞ」
女「リトルウェイト、ふわっふわオムライス作ってあげるから」
男「たんぽぽバージョンで頼む」
女「ラジャー」
男「(わかるのか・・・)」

・・・

男「おいしかったーー! やればできるじゃん!」
女「こういうのってやっぱりいいな」
男「何が?」
女「昔はお母さんずーっとパートで忙しかったから私が一人でご飯食べてた」
男「へぇ」
女「まぁ、○○さんと結婚した後は、別の意味で忙しいかったみたいで」
男「・・・」
女「でもね、男くんとこうやってご飯食べられるから」
男「・・・」
女「私は、ひとりじゃなくなったよ」
男「そっか・・・」

女「・・・ありがとう」

男「なんで、ありがとう?」

女「特に意味はないです」

男「こちらこそ、ありがとう」

シャワワワワワワワワ

女「・・・(やばい、いまさらながらドキドキしてる)」

男「・・・(あかん、シャワーの音だけでボッキしてしまう)」
男「・・・(うしっ、今日はゴムゴムの実もOK!)」

男「ラピュタやってる・・・2ch実況いかなきゃ・・・バルス砲が・・・」
男「いやしかし、いまはそんなもの・・・」
男「まったく興味ない」

男「俺は今」
男「この扉の向こうのラピュタに降り立つのだ」

ガシャ

女「・・・あ、あの、お風呂空きますた」
男「・・・いや、あの、今日は俺先入ったじゃん?」
女「あ、あそうでした(やややyばあばばばいい、緊張するるるるる)」
男「・・・(えーっと、えーっと、えーっと)」

男「と、とりあえず、・・・きなよ」
女「は、はひ」

女「(どどどこに座ろう)」
女「(ここでいいか、後ろ向きになって・・・えいっ)」

男「(体育すわりしている俺の膝と膝の間に体を沈めたーー!)」
男「(こ、この体勢は、風呂上りのシャンプーの匂いが俺の鼻腔を直撃だー!)」
男「(えーっと、これは、うしろから、こう・・・)」

女「(ひゃあっ、体育座りの男くんが同じく体育座りの私を後ろから抱きしめてきたー!)
女「(どうしよう、ととと、とりりあえず、・・・えーっと、キ、キスか!)」
女「(上半身をひねって、こう・・・)

男「(W体育座りから女が上半身をひねって唇を求めているーー!)」
男「(でも、この体勢はなんだかつらそうだ!ちょっと横にずれよう!)」
男「うんしょ、うんしょ、そしてギュムっ!」

女「(あーなんだか首を捻っていた体勢が随分楽になったー)」
女「(男くんの、石鹸の香りが、ほはーー、やわらけー、香りがやわらけー!)」
女「(男くんの胸板、さわっちゃおう、さわってみちゃおう)」

男「(・・・っぅう! 何っいきなり乳首をっ!恐ろしい、なんと恐ろしい!)」
男「(ならば、こちらも遠慮しない・・・むに)」

女「ひっ・・・(くすぐったい・・・でも笑っちゃいけない・・・わらっては・・あっ)」
女「うっう・・・(く・・・なんと表現してよいやら、これは・・・なんとやら・・・あっ)」
女「もっと・・・キスしよ」

チューーージュルル

男「(いかん、調子にのって舌からませーの唾液吸いまくりーのだ)」
女「(やばい、ちょっと吸引をセーブしなきゃ、男くんがヒく)」

男「・・・舌、べーって出して・・・」
女「こほ?」
男「・・・ちゅうう」
女「ぬふふふふふ・・・くすぐったい・・ってば・・・ぬふふふ」
男「ここは?」
女「あふぅ・・・っってやめて・・・不意打ちは・・・や・・あ・・・」

・・・

男「(色々やったけど、今や5分くらいキスばっかりしてる、そろそろかなぁ)」
女「(そろそろ、こられますか・・・)」

男「(携帯電話は切ってます)」
女「(テレビもちゃんと消しました)」
男「(ドアにもチェーンをつけてます)」
女「(窓にもカーテンひいてます)」

男「(蛍光灯は豆電球、我らを見守るラブホタル)」
女「(生んでくれてママセンキュー、二人の世界のラブホテル)」

男・女「合体・・・」

ピキーーーーーン

シュワーーーーーーーーーーーーーーン

女「んっ!」
男「ゴメン、ゆっくり動くから」
女「んっ・・・ん・・・」
男「(さっきまで柔らかかった体が急に硬くなってる)」
男「無理なら、無理っていいから・・・力抜いて・・・」
女「だいじょうぶ・・・続けて・・・ください」
女「(なんか、痛いけど、なんか、変だ・・・男くんが・・・ものすごく好きだ)」

男「なるべく楽にして、楽にできなかったら何もしなくていいから」
女「んんっ・・・!」
男「(あ、奥まで入ったか・・な・・・?)」
男「(すこしこのままでいよう・・・・)」
女「男く・・・ん・・・」
ギュウウウウ
男「女・・・」

男「はは、泣いてる・・・」
女「痛いから!痛いから泣いてるの!それだけ!」
男「ごめんな、もう少しこうしてたいから、もう少し我慢だ」
女「いいよ、少しといわずに」
女「・・・ゆっくり・・・していってね」

男「・・・じゃあ、ちょっとだけ動かします」
女「うん・・・」
男「う・・・」
女「・・・・っくう・・(しみる・・・ギンギンする・・・ううう、でも・・・耐える)」
男「・・・」
女「んんっ・・・ふううう、んっん・・・」
男「・・・っ!」

チュンチュチュン・・・

男「・・・肩イテェ・・・歯型ついてるだろこれ」
女「おはよう」
男「おはよう」
女「どうして顔背けるの?」
男「寝起きで口くさいから近づかないほうがいい」
女「別に口くさくてもいいよ!ギュムッ!!」
男「ううううう」
女「むむむむむ」

男「くっさー」
女「くっさー」

女「やっぱり歯は磨こうか」
男「おう」

女「ねぇ・・・」
男「?」
女「もう一回だけ」
男「うん」

~数週間後~

男「明日からいよいよ学期末テストかー」
女「そういえば、インターハイは?」
男「あー、予選敗退したけど」
女「えー、残念だったねー」
男「まぁ、俺補欠だしな」
女「補欠かよ!」

・・・
・・・

男「さーーー!明日から3連休!」
女「ビバ!試験休み!」
男「いっぱい羽伸ばそうな!」
女「うん!!何処行きましょうね!」
男「何処行こうかしら」
女「じゃあネバーランド!」
男「いいねー!」
女「キタネェオトナになんかよーーーおおおおおおお!!!」
男「なりたくねぇーーんだよーーーおおおおおお!!!」

ピンポーン

男「?・・・はーい・・・?」
女「(誰だろう?なかじまくん?)」

ガチャ

男「!!!!」

男「姉ちゃん!」

姉「よう、久しぶりだな!」

女「? 姉・・・?」

男「どうしてココが・・・っていうか、超久しぶりジャン・・・」
姉「さっき、実家に久しぶりに帰ったらさー」
女「・・・姉・・・?」
男「ツーか、連絡しろよ!何してたんだよ!!」
姉「まぁまぁ、お父さんにここの住所教えてもらったのよ、再婚してたんだねー」
男「・・・ぬぅ」
姉「あっ!貴方が、女ちゃんね、初めまして!男の姉の姉です!」
女「・・・・ど、どうも・・・(キラキラしててまぶしい・・・なんというセレビッチ)」
男「ちょ・・・なんか、それ・・・」
姉「ん?」
男「質問があります・・・」
姉「はい、男くん、どうぞ」
男「そのでかい、トランク、嫌な予感がするでありますが・・・」
女「・・・っ!(うわ、本当にでかい)」
姉「ふっふーーふーん」

男「まさかここにおいてくれとか言わないよね・・・?」
姉「ピンポン!その通り!」
女「ちょ!そんなのダメですダメです!」
姉「あら、義姉に対して冷たいね」
男「あの屋敷にすめばいいじゃんか、父ちゃんも喜ぶだろ?」
姉「やーだー、なんか辛気臭いし、女ちゃんのお母さんもイヤな顔してるし」
男「だって得体の知れない女がいきなりなぁ」
姉「だからここに!」
女「だいいち、ここ2DKなんです、けっこう2人でギリギリの領域なんです」
姉「・・・男」
男「・・・はい」
姉「ちょっと顔を貸しなさい」
男「えっと、なんでしょう」

姉「ちゅうううう」
男「!!!!」
女「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

姉「んぱっ」
男「ぷあっ、なにす」
女「なにしてんじゃごらあああああああてめぇこらビッチのクサマンが」
姉「おやちん」
男「・・・なにを・・・」
姉「はいはい、そこ邪魔邪魔、荷物いれるよーーーちょっとの間だけだから」
女「・・・」
男「・・・」

男「(にぎやかになるな・・・って俺ってばちょっと嬉しがってる・・?)」
女「ちょっと嬉しいと思ってるでしょ?」
男「なっ・・・そんなことない!」

~その夜~

姉「や~だ~、あんたもレッドカーペットが最近許せない派~?」
女「そうですよ~、だってゲストのネタ解説なんてウザイじゃないすかー」
姉「テメェーの意見はきいてねぇーよなー!」
女「なー!判定ゆるいし!」
姉「というか今田のいじり方もちょっと微妙だよねー」
女「そこへいくとあらびき団の東野はよーやっとる」
姉「わかるー」

男「・・・(なぜ打ち解けあうんだお前ら)」

姉「ちょー、私の持ってきたビールもうないよー、ここんちの冷蔵庫にはー?」
男「高校生2人で暮らしてる家で無茶言うなよ」
女「ないのかー」
男「お前も飲むなよ!」
姉「買って来いアホー」
女「そうだアホー」

男「・・・チッ」

姉「ダッシュー!5分だぞー!!がっはっはは」
女「ガッハッハッハッハッハ(やべー、実の姉ちゃんできたみたいでうれしー)」

ピロリロピロリロ

店員「エアロスミスー」
男「・・・えーっと、ビールなんてよくわかんね・・・」
男「・・・(のどごし・・・?これが一番旨そうだろ、これでいいや)」

ピッピッピ

店員「村おこし来るスタンハンセーン」

ピロリロピロリロ

男「・・・(姉ちゃんと3人・・・せっかく2人っきりの生活だったのに)」
男「・・・(くそ、何気に、楽しいじゃないか、チクショウ)」

姉「じゃーシャワー浴びてねっかなー」
女「うへー飲みすぎっすわー」
男「とりあえず寝てくれ」
姉「じゃ、先シャワー使うわ」

シャワワワワアワワワ

女「・・・ねぇ」
男「・・・ん?」
女「お姉さんって楽しい人だね」
男「騒がしいひとだよ」
女「あんなお姉さん欲しかった」
男「昔から付きあわされた身としてはうっとおしいだけだよ」
女「・・・」
男「・・・なによ?」
女「結構嬉しそうに、憎まれ口叩いてたじゃーん」
男「んなわけないっすよ」
女「やっぱりお姉さんと仲がいいね」
男「仲いいっつーか」
女「・・・チューもしてたし」
男「あれは、・・・ああいうノリなんだよ、いつもアイツは」
女「・・・」
男「・・・ねぇ」
女「私には?」
男「・・・はい」
女「ん」
男「・・・(そうですよね)」

女「ちょ・・・あ・・・」
男「・・・(むひょー、股間のトーマスがオーバーランであります)」
女「ん・・・まずいって、お姉さん、シャワー短そうだし」
男「・・・何で?」
女「んむ・・・お姉さん絶対風呂とか短そうなイメージっす」
男「・・・大丈夫だよ」
女「ひゃあぅ・・・って変な声だしちまった」

ガラー!

姉「いい湯でした♪ シャワーだけど」
男「おう」
女「じゃあ次私入りますねー」

姉「・・・」

男「というか服着てください、せめてチクビだけでも隠して」
姉「なんだ、股間のトーマスがオーバーランか?」
男「・・・(アレ?俺サトラレとかじゃないよね・・・)」

姉「・・・んー?」

男「(くそぅドキドキする、我が姉ながら、なんて抜けそうなボディだ)」

・・・

女「じゃ寝ましょうか」
男「でも布団は2セットしかないけど」
姉「2つくっつけて並べて敷いて、3人並んで寝ればいい」
男「えー」
女「修学旅行みたいっスネ!」
姉「いいでしょ」
男「・・・寝相がシンパイだけど」
姉「男、あんた真ん中ね」
男「川の字の中心かよ」
女「じゃあ私は|で」
姉「じゃあ私はJね」

男「じゃ、電気消しマース、おやすみ」
女「はーい、おやすみ」
姉「はーい、おやすみ」

パチリ

男「・・・」
女「・・・」
姉「・・・」

女「・・・クスクス」
姉「・・・フフフ」

女「・・・」
姉「・・・」

姉「・・・プゥーー」

男「テメェ、屁こくんじゃねぇ」

姉「・・・すいません」
女「クスクスクス・・・・」
男「もう・・・」

男「・・・」
女「・・・」
姉「・・・」

男「・・・っ!あぅ!」
男「ちょ・・・姉ちゃんっ!ちんこ握るな!」
姉「アタイじゃないわ」

男「え?」
女「クスクス」
男「女・・・」

女「・・・クスクス」
姉「・・・フフフ」

女「・・・」
姉「・・・」

姉「・・・プゥーー」

男「テメェ、屁こくんじゃねぇ」

姉「・・・すいません」
女「クスクスクス・・・・」
男「もう・・・」

男「・・・」
女「・・・」
姉「・・・」

男「・・・っ!あぅ!」
男「ちょ・・・姉ちゃんっ!ちんこ握るな!」
姉「アタイじゃないわ」

男「え?」
女「クスクス」
男「女・・・」

姉「なかなかやるわね、女ちゃん・・・」
姉「負けてられないわ」

むちゅーーーーううう

男「・・・!むぐぐぐ・・・ちょ・・・唇吸うなっ」
女「なっ!ならば・・・・っ」

男「ひゃぁうんっ! ちっちくびっ・・・!」
姉「むひゅ・・・、ならば私は右乳首を」

男「いい加減にしろ」

姉「・・・すいません」
女「・・・すいません」

・・・

姉「グコー・・・・ズビー・・・・シュプルルルル・・・・」

女「・・・(お姉さん寝ちゃった・・・)」
男「・・・(お前ももう寝なさい)」
女「・・・(男くんは眠れないの?)」
男「・・・(もうすぐ眠くなるから)」
女「・・・(本当に修学旅行みたいで楽しいよ)」
男「・・・(そうだね・・・)」
女「・・・(このまま3人で暮らそうっか)」
男「・・・(駄目駄目、約束どおり、住むところ見つかるまでの間だけ)」
女「・・・(・・・ガリ)」
男「・・・っ!(アゴ噛むな!)」

・・・

~翌日~

女「なぜ浮かない顔をしてるの、せっかくの休日に」
姉「どーせくだらないこと考えてるんでしょ」
男「いや、こんないい天気で美女二人両脇抱えて幸せだなーって」
女「・・・わかってるじゃないですか」
姉「うれしいこといってくれるじゃないの」

姉「あ、電車きた・・・早く」
ギュム
女「・・・!(手繋ぎやがった・・・こっちも)」
ギュム
男「・・・(なんで3人手つないでブーンしてるんだろう)」

男「(確かに二人とも可愛いし綺麗だから、考えようによっちゃおいしいよね)」
男「(左は姉で、右は妹だしな)」

・・・

~数日後~

男「ただいまー・・・」

男「(姉ちゃんいないのか、女も生徒会で遅くなるっていってたし)」
男「(久しぶりに後輩達の部活に混ぜてもらって体がベタベタだし)」
男「(ひとりで優雅に風呂でもはいっちゃおうかな)」

ザプン

男「(ふぃーーーーギモヂイイ、にごり湯の素、いいなこれ)」
男「(姉ちゃん・・・ちゃんと部屋探してるのかな・・・)」
男「(というか働いてるんだろうか・・・)」
男「(うーん・・・)」

ガチャドーン

姉「ただいまんこーー!」
男「(あ、帰ってきた)」
姉「男~?風呂入ってるの~?」
男「そうー!・・・ふぅ (騒がしいのが帰ってきやがった)」
姉「・・・」

シュル スーゥ スルルルルル ストン

男「?」
男「・・・・っ!!」

ガチャ

姉「疲れたー疲れたよーん」
男「なっ・・・なっ!なっ!」
姉「超久しぶりに背中洗ってあげる!マイブラザー」
男「ちょっと出てけよ!帰れよ!」
姉「姉弟なんだし照れるなよ」
男「照れるっていうか、ボッキしちゃうんだよ!この馬鹿が!」
姉「だからちゃんとバスタオルで隠してるじゃん」
男「いや、こういうシチュエーションで」
姉「わかったから、まーここ座れ」

グイグイ
男「ちょ・・・わかったから・・・ちょ・・・」
姉「ほら」

ゴシゴシゴシゴシゴシ

男「(なんてしなやかな手つきだ)」
姉「なんかこう、成長を感じるなー男」
男「久しぶりだからね」
姉「一緒にお風呂はいったのなんて何年ぶりだろね」
男「覚えてないよ」
姉「そんな昔じゃねぇよ!」
男「そうだっけ、あまり記・・・きゃっあっ!」
姉「やーん、こんなところに18年物の国産ワインがーー!」
男「やめっ!やぁっ、らめっ、そこは自分であら」
姉「遠慮しないで、ほら、コルクの部分をゴーシゴシ!ったらゴーシゴシ!」
男「まじでやめてっ!やめろってば!」
姉「お前のボジョレーヌーボー、一足早く解禁させたろか!」
男「もうお仕舞いっ!」

ザーバー!ザブーン

姉「あーあー、ちゃんと泡落としてないのに」
男「死ね糞姉貴」
姉「かわいいのぅ」
男「向こう向いてるから、姉ちゃんも自分の洗ってろよ」
姉「うん」

スルガチャファサガチャ

男「(背中の向こうに、全裸の姉・・・こんな密室に・・・)」
男「(いかん、ボッキが止まらない)」
姉「ふーん、ふーん、ふーーん♪」
男「(というか、こんなところに女が帰ってきたら大変だ・・・早く上がってくれ)」

姉「ところでさー男ー」
男「何」
姉「女ちゃんとはもうヤっちゃったの?」
男「なっ・・・なにを・・・」
姉「なんとなくさー」
男「・・・やっちゃってない」
姉「別にウソつかなくてもいいけどね」
男「あ、うん」
姉「でもさー、不幸なことにあんたら一応兄妹なんだしさー」
男「そういえばそうだった」
姉「まぁ、自重しなよ」
男「うーん」
姉「・・・」

男「でもなぁ、昔はクラスメートだったんだよ」
姉「そうだってね」
男「ある日突然、そういう関係になってしまったってだけで」
姉「うん」
男「接し方を変えるってのはおかしいよね」
姉「・・・」
男「・・・ねぇ?」
姉「まぁそうだよね・・・ ある日突然・・・か」
男「ん?」
姉「・・・」
男「どうしたの?」
姉「むしろ、兄弟で愛し合うこと自体、別に変なことじゃないよな」
男「どうしたの急に」
姉「アンタの場合は、たまたま親同士が結婚して、兄妹になってしまったと」
男「・・・ん」
姉「でも法律上は一応結婚できるし、まだマシなほう」
男「え、そうなの?知らなかった」
姉「・・・でも、・・・たまたま同じ親から生まれてしまった、ってケースは」
男「それはどういう意味?」

姉「だから、血の繋がった実の兄弟なら、・・・ちょっと悲惨だよね」
男「・・・うん」
姉「それこそ、許されざる愛だから」
男「・・・そうだよねぇ」
姉「・・・」
男「・・・(なんかしらんが、気まずい雰囲気・・・) あ、あのさ、話は変わるけど」
姉「なに?」
男「そういえばずっと聞けてなかったけど」
姉「うん」
男「姉ちゃんってどうして昔家出したの?」
姉「・・・(話かわってねーよ(ボソッ))」
男「え?なんて?」
姉「いや、なんでもな・・・」

ガチャーーータン

女「ただいまーー!」

男「!!!!!!!!!!!!!!!」
姉「む」

女「ふたりとももう帰ってきてるの?」
男「(生徒会おわんの早すぎだ!!死んじゃう!死んじゃう!!)」

姉「男、はい、息をすってー」
男「えっ??!!スゥーー」
姉「オラッ沈めっ!」

ガボガボガボガボガボガボガボガボガボ

ガチャッ

姉「おかえりー」
女「お姉さんか、 男くんはまだ帰ってきてないの?」
姉「あ、ちょっとコンビニいってくるって」
女「ふーん」

男「ガボガボ・・・(うぐぐぐ)」

女「あれ、泡風呂・・・?」
姉「通販で買ったのよ」
女「ふーん、後で使わせてくださいねー!」
姉「いいよん」

女「つーかお姉さん、形の良い乳してるよねー、乳首ピンクだし」
姉「そう?揉んでみる?」
男「グムムム(はやくどっか行け!)」
女「後で吸わせて!」
姉「あ、じゃあその代わり、悪いんだけど、シャンプーが切れちゃって・・・」
女「あ、じゃあ買ってきますよん、コンビニ行ってきます」
姉「おねがいっす!男についでに頼めばよかったんだけど」
女「いいっす、いいっす、いつも使ってる世界がシットするやつでいいですよねー、いってきます」
姉「いってらー」

ガチャ バタン!

ザバーーーッ!!!!!!

男「ぷあっ、ごほっげほっ!!」
姉「うむ、ナンをのがれたな」
男「もう・・・くそ姉貴が・・・」
姉「今のうちに上がれば」
男「わかってるよっ!・・・っ」
姉「?」
男「(やばっ・・・全裸の姉と、バスタブの中でこんなに密着してる)」
姉「・・・ふーん」
男「(やばい、サトラレた?)」
姉「お前、ちょっと興奮してるだろ・・・?」
男「(くそっ「お前が俺の心を読んでるのは分かってるんだぜ!」って思っておこう!)」
姉「男・・・」
男「?」
姉「ん」
男「!」

・・・

女「ただいまー」
男「お、おかえ、り」
女「あれ、私もコンビニいってきたのに」
男「あ、え、あ、すれ違いじゃね」
女「あっそう、 お姉さーん、シャンプー」

トタトタ

男「(・・・つーか、何だったんださっきのは一体)」
男「(かるく抱きつかれて、キスされた)」
男「(舌も入れられて、慌てて振り切ってしまった)」
男「(うーぁー、さっきの感触が頭から離れない・・・)」
男「(おっぱいやわらかかった)」

女「・・・?なんで頭ぬれてるの?」
男「ぎゃひっ!あ、雨降ってたんだよ!」
女「ん?晴れてるけど?」
男「超局所的なゲリラ豪雨だ!俺も初めての体験」
女「・・・?」

・・・

~翌日~

姉「ただいまんこー」
男「・・・おかえり(くっ、女早く帰って来い、気まずい)」
姉「おい、男、今日は私の晩御飯だ」
男「え、作れるの?」
姉「というか、このくらいやらせてもらえないとね」
男「あ、ああ、楽しみにしてます・・・(?)」

・・・

女「すごーい、おいしいー!」
男「・・・うん、うまいね」
姉「ガッハッハッハ、そうか、腹いっぱいくえよ、民たち」
女「わたしも腕磨かないと」
姉「料理は愛情と、ちょっとのお金よ」
男「・・・つか作れるのなら最初から作ってくれよ」
姉「だって今まで仕事忙しいかったし」
男「あ、一応働いてたんだ」
女「何のお仕事?」
姉「普通の会社で働いてるOLだよ、特に何も面白い要素はないよ」
女「ふーん」
男「ふーん」

・・・

女「ごちそうさまでした! じゃあ食器のかたずけは私がやりますね!」
姉「あ、ありがとう、っていうか、手伝」
女「いいですって、ゆっくりお茶飲んでて、 フンフンフーン」

ジャバジャバジャバカチャカチャ ジャー

男「(どうしよう、女が食器洗ってる今、聞いてみるか)」
男「(あのときのキスの意味を)」
男「・・・、あ、あのさ・・・」
姉「何?」
男「・・・いや、あ、なんでもない(きけねーよ、きけねーよ先輩)」
姉「・・・」

・・・

姉「さて、お風呂入ろうかな!」
女「どうぞー」
男「(風呂というキーワードでビクっとなってしまった)」

姉「(男ぉ~一緒にはいるぅ~?(ボソボソ))」
男「(ちょっ・・・今日は女がおもっきりいるだろ!昨日みたいに(ボソボソ))」
姉「(昨日みたいに・・・なに?ウヒヒ(ボソボソ))」
男「(・・・くぅ~~(ボソボソ))」

女「・・・(なに二人でコソコソはなしてんだろ)」

姉「じゃーお先ー」

バタン

男「(からかわれてる、くっそー、からわかれてるぞ俺、オナネタにしたろか糞が)」

女「・・・」
男「・・・なによ」
女「最近お姉さんと超仲よすぎじゃね?」
男「別に」
女「ずるいよ」

ギュム

男「・・・」
女「・・・」
男「(こんな風に抱き合うのって久しぶりかなー)」
女「ぎゅうううう」
男「はぁぁ、女ぁ、好きだぁ・・・」
女「えひひ・・・(わたしも、男くんが好きだぁ・・・)」

男「(あー、この幸せが長く続くといいのに)」
女「(あー、この幸せが長く続くといいのに)」

~数日後~

ソラトブ、マンダヒサコーーー!!!!!ソラトブ、マンダヒサコーーー!!!!!

男「(あ、家からだ・・・)」
男「はい、モスモス」

義母「久しぶり」
男「・・・、あ、どうもッス」
義母「元気で暮らしてる?」
男「まぁぼちぼちですね」
義母「そういえば、お姉さんも帰ってきたようね」
男「ええ、騒がしい身内ですいませんでした」
義母「ううん、楽しそうな人でいいじゃない」
男「まぁ3人でなんとか生活してます」
義母「・・・それでね、今度の金曜日、学校が終わった後時間ある?」
男「え?・・・大丈夫ですけど」
義母「そう、よかった、お話があるんだけど」
男「あ、でも女は多分、放課後は委員会があるかも」
義母「あ、ううん、男くんだけでいいから、 場所も、こっちじゃなくてどこか喫茶店とか」
男「え?俺だけにですか?」
義母「うん、あ、ごめん、ちょっと時間がないから、えーっと・・・5時半、5時半に」
男「はい」
義母「駅前のスタバ集で、じゃあね、バイバイ」

プッ ツー、ツー

男「・・・?なんだろう?」

~金曜日~

男「どうもです、お待たせしました」
義母「ううん、時間ピッタリよ」
男「何飲んでるんですか、それ」
義母「新作のハニーモンブランマキアートwithハニーシロップバニラフロート」
男「(うっわ、くそ甘そう、糖尿乙)・・・、お元気そうですね・・・」
義母「うん、まぁ、今回のことでは、いろいろご迷惑かけました」
男「あ、いえいえ」
義母「いきなり本題にはいっていいかしら?」
男「はい、なんでしょう」
義母「貴方達を見ていると言い出しづらいんだけど」
男「はい」
義母「私たち・・、あ、私と女は、新潟で暮らします」
男「えっ?!」
義母「あ、ごめんなさい、ちょっと話の順番間違えたかも」
男「えっと、ど、どういうことですか・・・」
義母「お父さんのお屋敷、8月末には取り壊されることが決まったの」
男「8月・・・」
義母「事務所は、実は、なんとかもったんだけどね」
男「え、倒産・・・は免れたんですか?」
義母「ええ、なんとかね」
男「・・・」

義母「それでもあの土地は売却しなきゃならなくて、8月末には出て行かなきゃ」
男「・・・で、どうして、あの、新潟に・・・」
義母「・・・、なんというか・・・、私の実家なのよ」
男「はぁ」
義母「私は、また、いちからやり直そうと思う」
男「・・・」
義母「で、女もひとりにしておくわけには行かないから、連れて行くの」
男「・・・」
義母「・・・わかってくれるわね」
男「父は何と?」
義母「『頑張れ』ってただ一言、ね」
男「・・・」
義母「今回の件で、私はすっかり、女から嫌われてるみたいだけど」
男「・・・」
義母「ちゃんと話し合って、また私を母と認めてもらって」
男「・・・」
義母「また親子でやり直していきたい」

男「・・・、その・・・いつ出発・・・」
義母「・・・来月、8月23日あたりの土曜日」

・・・

~その夜~

男「・・・」

女「(なんか難しい顔してるよ・・・(ボソボソ))」
姉「(早く一人になってオナニーでもしたいんじゃないの?(ボソボソ))」

男「(俺たちもう17、8のオトナだし)」
男「(高校でたら、俺がちゃんと働けば・・・)」
男「(女と一緒に暮らしていける)」
男「(俺にとって・・・女はかけがえのない存在なのだ)」

男「(でも・・・)」
男「(義母さんにとって、女は)」
男「(やっぱり、かけがえのない一人娘・・・)」
男「(義母さん、やり直すっていうけど)」
男「(実家に帰って、何をどうやり直すんだろう)」
男「(こういう場合・・・)」

男「(くそ、泣くなんて卑怯だよ・・・義母さんのキャラでなら、なおさらだ・・・)」
男「(あんな顔みちゃったら・・・)」
男「(タイムリミットは、8月22日・・・)」

~翌日~

男・女「ただいまー」

男「・・・あれ、書置きがある」
女「お姉さんからだ」
男「『今日は合コンなので遅くなります、先に寝ててね^p^』ですって」
女「というか、一回ここに帰ってきてんだね」
男「急遽のことで戦闘服とりにきたんじゃねーの?」
女「久しぶりに二人っきりになれたね・・・ふひひ・・・」
男「もーぅー、ちょーっとーぉー、やーらーしーいー」

~翌日~

男・女「ただいまー」

男「・・・あれ、書置きがある」
女「お姉さんからだ」
男「『今日は合コンなので遅くなります、先に寝ててね^p^』ですって」
女「というか、一回ここに帰ってきてんだね」
男「急遽のことで戦闘服とりにきたんじゃねーの?」
女「久しぶりに二人っきりになれたね・・・ふひひ・・・」
男「もーぅー、ちょーっとーぉー、やーらーしーいー」

・・・

女「ん・・・、んっ・・・」
男「はぁ、はぁ」
女「んう・・・ふぅ・・・こうしてるのって、久しぶりだね」
男「う・・ん・・・痛くない・・・?」
女「平気・・・だよ、あ、でもちょっと痛い・・・んっ」
男「ごめん、ゆっくり動く・・・」

ガチャガチャガチャ

男「(女を、義母に返すべきか、それとも抵抗すべきか)」
男「(わからない・・・わからない)」
男「(今はつかぬまの快楽におぼれていよう)」

女「う・・・あっう・・・お・・・男くん・・・」

キィ・・・

男「おん・・・」

バタン

姉「ただいまんこーーー!」

男・女「?!」

姉「まいったー、すげぇ気合入れたのに、男チームが残念な人ばかりでさぁ・・・」
姉「あ・・・」

姉「ごっ・・・ごめん!」

ギーィ、バタン!

男「・・・」
女「・・・」

女「思いっきり見られちゃった・・・」
男「カギ開ける音、気づかなかった」
女「どうしよう」
男「・・・、と、とりあえず、服着ようか」
女「・・・う、うん」
男「ちょっと、姉おいかけてくる」
女「私もいく」
男「いい、留守番してて、じゃあ」

ガチャバタン

女「・・・(なんだよもう・・・)」

・・・

バタン

女「どうだった?」
男「見つからない・・・でも、メール入った」
女「なんて?」
男「『今日は友達の家に泊まるから、気兼ねなくお愛し合いください、邪魔してゴメンね』」
女「・・・」
男「まぁ、しゃーないね」

オネガイシンデェー・・・ムシメガネデタイヨウミテェー・・・

男「お、またメール」
女「なんて」
男「『しばらく友達の家に泊めてもらう、やっぱ気まずいし、ホトボリクールまでこっちいるわ』」
女「そんな・・・」
男「(昔は俺のオナニーとかガンガン目撃してたくせに・・・)」
女「・・・なんか申し訳ない気持ちになってきたよ」
男「うん・・・」

~数日後~

義母「・・・お願いできるかしら?」
男「・・・はい、わかりました」
義母「よろしくね」

プツツー、ツー

男「・・・(う~~ん)」

・・・

男「女」
女「なに?」
男「今度の土曜日、デートしようぜ」
女「うん!!どこいく?!どこいく?!うひひ!!!」
男「3人で」
女「え・・・お姉さん、と?」
男「・・・その、お義母さん・・・と」
女「・・・行きたくないなぁ・・・」
男「でも、もう、ダイブしばらく会ってないし」
女「・・・でも・・・」
男「女と、どうしても話したいことがあるんだって」
女「・・・話したいこと・・・?」
男「・・・多分、今回、俺らが離れて暮らし始めたから、寂しくなったんだよ」
女「・・・」
男「久しぶりに親子でお出かけしたいって、俺も一緒にどうかって」
女「ナカジマくんの言ったとおりの効果だね」
男「そ、そう!そうだよな!」
女「・・・わかった、予定する」
男「おう」

~土曜日~

男「こんちわ」
女「・・・」
義母「久しぶり!いい天気フォーエバー!」
男「(こないだのスタバとはえらいテンションの違い・・・これが普通だと思ってた)」

女「・・・で、今日はどこいくの・・・」
義母「いろいろいくわよ、覚悟なさい、それLet'sDance!」
男「行こう、ね?」
女「うん・・・」

・・・

・・・

義母「あー楽しかった・・・」
男「今日一日つかれました」
女「お母さんと一緒にお出かけするのって、久しぶりだよね」
男「二人とも後半、はしゃぎすぎる」
義母「男くんは弱いのぉ、こんなんまだまだじゃない」
女「そうだ、ひとりベンチ座ってんじゃねーよ」
男「ちょっと貧血が・・・」

義母「(ねぇちょっと・・・(ボソボソ))」
男「(あ、はい、わかりました)」

男「ちょっと、ウンコしてきます、硬~~いので、30分くらいしたら戻ります」
女「は?」
男「(なんか話があるって・・・(ボソボソ))」
女「(あ・・・うん)」
義母「男くん、ありがとね」
男「あ、いえ・・・じゃあ」
女「・・・」

ブリブリブリブリブリブリ

男「(女、今日一日で、すっかり義母さんと仲直りできたみたいだな)」
男「(多分、新潟へ帰る話をするんだろうけど)」
男「(女は、どう思うんだろう・・・)」
男「(でも、どのみち・・・)」

・・・

男「あれ、お義母さんは?」
女「疲れから、先帰るって、男君によろしくって・・・」
男「そう・・・、じゃあうちらも帰ろうっか」
女「うん・・・」

・・・

男「ただいま・・・(って、姉ちゃんいないんだよな)」
女「・・・」

女「あのね・・・」
男「うん・・・」

・・・

男「(ああ、やっぱりその話だよな)」
女「・・・」
男「女、どうしたい?」
女「・・・男くんと一緒にいたいよ」
男「・・・でも」
女「お義母さんとは・・・一緒に行けない」

男「・・・」

  (義母「ちゃんと話し合って、また私を母と認めてもらって」)
  (義母「また親子でやり直していきたい」)

男「・・・」

女「男くん・・・私・・・どうしたらいい?」
男「・・・え~っと・・・」

男「義母さんは、・・・またこれから、一からやり直そうとしてるんだ」
女「・・・」
男「前の家族会議ではさ、屋敷もお金も無くなるから別れるだなんて言ってたけど」
女「・・・」
男「たぶん、あれ、強がりだよ」
女「・・・」
男「何か事情があるんだと思う」
女「・・・うん、だって、新潟に実家があるなんて、・・・初めて知った」
男「黙ってたってこと?」
女「子供の頃からおじいちゃんおばあちゃんは死んだって聞かされてた」
男「・・・」
女「実は生きてるなんて、しかも新潟にいるなんて、突然で信じられない」
男「・・・よく分からないけど」
女「・・・」
男「義母さんにとって、女は、ものすごく大切な一人娘だと思うよ」
女「・・・」
男「実は黙ってたけど、俺前に、義母さんに同じ話を聞いてた」
女「そう・・・」
男「義母さん、泣いてた・・・」
女「・・・」
男「あの義母さんがだぜ、泣くなんてずっけぇと思った」
女「・・・」
男「今日だってテンション高かったけど、でもやつれてたよな」
女「・・・」
男「・・・、その、誰かが支えてあげないと・・・って思ったりも・・・して・・・」
女「・・・」
男「・・・」

女「私たちってさ・・・普通のクラスメートだったじゃん」
男「うん」
女「で、・・・その、告られそうになって、・・・と思ったら、今度はいきなり、兄妹になって」
男「うん」
女「なんで、・・・こんなことになっちゃったんだろうな・・・って」
男「・・・」
女「あんた言ったじゃん、見ず知らずの他人が、ある日突然、
  特別な関係になるってのは、この世界ではごくごく自然なことだ、って」
男「ああ」
女「また、私たちは、見ず知らずの他人に、もどるのかな・・・」

男「そんなことは」
女「絶対やだ」
男「・・・」
女「・・・やだよ・・・」
男「・・・メールいっぱいするよ・・・高校卒業したら、会いにいくよ・・・」
女「・・・」
男「絶対、見ず知らずにもどることなんてない」
女「男くん・・・」
男「だって俺ら、元々はクラスメートだったんだからな!」
女「・・・うん」

~8月24日~

男「父ちゃんは・・・?」
義母「事務所のことで、今まだ忙しいみたい」
男「そうですか・・・」
女「・・・」
義母「・・・色々と・・・本当に・・・ごめんなさい」
男「いえ」

プルルルルルル ハッシャシマス オサガリクダサイ

義母「じゃ」
男「はい、・・・女・・・じゃあな」
女「・・・うん」
男「メール・・・するかんな」
女「・・・」
男「・・・」
女「・・・」

パタン

ガー ファンファンファンファンファンファン

女「・・・(男くん・・・)」
女「・・・(うう・・・うぇ・・・)」
女「うぇっぐ・・・えぐ・・・えっぐ・・・うぇええええあああああああ」
義母「・・・」

・・・

・・・

男「(なんていっていいか、わからなかった)」

・・・

男「(あれ、カギ開いてる・・・)」

ガチャ

男「姉ちゃん・・・」
姉「やあ、おかえり、どこいってたの?」
男「・・・別に・・・って何やってるの?」

姉「ああ、住むところ見つかったからさ、ね・・・約束どおり、出て行くよ」
男「あ、そう・・・」
姉「・・・それにこれで、気兼ねなく・・・その・・・女ちゃんと・・・ね・・・」
男「女は、もういないよ」
姉「えっ」

・・・

姉「そうなんだ・・・」
男「・・・」
姉「で、あんたは、黙って女ちゃんを帰しちゃったの」
男「黙ってって・・・これでも考えたんだ」
姉「あんたの頭でどこまで考えたんだか」
男「考えたさ!」
姉「・・・本当に好きなら」
男「好きなら」
姉「二人でカケオチしちゃえばよかったのに」
男「現実味のない、無茶な話・・・姉ちゃんの方がよっぽど思いつきの考えだ」
姉「まぁ、意気地なしだもんねあんたは」
男「・・・」

姉「・・・」
男「だからどうしろっていうんだ・・・高校生二人がカケオチしたって幸せになれんのか」
姉「私も子供だけど、あんたはもっと子供だからさ」
男「・・・」
姉「あんまり、そういう難しく考えんなよ!」
男「難しくって」
姉「思うがままに行動すればいいじゃん」
男「・・・」
姉「・・・」
男「・・・」
姉「・・・、私もさ、昔さ、ガキのくせして、小難しいことで悩んで」
男「え」
姉「挙句、逃亡しちゃったよ」
男「昔の、家出のこと・・・?」
姉「アンタが中3で、私は高校卒業したときだったよね」
男「・・・どうして・・・」
姉「・・・だ、だって・・・さ・・・」
男「・・・」

姉「・・・お、おかしいじゃん、そういうのって、好きになるのはおかしいからさ!」
男「なにが」
姉「おかしいよね・・・理屈ではわかっててもさ・・・」
男「・・・」
姉「結局こうやって・・・、弟の前に戻ってきちゃってるけどね・・・アホだよな」
男「・・・」
姉「家族にこんな感情抱くなんて異常だって、思い込んで、とっとと姿を消すなんて」
男「・・・」
姉「私もたいがい意気地なしだよね・・・」
男「・・・」
姉「・・・理屈で、自分押し込めて、いい顔振舞っても、・・・結局人生遠回りするだけじゃん」
男「・・・」
姉「・・・は、はは、ははは・・・ヘンな話してごめんね、アンタとは事情が違うモンな!」
男「なんていったらいいか・・・」
姉「よしっと、あ・・・えへへ、やな顔みられちった・・・じゃ、いくわ」
男「姉ちゃんが泣くなよ・・・」

姉「・・・あんたは!」
男「え」
姉「私みたいにならんように、しっかりすんだぞ!」
男「・・・姉ちゃん」
姉「最後に、アンタはいまいち分かってないようだから、私が教えてあげる」
男「何・・・?」
姉「あんたは、女ちゃんのことが」
男「うん」
姉「好きなんだよ!」
男「・・・」
姉「わかったか?」
男「・・・うん」
姉「じゃあな!またいつか会おうぞ!」
男「・・・」
姉「・・・」
姉「・・・ごめん、最後に・・・もういっかいだけ・・・」
男「・・・」

・・・

男「(あのときの、お風呂場でのキスは、・・・そういう意味だったんだろうな)」
男「(さっきの最後のキスも)」
男「(連絡先、聞かなかったけど)」
男「(聞かないほうよかったのかもしれない)」

男「(はぁー、 この家、こんなに広かったっけ・・・)」

男「(やばい、今度は俺が泣きそうだ・・・)」

・・・

~翌日~

ピンポーン

男「はい」
父「俺だ」

男「・・・、ひさしぶり」
父「なかなかいい部屋だな」

男「事務所、たたまなくても良くなったんだね」
父「まぁな」
男「忙しい?」
父「ああ」
男「そっか、無理しないでね」
父「義母と女ちゃんのことでは、悪かったな」
男「気にしてない」
父「義母のこと、むかついてるか?」
男「・・・全然別に」
父「そうか、それはよかった」
男「・・・」

父「あいつの名誉のために言っておこうとおもってさ」
男「うん」
父「あいつにはずっと苦労させてたんだ」
男「・・・」
父「もともと、アイツと結婚するときは、俺の事務所は、すでにやばかったんだ」
男「・・・」
父「それを承知で、俺のところにきてくれた」
男「そう・・・」

父「家空けがちだったのもな、ダンススクールとか、あれ、うそだ」
男「・・・」
父「お前達に苦労してるだなんて思わせたくなくてな、俺も義母さんも、内緒にしてた」
男「パートに出てたってことか・・・」
父「ごめんな、内緒にしてたおかげで、余計に気を使わせたみたいだ
 バカな親の単なる見栄だったよ」
男「・・・大丈夫だよ、女もわかってるよ、きっと・・・」
父「そうか」

男「これからは、また二人で頑張って暮らしてこう」
父「実はな」
男「ん?」

父「俺は、卑怯な取引をした」
男「何?」
父「実は、義母はな、実家とは縁を切っていたんだ」
男「・・・?」
父「アイツの実家は、地元の名士で、・・・まぁ、かなり裕福な暮らしはしてたんだが
 子供の頃から、かなり厳しく管理された生活でな」
男「うん」
父「アイツはそんな暮らしが嫌で、大学卒業と同時に、東京に逃げてきた」
男「うん」
父「とはいえ、いままで豊かな生活だったのがイッキに貧乏生活だ
 苦労が多かったことだと思う
 女ちゃんを女手ひとつで育ててきたんだしな」
男「わかるよ」

父「今回、俺の事務所が助かったのは、アイツの実家のおかげだ」
男「・・・えっ」
父「うちに、定期的に仕事を回してくれる代わりに、アイツと、女ちゃんを戻すようにってことだ」
男「それって・・・」
父「あそこは子供には恵まれなかったらしくてな、義母はたった一人の愛娘だったよ
 女ちゃんは、たった一人の孫娘ってことかな」
男「義母さんを売ったってこと?」
父「最低だろ?」
男「・・・」
父「でもなぁ、うちの従業員、4人は皆いい年して女房子供もローンも抱えててな
 あんなジジイじゃ再就職もままならない
 こんなときに、事務所こかすわけにはいかなかったんだ」
男「わからない」

父「おかしいよな」
男「愛し合って結婚したんじゃないの?!そんな、売るようなマネ・・・」
父「普通そうだよな
 でも、ヘリクツでトータルに考えて、俺は今回の判断をくだした」
男「・・・なんだよ、姉ちゃんみたいなこと言って」
父「・・・あいつもなんか言ってたか」
男「あ、いや、別に」
父「だいたい、サッシはつくけどね、アイツが家出した理由なんて」
男「・・・!」
父「だからさぁ、やっぱりお前には、理屈とか関係なく」

父「多少我侭に生きてもらって結構」
男「・・・」

  (姉「理屈で、自分押し込めて、いい顔振舞っても、結局人生遠回りするだけじゃん」)

男「・・・(姉ちゃん、父さん・・・)」

男「ありがとう」

父「で、いついくの?」
男「えっ?」
父「新潟」
男「えっ、いや、その、どうしようかな・・・」
父「よしっ、今から行こう!今すぐ!夏休み最後の親子DE新潟旅行だ!」
男「えっちょっ・・・マジで?!」
父「うっほほっほほー!」
男「明日始業式なんだけどーー!」

ブロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ・・・



    ~6年後~

男「白のネクタイは?」
女「あ、ごめん!忘れた・・・」
男「えー、そんなー」
女「ごめーん、まじごめーん・・・あ、別にこのいつものやつでいいんじゃん?」
男「まいっか!・・・んしょ、んしょ」
女「・・・」
男「よし」
女「よしじゃねぇ! ネクタイくらいちゃんと結びなさいよ」
男「ごめん」
女「あんたのお姉さんの晴れ舞台でしょうが・・・んしょ、んしょ」
男「・・・」
女「はいっ、できたよ」
男「ありが」
女「男おにいたん♪」

男「え・・・」

女「さ、いきましょ、ね」

男「地球に生まれてよかったーーーー!」

                      おしまい

 
 
おつかれさまでした^^

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近親相姦 | 【2015-03-12(Thu) 05:00:00】 | Trackback:(0) | Comments:(0)
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