忘れられないあの日
6月4日…。それは私にとって忘れることのできない日なのです。
あれから35年が過ぎて、そしてあの人が他界してから9年が過ぎました。
今年もまたあの日を思い出して……。
新緑の木立
あの日は梅雨のよく晴れた日でした。車は新緑の木立の登山道を絵下山に登っていきました。頂上の駐車場からは瀬戸内海の島々が美しく浮かんでみえ素晴らしい眺めでした。山頂であの人は二十二歳になった私のプロポーションをカメラに納めてくれました。下山の途中、あの人は「涼しい所に行きたいね!」と誘いかけられましたが、私はただ黙って運転するあの人の横顔を上目遣いに見つめました。暗黙の了解と受け止めたのか車は根上まで走り続け、止まったのは川辺の新緑の木立の中にたたずまいするカーホテルでした。外は新緑の木立に囲まれて涼しく、せせらぎに清らかな水が気持ちいい音を響かせて流れていました。
部屋に入るなり私は強く抱き締められ、そのまま床に転がされて唇も奪われました。だき抱えられてベットに移され、胸が柔らかく揉まれると私は無意識に抵抗……。男を知らない処女の強い抵抗でした。これまでも何回となくデートのたびに、ここまでされると強く抵抗し、あの人もそれ以上のことは求めてきませんでした。
しかし今日の私は違っていました。抵抗も弱いもので、知らず知らずの内に全身をくねらせていました。ブラウスが拡げられ、ブラジャーが下げられると、そこには素肌の乳房が曝されました。素肌の乳房が柔らかく揉み続けられる…。その手がお腹の上を伝って下がってスカートのホックにかけられ、チャックが下げられていく…。自然に性器は疼いて…。
脱がされる
スカートが下げられていく。あの人の手がスリップの下に入り、薄い布の上から花丘をまさぐり続けてきた。快い快感が全身に伝わってくる。私は心の中では、あの人が強く望むなら、もう抵抗もせず、今日はすべてをあげてもいい…と想いながら、されるままになり、もっとして欲しい…とも願っていました。自分でも潤むのがわかり、無意識にからだを上下左右にくねらせ腰をくねらせていました。
あの人の手が薄い布のゴムに掛かり、お尻に手が回り、布を脱がせにかかる…。私は自然と足をばたつかせ太腿を固く閉じながら抵抗していましたが、その抵抗はこれまでより弱い形式的なものでした。あの人を愛してはいるが、そこの部分は未だ誰にも見せたことがなく、最後の一線を越えることの勇気も未だなかったのです。
太腿を強くしめながら 「ダメ、そこはだけは許して…」と声を出して抵抗していました。しかしながら薄い布は着実に下げられていきます。黒い陰毛の丘を見られるのが恥ずかしく、また、濡れているのを知られるのも恥ずかしかった…。しかし、からだは、本能のもう一人の私に負けて、今日はすべてをあげる…と心は変わっていたのでした。
下半身が素肌の裸に
下着を脱がされまいとする抵抗が弱まり、薄い布を脱がすあの人に手助けをし腰を浮かして協力する形となっていました。あの人の手がお腹に触れ、草叢に触れ、柔らかく膨らんだ丘に触れました。ついにあの人の指がその草叢を掻き分け、窪みに達し、割れた肉の間を進んできました。そこはもう相当に濡れていて、その潤みはいつでも男を迎えるほどの準備としてできていました。
ついにあの人は私の薄い布を脱ぎとり下半身を素肌の裸にしたのでした。薄い肌掛け布団の中に二つの豊満な太腿がさらけ出され、何も着けていない真っ裸な太腿の素肌と柔らかい花丘が羽毛の肌布団に直接ふれて、無防備に曝されていました。私は自分の薄い布が脱がされ、生まれて初めてとった下半身真っ裸の仰臥の姿勢に…、心の中では、私のすべてを奪って…と、これまで固く守り通した処女を失う心に何の躊躇いもなくなっていました。
固い物が入ってくる
あの人は私を抱き寄せその上に乗りかかってきましたが、私が両足を硬く合わせているので入らない。あの人は私の脚を拡げさせ、その間に両脚を入れてくる…。どうにか私の太腿の間にあの人の両脚を埋めることができた。あの人は腰を落とし私の局部に男を向けたが、それが私のあそこにうまく触れない…。私が自分の腰を引いるので…余計に接しない。
更に太腿が拡げさせられ、再びあの人が私の上に乗り掛かってきた。あの人の固い肉幹が私の太腿に触れた。その男根ははち切れんばかり鉄の棒のように固く感じられた。私の柔かな局部にその先端が触れた。いよいよあの人の肉幹が私の身体の中に入りこんでくるのだと思った。あの固い大きなものがこの私の小さな穴に入るのだろうか…これまで人差し指しか入れたこともない小さなところに…と不安を抱いていた。
あの人の固い肉幹が私の柔らかい部分に触れてきて、割れ目を探し、入り口を探しもとめていた。私は両足を固く合わせていた。入らない…。あの人の肉幹が私の入り口に当たっていない。私が自分の腰を引いているので余計に入らない。あの人は焦っている。足を少し拡げ腰を少し浮かしてみた。
肉幹がようやくにして私の入り口を探し、ほんの少し入りかけてきた。生まれて初めて私の身体に肉幹が入りこもうとしている。その先端部分が私の柔肉に埋まりかけたかと思ったとたん、柔肉の周辺がぬるぬるとしてきた。それは愛するあの人の肉幹からはほとばしった白い精液であることを私は悟った。あの人の激しい動きはあっけなく終わった。
二度目の進入
愛のほとぼりが醒めかけようとしているとき、再びあの人の肉幹が私の柔肉の入り口付近を前後に擦り始めた。その動きがだんだん大きくなってきて、再び私を愛欲の壺を掻きたてさせてきた。そして今度は、あの人は、やや落ち着いているようで私に腰を浮かせるように囁いてきました。
あの人の肉幹が柔らかい私の入り口に触れ、その部分が柔肉の中に埋め込まれた。するとその硬いものは私の柔肉を強く突き進んできて、その瞬間、痛みが走った。やがてそれは私の奥まで強引に進んできた。あの人はゆっくりと腰を前後に運動させていたが、僅か五~六回の前後運動でその動きは止まった。あの人が頂点に達して白い液を私の奥をめがけて放出したのだと私は悟った。私には快感もなく、何がなんだかわからなかった。
処女を捧げた
とうとう男のものが身体の中に入り込み、これまで固く守り通していた私の処女はあの人の肉幹によって奪われた。そのことのみが頭の中をよぎっていた。私の目からは大粒の涙が溢れ出ていた。しかし後悔はなかった。生まれて初めて私は、自分の体の中に男のものを迎え入れ、私の身体の中であの人を射精にまで追い込み満足させてあげたという母性的な愛とが複雑に交差していた。
あの人が私の涙を拭いてくれた。私はあの人の胸の中に顔を埋め、からだをあの人に預けて甘えていた。とうとう私の処女をこの人に与えたのだ。あの人は肉幹を私の柔肉の入り口に当てたまま優しく抱き締めてくれていた。窓の外は、せせらぎの音が、静かに清らかに聞こえていました。
二十二歳となってようやく女として歩みだした思いで深い日となっていました。
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