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江戸期の奴刑、犯罪をおかした町家女性は女郎屋に身分を落とす

     
江戸期当時の町家女性の刑罰には余り死罪などは為されず、大罪でも晒(さら)し刑である罪状書きの高札で罪を示しての市中引き回しの上、穢多(えた)・非人に身分を落とす奴刑(しゃつけい)と言う「身分刑」としての閏刑(じゅんけい)が一般的である。
     
穢多(えた)・奴婢(ぬひ/奴隷)などと言うと随分古い話しだと思うかも知れないが、江戸期にもまだこの身分制度は存在し、その身分に落とす身分刑も存在した。
     
つまり町奉行所では女性には刑一等を減ずる慣習があり、よほどの重罪でなければ女性に死刑判決が下る事がなく、見せしめの為に「奴刑(しゃつけい)」とする事が多かった。
     
奴刑(しゃつけい)とは庶民たる婦女にのみに適用される閏刑(じゅんけい)で、女性の罪囚に対し人別改帳から除籍(本籍を除き)し希望者に下付し奴婢(ぬひ/奴隷)として無償で下げ渡される刑罰で、早い話が女郎屋に下し置かれて建前では一生遊郭から出られない身分刑である。
     
人別改帳から除籍された女罪人を受領した非人総取り締まり役の穢多頭(えたがしら)は、それが衒(う)り物になる女性だったら女衒(ぜげん)に売る権利を暗黙の了解で認められていた。
     
理論的には、処罰として法も倫理観も適用されない卑しい家畜身分にされた訳で、女性は結果的に女郎にされても仕方が無い。
     
そして衒(う)り物にならない女性女性の場合は、そのまま非人手下(ひにんてか)の群れの中に留め置かれて慰め者の日々を過ごす事になる。
     
つまり「奴刑(しゃつけい)」は、事実上の娼婦刑だったのである。
     
苦界と言うからには接客態度で客から苦情を言われたり、客取りに励まなければお仕置きの私刑(リンチ)に遭うのが相場の業界で、勿論、過酷な肉体労働であり半端な気持ちでは女郎は勤まらない。
     
この遊郭女郎にして客を取らせる現代で在ったら人権問題に成りそうな奴刑(しゃつけい)の刑罰でも、当時のおおらかな性習俗の価値観では死刑よりは随分お情けのある裁きで在った点は、現代の感覚とは大分時代的な相違がある。
     
それにしても、現代では終身系に相当する非人手下(ひにんてか)や奴刑囚(しゃつけいしゅう)を早々に牢屋敷から穢多頭(えたかしら)に下げ渡して無駄飯を喰わせない辺り、経費の点では現代より遥かに経済的である。
     

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その他 | 【2023-04-20(Thu) 23:00:00】 | Trackback:(0) | Comments:(0)
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