真夏の夜の夢[15]
ありきたりな表現だけど、このかわいさは犯罪であろう。最近はマサルの態度ばかり気に
なってよく顔を見ていなかったので、そのことをそれほど意識はしていなかったのだ。確
かに俗に言う美男子ではあったけど、そうゆう類とも少し違い、とにかく絶妙なかわいさ
なのである。私はマサルのおでこに汗で張り付くくせ毛をそっとどかした。
ミサキはマサルの足首とふくらはぎを両手で支えまっすぐに整える。もう一方の足も整
え終えると私たちの作戦の第一段階は終了した。股はわずかに開かれていたが、「大の字」
というよりも「小の字」になっていた。やはりマサルには「大」は似合わないわ、そんなこ
とを思いながら滑々の腕をなでてみる。少し湿り気はあるけど、そこには産毛すら感じられ
ない。ミサキも負けじと太ももをなで、私の方を振り向き笑う。
「やっちゃいますか」、私は静かにささやいた。
「ますか」
そう言うとミサキはベッドに上がり股の間と左足の横にそれぞれ膝をつき、両手をパンツの
ゴムに添えた。それは女子中学生が小学生を今にも犯そうとする瞬間に思え、私はズドンと
いう衝撃を体に受けた。やばい、この光景はやばすぎる……。私はまだ彼氏とのセックスに
も快感を覚えたことはないのだけれど、この光景にはさすがに下半身が緩むのを感じた。ミ
サキは親指以外の指をしっかりそこに潜り込ませると、「では」、と声にならないくらいに
言った。
私は体中汗で風呂上がりのようにぐっしょりだった。眼の前でマサルのパンツが下ろされて
いく。少しずつマサルの肌の色が薄くなるのが分かる。股の付け根ほどのところまで下ろさ
れると、それはオレンジの電球のもとでも真っ白に見えた。すると、そこでマサルは胸を掻
き始めたのだ。私の心臓は爆発寸前のである。マサルの様子を窺いながら、わずかにミサキ
はパンツを戻す。ミサキの心臓の音が私にも聞こえてきそうだった。どれくらいそうしてい
たのだろ、マサルは何事もなかったかのように口をポカンとし寝息を立てた。
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